§196 助動詞の種類と語形変化 |
作成日:2015-05-14 最終更新日: |
助動詞はかわいそうだ。本動詞がなければ意味ができないのだから。
助動詞にも種類がある。
分類は同じである。
英語と趣が違うのは、法助動詞が本動詞を伴わず独立して使う用法が見られることである。
彼女はエスペラントが上手だ。
英語ならば、"She speaks Esperanto well." と必ず本動詞を付けるところだ。
私はこれから病院に行かねばならない。
これも英語でいう go 、ドイツ語でいう gehen が見当たらないが、これでよいようだ。 ins Krankenhaus という、in + 対格名詞(4格)がポイントで、これで運動や方向を表すことができる。
フランス語の助動詞は、上記の一次助動詞に相当するものしかない。 もう少し説明すると、本動詞が分詞形であり、目的語の人称代名詞が前に来るものがフランス語の助動詞であり、 これを満たすものは être と avoir しかない。
英語やドイツ語などでは、可能・義務・意志を表すのは助動詞だが、フランス語では本動詞である。 たとえば可能を意味するのは pouvoir や savoir であるが、不定詞として実現される。
Elle sait parler japonais.
この文は、<彼女は日本語が話せる。>という意味である。sait は savoir の三人称単数現在を表す形で、parler は「話す」という意味の動詞の不定詞である。
このような動詞は、フランス語では準助動詞という言い方をする。
エスペラントには助動詞はない。可能を意味する povas、義務を表す devas、意志を表す volas などは原形をとる普通の動詞である。 これらはフランス語の準助動詞、イタリア語の補助動詞に相当する。
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