§163 自動詞と取りちがえやすい他動詞

作成日:2010-06-05
最終更新日:

英語の例

  1. to や into を入れがちなもの
  2. about, from などを入れがちなもの
  3. with を入れがちなもの
[誤][正]
He resembles to a pig. He resembles a pig.
Everybody stands up when the professor enters into the classroom. Everybody stands up when the professor enters the classroom.
My brother married with a nurse. My brother married a nurse.
I discussed about the problem of food with them. I discussed the problem of food with them.

なお、I talked about the problem of food with them. は正しい。

エスペラントの例

[誤][正]
Mi renkontis kun junulo. Mi renkontis junulon.
Mi menciis pri la problemo. Mi menciis la problemon.

なぜ自動詞と他動詞の区別があるのか

英語を学ぶと、自動詞と他動詞の区別をいやというほどたたきこまれる。 それでもなお、discuss about などと言ってしまう。 だいたい、日本語には自動詞と他動詞の区別をせずともなんとかなってしまう。

英語に限らず、西洋のことばは自動詞と他動詞を厳密に区別する。そんな面倒なことはいやだ、 と私は思っている。実はその区別をせずに済む改革案がある。 すべての動詞を他動詞としてしまうのだ。 今まで自動詞としてきた動詞はすべて再帰代名詞を目的語とした他動詞として扱う。 現在英語では、常に目的語として再帰代名詞を必要とする、いわゆる狭義の再帰動詞は少ないが、 これを適用すればよい。フランス語やドイツ語は、英語よりは再帰動詞の扱いが多く、 とくにフランス語では代名動詞というくくりがあるほどだから、うまく行きそうな気がする。

と書いてきて、自動詞と再帰代名詞を目的語とする他動詞で、意味が異なる場合があるようだ。 そんな場合は副詞でなんとかごまかす、というのもありだろう。 日本語は明確な再帰動詞がなくてもなんとかなっているのだから。

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MARUYAMA Satosi