フォーレについての随想を2001年から目次に掲げてきた。 適当なタイミングで改めているので、 過去残っている文をフォーレ日記として公開した。 なお現在は、旧ブログのフォーレや、 現行ブログのフォーレに移行している。
2010年5月26日、水曜日、東京文化会館小ホールで、 日本フォーレ協会 (www.faure.jp)主催のフォーレ全歌曲連続演奏会IIIに行った。 プログラムは次の通り。
--- ヴォカリーズ Vocalise étude Op. 46-1 贈物 Les présents Op. 46-2 月の光 Clair de lune 未出版 口づけをしたから Puisque j'ai mis ma lèvre... ♪テノール:三林輝夫、ピアノ:井上二葉 Op. 51-1 涙 Larmes Op. 51-2 墓地で Au cimetière Op. 51-3 憂鬱 Spleen Op. 51-4 ばら La rose ♪ソプラノ:坂本知亜紀、ピアノ:ローラン・テシュネ Op. 57-1 歌 Chanson ~《シャイロック Shylock》より~ Op. 57-3 マドリガル Madrigal ~《シャイロック》より~ ♪バリトン:根岸一郎、ピアノ:柴田美穂 Op. 58 《ヴェネチアの五つの歌 Cinq mélodies "De Venise"》 1.マンドリン Mandoline 2.ひそやかに En sourdine 3.グリーン Green 4.クリメーヌに A Clymène 5.やるせない夢見心地 C'est l'extase... ♪ソプラノ:小宮順子、ピアノ:井上二葉 Op. 76-1 不滅の香り Le parfum inpérissable Op. 76-2 アルペジオ Arpège Op. 83-1 牢獄 Prison Op. 83-2 夕べ Soir ♪ソプラノ:石井恵子、ピアノ:柴田美穂 Op. 72 金色の涙 Pleurs d'or ♪ソプラノ:石井恵子、バリトン:根岸一郎、ピアノ:柴田美穂 Op. 78 シシリエンヌ Sicilienne Op. 79 幻想曲 Fantaisie ♪フルート: 三上明子、ピアノ:ローラン・テシュネ Op. 106 《閉ざされた庭 Le jardin clos》(全8曲) ♪ソプラノ:林裕美子、ピアノ:井上二葉
三林さんは、少しふらつくところがあったものの、安心して聴けた。 坂本さんは、弱音をピアノの反響板に当てるようにして響かせる方法を使っていたのが、 ダイナミックレンジが広がるような工夫があり、楽しかった。 小宮さんは圧倒的な迫力があった。 石井さんはよく曲想をつかんでいた。 三上さんは笑顔がよかった。 ただ、ピアニストの調子が今一つで、 シシリエンヌの大事な音の H が B にうっかり一瞬間違えたところは気になった。 林さんはことばがすばらしい。 ポルタメントを使いたくなるところも全く使わず、 正確に出していた。ディクションも美しい。これにはおどろいた。
NHK交響楽団で演奏されるペレアスとメリザンドを聴きに行きました。 ほんものはいいですね。(2001-1-15)
足立さつきさんのソプラノ、斎藤雅広さんのピアノによる、フォーレ・ドビュッシー歌曲集を 毎日のように聞いています。いい音楽です(2001-08-20)
ジャン・フィリップ・コラールらによるフォーレの全集を CD で買い直しました。 No.1とNo.2にそれぞれ2枚ずつ入っていました。ここまではよかったのですが、 No.1の2枚めがのっぺらぼう(レーベルなし)で、おまけにドーナツの中の穴の周囲が 盛り上がってしまっていて正常に回転しないという盤で、ババをつかんでしまいました。 EMI France のバカタレ。
この話にはオチがあります。この盤を買った池袋の Virgin でNo.1だけ代金を払戻してもらったあと(2300円ほど) 同じ池袋の HMV に行ったところ、同じ盤がNo.1、No.2とも1300円で売られていました。 どうせならNo.2も不良品だったらよかったのに、と思いました。(2001-10月ころ)
2002 年 5 月 16 日放送の NHK ラジオフランス語講座では、 対話の主がヴァイオリンで弾く曲として、フォーレの「子守唄」と答えています。 ドビュッシーでもラヴェルでもないところが立派です。(2002-05-18)
今年 (2002 年)の4月から、NHK 教育テレビの N 響アワーの終わりの曲(エンディング)が、
フォーレの夜想曲3番に変わりました
(前はショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガから、
前奏曲ハ長調)。きっと、放送された曲の感動を打ち消さないような、自己主張のそれほどない、
穏やかでかつあまり知られていない曲という意味付けなのでしょう。(2002-05-20)
付記:2003年4月からは別の作曲家のピアノ曲になりました。
ラフマニノフの前奏曲のときもありましたが、今は違うようです。(2005-01-20)
フォーレの没した日に内容を濃くしようとしましたが、結局できず、 まだ取り上げていない曲を列挙することでお茶を濁してしまいました。 この次は、夜想曲第 11 番に対する思いをまとめようと思います。 (2002-11-04)
2003年5月4日に放映されたN響アワーで、 チェリストの藤森亮一氏と同じくチェリストの向山佳絵子氏がフォーレの 「2つのチェロのためのアレグレット・モデラート」を弾いていました。 夫婦ともにチェリストだとこんなうらやましいことができるのですね。 ちなみに旋律のアルコは向山氏、伴奏のピチカートは藤森氏でした。
2003年7月21日のNHKフランス語会話の最初と最後の模範会話で、 フォーレのレクイエムから、「楽園にて」(イン・パラディスム)が使われていました。 ちなみにその模範会話とは、A gauche ou à droite? (左?右?)でした。 (2002-07-25)
宮城谷昌光さんの「クラシック 私だけの名曲1001曲」という本を見たら、 宮城谷さんが、フォーレのレコードを狂ったように探し求め、 聞いていた時期があったことが書いてありました。 宮城谷さんといえば古代中国の小説というイメージですから、 驚きでした。しかも、フォーレは例外を除いて聞き飽きたこと(最近はまた少し聞いているようだ)、 フォーレは飽きるがプーランクは飽きないとのことなどが述べてあり、 更に意外でした。そして、私はまだフォーレに飽きていないのは、 それだけの量を聞き込んでいないからなのだろうか、 と悲しい気分になりました(2003-09-15)。
NHKのフランス語講座を聞いていたら、ヴェルレーヌの「牢獄」が取り上げられていました。 講座が終わって、何人かの歌手の「牢獄」を聞き比べてみました。いまさらながら、 声の質や表現にいろいろな違いがあることに気がつきました。(2003-12-29)。
NHKの番組で、ジャン・フルネがチェコフィルを指揮した「シャイロック」を放映していました。 ビデオに録画しておくのだったと思いましたが、時既に遅し。 聞けただけでもよしとしましょう(2004-2-15)。
近所の楽器屋でみつけたフォーレの編曲譜を見てびっくりしました。 巻頭が、チェロソナタ第2番第1楽章からの編曲だったのです。 第2主題が登場するところまでで、変ホ短調への転調がなかったのが残念でした (2004-04-11)。
2004年9月26日のN響アワーを見ていたら、 本田美奈子がフォーレのシシリエンヌを歌っていました。 歌詞は岩谷時子のもので、「さくらの国」という名前だったと思います。 遥か遠くの地(ニューヨーク)にいる恋人のことを日本から思う女心の歌のようでした。 雰囲気はいいのですが、原調のg-mollで唄っていて高いBの声は苦しそうでした。でも、 こうやって歌う努力を私は買っています。(2004-10-01)
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