§9 第 1 文型 |
作成日:2016-04-18 最終更新日: |
第 1 文型をとる動詞は完全自動詞と呼ばれる。 完全自動詞を使った文には、副詞的語句がつくことが多い。 そして、その語句を取り去ると文として成り立たなくなるものがあるという。
Glenn Gould is on the stage. (グレン・グールドは舞台にいる)
ここで on the stage を取り去ると意味をなさなくなる、というのが文法書の説明である。それはそうだが、取り去った文 Glenn Gould is.が「グレン・グールドは存在する」という意味で通じるのではないかとひねくれて思う。 しかし、どこにいるかが重要なのであって、存在するとかしないとかは exist のほうを使うべきなのだろう。
be 動詞は「存在する」という意味と「…に等しい、…である」という意味がある。 両者を区別する必要はそれほどない。区別したいときには、 「存在する」ほうには存在動詞、「…に等しい」ほうにはコピュラという名前を与えている。 ドイツ語の sein 、フランス語の être は英語と同様、存在とコピュラで同じ動詞を用いる。
コピュラについては第 2 文型で議論することになるだろう。
藤巻謙一の「改訂版はじめてのエスペラント」の p.55
にエスペラントへの訳が練習問題にあった。
灰色の建物があります。それは裁判所です。
エスペラントでは、最初の文に estas を使うのかと思ったら、
Griza konstruaĵo troviĝas. Ĝi estas juĝejo.
だった。恐れ入りました。
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