労働判例集
平成10・8・31開設、令和8・4・19最
新 更 新
(注)このページの判例の概要は、労働法の教科書、最高裁のページ等を参考にして作成していますが、ご使用に当たっては、判例集等をご確認下さ
い。また、
このページの制作にあったっては、各判例集のほか、労働省編「労働法コンメンタール」シリーズ、菅野和夫著「労働法」、中窪裕也他著「労働法の世
界」、下
井隆史著「労働法」、土田道夫他著「ウォッチング労働法」、水町勇一郎著「労働法」「労働法入門」、別冊ジュリスト「労働判例百選」等を参考にさ
せていた だきました。
なお、判例は、通称の事件名に基づく五十音順に並べてあります。判例は最高裁判決を中心に新旧を問わずいわゆる重要判例について追加していく予定
です。
最高裁のページ、中央労
働委員会のデータベース、JIL(労働政策研究・研修機構)の個別労働関係紛争判例集・労働問題Q&A、愛大判例、全国労働基準協会連合会(全基
連)の労
働基準関係判例 データベース、女性就業支援センター女性就業バックアップナビの
女性労働関連情報判 例の該当判例のページへもLINKさせていただいています。(「最高裁のページ(最近)」への
リンクは、「最近の最高裁判例」への ページのリンク のため、リンクが切れる場合があります。)
法律の条文は、e-Govの法令データ提供システムにLINKさせていただいています。
このページは、NetscapeComposer4.75で作成し、KompoZer、NetscapeComposer7.1、
HeTeMuLuCreater、TeraPad、SeaMonkeyで編集しています。文字コードは、日本語(EUC)です。
LINK:FREE 転載・改編:不可 です。
判例集の略称
民集:最高裁判所民事判例集、刑集:最高裁判所刑事判例集、労民集:労働関係民事裁判例集、判時:
判例時 報、判タ:判例タイムズ、労判:労働判例、労経速:労働経済判例速報、労法旬:労働法律旬報
あ行 か 行 さ行 た
行 な行 は 行
ま行 や行 ら行
わ行 に進む。
事項別目次 (年別の一覧表はこ
ちらで す)
使用者
労働者
労働審判
個別的労働関係
採用
定年・再雇用
解雇 ・懲戒
(整理解雇)
(職場外かつ職務外の行為)
配転・出向・休職
労働契約
就業規則
(不利益変更)
均等
期間雇用者
賃金・福利厚生
退職金
労働時間
休日休暇
労働災害
安全衛生
罪数
団体的労働関係
労働組合
労働協約
組合活動
団体交渉
争議行為
不当労働行為
(複数組合併存下の差別取扱いの不当労働行為)
労働委員会
あ
安 威川生コンクリート工業事件
最高裁第3小(平成18.4.18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「個々の具体的な労働争議の場において,労働者の争議行為により使用者側が著しく不利な圧力を受けることになるような場合には,
衡平の原 則に照ら
し,労使間の勢力の均衡を回復するための対抗防衛手段として相当性を認められる限りにおいては,使用者の争議行為も正当なものとして
是認されると解すべき
であり,使用者のロックアウトが正当な争議行為として是認されるかどうかも,上記に述べたところに従い,個々の具体的な労働争議にお
ける労使間の交渉態
度,経過,組合側の争議行為の態様,それによって使用者側の受ける打撃の程度等に関する具体的諸事情に照らし,衡平の見地からみて労
働者側の争議行為に対
する対抗防衛手段として相当と認められるかどうかによってこれを決すべきである」とし、�〇藩兌圓糧錣辰紳山欧�甚大であること、�∀�
働組合の要求が組合員 が以前加入していた労働組合との合意を覆そうとするものであること等から、従業員のス トライキに対抗した ロックアウトを正当と認め、期間中の賃金を求
めた従業員側の請求を棄却するもの。
- ロックアウトを不当とした原審を破棄するもの。
(関係法令)
(関係判例)
愛知県教育委員会事件
最高裁第1小(平成13・4・26)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 「市町村立中学校の教諭その他の職員は,労働 安全衛生法66条5項に
より,当該市町村が行う定期の健康診断を受けなければならない義務を負っているとともに,当該健康診断において行われる結核の有無に
関するエックス線検査
(労働安全衛生規則(平成元年労働省令第22号による改正前のもの)44条1項4号参照)については,結核予防法7条1項によって
も,これを受診する義務を負うものである。」とするもの。
- 「市町村立中学校の教諭その他の職員は,その職務を遂行するに当たって,労働安全衛生法66条5項,
結核予防法7条1項の規定に従うべきであり,職務上の上司である当該中学校の校長は,当該中学校に所属する教諭その他の職員に対し,
職務上の命令として,
結核の有無に関するエックス線検査を受診することを命ずることができるものと解すべきである」として、市立中学校の教諭が校長の発し
たエックス線検査受診 命令に従わなかったことが懲戒事由に該当するとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
青
木鉛鉄 事件
最高裁第2小(昭和62.7.10)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「政府が被害者に対し労災保険法又は厚生年金法に基づく保険給付をしたときは、被害者が被用者及び使用者に対して取得した各損害
賠償請求 権は、右保険給付 と同一の事由(労働基準法84条2項、労災保険法12条の4、厚生年金保険法40条参照)について
は、損害が填補されたもの として、その給付の価額の限度において減額するものと解される」とするもの。
- 保険給付((編注)労災保険給付又は厚生年金保険給付)が現に認定された消極損害((編注)いわゆる逸失利益)の額を上回るとし
ても、当 該超過分を財産的 損害のうちの積極損害((編注)入院雑
費、付添看護費はこれに含まれ る。)や精神的損害(慰謝料)を填補す
るものとして、右給付額をこれら との関係で控除することは許されない」
とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
青
山信 愛会新潟精神病院不当労働行為救済命令取消請求事件
最高裁第3小(昭和39・8・4)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 病院等における争議行為の正当性の限界について、生命・身体の安全を脅かし、患者の病状に相当の悪影響を及ぼすような行為は、特
別の立法 の有無に関わらず
(この判決は、労働関係調整法第36条の「施設」は、物的施設に限られ、病院の従業員は含まれないとする。)、争議行為としても為し
得ないことは、条理 上、当然であるとするもの。
- 病院の従業員が争議行為を行うにあたっては、予め患者の生命・身体の保全に遺憾なきを期するとともに、患者の身体・精神_の回復
を図るべ き病院の使命に対
する管理者の真摯な努力にも拘わらず、緊急事態発生の客観的危険性が現れた場合には、その善後措置に協力すべき義務があり、これを故
なく拒否すれば、争議 行為は、その点においてもまた、不当になるとするもの。
- 当該ストライキについて、それにより患者の治療に或る程度の支障を来たしたとはいえ未だもってその病状に相当の悪影響を及ぼした
ものとは 認められないとし て、争議行為の正当性の範囲を逸脱したものでないとした原判決は是認できるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
あけ ぼのタクシー(バックペイ)事件
最高裁第1小(昭和62.4.2)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働委員会が不当労働行為の救済命令でバックペイを命ずる場合の中間収入の控除は、解雇により被害を受けた個人的被害の救済の観
点と、解 雇が組合活動一般
に与えた侵害を除去し正常な集団的労使関係秩序を回復、確保するという観点をも併せ考慮し、合理的裁量によって、中間収入の控除の要
否、程度を決すべきで あるとするもの。
- 上の解雇が組合活動一般に与える侵害の除去の観点は、労働者が解雇によって受ける打撃の軽重と密接な関連をもつので、これに関連
する諸事 情を勘案して決定
すべきであるとし、全額バックペイを命じた労働委員会命令は、裁量権の合理的な行使の限度を超え、違法であるとするもの。
- 労働委員会の救済命令は、使用者による不当労働行為の結果を事実上除去し、正常な集団的労使関係秩序の迅速な回復、確保を図るの
であっ て、私法上の法律関
係を確認したり形成しようとすることにあるのではないので、バックペイ命令において、平均賃金の60パーセントを下回らない限度で中
間収入を控除すべきで あるとする所論は失当であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
あ けぼのタクシー(民事解雇)事件
最高裁第1小(昭和62・4・2)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者の責めに帰すべき事由で解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて利益を得たときは、使用者は当該労働者に解雇期間中
の賃金を 支払うにあたり、 当該利益(中間収入)の額を賃金額から控
除できるとするもの。
- 但し、労働基準法第26条により、上の賃金額のうち、労働基準法12条1項の平均賃金の6割に達するまでの部分については、利益控除の対象
とすることが禁じられて いるとするもの。
- 賃金から控除しうる中間利益は、その利益の発生した期間が賃金の支給の対象となる期間と時期的に対応する必要が有るとするもの。
- 中間収入の額が、平均賃金の額の4割を超える場合には、平均賃金算定の基礎に算入されない賃金(一時金)の全額を対象として利益
額(中間 収入)を控除でき るとし、控訴審判決の一時金全額のバックペイを
認めた部分を破棄し、支給対象期間内に得た利益の額を控除して残額があるかの審理を尽くすべきであるとして差戻したもの。((編注)
すなわち、中間収入の
額が平均賃金の額の4割を超える場合、中間収入の控除の限度額を、「解雇期間中の一時金等を含む得べかりし賃金額から平均賃金の6割
を減じた額」としたも のと考えられる。)
(関係法令)
(関連判例)
朝日火災海上保険(石堂)事件
最高裁第1小(平成9・3・27)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
労働協約の規範的効力について、いわゆる有利性の原則を否定し、一部の組合
員の定年及び退職 金支給基準率を不利益に変更する労働協約の規範的効力が認められたもの。
(関係法令)
(関係判例)
朝日火災海上保険(高田)事件
最高裁第3小(平成8・3・26)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 具体的に発生した賃金請求権を事後に締結された労働協約や事後に変更された就業規則の遡及適用により処分又は変更することは許さ
れないと するもの。
- 定年年齢の引き下げと退職金支給基準の変更を内容とする労働協約の非組合員への拡
張適用に
ついて、労働協約の基準が非組合員の基準より不利益な場合にも、そのことのゆえに、規範的効力が及ばないのではない。しかし、非組合
員は組合の意思決定に
関与しないこと等から、協約の不利益の程度、非組合員の組合員資格の有無等に照らし、拡張適用が著しく不合理であると認められる特段
の事情のある時は規範 的効力は及ばないとするもの。
- また、定年年齢を63歳から57歳に引き下げ、すでに57歳に達している特別社員(非組合員)の退職金を大幅に引き下げることは
合理性が ないとするもの。
- 退職金がそれまでの労働の対償である賃金の後払的な性格をも有する
とするも の。
(関係法令)
(関係判例)
朝
日新 聞小倉支店事件(地位保全仮処分申請)
最高裁大(昭和27・10・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- ストに際して、会社側部長らが自ら作業しようとしたのを組合員が暴力で阻止したのは、違法であるとするもの。
- 就業規則について、労働基準法106条1項所定の周知措置が
講じら れていなくても効力を有するとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
旭ダ イヤモンド工業事件(昭60)
