振り返ってみると


【 はじめに 】

以前乗っていたバイクのこと。じっくりと思い出してみることというのは、案外、ほとんどないものです。このサイトへ原稿を書き始めたのをきっかけに、自身の遍歴を振り返ってみました。


【 MBX50 】

当時の広告より

初めて購入した(しかも新車)バイクです。ライバル車にはRZ50などもありましたが、友人が既に所有していたこともあり、RZよりも後に発売されたMBXを選択しました。50ccにしては大柄で、実際よく走りました。無謀にも林道にも行っていました。(笑)

プロリンクは、暫くするとギシギシと音がし出しましたが、音さえ我慢すれば、よいリアサスだったと思います。
50ccという排気量のハンデは大きく、頑張らないと普通に流れにも乗れないし、でも流れに乗れば免許が危ないしで、中型を購入したら乗るのが億劫になってしまい、結局、友人に譲ってしまいました。取り回しはし易いのですが、中型車のトルクと安定感に慣れてしまうと、50ccで頑張るモチベーションが続かなかったのです。もしミニバイクレースなどに触れていれば、また別だったかとも思いますが。

3年ほど所有しましたが、頻繁に乗ったのは最初の1年でした。

カートコースでの走行会などの機会があれば、また乗ってみたい、と今は思います。


【 CX-EURO 】

当時の広告より

GL400/500の後継車ですが、中型免許を取ってスグに新車購入しました。NV400と選択に迷いましたが、大型の車格に中型免許で乗れるということで、CXにしました。

当時中型免許で乗れる外車には、モトグッチのイモラ、ドカティの350パンタなどがあり、雑誌を眺めつつ漠然とした憧れのようなものはありましたが、学生だった私が実際に選択肢に挙げることはありませんでした。

現在、シャフトドライブ車が好きな方とこの当時の話をすると、GL/NV/CXのどれかに乗っていた、という方が多いようです。これは面白い傾向だと思いますね。

CXは大きいので、タンデムも楽で荷物も積みやすく、いろいろなところに行きました。当時流行っていた北海道にも、これで2回程行きました。オフロードも、飛ばさなければ楽に走破できてしまう懐の深さもあり、頼れる相棒でしたね。

エンジンは、モトグッチを真似たもの、とイジワルなことを言う人もいましたが、Vバンク角は80度、シリンダを22度ひねることで、キャブを内側に追い込んでヒザとの干渉を避けるなど、後発なりの工夫もありました。10000rpmまで回せる高回転型OHVエンジンでしたが、トルクを感じながら楽しめるのは7000rpm前後でした。フレームはダイヤモンド型ですが、モトグッチのトンティフレームと比べてしまうと、剛性感は低いものでした。リアサスはプロリンクでしたが、音がすること以外に特に印象に残っていません。それとOEMで装着されていたタイヤは、今思うとあまり良いタイヤではなかったのが残念です。

気に入って4年程乗りましたが、限定解除してBMWを購入する際に下取りのために、手元を離れることになりました。


【 Bials125 】

友人から現状渡しということで、無償で譲ってもらいました。長期間乗っていなかったようで、経年変化でひび割れたインシュレータからエアを吸い、なおかつキャブは張り付き気味なので、グリップを戻しても暫く走ってしまう、という恐ろしい状態でした。

修理したところ調子を取り戻し、低中速からトルクのツキがよく、楽しいエンジンなのが分かりました。特に50km/h前後で加減速すると面白いのです。本格的なトライアルはやりませんでしたが、真似事はやりました。

他のバイクと並行して3年程所有していたのですが、途中でクルマも購入したので、乗るとすればたまに通勤快速代わりに使う位で、そのうち埃を被ることが多くなり、別の友人に貰われていきました。


【 K100RS 】

限定解除してスグに2年落ち5000km走行の中古で購入しました。モトグッチ(ルマンIII中古または1000新車)と選択に迷ったのですが、見に行ったショップで「初めて購入する外車ならBMWの方がよいですよ!」と勧められて、横置き4気筒という、他には無いエンジンに惹かれて購入に至りました。

今思うと、こんなアドバイスに従がわず、モトグッチに直行すればよかった。(笑)

1000ccの排気量にインジェクションということもあり、5th/2000rpmでもスロットルを開ければ加速できる、ズボラ運転も許容する粘り強さには驚きました。でも減速から再加速する際の、スロットル開け始めの唐突感は他のインジェクション車と同様で、キャブ並みには調教されていませんでした。音は国産4気筒とも違う異質なものですが、静かでもなし。回すと楽しくなるのかと思いきや、そうでもない。フラットトルクではありましたが、高揚感を感じない無機質なエンジンでした。

サスは、十分なストロークが確保されて乗り心地は良いのですが、ダンピング不足を感じました。ワインディングに行くとリズムを掴み難かった印象があります。

ハンドリングは、一体感を感じないものでした。そこそこのペースで走るには良いのですが、ペースを上げると、車体からのインフォメーションが少なく、何だかバイクに「やめとけ」と言われているような。それと、100km/h前後でステップ周りに不快な振動が出ました。こんな時は、ペースを上げるか下げるかする必要がありました。大体上げてましたが。(笑)

