6.真夜中のラーメン

 夜中の3時くらいに目が覚めた。軽く疲れが取れると、今度は改めて
 腹が減ってしまった。

 「よし、カップ麺を食おう。」

 夜食にはやはりカップ麺だ。まずフタを空け、具を入れて…。

 「…お湯…。」

 しまった。湯沸しなんて、この部屋にはないではないか。フロントに
 頼むか?きっと起きているだろう。…いや、しかし…。

 そこでふっと閃いた。そうだ、洗面所でお湯が使えるではないか。
 早速、洗面所のお湯を最高温度で流し、カップに注ぐ。少々ぬるい
 が、なに、麺がほぐれりゃそれでいい。

 フタを閉じて待つこと5分(少し長め)。もうそろそろいいだろう。
 いただきます。ズズズ…。

 「…。」

 …やはりカップ麺は、熱湯で作るべきだと実感した。食えなくは
 無かったが。なんとも。

 「口直しに、ドーナツと…コーヒーでも、飲むか。」

 コーヒーを取りに、ロビーへ。コーヒーメーカーの傍には、沢山の
 紙コップとコーヒーシュガー、クリーム、そして紅茶のパック…。

 紅茶のパック?つまり、熱湯があるのか?

 改めてコーヒーメーカーをよーく見てみると、お湯の注ぎ口が
 ついていた。

 切なかった。

続く