最高裁第2小(昭和60・12・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 複数組合併存下において複数の組合が共同交渉を
申し入れたのに対して、個別交渉を行うとしたことの不当労働行為の成否について�〜塙腓隆屬謀�一意思と統制力が確立していたと認めら
れない、��共同交渉の
協定等も慣行もなく、さらに、共同交渉を斉一的かつ円滑に進め、交渉結果の統一を図りその履行を確保する保証もない、�6ζ姥鮠弔凌�
入れでなく、組合間で
一時的にでも内部的統制力を持ち統一的団体意思の形成された連合体を結成して交渉を申し入れれば足りる、として、不当労働行為の成立
を否定した原審判決を 維持したもの
(関係法令)
(関連判例)
旭
ダイヤ モンド事件(昭61)
最高裁第3小(昭和61・6・10)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働組合による救済申し立ての審査中に対象となる労働者が組合員資格を喪失した場合でも、組合は当該労働者の権利回復に固有の救済利益を
有し、本人が積極 的に放棄する意思を表明しない限り、当該労働者に対する救済措置を命じうるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
朝日建物管理事件
最高裁第1小(令和1.11.7)
(判例集)
(分類)
期間雇用者
(概要)
・有期契約の雇用者の期間途中の解雇を無効とし、契約期間満了後の原審口頭弁
論終結時
の労働契約の地位の確認及び賃金請求を認める原審につて、「原審は,最後の更新後の本件労働契約の契約期間が満了した事実をしんしゃくせず,
上記契約期間
の満了により本件労働契約の終了の効果が発生するか否かを判断することなく,原審口頭弁論終結時における被上告人の労働契約上の地位の確認請
求及び上記契
約期間の満了後の賃金の支払請求を認容しており,上記の点について判断を遺脱したものである。」として、契約期間満了後の部分について原審に
差し戻すも の。
(関係法令)
労働契約法 民法
(関連判例)
あさ ひ保育園事件
最高裁第1小(昭和58・10・27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- (指名解雇による整理解雇について)事前に、職員に対し、人員整理
がやむを えな
い事情などを説明して協力を求める努力を一切せず、かつ、希望退職者募集の措置を採ることもなく、解雇日の6日前になって突如通告し
た本件解雇は、労使間 の信義則に反し、解雇権の濫用として無効であるとした原審の判断は是認できるとしたもの。
- (編注)本件は、保育園の園児減少に伴う、園児の定員削減に対応する保母2名の整理解雇であるが、解雇後ほぼ1年以内に別の保母
2名が退 職し、補充のため に新たに2名の保母を採用しているものである。
(関係法令)
(関連判例)
朝
日放 送事件
最高裁第3小(平成7・2・28)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
(請負契約に基づき労働者の派遣を受けていた企業について)労働者の派遣を受けて自己の業務に従事させ、基本的労働条件について雇用主と部分的に同視で
きる程度に現実的か つ具体的に支配、決定できる地位にある者は労働組合法第7条の使用者に
当たるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
あんしん財団(労災認定取消請求)事件
最高裁第1小(令和6.7.4)
(判例集)
最高裁のページ 労判1315.5
(分類)
労働災害
(概要)
・「特定事業の事業主は、その特定事業についてされた労災支給処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を
侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者に当たるということはできない」とし、「特定事業の事業主は、上記労災支給処分の取消訴訟の原告適格を有しないというべきである」とするもの。
・「特定事業の事業主は、自己に対する(編注:メリット制による)保険料認定処分についての不服申立て又はその取消訴訟において、当該保
険料認定処分自体の違法事由として、客観的に支給要件を満たさない労災保険給付の額が基礎とされたことにより労働保険料が増額されたこと
を主張することができるから、上記事業主の手続保障に欠けるところはない」とするもの。
(関係法令)
労災保険法、労働保険徴収法
(関連判例)
レンゴー
池上 通信機事件
最高裁第3小(昭和63.7.19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 組合の会社施設の利用を認めず、許諾を得られないままに開催した組合集会についてその開催を妨害したことに対する労働委員会の救
済命令を 取り消す原審判決 を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
池
田電器 事件
最高裁第2小(平成4・2・14)
(判例集)
(分類)
(概要)
使用者が会社再建と解雇撤回を求める組合と2ヶ月間に5回の交渉を行った場合で、これ以上交渉を重ねても進展する見込みがない段階にい
たった場合は、使用 者が交渉を打ち切ることが許されるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
・「公務員に対する懲戒処分について、懲戒権者は、諸
般の事情を考慮して、懲戒処分をするか否か、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択するかを決定する裁量権を有しており、その判
断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものと解される」と
するもの。
・「本件各行為のうち各指導は、いずれも、被上告人が職場内における優位性を背景として、・・、部下に傷害を負わせるものであるか否かに
かかわりなく、訓練やトレーニングに係る指示や指導としての範ちゅうを大きく逸脱するものというほかない。」「各発言には、部下に恐怖感
や屈辱感を与えたり、その人格を否定したりするもののみならず、その家族を
も侮辱したりするものも含まれている。」「さらに、本件各行為は、小隊長等として消防職員を指導すべき立場にある被上告- 4 -
人が、少なくとも10人もの部下に対し、十数年もの長期間、多数回にわたり、上記のような不適切な指導や発言を執拗に繰り返したというものであり、甚だし
く職場環境を害し、上告人の消防組織の秩序や規律を著しく乱すものというべきである。」として、免職処分を裁量権の濫用に当たり違法とし
た原審を破棄するもの。(同消防団の別人に対する懲戒処分についての同日付の同旨の判例もある。)
(関連判例)
国旗国歌懲戒
INAX メンテナンス事件
最高裁第3小(平成23.4.12)
(判例集)
(分類)
(概要)
住宅設備機器の修理補修等を業とする会社と業務委託契約を締結してその修理補修等の業務に従事する者が、「被上告人(編注:会社)の上記
事業の遂
行に不可欠な労働力とて,その恒常的な確保のために被上告人の組織に組み入れられていたものとみるのが相当」、「被上告人(編注:会社)
の指定する業務遂
行方法に従い,その指揮監督の下に労務の提供を行っており,かつ,その業務について場所的にも時間的にも一定の拘束を受けていたものとい
うことができる」 等として、当該会社との関係において労働組合法上の労働者に
当たるとするも の。
(平成23年7月25日、厚生労働省の「労使関係法研究会」において、労働組合法上の労働者性の判断基準について報告書が取りまとめられ
た(厚生労働省のページ)。)
(関係法令)
(関連判例)
茨 城石炭商事事件
最高裁第1小(昭和51.7.8)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者がその事業の執行につき被用者の起こした自動車事故により使用者の負っ
た損害について求償した事件について
- 「使用者が、その事業の執行につきなされた被用者の加害行為により、直接損害
を被り又 は使用者 としての損害
賠償責任を負担したことに基づき損害を被つた場合には、使用者は、その事業の性格、規模、施設の状況、被用者の業務の内容、労働
条件、勤務態度、加害行為
の態様、加害行為の予防若しくは損失の分散についての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地
から信義則上相当と認めら
れる限度において、被用者に対し右損害の賠償又は求償の請求をすることができるものと解すべきである。」として、4分の1を限度
として求償を認めるもの。
(関係法令)
(関連判例)
揖斐 川電工事件
岐阜地裁(昭和26・7・2)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働委員会における不当労働行為の成否に関する証拠調べは、審問においておいて行わればならず(申し立てを却下する理由が存する場合は審
問を経ることは必 要とされていないとする。)、却下の場合を除き、審問を
経ないで発せられた 命令は違法である とするもの。
(編注)(中央労働委員会による再審査の命令については、命令を発するに熟すると認めるときは審問を経ないで命令を発することができると
されている。(労 委規則第55条第2項))
(関係法令)
(関係判例)
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イ
ビデン(コンプライアンス相談窓口)事件
最高裁第1小(平成30.2.15)
(判例集)
(分類)
安全衛生 労働契約 均等
(概要)
・グループ企業の親会社が、グループ会社の法令遵守に関し、グループ会社の従業員等が相談する相談窓口を
設けている場合、グループ会社の従業員が相談の申し出をすれば、「申出の具体的状況いかんによっては,当該申出をした者に対し,
当該申出を受け,体制とし
て整備された仕組みの内容,当該申出に係る相談の内容等に応じて適切に対応すべき信義則上の義務を負う場合があると解される。」
とするもの。
・具体的事案(グループ会社の従業員によるつきまとい行為)については、法令遵守体制の仕組みが、「本件相談窓口に対する相談の
申出をした者の求める対応
をすべきとするものであったとはうかがわれない」とし、相談内容が、被害者がグループ会社を退職した後の事業場外の事案につて、
8か月以上経過後であった
ことから、親会社の対応は、「債務不履行に基づく損害賠償責任を負わないというべきである。」とするもの。
(関係法令)
労働契約法 安全衛生法 民法
(関連判例)
伊予銀
行・いよぎ んスタッフサービス事件
最高裁第1小(平成21.3.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 約13年間、6ヶ月ごとに派遣元との雇用契約を更新し、同一の派遣先に派遣され、派遣元と派遣先との派遣契約が終了したことか
ら、雇用契 約の更新が拒絶さ れた事案について、雇用契約は終了しているとして、更新拒絶を有効とする原審を維持するもの。
- 今井裁判官の、� 崗鑞儼拭廚箸靴童柩僂気譴襪發里任△襪�、��派遣労働者の雇用契約において、「雇い止めの法理」が適用されるか
という2 点において、派遣
労働者の雇用関係について重要な法律問題を含む事件であり、上告審としての判断を示すのが適当であるとする反対意見が付されたもの。
(関係法令)
(関連判例)
医療法人社
団康心会残業代事件
最高裁第2小(平成29.7.7)
(判例集)
(分類)
労働時間
(概要)
○年俸制の医師の
雇用契約で、「本件時間外規程に基づき支払われるもの((編注)休日や午後9時30分から午前8時までの緊急業務等)以外の時間外労働等に対
する割増賃金
について,年俸1700万円に含まれることが合意されていたが、上記年俸のうち時間外労働等に対する割増賃金に当たる部分は明らかにされてい
なかった」場
合の残業代について、「割増賃金をあらかじめ基本給等に含める方法で支払う場合においては(中略)労働契約における基本給等の定めにつき,通
常の労働時間
の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要」等として、年俸の支払いにより割増賃金は支払われたとする原
審を破棄差し 戻すもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
医
療法人新 光会事件
