夜中の3時くらいに目が覚めた。軽く疲れが取れると、今度は改めて
腹が減ってしまった。
「よし、カップ麺を食おう。」
夜食にはやはりカップ麺だ。まずフタを空け、具を入れて…。
「…お湯…。」
しまった。湯沸しなんて、この部屋にはないではないか。フロントに
頼むか?きっと起きているだろう。…いや、しかし…。
そこでふっと閃いた。そうだ、洗面所でお湯が使えるではないか。
早速、洗面所のお湯を最高温度で流し、カップに注ぐ。少々ぬるい
が、なに、麺がほぐれりゃそれでいい。
フタを閉じて待つこと5分(少し長め)。もうそろそろいいだろう。
いただきます。ズズズ…。
「…。」
…やはりカップ麺は、熱湯で作るべきだと実感した。食えなくは
無かったが。なんとも。
「口直しに、ドーナツと…コーヒーでも、飲むか。」
コーヒーを取りに、ロビーへ。コーヒーメーカーの傍には、沢山の
紙コップとコーヒーシュガー、クリーム、そして紅茶のパック…。
紅茶のパック?つまり、熱湯があるのか?
改めてコーヒーメーカーをよーく見てみると、お湯の注ぎ口が
ついていた。
切なかった。