1.プロローグ

 悪いことは突然やってくる。

 当時僕は、中野に住んでいた。ぼろいけれど、広くて便利もいい
その下宿での生活は、既に6年近くにもなっていた。

 「引っ越したいけれど、やはり契約更新することになるのだろうか。」

 そんなことを考えていた矢先、大家さんから封書が送られてきた。
その手紙には、こう書かれていた。

 (念のために注意しておくと、ここまで露骨に大家さんが言ってきた
わけではない。内容をかいつまんでざっくばらんに書いている。)

 もうアパートが相当ボロなので、改築することにしました。4月に
は着工します。すみませんけど、契約切れたら出て行って下さい
4月ぎりぎりまではまあ、更新料なしで住んで頂いても結構です。

…………
っ!?

続く