最高裁第3小(昭和43・4・9)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 不当労働行為禁止の規定は、憲法28条に由来し、労働者の団結権、団体行動権を保証するための規定であるから、これに違反する法律行為(この場合は解雇)は、無効で有るとするもの。
- (編注)本件は、昭和24年前の旧労組法では、不当労働行為に刑罰を科すことができたので、不当労働行為となる解雇は、強行法規
違反とし て当然に無効と考
えられていたが、昭和24年以降の新労組法において不当労働行為が刑罰主義から労働委員会命令による原状回復主義に変更されたことに
より、解雇無効を疑問 とする考え方に答えたものである。
(関係法令)
(関連判例)
羽
後銀行 (北都銀行)事件
最高裁第3小(平成12.9.12)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 週休二日制の導入の代わりに、週初めと毎月25日以降の平日の労働時間を1時間延長する就業規則の変更は、これに同意しない従業員には
適用されないとして、時 間外手当の減額分の支給を求めた事件。
- 就業規則の変更が従業員にとって不利益な部分を含むことを認めつつ、「年間の所定労働時間が減少して時間当たりの基本賃金額が増
加し、し かも、連続した休
日の日数が増加することからすれば、平日の労働時間の延長による不利益及びこれに伴いある程度は生ずるであろうことが予想される時間
外勤務手当の減収を考
慮しても、被上告人らが本件就業規則変更により被る実質的不利益は、全体的にみれば必ずしも大きいものではないというのが相当であ
る」また、「他の金融機
関と同じ程度の競争力を維持するためにも、就業規則変更の必要性があるということができる」等として、「本件就業規則変更は、右不利
益を被上告人らに法的
に受忍させることもやむを得ない程度の必要性のある合理的内容のものであると認めるのが相当である」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
エス・
ウント・ エー事件
最高裁第3小(平成4.2.18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法三九条一項に
いう全労働日とは、一年の総暦日数のうち労働者が労働契約上労働義務を課せられている日数をいうものと解すべきところ、・・・上告会
社の新就業規則に定め
る一般休暇日は労働者が労働義務を課せられていない日に当たり、したがって、同就業規則中、右の一般休暇日が全労働日に含まれるもの
として年次有給休暇権の成立要件を定めている部分は同項に違反し無効で
あるとした原審の判断は、正当として是 認することができる」とするもの。
- 「使用者に対し年次有給休暇の期間について一定の賃金の支払を義務付けている労働基準法三九条四項((編注)昭和62年改正によ
り4項に 繰り下げ)の規定 の趣旨からすれば、使用者は、年次休暇の取得日の属する期間に対応する賞与の計算上 この日
((編注)法定及び法定外年休取得日)を欠勤として扱うことはできないものと解するのが相当である。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
エッ
ソ石 油事件
最高裁第1小(平成5・3・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者と労働組合の間に労働基準法24条1項ただし書の要件を具備するチェックオフ協
定が労働協約の形式により締結されている場合であっても、使用者が有効なチェックオフを行うためには、当該協定の外に使用者が個々の
労働組合員から委任を
受けることが必要であって、委任が存しないときは、使用者は当該組合員の賃金からチェックオフをすることはできないとするもの。
- 組合員からチェックオフの中止が使用者に申し入れられたときは、使
用者は当 該組合員に対する チェックオフを中止すべきものであるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
江戸川製作所事件
最高裁第3小(昭和44・9・2)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 破産会社に対する(退職金支給基準に基づき支払われる)退職金債権は、給料の後払
いの 性格を 持つものであり、退職金のうち、最後の6ヶ月間の給料相当額について一般の先取特権が 有ると するもの。
- 1ヶ月分の予告手当てについても先取特権を有している者について、退職金債権のうち、6ヶ月分の給料相当額から1ヶ月分を差し引
いた5ヶ 月分について先取 特権を認めた原審判決を是認するもの。
- (編注)株式会社、有限会社及び相互会社については最後の6ヶ月間の給料に限定せず、先取特権が認められている(商法295条、
有限会社 法46条、保険業 法59条)。また、破産、会社更生または和議の場合は、それぞれの法律に従い処理されることとなる。
(関係法令)
(関連判例)
NTT東日本北海道支店事件
最高裁第1小(平成20.3.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とが共に原因となって損害が発生した場合において,当該疾患の態
様,程度 等に照らし,加害
者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは,裁判所は,損害賠償の額を定めるに当たり,民法722条2項の規定を類推適用し
て,被害者の疾患をし
んしゃくすることができる」、「このことは,労災事故による損害賠償請求の場合においても,基本的に同様であると解される」とするも
の。
- 業務上の過重負荷と従業員の基礎疾患とが共に原因となって従業
員が急性 心筋虚血 により死亡した場合において,使用者の不法行為を理由とする損害賠償の額を定めるに当たり過失相殺に
関する民法722条2項の規定を類推適用しなかった原審の判断に違法があるとし、破棄・差し戻しするもの。
(関係法令)
(関連判例)
NTT 年休事件
最高裁第2小(平成12・3・31)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 訓練期間中に1日の年次有給休暇((編注)当初組合休暇を請求
したが、 本件訓練 期間中は組合
休暇を認めることはできないとされたため、年休を請求したもの)を請求した従業員が会社から時期変更権の行使を受けたのに、当日の訓
練を欠席し、無断欠勤
を理由に就業規則所定の懲戒処分であるけん責処分を受け、同処分を受けたことを理由に就業規則に基づいて職能賃金の4分の2を減じら
れ、さらに当日分の賃 金を削減されたことにつき、処分の無効確認及び減額分の賃金の支払いを求める事件。
- 欠席した講義が自習可能であること、本人が普通以上の成績で訓練を終了していることから、1日の年休を取得することが訓練の目的
を困難に するとまで認める
ことはできないとして処分を無効とした原審に対して、「時期変更権を行使するか否かを決定するに際して、右自習がされることを前提と
することができな
い」、「本件訓練をおおむね普通以上の評価をもって終了したことも、時期変更権行使の時点では上告人の予見し得ない事情にすぎない」
等とし、「欠席した講
義において修得することが予定されていた知識、技能をあらかじめ有していたと認められるか否かなどの点についた更に審理」する必要が
あるとして原審を破棄 差し戻すもの。
- 時期変更権行使の要件があるとしても、「時期変更権の行使が不当労働行為に当たるか否か」、「定期昇給に係る不利益を伴うけん責
処分を行 うことが懲戒権の 濫用に当たらないか否かなどについても、審理判断させる必要がある」とするもの。
- (編注)平成14年6月25日、最高裁第3小法廷は、原判決を取り消して原告の請求を棄却した差戻し控訴審判決(平成13年11
月28日 東京高裁判決)を 維持した(JIL労働情報)。
(関係法令)
(関連判例)
NBC
工業事 件
最高裁第3小(昭和60・7・16)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 精皆勤手当ての支給において生理休暇の取得日を欠勤扱いすることに
ついて、 生理休暇中の賃金
と同様に労使間の合意に委ねられているものであり、生理休暇の取得を著しく困難とし、労働基準法が生理休暇の規定を設けた趣旨を失わ
せるものと認められる ものでない限り、労基法違反ではないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
大
石塗 装・鹿島建設事件
最高裁第1小(昭和55・12・18)
(判例集)
(分類)
安全衛生、労働災害
(概要)
- 元請企業の安全配慮義務について、「原審が認容した請求は不法
行為に基 づく損害 賠償請求では
なくこれと択一的に提起された被上告人らが亡Aに対して負担すべき同人((編注)鹿島建設)と被上告人大石塗装株式会社との間の雇傭
契約上の安全保証義務
違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償請求であることが原判決の判文に照らして明らか」として、義務を負うことを認めた原審判
決を前提として判示す
るもの。((編注)元請企業の安全配慮義務の存在の有無自体については、企業側からの上告がなく、理由は示されていない。)
- 安全配慮義務違反の損害賠償の遅延損害の始期について、「債務
不履行に 基づく損 害賠償債務は
期限の定めのない債務であり、民法四一二条三項によりその債務者は債権者からの履行の請求を受けた時にはじめて遅滞に陥るものという
べきである」として、
履行の請求を受けたときであるとするもの。((編注)不法行為の場合は、履行の遅滞に陥るのは、損害発生時とされる。)
- 安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求の場合、遺族固有の慰謝料請求権に
つい
て、「亡Aと被上告人らとの間の雇傭契約ないしこれに準ずる法律関係の当事者でない上告人らが雇傭契約ないしこれに準ずる法律関係上
の債務不履行により固 有の慰藉料請求権を取得するものとは解しがたい」として、これを否定するもの。
(関係法令)
(関連判例)
大隈 鉄工所事件
最高裁第3小(昭和62.9.18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 人事部長に退職届を提出し、即時受理された後、翌日になって退職の意思表示を取り消す旨申し入れたことについて、退職願の撤回の効力が
争われた事件について、「人事部長に被上告人の退職願に対する退職承認の決定権があるならば、・・・人事部長が被上告人の退職願を受
理したことをもって本
件雇用契約の解約申込に対する上告人の即時承諾の意思表示がされたものというべく、これによって、本件雇用契約の合意解約が成立した
ものと解するのがむし
ろ当然である」として、人事部長による退職願の受理は解約申し込みの意思表示を受領したにとどまるとした原審を破棄差し戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
大阪医科薬科大学
(同一労働同一賃金) 事件
最高裁第3小(令和2.10.13)
(判例集)
(解説)
ビジネスガイド895.5 898.90
(分類)
期間雇用者
(概要)
・正社員には賞与が支給され、有期労働者には賞与が支給さえないことについて、賞与の目的を
「第1審被告(使用者)は、正社員としての職務を遂行しうる人材の確保やその定着を図るなどの目的から、正社員に対し賞与を支給すること
にしたものといえ る」とするもの。
・労働契約法20条の有期労働者との比較対象の正社員を「第1審原告(労働者)
により比較の対象と された教室事務員である正職員」とし、教室事務員である正職員と有期労働者の比較を行うもの。
・アルバイト職員は雇用期間を1年以内とし、更新の上限を5年としていた
事案。
・正社員登用制度が設けられ運用されていたことについて、「労働条件の相
違が不合理と
認められるか否かを判断するにあたり、労働契約法20条所定の「その他の事情」として考慮するのが相当である」とするもの。
・「大学の教室事務員である正職員に対して賞与を支給する
一方で,アルバイト職員である第1審原告に対してこれを支給しないという労働条
件の相違は,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たらないと解す るのが相当である。 」とするもの。
・私傷病による休職給(正社員に6か月間2割支給)について、「正職員が長期