エンジンには大きなトラブルは発生しませんでしたが、サイドスタンドで長時間停めると、強いオイル下がりを起こしました。サイドスタンドを使わなくても下がり気味でしたが…。気を抜けないのは電装系、特に灯火器でした。ウインカー点灯しっ放しなんて、よくありました。FUSEを抜かないと、キーOFFしても消灯しないというものです。ハーネスを見てみると、端子サイズに対して、ハーネス線径が細いために、ハーネスが抜け易かったようです。今思うと、それなりに旧い85年式でした。
以上のように、誠に残念ながらネガティブな印象が多かったので、購入して1年を経過する前に、本来乗るべきだった(笑)モトグッチ(LeMans1000)に買い換えてしまいました。

普通、バイクを手放すときには、大小なりとも寂しい気持ちになるものですが、K100RSだけは所有期間が短いこともあり、そういう気持ちにはなりませんでした。
かえってホッとしましたね。

ホッとしたんですよ。(笑)
(The Bike別冊'87輸入バイク総カタログ:毎日新聞社 より借用)


【 MTX200 】

当時のカタログより

自賠責が切れそうなものを、格安で譲ってもらいました。9000km程度の走行でしたが、前オーナーは林道用に使っていたとのことで、あちこちメンテする必要がありました。フロントベアリングレース、スプロケット、タイヤはまず手を入れました。

これがよく走りました。高速では煙幕を張ってしまうのが難点でしたが。

2スト車はMBX50以来でした。軽量かつ高トルクの、2ストシングルエンジンは、やはり面白かった。

2スト車は排気管出口にオイル分を含んだデポジットが貯まりますが、この車両も例外ではありませんでした。しかも、サイレンサーを伝ったオイルが後輪に垂れるので、気がつかないうちに背中が汚れるという習性がありました。ですから、排気管出口にタイラップを巻いて、オイルを路上に垂らすように工夫していました。

3年位、主に通勤に使っていました。よく走るので気に入っていたのですが、クルマと大差ない燃費と、燃料タンクの小ささから頻繁に給油するのが億劫になって乗ることが減り、練習用のオフ車が欲しい、という方にお譲りしました。


【 TW200 】


日本と世界のオートバイ最新カタログ'93
(成美堂出版)ISBN4-415-03630-9 より借用


何となく面白そう、という理由だけで、初期型を新車で購入しました。

200ccエンジンは、一般道を60km/h前後で流すには十分でしたが、高速では力不足を感じました。太いリアタイヤは、砂地を走行するのには路面をしっかりつかんでくれるので面白いのですが、林道では、そのグリップが欠点となりました。スロットルでリアが流れずに、どうやっても先にフロントが流れてしまうのです。これはエンジンのパワー不足もあると思います。

ポジションは通常のオフ車とは違って、ハンドルが低いので押さえは効きませんでしたね。そんな欠点を知りつつも、林道には良く出掛けました。通常のオフ車なら、簡単に乗り越えられる窪みに前輪が取られて、そのまま前転したこともありました。(笑)

ただハンドルの切れ角は十分にあるので、渋滞路をすり抜けるのは楽でした。だから通勤にはよく使いました。

モトグッチやMTX200などと並行して所有していたのですが、置き場所に困って実家に保管するようになってから、乗ることが減りました。そんなこんなで処分に困っていたら、改造TWが流行りだして、譲って欲しいという方が現れたので、手放してしまいました。


【 Montesa 125 H7 enduro 】


TheBike別冊'87 輸入バイク総カタログ:毎日新聞社 より

Uターン転勤する友人から無償で譲ってもらいました。エンデューロ用なのでメインキーはなく、キルスイッチのみなので、エンジンだけは誰でもかけられるというものでした。灯火類とハンドルロックは、ちゃんと付いていました。そういえばタコメーターは無く、スピードメーターはありましたが、何とケーブルがありませんでした。(笑)

エンジンは混合給油式の2スト。モトクロッサーのようなピーキーなトルク特性ではなく、比較的下からもトルクがあり、上まで引っ張ることもできる実用的なエンジンでした。車体は、私の体格には、ちょっと小ぶりでした。跨るとMTX50と大差ないもの(モンテッサの方が小さいかも)でした。

MTXやTWに乗っていた頃は、高速道路で移動して林道を走っていましたが、モンテッサは原付2種なので高速道路に乗れないため、林道に行くことはありませんでした。だから主な用途は通勤でした。メスシリンダーと2ストオイルを携帯していましたが、給油のときの儀式が面倒になって、あまり乗らなくなった頃に転勤となり、ガレージを所有している知人に譲りました。


【 まとめ 】

振り返ってみると、オンロード車とオフ車を並行して、時には3台同時に所有する機会もありましたが、長期に所有することはありませんでした。バイクそのものの耐久性など考えると、あまり維持に手間がかからなくなる前に手放していた気もします。

今でもオフ車を乗りたくなる・買いたくなることがあります。モタードなども面白そうです。オンロード車とは違うキャラクターのバイクを求めているのかも知れません。 だから時々、スクーターにも乗りたくなるのかも。

よいご縁があれば、オフ車かスクーターを入手したいものです。


2006/Feb  Written by moped

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