§254 直接法と仮定法

作成日:2013-01-19
最終更新日:

内容

あることを事実として述べるのが直説法、あることを仮定のこととして述べるときの動詞の形を仮定法という。

考え

英語では仮定法と呼ばれるが、ドイツ語では接続法と呼ばれる。また、フランス語では条件法という。 なぜだかよくわからない。 土屋賢二先生が、「日本語で<卒業おめでとうございます>に希求法がないのが残念だ」と書いている。 この希求法というのは古典ギリシア語に固有の法で、話し手の願望を表すもののようだ。 さすが哲学の先生である。

法というものは日本語としては意識しない。動詞の変化でまかなえているからだろう。 だいたい、英語でいろいろな形の意識をすることが、日本語では意識することがない。 たとえば態(能動・受動)や時制(現在・過去・未来)などがそうだ。 英語でも意識しないのが相(ロシア語の完了体、未完了体など)で、 こういうのを意識できるのが文法のおもしろさでもあり、面倒なことでもある。

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MARUYAMA Satosi