にわたり継続して就労 し,又は将来にわたって継続して就労することが期待されることに照らし,正職員
の生活保障を図るとともに,その雇用を維持し確保するという目的によるものと解
される。」とし、「教室事務員である正職員と第1審原告との間に私傷病による欠勤中の賃金に係
る労働条件の相違があることは,不合理であると評価することができるものとはい えない」とするもの。
(関係法令)
労働契約法 (有期パート法)
(関連判例)
大阪市A協会産業医事件
大阪地裁(平成23.10.25)
(判例集)
(分類)
安全衛生
(概要)
○自律神経失調症で休職中の者が職場の産業医との面談で、症状が悪化し、復帰が遅
れた
ことについて、「産業医は,大局的な見地から労働衛生管理を行う統括管理に尽きるものではなく,メンタルヘルスケア,職場復帰の支援,健
康相談などを通じ
て,個別の労働者の健康管理を行うことをも職務としており,産業医になるための学科研修・実習にも,独立の科目としてメンタルヘルスが掲
げられていること
に照らせば,産業医には,メンタルヘルスにつき一通りの医学的知識を有することが合理的に期待されるものというべきである。」等として、
産業医に60万円 の損害賠償を命じるもの。
(関係法令)
労働安全衛生法、民法
(関連判例)
大館労基署長(四戸電気工事店)事件
最高裁第3小(平成9.4.25)
(判例集)
(解説)
産業保健21 73.16
(分類)
労働災害
(概要)
〇業務に従事中に付近に重量物が落下して顔面を負傷するという事故に
遭った日の二日後に非外傷性の脳血管疾患を発症し
た配電工の死亡につい
て、「他に確たる発症因子のあったことがうかがわれない以上、同人の有していた基礎疾患等が業務上遭遇した本件事故及びその後の業務の遂
行によってその自 然の経過を超えて急激に悪化したことによって発症したものとみるのが相当であり、その間に相当因果関係の存在を肯定することができ
る。」として、労災保 険法上の業務上の死亡に当たるとするもの。
(関係法令)
労災保険法
(関連判例)
大手前高松高等(中)学校事件
→倉田学園事件
大浜 炭坑事件
最高裁(昭和24・4・23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「鉱業所長の追放を主張して労働争議をなす場合においても、それが
もっぱら 同所長の追放自体
を直接の目的とするものではなく、労働者の労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図る為の必要的手段としてこれを主張する場合
には、かかる行為は必 ずしも労働組合運動として正当な範囲を逸脱する
ものということを得ない と解するべきである」 とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
大林ファシリティーズ事件
最高裁第2小(平成19.10.19)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- マンションの住込み管理員の労働時間について、所定労働時間外
に従事し ていた断 続的な業務の開始時刻から終了時刻までの時間が、管理員室の隣の居室における不活動時 間を含め、
「会社の指揮命令下に置かれていたものであり,上記時間は、労基法上の労働時間に当たるというべきである」とするもの。
- 通院や犬の運動に要した時間は、会社の指揮命令下にあったということはできないとして、「通院及び犬の運動に要した時間を控除し
て時間外 労働をした時間を 算定する必要がある」として、原審に差戻すもの。
(関係法令)
(関係判例)
大 星ビル管理事件
最高裁第一小(平成14.2.28)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 仮眠中に「仮眠室における待機と警報や電話等に対して直ちに相応の対応をすることを義務付けられている」仮眠時間について、「本
件仮眠時 間中は不活動仮眠
時間も含めて被上告人の指揮命令下に置かれているものであり、本件仮眠時間は労基法上の労働時間にあたるというべきである。」とし
て、この点に関する原審 判断は正当であるとするもの。
- 4週間または1ヶ月単位の変形労働時間を採用していたと認めるには、「作成される各書面の内容、作成時期や作成手続等に関する就
業規則等 などの定めを明ら
かにした上で、就業規則等による各週、各日の所定労働時間の特定がされていると評価し得るか否かを判断する必要がある」等として、原
審判決を支払額の算定 方法に問題があるとして破棄し、差し戻すもの。
- (編注)平成15年2月24日、差戻し控訴審において、会社側が請求通に約290万円支払うことで和解が成立した。(平成15年
3月3日 週刊労働ニュー ス)
(関係法令)
(関連判例)
大 曲市農協事件
最高裁第3小(昭和63・2・16)
(判例集)
(分類)
就業規則、賃金、退職金
(概要)
- (秋北バス判決の就業規則の規則条項が合理的であ
るについ て、)就業規則の作成または変更が、その必要性およびないよ
うの両面か ら見て、それによって 労働者が被る不利
益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解さ
れるとするもの。
- 賃金、退職金など、労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成または変更については、当該
条項がそ の不利益を労働者
に受任させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合に効力を生じるとするもの。
- 合併に伴い退職金の支給倍率が他農協にあわせて引き下げられたことについて、給与額の増額により現実に支給される累計額の差は小
さいこ と、合併における労働条件統一の必要性、他の労働条件で有利に
なったも のが有ること等から、 合理性を有する とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
大 曲郵便局事件
最高裁第1小(平成16.3.25)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 7年間に渡る非違行為を理由とする分限免職処分について、「国家公務員法78条3号の「その官職に必要な適格性を欠く場合」と
は,当該職 員の簡単に矯正す
ることのできない持続性を有する素質,能力,性格等に基因してその職務の円滑な遂行に支障があり,又は支障を生ずる高度の蓋然性が認
められる場合をいうも
のと解される。」とし、「被上告人の行為,態度等は,容易に矯正することのできない被上告人の素質,性格等によるものであり,職務の
円滑な遂行に支障を生 ずる高度の蓋然性が認められる」として、分限免職を有効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
岡山大学学友会事件
最高裁第3小(平成16.4.20)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 大学による学内組織の解散を認め、嘱託員の解雇を有効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
奥道 後観光バス事件決定
最高裁第1小(平成15.10.9決定)
(判例集)
(分類)
(概要)
- バス運転手23名中18名の希望退職者があることを承知しながら行った2名の整理解雇を無効とした原審判決を不服とする会社側上
告につい て受理しない旨の 決定をするもの。
(関係法令)
(関連判例)
小野
リース事件
最高裁第3小(平成22.5.25)
(判例集)
最高裁のページ 労判1018.5 労経速2078.3 判時2085.160
(分類)
(概要)
- 「労働審判に対し適法な異議の申立てがあったため訴えの提起があっ
たものと みな
されて訴訟に移行した場合(労働審判法22条参照)において,当該労働審判が「前審の裁判」に当たるということはできない(なお,当
該労働審判が同号にい
う「仲裁判断」に当たらないことは明らかである。)」とし、「本件訴訟に先立って行われた労働審判手続において労働審判官として労働審判に関与した裁判官が本件の第1審判決をしたことに違法
はない」とするもの。
- 幹部職員として採用された者の飲酒癖に起因すると認められる勤務態度、欠勤を事由
とする解 雇は、 「著しく相当性を欠き、・・・不法行為を構成するものということはできない」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
オ リエンタルモーター事件
最高裁第2小(平成7・9・8)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働組合が無許可で食堂を使用したことに対して、会社が食堂に施錠
して組合 の使用を拒否した ことが、不当労働行為に当たらないとするもの。
- また、組合から、36協定を従業員の過半数からなる当該組合と締結すべきであると主張がなされ、労働基準監督署から是正勧告を受
けた会社 が、締結主体の適 格性を確認するために組合に組合員名簿の提出を
求め組合が拒否した後、職制を通じて記名式の組合加入の有無の調査を行ったことについて、会社が組合員の氏名を知ろうとすること自体
は禁止されているとこ
ろではなく、会社は早急に新協定を結ぶ必要が有り、組織率を把握できる資料を組合が提出しない以上、調査は無理からぬものであって、
不当労働行為には当た らないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
オリエンタルモーター(平3)
最高裁第2小(平成3・2・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 組合員が勤務時間中に職場を離脱して組合活動を行ったことについ
て、当該組 合活動は会社の組
合の組織に対する切り崩しに対する抗議活動や対策協議のために行ったもので、組合運営に不可欠であるとともに、組合員が勤務時間中に
組合活動をしなければ ならなかったのも会社の行為が原因となっている
と考えられ、そして、就 業時間中の組合活動に より業務に具体的な支障を生じていないのであるから当該組合活動は正当な組合活動で あるとし
て、当該組合活動を理由に会社が仕事上の差別取り扱いをしたことは不当労働行為であるとする原審判決を支持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
か
改
進社事件
最高裁第3小(平成9・1・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- (在留資格を超えて残留している外国人の労災事故に関する逸失利益
の算定方 法について)予測
される我が国での就労可能期間ないし滞在可能期間内は我が国での収入等を基礎とし、その後は想定される出国先(多くは母国)での収入
等を基礎として算定す るのが合理的であるとするもの。
- 事故後に勤めた会社を退職した翌日から3年間は我が国で得ていた収入を基礎とし、その後については、来日前に母国で得ていた収入
を逸失利 益の算定の基礎と した原審判決が支持されたもの。
- 労災保険特別支給金規則に基づく休業特別支給金等の特別支給金は、
被災 労働者の
損害を補填する性質を有するということはできず、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金を損害額から控除することはできないと
するもの。
(関係法令)
(関連判例)
海 遊館セクハラ発言事件
最高裁第1小(平成27.2.26)
(判例集)
(分類)
均等、懲戒
(概要)
・職場において繰り返し行われた性的な発言等のセクシャルハラスメント等を懲戒事由とする出勤
停止処分が、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であるとは認められない場合に当たるとは言えないとして、懲戒を有効とするもの。
(関係法令)
民法 均等法
(関連判例)
香川県職員退職条例事件
最高裁第3小(平成12.12.19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 禁固以上の刑に処せられたため、地方公務員法28条4項の規定により失職した者に
対して、 一般の退職手当を 支給しない旨を定めた条例は、
「禁固以上の刑に処せられた者は、その者の公務のみならず当該地方公共団体の公務一般に対する住民の信頼を損なう行為をしたものであ
るから、勤続報償の対
