極私的関数解析:モンテル空間

作成日:2014-01-23
最終更新日:

半モンテル空間とモンテル空間

半モンテル空間

任意の有界閉集合がコンパクトとなるような局所凸空間を半モンテル空間という。

樽型空間であり、かつ半モンテル空間である空間をモンテル空間という。

モンテルの性質

フレシェ空間 `X` がモンテルの性質(-, Montel property)をもつとは、 `X` の任意の有界集合 `B` が `X` で全有界なことである。

モンテルの性質をもつバナッハ空間は有限次元のものに限られる。 しかし、フレシェ空間では無限次元のものでモンテルの性質をもつものもある。

ポール・モンテル(Paul Montel)はフランスの数学者。複素関数論の専門家。

無限回微分可能関数の空間

円周 `T` を
`T = RR // 2 pi ZZ ~= [-pi, pi)`
と考える。すなわち、`x, y in RR` が `T` の元として相等しいとは、 ある整数 `n` があって、 `x - y = 2pin ` とかけることと定義する。

`f'(x)` で `f(x)` の導関数を表す。`f` が周期 `2pi` であれば、 `f'` は(もし存在すれば `f` と同じく)周期 `2pi` である。

`C^1(T) = {f in C(T); f' in C(T)}`
とおく。ここで、`f in C^1(T) `は1回連続的微分可能関数といい、`C^1` 級関数と略記する

自然数 `k` に対して、
`C^k(T) = {f in C(T); f', f'', cdots, f^((k)) in C(T)}`
とおく。`f in C^k(T)` を `k` 回連続的微分可能関数といい、`C^k` 級関数と略記する。 以下、`C^0(T) = C(T)` と考える。

`ccE(T) = nnn_(k=1)^oo C^k(T) `

と定義する。`ccE(t)` はモンテルの性質をもつ。

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

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MARUYAMA Satosi