§109 疑問代名詞

作成日:2010-08-26
最終更新日:

1. 各言語の場合

1.1 英語の場合

次の表で整理される

英語の疑問代名詞
意味 さすもの 主格 所有格 目的格
だれ who whose who(m)
どれ、どちら 人・物 which - which
なに what - what

問題は、人と物で、who と which が入り乱れていることだった。 これは、コンピュータとエスペラントを学ぶことにより、わかりそうだ。

1.2 エスペラントの場合

エスペラントの疑問代名詞
意味 さすもの 主格 所有格 目的格
だれ kiu kies kiun
どれ 人・物 kiu - kiun
なに kio - kion

エスペラントでも乱れているように見えるが、こういう分け方だろう。 ものの種類がたくさんあり、たくさんの種類から一つの種類を特定するのが kio である。 そして、一つの種類、あるいは特定の集合の中から個体を特定したいとき、その個体を区別するのが kiu である。

人間は一つの種類、つまりホモ・サピエンスである。 ザメンホフさんだったりシェークスピアさんだったりを区別するのは必然的に「だれ」ということになるから、 kiu になる。また、飲み物という選択肢にコーヒーと紅茶があり、どちらを飲みたいかを知りたいときも、 kiu になる。

Kiun vi preferas, kafon aŭ teon ? Kafon mi petas.

一方で、野山にあまたある草花のなかから一つを指して「これは何」と尋ねるときは、 種類を知りたいときだ。だから kio を使う。

1.3 ドイツ語の場合

ドイツ語の疑問代名詞は、格の違いによっていろいろな形をとる。そして、welcher は性(グループ)によっても変わる。

ドイツ語の疑問代名詞
意味 さすもの 主格 所有格 与格 対格
だれ wer wessen wem wen
どれ、どちら 人・物(r グループ) welcher welches welchem welchen
どれ、どちら 人・物(e グループ) welche welcher welcher welche
どれ、どちら 人・物(s グループ) welches welches welchem welches
どれ、どちら 人・物(複数)  welche welcher welchen welche
何・どの was wessen (wem) was

r グループとは男性形を、e グループとは女性形を、s グループとは中性形を表す。それぞれ主格の定冠詞が der, die, das であり、 末尾のアルファベットから名付けている。

1.4 フランス語の場合

私にはわからない。例をあげてごまかす。

Qu'est-ce que c'est ? それは何ですか?
De quoi parlez-vous ? 何について話しているの?
De qui parlez-vous ? 誰について話しているの?

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MARUYAMA Satosi