象となるだけの公への貢献を行わなかったものとみなして、一般の退職手当を支給しないものとすることにより、退職手当制度の適正かつ
円滑な実施を維持し、
もって公務に対する住民の信頼を確保することを目的としているものである。」として、「必要かつ合理的なものというべきであって、地
方公務員を私企業労働 者と比べて不当に差別したものとはいえない。」として、憲法に
違反しないと するもの。
(関係法令)
(関連判例)
鹿島建設事件
片山 組事件
最高裁第1小(平成10・4・9)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 労働者が職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結した場合において、現に命ぜら
れた特定 の業務についての 労務提供が
十全にできないとしても、能力、経験、地位、企業規模、業種、労働者の配置・異動の実情及び難易等に照らして当該労働者が配置される
現実的可能性が有ると
認められる業務について労務の提供をすることが出来、かつ申し出ている場合には債務の本旨にしたがった履行の提供があると解すべきで
あるとするもの。
- 職種や業務内容を特定せずに労働契約を締結し、現場監督業務に従事していた労働者が私病(パセドウ病)に罹患し、現場監督業務に
従事する ことは不可能であ
るが事務作業は行える場合に、自宅治療を命じ、その間の賃金等を支給しなかったことを肯定する原審を破棄差戻しするもの。
- (編注)差戻し後上告審(平成12,6.27最高裁第3小決定)により、企業からの上告が棄却され、受理されずに、本件が終結し
た。(労 判784・14)
(関係法令)
(関連判例)
神奈川信用農業協同組合事件
最高裁第1小(平成19.1.18)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 所定の条件を満たした従業員が定年前に退職の申出をし使用者がこれを認めたときに定年退職扱いとし割増退職金を支給するとの選択
定年制が 定められている場
合に,これによる退職の申出をしたが承認がされなかった従業員について,同退職の効果が生じないとされとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
神奈川都市交通事件
最高裁第1小(平成20.1.24)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働者が、労働基準法76条に定める休業補償と同一の事由に付いて、労災保険法12条の81項2
号、14号所定の休業給 付を受ける場合、使用者は、労働基準法84条1項により、同法76条に基づく休業補償義務を免れるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
金沢セクハラ事件
名古屋高裁金沢支部(平成8・10・30)
(判例集)
(分類)
(概要)
代表取締役宅で家政婦的業務に従事していた女性に対する代表取締役(男性)の性的言動及び殴打行為を違法とし、代表取締役は、民法709
条により、会社は民法44条1項により損害賠償義務を負うとするもの。一
方、原告に対する解雇(普通解雇)は、有効であ るとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
福岡セクハラ事件 最高裁判決
金沢セクハラ事件(平11)
最高裁第2小(平成11年7月16日)
(判例集)
(分類)
(概要)
(関係法令)
(関連判例)
金 沢労基署(災害調査復命書)事件
最高裁第3小(平成17.10.14決定)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「本件文書((編注)災害調査復命書)は,�)楫鐵敢挫甘�者が職務上知ることができた本件事業場の安全管理体制,本件労災事故の
発生状 況,発生原因等の被
告会社にとっての私的な情報(以下「�,両霾鵝廚箸いΑ�)と,�∈独�防止策,行政上の措置についての本件調査担当者の意見,署長判決
及び意見等の行政内部
の意思形成過程に関する情報(以下「�△両霾鵝廚箸いΑ�)が記載されているものであり、」とし、「� き△両霾鵑坊犬詆�分は,いずれ
も,民訴法220条4 号ロにいう「公務員の職務上の秘密に関する文書」に当たるものと認められる。」とするもの。
- 「�△両霾鵑坊犬詆�分は民訴法220条4号ロ所定の「その提出によ
り(中 略)公務の遂行に著
しい支障を生ずるおそれがあるもの」に該当しないとはいえないが,�,両霾鵑坊犬詆�分はこれに該当しないというべきであるから,本件
文書のうち,�△両霾� に係る部分については同号に基づく提出義務が認
められないが,�,両霾� に係る部分については 上記提出義務が認められなければならない」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
河合塾(非常勤講師・出講契約)事件
最高裁第3小(平成22.4.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 塾の提案した講義のコマ数の減少を非常勤講師が拒否し、出講契約が更新されなかったことについて、講師に対する慰謝料請求を認めた原審を破棄する
もの。
(関係法令)
(関連判例)
川義
事件
最高裁第3小(昭和59.4.10)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「使用者は、・・・労働者が労務提供のために設置する場所、設備もしくは器具等を使用し又は使用者の指示のもとに労務を提供する
過程にお いて、労働者の生
命及び身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務(以下「安全配慮義務」という。)を負っているものと解するのが相当である。」と
するもの。
- 宿直員が盗賊に殺害された事件において、会社に盗賊進入防止等に関する安全配慮義務があるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
関西 医科大学付属病院事件
最高裁第2小(平17.06.03)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 研修医について、「上告人((編注)大学付属病院を開設する学校法人)の指揮監督の下で労務の提供をしたものとして労働基準法9条所定の労働者に当たり,最低賃金法2条所定の労働者に当たるというべき
である」として、最低賃 金との差額の支払いを命じた原審を維持するもの。
- (編注)同事件に関連する、過労死損害賠償請求事件は、請求を認めた大阪高裁平成16.7.15判決が上告されず、確定し、ま
た、私学共 済未加入による共
済年金相当の損害賠償請求を求めた事件は、請求を認めた二審判決が最高裁第2小平成17.5.13決定で棄却・不受理とされ確定して
いる。
(関係法令)
(関連判例)
関
西精 機事件
最高裁第2小(昭和31.11.02)
(判例集)
(概要)
- 「労働基準法二四条一項は、賃金は原則としてその全額を支払わなければならない旨を規定
し、これによれば、賃金 債権に対しては損害賠償債権をもつて相殺をすることも許されないと解するのが相当である」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
関西電力事件(昭58)
最高裁第1小(昭和58・9・8)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働者の職場外でなされた職務遂行に関係のない行為であっても、企
業の円滑 な運営に支障をき
たすおそれが有るなど、企業秩序に関係を有するものは、企業秩序の維持確保のための使用者による規制の対象となるとするもの。
- 上の場合を除き、労働者は、職場外の職務遂行に関係のない行為について、使用者による規制を受けないとするもの。
- 社宅において大部分事実に基づかず会社と組合を批判するびらを配布
したこと は、企業秩序を乱
し、又はそのおそれがあったとして、就業規則の懲戒事由(その他特に不都合な行為が有ったとき)に該当し、これに基づく譴責処分を有
効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
関 西電力事件(平7)
最高裁第3小(平成7・9・5)
(判例集)
(分類)
(概要)
企業秩序違反の危険性がないに関わらず、共産党員またはその同調者であることのみを理由として、職制を通じて職場内外で監視する体制を
とったり、他の従業 員に当該労働者と接触しないように働きかけたりして当該労働者を職場で孤立させ、その過程で、労働者を尾行し たり、無断で個人のロッカーを
開けて私物である民青手帳の写真を撮ったこと は、職場における
自由な人間関係を形成する自由を不当に侵害し、また名誉を毀損し、プライバシーを侵害するもので、人格的利益を侵害するものであるとして
不法行為を構成す るとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
九州朝日放送事件
最高裁第1小(平成10・9・10)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 24年間アナウンサー業務に従事した者からの、他業務への配転命令に
対するアナウンサーとしての地位確認請求において、このような地位があるというためには、「本件労働契約においてアナウンサーとして
の業務以外にの職種に
は一切就かせないという趣旨の職種の限定が合意されることを要し、単に長年アナウンサーとしての業務に就いていたのみでは足りない」
等として配転を有効とした原審(全基連(06833))を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
協同組合グローブ事件
最高裁第3小(令和6.4.16)
(判例集)
最高裁のページ
(判例解説)
ビジネスガイド947.6
(分類)
労働時間
(概要)
・外国人の技能実習に係る監理団
体の指導員が事業場外で従事した業務につき、以下の通り判断し、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たらないとした原審の判断に違法があるとし、差
し戻すもの。
・「本件業務は、実習実施者に対する訪問指導のほか、技能実習生の送迎、生活指導や急なトラブルの際の通訳等、多岐にわたるもので
あった。また、被上告人は、本件業務に関し、訪問の予約を行うなどして自ら具体的なスケジュールを管理しており、所定の休憩時間とは
異なる時間に休憩をとることや自らの判断により直行直帰することも許されていたものといえ、随時具体的に指示を受けたり報告をしたり
することもなかったものである。 」
・「このような事情の下で、業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状
況等を考慮すれば、被上告人が担当する実習実施者や1か月当たりの訪問指導の頻度等が定まっていたとしても、上告人において、被上告
人の事業場外における勤務の状況を具体的に把握することが容易であったと直ちにはいい難い。 」
・「((編注)業務日報の正確性)については、単に業務の相手方に対して問い合わせるなどの方法を採り得ることを一般的に指摘するも
のにすぎず、実習実施者等に確認するという方法の現実的な可能性や実効性等は、具体的には明らかでない。((編注)会社が業務日報の
正確性を前提に残業手当を支払うこともあったこと)についても、上告人は、本件規定を適用せず残業手当を支払ったのは、業務日報の記
載のみによらずに被上告人の労働時間を把握し得た場合に限られる旨主張しており、この主張の当否を検討しなければ上告人が業務日報の
正確性を前提としていたともいえない上、上告人が一定の場合に残業手当を支払っていた事実のみをもって、業務日報の正確性が客観的に
担保されていたなどと評価することができるものでもない。 」
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
阪急トラベル
京都市教組超過勤 務事件
最高裁第三小(平成23.7.12)
(判例集)
(分類)
安全衛生、労働時間
(概要)
・公立小中学校の教員が、勤務時間外に業務を行ったことについ て、給特報(国
立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)に違反する黙示の職務命令等によるものであり,また,
