アラベスクとは、もとは「アラビア風の」という意味。 普通はアラビア特有の模様をいうが、 この模様から連想される節回しによる曲も指す。 ブルグミュラーの25の練習曲の第2番は、 おけいこ名曲としてよく知られている。 また、シューマンにも同名のピアノ曲がある。 さて、ドビュッシーのこれら2つの作品は最もよく知られているアラベスクではないだろうか。 特に第1番は人気が高い。どちらも3部形式。
冒頭から始まる3連符のアルペジオはアラベスクというイメージにぴったりである。 最初の2小節の和声進行はクリシェといえるが、 その後は夢うつつの世界が広がる。
なんともうれしいのは、ピアノ初学者にとって弾き易く、 また効果も上がることである。 右手の3連符と左手の2連符を合わせるポリリズムは最初は難しく感じるが、 慣れるとこのリズムが楽しめるようになってくる。
第1番より右手が華やかに動き、軽い印象を与える。 和声も第1番より広がりがあり、玄人ごのみといえる。 とはいえ、演奏の難易度は、他のドビュッシー作品と比べて易しめである。
まりんきょ学問所 > ドビュッシーの部屋 > 2つのアラベスク