効果を計る

作成日:2002-05-12
最終更新日:

1. 働きかけ

ホームページを出したからといって、すぐに客が来たり、 問い合わせが頻繁に来たりすることはまずあり得ない。 つまり、NHK の朝のドラマのようなことは、 起こらない。 ホームページは使っても減らないチラシのようなものだ。 通行人にチラシを配っても、 受け取った通行人すべてが来るのではないのと同じである。 仮に、チラシの配布効果が 0.3 % 、いわゆるせんみつとしてみよう。 1000 件のカウンタがあったからといって、実際に反応するのはわずか 3 件だ。

せんみつは極端かもしれないが、最初は過剰な期待を抱かないのがいいだろう、 ということをいいたかった。

さて、どのようにすればより多くのお客さんを獲得できるかということだが、 インターネットだから、ホームページだからといって秘策があるわけではない。 検索サイトなどに広告を出すのも一つの手であるが、 広告料が多いわりには効果を期待できるとは限らない。 というのも、インターネットそのもので取引をする商品でなければ、 ムダな投資になっているからだ。 埼玉のある蕎麦屋がインターネットで広告しても、 北海道でも沖縄でも同じように見える。まずは近所のお客さんに来てもらいたいのだとすれば、 もったいない話である。

むしろ、口コミの延長線上で考えるべきなのではないか。 例えば、常連のお客さんでホームページを持っている方に声をかけて、 リンクしてもらえるようお願いしてみる。 お客さんがどのような態度を取るかで店の評価もわかる。 客が「お金をちょうだい」という美川憲一の歌のようなことをいったらあきらめればいい。 あくまでお客さんの好意に甘えてみてはどうだろうか。

2. 効果を計る

さて、頼み込みがうまくいったら、 そのリンクの前後でアクセスカウンターの増え具合がどのように変わるかを観察しよう。 当然普段から増え具合を観察しないといけないということでもある。

リンク直後から増えればしめたものである。これでお客さんからの問い合わせも増えれば、 効果は思った通りである。 アクセスカウンターが増えなければ、 そのリンク元のお客さんのサイトからのリンクが効果がなかったことになる。 別のお客さんにもアタックしよう。

3. 履歴を分析する

プロバイダーによっては、ホームページがいつ、 どのように見られているかの記録(ログ)を提供しているところがある。 これを見ると、どのリンクから辿ってきているかが一目でわかる。 次はある架空のログから、任意の一列を取り出した例である。

202.224.39.136 - - [03/May/2002:07:54:49 +0900] "GET /sazae/index.html HTTP/1.0" 200 82644 "-" "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)"

最初の列、202.224.39.136 は IP アドレスといって、 おおまかに言えば会社やプロバイダーを代表するインターネット上の番号である。 必要ならプロバイダを特定することも、ある程度は可能である。

次とその次はどちらもハイフンであるが、今回物句的では特に関係ない。

[]内は見に来た日時と時刻である (+0900は日本時間が標準時より 9 時間進んでいることを示す。)

次の GET で始まる文字列は、見に来たページを指す。 さらに次に数字が2列, 200 と 82644 とあるが、これらの意味は省略する。

次の文字列は、前にいたページを表す。 すなわち、ここに書かれているサイトがお客さんのサイトであれば、 リンクを辿ってきたということである。 ハイフンであるということの直接の意味は、 前にいたページがわからない、ということである。 実際には、ブックマークで来た可能性がある。

最後の文字列は、使っているブラウザである。 この場合は、Microsoft Internet Explorer バージョン 5.01 を使っていると思われる。 しかし、他のブラウザでも Microsoft Internet Explorer を名乗ることができる。そのため、 参考程度にとどめるべきだろう。

これらの情報を総合すれば、お客さんを特定することもうまくいけば可能になる。 ただし、そこまで凝ることはないかもしれない。 まずはカウンターだけでもよいので、 できるところから観察することが必要だ。

この項を受けて、 「効果を計る−実践編」を書いた。 こちらも御覧頂きたい。

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MARUYAMA Satosi