各学校の設置者であ る上告人は被上告人らの健康保持のため時間外勤務 を防止するよう配慮すべき義務に違反した等として、国家賠
償法1条1項に基づく損害賠償等を請求する事案。(編注:公立学校の教職員は、給特報で、超過勤務手当は支払われず、一律の調整手当が支
払われることとさ れ、時間外勤務は原則としてさせないことされている。)
・「勤務校の各校長が被上告人らに対して明示的に時
間外勤務を命じてはいないことは明らかであるし,また,黙示的に時間外勤務を命
じたと認めることもできず,他にこれを認めるに足りる事情もうかがわれない」等として、「の勤務校の上司である各校長において,被上告人
らの職務 の負担を軽減させるための特段の措置を採らなかったとしても,被上告人らの心身
の健康を損なうことがないよう注意すべき上記の義務に違反した過失があるという
ことはできない。」とし、「国家賠償法上の違法及び過失が
あるとは認められず,上告人は,被上告人らに対し,同法1条1項に基づく賠償責 任を負わないというべきである」とするもの。
(関係法令)
国賠法、給特報
(関連判例)
京都市交通局事件
最高裁第2小(平成16.7.12)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 「使用者が同条3号の不当労働行為を行ったことを理由として救済申立てをするについては,当該労働組合のほか,その組合員も申立
て適格を 有すると解するの が相当である」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
京 都新聞社事件
最高裁第1小(昭和60・11・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 賞与について、支
給日に 在籍する 従業員に支払われるとの慣行が存在する場合に、「(当該)慣行はその内容において不合理なもの
ということはでき ず、上告人(賞与の計算期間
中在籍して支給日前に期間満了で退職した嘱託従業員)がその存在を認識してこれにしたがう意思を有していたかどうかにかかわらず、事実たる慣習として上告人に対しても効力を有する」とするもの
- 上の慣行がある場合に、上告人は嘱託期間満了により退職した後の日を支給日とする賞与については受給権を有しないとするもの
(関係法令)
(関連判例)
近畿システム管理事件
最高裁第3小(平成7・11・21)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働組合の委員長を定年退職後再雇用しなかったことが不当労働行為に当たるとして、定年退職後1年3ヶ月以上経過した後に再雇用
を命じた 労働委員会の救済 命令に対して、会社が命令の取消しを求める行政訴訟にお
いて初めて、
定年退職後の再雇用は1年間と定められているので、1年を超えて雇用することを命じることとなる救済命令は不当であると主張したこと
について、「上告人
は、本件救済手続きにおいては、嘱託再雇用はあくまで上告人の自由な裁量で行っているものと主張して、その期間が1年間と定められて
いる旨の主張も、前記
内規の存在の主張もせず、これを証拠として提出することもせず、本訴において初めてこれらの主張立証をしたというのである。右の経過
に原審の適法に確定し
たその余の事実関係を加えて本件を考察すれば、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、・・」とするもの
- (注)原審(大阪高裁(平成6・8・31労判694・23))「控訴人は、本件救済手続きにおいては、嘱託再雇用はあくまで上告
人の自由 な裁量でなしてい
るものと主張し、前記内規の存在を主張せず、これを証拠としても提出せず、まして、その期間が1年間と定められている旨の主張もせ
ず、本訴において初めて これらの主張立証をしたことが認められ、右事実によれば控訴人の右主張は信義に反する ものであり、
そのことをひとまずおいても、被控訴人(労働委員会)は、救済命令として、労働者個人に対する侵害に基づく個人的被害を救済するとい
う観点からだけでな
く、あわせて組合活動一般に対する侵害の面をも考慮し、このような侵害状態を除去、是正して法の所期する正常な集団的労使関係を回復
確保するという観点か
ら、必要、適切な措置を命ずることができるのであるから、本件救済命令が、右趣旨に鑑み、その裁量を逸脱、濫用したものと解すること
はできず・・」とする もの。
(関係法令)
(関連判例)
近 若石油道路交通法・労働基準法事件
最高裁第1小(平成21.7.16)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 36協定において、法定労働時間を超えて延長できる時間を月130時間と定める場合に、「原則的な労働時間制の場合であれば,始
期から順 次1週間について
40時間の法定労働時間を超えて労働させた時間を計算し,これを最初の週から順次積算し,上記延長することができる時間に至るまでは
36協定の効力によっ
て時間外労働の違法性が阻却されるものの,これを超えた時点以後は,36協定の効力は及ばず,週40時間の法定労働時間を超える時間
外労働として違法とな
り,その週以降の週につき,上記時間外労働があれば,それぞれ同条項違反の罪が成立し,各違反の罪は併合罪の関係に立つものと解すべ
きである」として、予 備的訴因変更を許さずに当該公訴事実について無罪とした原審を破棄、差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
久
保商店 事件
最高裁第2小(昭和58.9.9)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 勤続5年ごとに退職金名義の金員を支給しても当該支給する退職金
は、勤務が 実質的に継続して おり、所得税法30条1項の退職所得と
はいえず、給与所得であるとする もの。
(関係法令)
(関係判例)
熊谷 海事工業事件
最高裁第2小(平成24.4.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 船舶の曳航等を業とする企業に対し、労働組合員の乗り組んでいる船舶の使用、労働組合との間で従前の労使関係を営むこと等を命ず
る労働委 員会の不当労働行
為事件救済命令について、企業に雇用される労働組合員がいなくなった、対象船舶がなくなったといった事情変更後でも、企業は船舶の運
航事業を営む会社とし
て存続し、労働組合も存続している事実関係下では、救済命令の義務の履行は不可能であるとまではいえず、効力は失っていないとするも
の。
(関係法令)
(関連判例)
熊本総合運輸事件
最高裁第2小(令和5年3月10日)
(判例集)
最高裁のページ ジュリスト1584号 労判
1284.5
(分類)
賃金 労働時間
(概要)
- 「ある手当が時間外労働等に対する対価として支払われるもの
とされているか否かは・・その判断に際
しては、労働基準法37条が時間外労働等を抑制するとともに労働者への補償を実現しようとする趣旨による規定であることを踏まえた上で、当該手当の名称や
算定 方法だけでなく、当該雇用契約の定める賃金体系全体における当該手当の位置付け
等にも留意して検討しなければならない」とするもの
- 旧給与体系(日々の業務内容等に応じて月ごとの賃金総額を決定した上で、その賃金総額から基本
給と基本歩合給を差し引いた額を時間外手当とするとの賃金体系)を監督署から指導を受け、改めた新給与体系(旧給与体系の支給額と変わらないものから、基
本給と基本給に基づき計算した割増賃金を差し引いた調整手当を支給する制度)について、「新給与体系は、その実質において、時間外労
働等の有無やそ の多寡と直接関係なく決定される賃金総額を超えて労働基準法37条の割増賃金が
生じないようにすべく、旧給与体系の下においては通常の労働時間の賃金に当たる
基本歩合給として支払われていた賃金の一部につき、名目のみを本件割増賃金に置き換えて支払うことを内容とする賃金体系であるというべきである。」とする
もの。
- 「そうすると、 本件割増賃金は、その一部に時間外労働等に対する対価として支払われているもの
を含むとしても、通常の労働時間の賃金として支払われるべき部分をも相当程度含んでいるものと解さざるを得ない・・・本件割増賃金につき、通常の労働時間の賃金に当たる部分と労働基準法3
7条の割増賃金に当たる部分とを判別することはできないこととなるから、被上告
人の上告人に対する本件割増賃金の支払により、同条の割増賃金が支払われたもの
ということはできない」として、原審を破棄差し戻すもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
日本ケミカル 国
際自動車第2次
熊 本電鉄事件
最高裁第2小(昭和28.12.04)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「解雇理由はこれを被解雇者に通知しなければならないという根拠はない」とするもの。
- 「旧組合の内紛によりその脱皮生長を図るため旧組合を解散し、新にこれと別個の組合を結成したような場合には、前組合と後組合と
はその関 連性がなく、団体
としての統一的持続を欠くものと認むべく、従つて旧組合当時の協約はその効力を失うものと解すべきである」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
倉田 学園事件
最高裁第3小(平成6・12・20)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 無許可のビラ配布を理由とする懲戒処分について、目黒電報電話
局事件 (昭和
52・12・13)を引用しつつ、就業規則所定の手続きを取っていないが、業務に支障を及ぼしておらず、就業規則違反として処分する
ことは許されず、不当 労働行為が成立するとするもの。
- また、組合掲示板の設置要求に関する団交における使用者の態度は合
意達成の 意志を最初から有 していないに等しいとして、不当労働行為の成立を認めるもの。
(関係法令)
(関係判例)
群 馬県教組事件
最高裁第2小(昭和45・10・30)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 賃金の清算的控除について福島県教組事件と
同様の枠組みにより判断し、結論として、10月および12月に生じた過払い分を翌年3月の賃金から控除したことについて、控除が遅延
した理由が、教育委員
会事務当局が相殺の決定に時間を取られ、他の所掌事務に忙殺されていたことである場合は、調整的相殺の範囲を逸脱し、全額払いの原則
違反であるとするも の。
(関係法令)
(関連判例)
敬
愛学 園事件
最高裁第1小(平成6.9.8)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 高校教員の学校、校長への中傷ひぼう、週刊誌記者への情報提供行為が、
労働 契約上の信頼関係 を著しく損なうものである等として、解雇は権利の濫用に当たらないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
経済産業省トイレ制限事件
最高裁第3小(令和5.7.11)
(判例集)
最高裁のページ
(分類)
安全衛生(職場環境)
(概要)
・健康上の理由から性別適合手術を受けていないMtF(Male to Female)のト ランスジェンダーであるものの、戸籍上はなお男性である職員が、女性トイレの使
用を希望した(平成21年7月ないし
10月)ことに対し、経済産業省は違和感を抱いているように見える女性職員がいるとして、執務室の階とその上下の階の女性トイレの使用を
認めず、それ以外の階の使用を認め(平成22年7月)、2階離れた女性用トイレを利用していた。
・当該トランスジェンダーの職員が、女性トイレの使用をできるよう行政措置を要求(平成25年12月)し、人事院は要求を認めない判定を
行った(平成27年5月)。
・当該職員の人事院の処分取り消し請求を一審は認め、原審は棄却したことに対し、「遅くとも本件判定(編注:人事院判定)時においては、
上告人が本件庁舎内の女性トイレを自由に使用することについて、トラブルが生ずることは想定し難く、特段の配慮をすべき他の職員の存在が
確認されてもいなかったのであり、上告人に対し、本件処遇による上記のような不利益を甘受させるだけの具体的な事情は見当たらなかった」
とし、「本件判定部分は、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるというべきである」として、「これを認容した第1
