極私的関数解析:作用素 |
作成日:2013-01-23 最終更新日: |
作用素(operatoro, operator) とは、関数空間上の変換、すなわち関数を別の関数にうつす写像をいう。 特に、関数解析学におけるヒルベルト空間上の線形写像のことを指す。以下の記述では、 作用素という用語を使うが、写像と読み替えて説明する文献もある。
なぜ、写像ではなく作用素ということばを使う理由は私にはわからない。
`X` および `Y` を線形空間とする。写像 `T : X -> Y` が線形であるとは下記の2条件が成立することである。
`((A(x_1 + x_2) = Ax_1 + Ax_2, (x_1, x_2 in X)), (A(alpha x) = alpha A x , (x in X, alpha in K))`
`{(A(x_1 + x_2) = Ax_1 + Ax_2,(x_1, x_2 in X)),(A(alpha x) = alpha A x ,(x in X, alpha in K)):}`
関数解析では、線形写像のことを線形作用素と呼ぶ。理由はただの習慣だから、ということのようであるが、ある文献には理由が記されているという。 わたしはその文献を持っていない。
なお、文献[1]によれば、線形作用素というときには `A` の定義域 `ccD(A)` が必ずしも `X` 全体とは一致しない場合も考える、という記述がある。
`X` および `Y` をノルム空間とする。`T : X -> Y` を線形作用素とする。このとき、`T` が有界であるとは、 ある定数 `M gt 0` があって、 任意の `x` にたいして `norm(Tx) le M norm(x)` が成り立つことをいう。 ここで `Tx` は `T` による `x` の像を表している。 また、このような `T` を有界線形作用素 (barita lineara operatoro, bounded linear operator)、または単に有界作用素 (barita opeatoro, bouneded operator) ともいう。
ノルム空間 `X` からノルム空間 `Y` への有界線形作用素の全体を `cc(L)(X, Y)` で表す。
さきに述べたように、有界線形作用素 `T` は、ある定数 `M ge 0` があって次の式を満たす:
任意の `x` にたいして `norm(Tx) le M norm(x)`
このとき、このような `M` 全体の下限を norm(T) で表す。すなわち、
`norm(T) := inf{ M | norm(T) le M norm(x)}` となる `norm(T)` を、作用素ノルム `("operatora normo, operator norm")` という。
このページの数式は MathJax で記述している。