フォーレのページを開設していて、「こんな曲知りませんか」と尋ねられることが 2000 年当時は多かった。 本当ならばMIDIファイルを用意しておけばよいのだろうが、 字を書くことにくらべ何倍も面倒な作業はする気にはならなかったので、何も用意していなかった。 また、機材も用意する気が起きなかった。
しかし、フォーレのすばらしい音楽を広めるにあたって音が出ないのは、 せっかくのインターネットではもったいないことである。 そこで自分も何か用意しようかと思うのは当然のことである。 そのあたりの事情を少し書いたのが以下の記事である。
今では、(2020 年である)音楽配信や YouTube などの隆盛もあり、 わざわざ MIDI を用意しておく必要はなくなった。以下は 2000 年当時の文である。
インターネットでは各種調査が容易にできる。私はキーワードに「フォーレ」と「MIDI」と入れて いくつかのサーチエンジンで探してみた。具体的にはiMacのSherlockを使った。するとあるんですね。 ざっとみたところ、30曲以上が70種以上もの版で存在するようだ。そのうちの半数以上は無料で 楽しむことができる。
人気のあるところは次のものだろう。
ほかには主題と変奏、月の光、エレジーなどがある。 しかし、室内楽(複数の楽章を持つ10曲)は皆無であった。 またピアノ独奏曲でも、夜想曲第6番、バラードのような 大物がないのが意外だった。 (1999-12-05註、夜想曲第6番はあった。そこそこ聞ける。もう自分で作る元気がなくなった) そこで、今までないものを中心にそろえようとは思っている。次なる課題はMIDIファイルの作り方である。
いくつかMIDIファイルの作り方を考えた。
専用装置は高そうである。
上記にくらべて場所の心配はしなくてすむが高そう。
古くはNightingaleを、現在は Noteworthy Composer をもっているが、 出てくる音が楽譜をなぞっただけという気がする。
何があるのか分からない。最近のUnix Magazineにあったから参考にしようかな。
MIDI対応のキーボードはあるが、どうやってMIDIファイルに落とせばよいのかわからない。
Windowsではソフトもある(MIDIファイルにはならず、スクリプトから直接音になる)が、 Macintoshではどうか?
注記:その後は、3-3 を主として実施している。 2018 年現在は Noteworthy Composer に加え、Lilypond も使うことがある。 また、MIDI のファイルは作らないが、MIDI を通して再生する方法として abcjs を使う方法がある。(2018-11-17)
まだ公になっていない曲を作る。当時は次の5曲を考えた。 バラード、ヴァイオリンソナタ第1番、夜想曲第6番、五重奏曲第2番、優しい歌
音色はピアノだけにする。
つまりNightingaleを使う。ピアノ以外の音が出せる時はフルートにする。他の楽器よりは実際の音に近い。範囲は、さわりだけにする。 全曲は大変だからだ。
さて、6月終わりまで完成させたいが、できるか?
MIDIファイルの作り方だが、 市販ソフトの Nightingale で楽譜を書き、それをMIDIファイルに出力する。 そのあと、シェアウェア(MidiGraphy)でテンポや強弱、音色などを修正する。
まずバラードの出だし 9 小節をNightingaleで譜面を書いてみた。これだけですでに 1 時間である。 MIDIファイルにして音を聞いたところ、 最初の数音が異様に速いしテンポが指定の倍程度になっている。テンポの指定をかえてもMIDIファイルには 反映されない。困った。
さて、1999年6月終わりまでにしたいが、できるか? すでに一部は譜面には落としている。
その6月がもうすぐ終わりなのだが、できないことがわかった。 取りあえず、少しだけ作った全く加工していないMIDIファイルを載せてみた。
ところがWEBに公開すると全然聞こえない。そのままに放置しておいたところ苦情が来た。 当然のことである。 聞こえなかったのは、一度Nightingaleで出したSimple Midi File を QuickMovie形式にしてしまったのが原因らしい。 Simple Midi Fileのままにすればよいことがわかった。一応、これだけでも出してみるが、 お聞かせするのが恥ずかしいほどの内容である。 夜想曲第6番は1999年9月末日までに完成させたいと思っている。(1999 9/9記) と思っていましたが、やはり面倒なので、大事なところだけ、1999年末をめどに行います。(1999 11/20記) クリックするとMIDIファイルが読み込まれた後で鳴り出します。 夜想曲第 6 番はよそにデータがあるので、全曲は行なわないことにしました。(2000-02-04)
MIDI を作り始めてから 10 年以上が経った。もう、MIDI を作らなくてはよいと思ったのは、 youtube に代表される動画投稿サイトでフォーレの曲はほとんど掲示されているからだ。 私が作る意味があるのは、まだ実演が動画投稿サイトに掲示されていないものに限られるだろう。(2012-05-27)
上の 5-2 に書いた事情もあり、動画投稿サイトにあるものは MIDI ファイルを削除した。
ほとんどを残して MIDI は消した。動画投稿サイトなどで聴くのが難しいと思われるものは残している。
歌曲で季節や12ヶ月にちなむ曲の中と、その中で作ったMIDIは次の通り。 他で出てきたものと重複しているものもある。
実演が Youtube に乗る時代なので、MIDI を作ることは意味がほとんどなくなった。 現在実演がなく楽譜から起こすことだけで聞ける作品、たとえばアポロへの讃歌の MIDI 化などには、 まだかろうじて価値があると思う。 (2014-03-30)。
上記で掲げた「アポロへの賛歌」(Hymne à apollon )も、 また珍しいものではフォーレによるモーツァルトピアノ協奏曲第24番第1楽章のカデンツァも、 すでに動画投稿サイトにアップロードされているので、MIDI ファイルを公開する意義はないと判断し、 削除した(2020-08-01)。
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