審判決は正当であるから、上記部分につき被上告人の控訴を棄却すべきである」とするもの。
(関係法令)
国家公務員法 労働安全衛生法
(関連判例)
大石鹿島 川義 陸
上自衛隊八戸駐屯
ケ
ン ウッド異動命令無効確認等事件
最高裁第3小(平成12・1・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 通勤時間が片道約1時間40分強となり長男の保育園への送迎に
支障が生 じるとし て、東京都目黒区の事務所の庶務の仕事から東京都八王子市の事業所の製造ライン勤務への異 動命令を拒否し、 出勤しなかったことを理由に懲戒解雇したことについて、東亜ペイント事件判決を
引用しつつ、「被上告人の八王子事業所のHICプロジェクトチームにおいては昭和62年末に退職予定の従業員の補充を早急に行う必要
があり、本社地区の製
造現場経験があり40歳未満の者という人選基準を設け、これに基づき同年内に上告人を選定の上本件異動命令が発令されたというのであ
るから、本件異動命令
には業務上の必要性があり、これが不当な動機蝟囀Iをもってされたものとはいえない。また、これによって上告人が負うことになる不利
益は必ずしも小さくな
いが、なお通常甘受すべき程度を著しく超えるとまではいえない。したがって、他に特段の事情の伺われない本件においては、本件異動命令が権利の濫用に当たるとはいえない」とし、「本件異動命令に従わな
かったことを理由として
された本件各懲戒処分には、所論の違法はないというべきである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、前記判決
((編注)東亜ペイント判決)に抵触するものではない。」とするもの。
- 元原利文裁判官の補足意見として、「上告人の学歴と上告人と被
上告人と の間に雇 用契約が締結
された時期を考えると、このような経歴の女性労働者については、特段の事情のない限り、明示的な合意をしないでも、広域での異動をし
ないことが黙示的に合
意されていると見られるのであって、原審が就労場所を特定の勤務地に限定する合意がされたとは認められないとしているのも、東京都内
において勤務場所を変
更する異動が命じられたという本件事例を前提としたものと理解すべきであり、」とし、「近時、男女の雇用機会の均等が図られつつある
とはいえ、とりわけ未
就学児童を持つ高学歴とまではいえない女性労働者の現実に置かれている立場にはなお十分な配慮を要するのであって、本件判決をもって
そのような労働者で
あっても雇用契約締結当時予期しなかった広域の異動が許されるものと誤解されることがあってはならない」とするもの。
- (編注)本件は原審において、会社が上告人と勤務時間、保育問題について話し合ってできる限りの配慮をしたいと考えていたが、上
告人が話 し合いに積極的に 応じようとしなかったことが認定されている事案である。
(関係法令)
(関連判例)
建設アスベスト訴訟
最高裁第1小(令和3年5月17日)
(判例集)
最高裁のページ 労働判例
2024.2.15
(分類)
安全衛生
(概要)
-
「労働大臣が上記(編注:労働安全衛生法22条等に基づく)の規制権限を行使しなかったことは,屋内建設現場における建設作業に従事
して石綿粉じんにばく露した者のうち,安衛法2条2号において定義された労働者に該当しない者との関係においても,安衛法の趣旨,目
的や,その権限の性質等に照らし,著しく合理性を欠くものであって,国家賠償法1条1項の適用上違法であるというべきである。」とす
るもの。
-
(編注)これまで労働安全衛生法に基づく措置の対象としていなかった一人親方等について、新たに法第22条に基づく措置の対象とする
労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第82号。)が令和4年4月15日に公布され、令和5年4月1日から
施行された。
(関係法令)
労働者安全衛生法
(関連判例)
大石・鹿島
高
知新 聞社事件
最高裁第3小(昭和35・4・26)
(判例集)
(分類)
(概要)
- (一般的人事事項に関する労働協約が締結されていない状況下における非組合員の解
雇反対闘 争に
ついて)組合が非組合員の解雇取消を要求したのは、公正な人事機構の確立を要求することにより、組合その他従業員の労働条件の改善な
いしその経済的地位の
向上を図るための手段として、もしくはそのための要求の一環としてこれを争議行為の目的に加えたものであるとして、争議行為を目的に
おいて正当であるとす るもの。
(関係法令)
(関連判例)
高知
放送事件
最高裁第2小(昭和52・1・31)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 就業規則所定の懲戒解雇の事由がある場合において、普通解雇に処すことは、許されないわけではないとするもの。
- 就業規則に定める普通解雇の事由に該当する事実のある場合において、使用者は常に解雇しうるものではなく、当該具体的な事情のも
とにおい て、解雇に処することが著しく不合理であり、社 会通念上相当 なものとして是認できないときは、当該解雇の意思表示は解雇権の濫 用として無 効となるとするもの。
- 本件は、午前6時からの10分間のニュース担当の宿直のアナウンサーが2週間に2回寝
過ご して
番組に穴を空けたケースであるが、判決では、就業規則の普通解雇事由に該当することを認めた上で、悪意・故意の不存在、ともに宿直を
して先に起きてアナウ ンサーを起こすべき記者も寝過ごしたこと、本人の無事故暦等から解雇権の濫用を認めたもの。
(関係法令)
(関連判例)
高知 郵便局計画休暇事件
最高裁第2小(昭和58.9.30)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 計画年休(労働協約により前年度及び前々年度の年休繰越分を計
画的に振 り分け消 化を測ろうとする制度)の時季変更権行使に
ついて、「本件労働協約等は、法内休暇、協定休暇の区別を問わず、休暇を法三九条所定の基準により一律に取り扱うこととしているもの
と解するのが相当であ
る。」として、「右付与予定日に計画休暇を付与することが「事業の正常な運営を妨げる場合」にのみ許されるものであり」とするもの。
- 「時季変更により職員の被る不利益を最小限にとどめるため、所属長は、右事態発生の予測が可能になつてから合理的期間内に時季変
更権を行 使しなければなら
ず、不当に遅延した時季変更権の行使は許されないものと解するのが相当である。」とし、「右変更が不当に遅延してなされたものである
か否かについて更に審 理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
弘
南バス 事件
最高裁第3小(昭和43.12.24)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者は、労働者が労働協約に基づく平和義務に違反する争議行為を
し、また はこれに参加した ことのみを理由として、当該労働者を懲戒処分に付することは許されないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
神戸弘陵学園事件
最高裁第3小(平成2・6・5)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者が労働者を新規に採用するに当たり、その雇用契約に期限を設
けた場合 において、その設
けた趣旨・目的が労働者の適性を評価・判断するためのものであるときは、期間の満了により雇用契約が当然に終了する旨の明確な合意が
当事者間に成立してい るなど特段の事情が認められる場合を除き、当該期間は試用期間で
解する のが相当であるとする もの。
- (編注)本件は、�〆陵兒�に使用者側が、・一応1年とすること、・年間の勤務状態を見て再雇用するか否か判定する、・30年でも
40年で もがんばってくれ、といっ
た、�∋藩兌埖Δ亡�限付き職員を採用する理由が見られなかった等の事由から、「特段の事情」が認められるか疑問であるとして、期間の
満了による雇用の終了 を認めた原審判決を破棄差戻したもの。
(関係法令)
(関連判例)
神
戸東 労基署長(ゴールドリングジャパン)事件
最高裁第3小(平16.9.7)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 慢性十二指腸かいようの既往症を有する労働者が、4日間の国内出張後、1日あけて14日間に6カ国と地域を回る海外出張中に発症したせん孔性十二指腸かいようが業務上の疾病にあたるとするも
の
(関係法令)
(関連判例)
ゴールドリングジャパン事件
→神戸東労基署長事件
国学館高校事件
→敬愛学園事件
国際自動車第一次事件
最高裁第3小(平成29.2.28)
(判例集)
(分類)
賃金、労働時間
(概要)
歩 合給の計算に当たり、対象額から時間外労働の割増金に
相当する額を控除することとする賃金規則について、原審が「歩合給の計算に当たり対象額Aから割増金に相当する額を控除している部分が労働基
準法37条の
趣旨に反し、公序良俗に反し無効である」とすることに対し、「労働基準法37条は、労働契約における通常の労働時間の賃金をどのように定める
かについて特
に規定していない」とし、賃金規則における賃金の定めが、通常の労働時間の賃金と労基法37条の割増賃金に当たる部分が判別できるか、割増賃
金が労基法 37条を下回らないか審理判断する必要があるとして差し戻すもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
国 際自動車第二次
最高裁第一小(令和2.3.30)
(判例集)
(分類)
労働時間
(概要)
・(編注)
国際自動車第一
次上告審の 差戻審である第二次控訴審(未払賃金はないとするもの)に対する原告からの上告に対するもの
・「
労働基準法37条が時間外労働等について割増賃金
を支払うべき ことを使用者に 義務 付けているのは,使用者に割増賃金を支払わせることによって,時間外労働等を抑制
し,もって労働時間に関する同法の規定を 遵守させるととも に,労働者への
補償を行おうとする趣旨によるものであると解される」とするもの
・労働基準法37条の割増賃金を支払ったとすることができるか判断する前提と
して、 「労働契約における賃金の定めにつき,通常の
労働時間 の賃金に当た る部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要である」とするも
の
・歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相
当する金
額を控除する旨を定める賃金規則上の定めについて、「割増金の額がそのまま歩合給・・の減額につながるという上記の仕組みは,当該揚高を得る
に当たり生ず
る割増賃金をその経費とみた上で,その全額をタクシー乗務員に負担させているに等しいものであって,前記・・で説示した労働基準法37条の趣
旨に沿うもの
とはいい難い」、「割増金の額が大きくなり歩合給・・が0円となる場合には,出来高払制の賃金部分について,割増金のみが支払われることとな
るところ,こ
の場合における割増金を時間外労働等に対する対価とみるとすれば,出来高払制の賃金部分につき通常の労働時間の賃金に当たる部分はなく,全て
が割増賃金で
あることとなるが,これは,法定の労働時間を超えた労働に対する割増分として支払われるという労働基準法37条の定める割増賃金の本質から逸
脱したものと いわざるを得ない」とするもの
・「本件賃金規則における割増金は,その一部に時間外労働等に対する対価とし
て支払わ
れるものが含まれているとしても,通常の労働時間の賃金である歩合給・・として支払われるべき部分を相当程度含んでいるものと解さざるを得な
い。そして,
割増金として支払われる賃金のうちどの部分が時間外労働等に対する対価に当たるかは明らかでないから,本件賃金規則における賃金の定めにつ
き、通常の労働
時間の賃金に当たる部分と労働基準法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することはできない」とし、「労働基準法37条の定める割増
賃金が支払わ れたということはできない」として、原審に差し戻すもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
国 際電電解雇無効・賃金支払仮処分申請事件
大阪地裁(昭和36・5・19)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働関係調整法第7条の予告
