ハルプライヒ論文-歌曲総論

作成日:2020-03-28
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30年近く前、同じ出版社の(違うレーベルで) フォーレの歌曲のレコードを最初に紹介したとき、懸念したことは、 フォーレの作品への世間の認識の欠如が根強く、特に晩年の作品は、 最大の犠牲となっているのではないか、ということだった。 今日、私はこういう証拠を受け入れなければならない:フォーレは、 ごくわずかな作品によってのみ、今幸せな、そしてこれからも幸せな作曲家であり続ける、ということだ。 そしてフランソワ・クープランが叔父のルイにたいしてあてた通りだ: 「彼は常に選択肢のある人を満足させる。」 この理由はあまりにも明確だ。エミール・ヴュィエルモーズの意見を聞こう: 「フォーレの作品は本質的に 知的 だ。 こんな技法だ:ほのめかし、同時並置、信じ込み、大胆な解放、機知にとんだ置き換え、 にせの出口、並び替え、混在。」そして、 ルイ・アゲタンは書いている: 「フォーレの音楽においては、対立的なものが矛盾なく存在している。 それは自然であるとともに稀有のものであり、 洗練されていると同時に素朴であり、 魅力と力強さを同時にもち,官能的な細部とともにいきいきとした統一をもってはいないだろうか。 こうしたもろもろの平衡関係に古典主義的な性質を認めることができよう。」

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MARUYAMA Satosi