§171 知覚動詞 |
作成日:2016-04-26 最終更新日: |
知覚は、五感による身体的知覚と、知性による精神的知覚に分けられる。 文法の知覚動詞とは、前者の身体的知覚を表す動詞を指す。なぜ知覚動詞を他の動詞と区別するかというと、○○が□□するのを知覚する、 という意味の文を作るときに、特別な構文を使うからだ。そのような特別な構文が使えるのは知覚を表す動詞の中でもさらに限られる。 このような限られる動詞を知覚動詞という。
身体的知覚は、俗に五感と呼ばれる。これらは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚である。これらを表す動詞の一部が、知覚動詞の構文を作ることができる。
英語の知覚動詞は視覚や聴覚をはじめ、ある種の感覚に関するものがある。
I saw the broker bribe the consultant.
ブローカーがコンサルタントにわいろを贈っているのを見た。
このように、S + V + O + (原型不定詞|現在分詞|過去分詞) の構文を取ることができる動詞 V を知覚動詞と呼ぶ。
地震を感じるとか、動悸を感じるとかで使う。
知覚のなかで、視覚を表す vidi 、聴覚を表す aŭdi が知覚動詞として扱われる。 英語の feel に相当するのはエスペラントでは senti だが、senti は知覚動詞の構文をとらない。
注視する意味の rigardi、集中して聴く意味の aŭskutli は、知覚動詞の構文をとらない(少なくとも PIV の用例を見る限り)。
まりんきょ学問所 > ことばについて > ことばと文法 > §171 知覚動詞