卯的生活・緊急短期(であってほしい)連載

ぺーどら日記
10

 

2000.7.26(水)


とうとう納車の日がやって来た。

場所が家から近いこともあり、直接引き取りに行くことになった。行きはオットの車に同乗し、帰りは私が一人で運転するのである。車で10分足らずの距離とはいえ、道は国道。片側二車線で、大型トラックなどもバンバン飛ばす大きな道路だ。初めて乗る車、ドライバーはペーパー歴長し。無事、自宅の駐車場までたどり着けるのだろうか。

天気は雨。なぜか私が車を運転する日は今までこんな天気が多かった気がする。だから逆に、雨降りは気にならなくなっていた。ワイパーの作動させ方も大丈夫(当然か)。

この日は小学校の終業式でもあり、子供たちが帰る前にこの大仕事を終えなければならない。10時半、私達はスバルの店へと出発した。事務所での納車確認で、車検証や定期点検の記録を受け取り、説明を受ける。

「前の方の任意保険がまだ少し残っていました」

セールスマン氏の話にのぞき込むと、そこには北上市の女性とおぼしき人の名前が書かれていた。きちんと定期点検の記録も残されていて、前の持ち主はきっちりと購入したスバルの店で点検を受けていたのだという。

「とっても丁寧に乗ってらしたみたいですね」

セールスマン氏の言葉に、私もうなずく。大切にされてきたこの車を、今度は私が引き取って愛用するのである。中古車は、どこの誰にどんな乗り方をされてきたのかが不明な点が心配でもあるが、この車には前の持ち主の愛情が感じられるような気がして、何だか嬉しくなった。車にも当たり外れがあるというが、きっとこれは大丈夫なんじゃないかな、と確信を持った。そして、5年ほど前に生まれて、北上の道を走っていたであろうこの車が、年月を経て私のもとへやってきたことが、何だか不思議な運命のつながりのように思われるのであった。

ひととおり、車の説明を聞いたところで、いざ、初運転ということになった。

「大丈夫ですよね?」

私が、実は長年ぺーどらだったと知って心配するセールスマン氏。その言葉、ホントは私の方が問いかけたかったりして。とにかく、とにかく帰らねば! さあ、行こうね、相棒!

前の人が付けたモノだというカーステレオからFMがガンガン流れる中、私は食い入るように前を行くオットの車だけを見て走った。音楽など聞く余裕は全くないのだが、止め方さえもわからず、アレコレやっているヒマもなかった。途中、信号待ちの時間ももどかしく、ただひたすら、早く家に帰りたかった。

ようやく駐車場にたどり着いたVIVIO。勝手が分からず、おたおたしていたら、結局オットがきっちりと駐車してくれた。はぁあ、やっと肩の力がぬけたぁ〜〜。すでに時間は12時を過ぎようとしていた。

家に戻り、窓から何回、駐車場を見たことだろう。これが、本当に私のクルマ! 初めての自分名義の、正真正銘私のクルマなのだ。嬉しさがこみ上げてくる。それとともに、もうこれで絶対に後へは引けないのだという決意。

この先、我が相棒として無事に、楽しく一緒にやっていこうね。よろしく、VIVIO君!