を行わな い公益事業の争議行為について、公衆に対する関係のみなら
ず、使用者に 対する関係でも違法で あり、労働組合法上の免責を失うとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
(注意)全日本空輸労働契約存在確認請求事件(東京地裁昭和42・4・24)
国鉄鹿児島自動車営業所事件
最高裁第2小(平成5・6・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 降灰除去作業について、職場環境を整備し、労務の円滑化と効率
化を図る ために必
要な作業で、作業内容、方法も社会通念上相当な程度を超える過酷な業務に当たらず、労働契約上の義務に当たるとするもの。
- 組合バッジ取り外しの命令に従わず、違反行為を行うものに対し
て、職場 規律維持 の上で支障の
少ない降灰除去作業に従事させることは、職務管理上やむを得ない措置で、ことさらに当該労働者に、不利益を課すという違法不当な目的
で行われたとは認めら れないとして、当該業務命令を違法でないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
国鉄郡山工場賃金支払請求事件
最高裁第2小(昭和48・3・2)
(判例集)
(分類)
(概要)
一斉休暇闘争について、その実質は年次有給休暇に名を借りた同盟罷業に他な
らず、使 用者の時季変更権の行使もありえず、賃金請求権も発生しないとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
国 鉄札幌駅事件
最高裁第3小(昭和54・10・30)
(判例集)
(分類)
(概要)
ビラ貼りについて、使用者が労働組合活動のための企業の物的施設の利用を受
任しなけ
ればならない義務を負うとする理由はなく、使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して行う組合活動は、利用を許さないことが使用者
の権利の濫用であ ると認められる場合を除いて、正当な組合活動でないとして、このことを理由とする戒告処分を有効とするもの。
(関係法令)
(関係判例)
国鉄団交拒否事件
最高裁第3小(平成3・4・23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 笘J働組合法7条の規定は、単に労働委員会における不当労働行為救済命令を発するための要件を定めたものであるにとどまらず、労
働組合と 使用者との間でも 私法上の効力を有するもの、すなわち、労働組合が使用者
に対して団体交渉を求める法律 上の地位を有し、
使用者はこれに応ずべき法律上の地位に有ることを意味するものと解すべき」とする原審判決を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
国鉄中国支社事件
最高裁第1小(昭和49・2・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 従業員の職場外でなされた職務遂行に関係のない行為であっても、企
業の社会 的評価の低下毀損 のおそれのあるものは、企業秩序による規制の対象となるとするもの。
- 組合活動に関連して公務執行妨害で有罪となった者に対して、「著しく不都合な行いのあったとき」との懲戒事由に該当するとしてな
された免 職処分を有効とす るもの。
(関係法令)
(関連判例)
国鉄津田沼電車区事件
最高裁第3小(平成3・11・19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 年次有給休暇を事前に取得していたものが、事後的に設定された自己の事業所の争
議行為に自己の発意 により参加した場合について、事業場において業務を運営するための正常な勤務体制が存在する
ことを前提としてその 枠内で休暇を認めるという
年次有給休暇制度の趣旨に反し、当該時季指定日に年次有給休暇は成立しないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
小
倉電 話局事件
最高裁第3小(昭和43・3・12)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 国家公務員等退職手当法に基づく退職金について、労働基準法の
賃金に該 当し、同 法第24条第1項の直接払いの原則が適用されるとするもの。
- 退職手当法の退職手当は、譲渡禁止の規定はなく、譲渡を無効とする根拠はないとするもの。
- 但し、労働基準法第24条第1項が罰則をもって直接払いの原則を定めているので、使用者は賃
金債権が譲渡されている
場合でも、労働者に直接支払わなければならず、賃金債権の譲受人は、自ら使用者に対してその支払を求めることは許されないとするも
の。
(関係法令)
(関連判例)
国労 久留米駅事件
最高裁大(昭和48・4・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
争議行為の際に行われた行為の刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するに当
たっては、その行
為が争議行為に際したなされたものである事実も含めて、当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れて、法秩序全体の見地から許容
されるものである か否かを判定しなければならないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
国 労上告等参加申立事件
最高裁第1小決定(平成14.9.26)
(判例集)
労判836・40 中労委DB 判時1807・152 判タ1111・131
(分類)
(概要)
- 労働組合の救済申し立てに係る救済命令の取消訴訟に当該組合に所属する労働者が行政事件訴訟法第22条に基づき参加することはできないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
国労高崎地本事件
最高裁第2小(平成11・6・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 出向先企業の工場前で出向反対の街頭宣伝活動を行ったことが、出向
先企業に 少なからぬ不安蜩
��hを与えて会社の緊要の課題であった出向施策の円滑な実施等を妨げる恐れがあって正当な組合活動ではないとして、これに基づく懲戒
処分は不当労働行為に あたらないとした原審(最高裁のページ)判断は是認できるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
国労 バッジ事件
最高裁第2小(平成10・7・17)
(判例集)
(分類)
(概要)
就業規則に違反して勤務中に労組バッジ(縦1.1センチ、横1.3センチで
NRUと表示して
あるもの)を制服の襟に着用した組合員への厳重注意及び夏季手当ての5%減額について、不当労働行為(支配介入)に該当しないとする東京
高等裁判所判決を 支持したもの。
(関係法令)
(関連判例)
(同旨)大成観光事件、目黒電報電話局事件 国 鉄鹿児島自動車営業所事件 JR東日本本荘
(注意)国労神奈川バッジ事件(東京高裁・平成
11・
2・24(労判763・34))(組合バッジ着用が就業規則違反であることを認定した上で、当該就業規則に基づく使用者の行った処分が
「労働組合に対する
嫌悪感の意図を決定的な動機として行われたと認められるときは、その使用者の行為は全体的に見て、労働組合に対する支配介入に当たる」と
して、使用者の 行った処分及び賃金カットについて不当労働行為であるとするもの。最 高裁第1小
法廷は、平成11年11月11日、本件は民訴法318条1項の事件にあたらないとして、上告を受理しないことを決定した(労判770・
32)ため、本高裁 判決は確定した。)
国 労広島地本事件
最高裁第3小(昭和50・11・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働組合の組合員は組合に対して活動の経済的基礎をなす組合費を納
付すると いう「協力義務」 (但し、組合員個人の基本的利益との調和から、合理的な限定は加えられる)を負うとするもの。
- 臨時組合費のうち他の労働組合の闘争を支援するための炭労資金につ
いて組合 員の納入義務を認 めるもの。
- 臨時組合費のうち、安保闘争犠牲者救援のための安保資金について、
安保反対 闘争の活動資金の
ような政治的活動を直接の目的とする資金とは異なり、組合員の協力義務を肯定することが相当であるとするもの。
- 臨時組合費のうち、総選挙に際し特定の立候補者支援のための政治意識昂揚資金に
ついて、労働
組合が組織として支持政党またはいわゆる統一候補を決定してその選挙運動を推進すること自体は自由であるが、組合員に対してこれへの
協力を強制することは 許されず、その費用負担についても同様であるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
国労不採用事件
→JR北海道・日本貨物鉄道不採用事件
小
里機 材事件
最高裁第1小(昭和63.7.14)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労基法37条1項の割増賃金の算定基礎
額からの除外賃金を
定める同条2項(平成5年改正で4項に繰り下げ)、同施行規則21条の規定は制限列挙と解するべきであるとし、時間外割増賃金の算定
に際し、控除されてい
た住宅手当、皆勤手当、乗車手当、役付手当は、実質においてもこれらに規定された事項に該当しないとして、各手当を算入して算出した
割増賃金と既払い分と の差額及び附加金の請求を認容した原審を維持するもの。
- (編注)労規則21条の改正により、平成11年10月1日から算入しない手当に住宅手当」が加えられた。
(関係法令)
(関連判例)
小
島撚 糸事件
最高裁第1小(昭和35.7.14)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 36協定のない時間外労働について割増賃金を支払わなかった場
合の刑事 責任につ いて、支払い義務があることは当然であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
国
旗国歌 懲戒処分事件
最高裁第1小(平成24.1.16)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 公立学校の教職員が、国歌斉唱の際に国旗に向かって起立する等の校長の職務命令に違反したことを理由とする戒告処分は、違法であ
るとはい えないとするも の。
- 戒告1回の処分暦があることのみを理由にする減給処分は、裁量権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないとするもの。
- (編注)他に同日付の同行為に対する停職処分事件判決(最高裁のページ)がある。
(関係法令)
(関連判例)
コッ ク食品事件
最高裁第2小(平成8・2・23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- (労働者災害補償保険特別支給金規則に基づく)特別支給金は被災労
働者の損 害をてん補する性
質を有するということはできず、被災労働者が労災保険から受領した特別支給金をその損害額から控除することはできないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
こと
ぶき事件
最高裁第2小(平成21.12.18)
(判例集)
最高裁 判タ1316.129 労判1000.5 判時2068.156
(分類)
(概要)
- 「労基法41条2号の規定によって同法37条3項の適用が除外されることはなく,管理監督者に 該当する労働者は同項に基づく深夜割増賃金を請求することができるもの と解するのが相当であ
る。」とするもの。
- 「管理監督者に該当する労働者の所定賃金が労働協約,就業規則その他によって一定額の深夜割増賃金を含める趣旨で定められている
ことが明 らかな場合には,
その額の限度では当該労働者が深夜割増賃金の支払を受けることを認める必要はない」とし、管理監督者に深夜割増賃金に関する規定は適
用されないとする原審 を破棄、差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
寿 建築研究所事件
最高裁第2小(昭和53・11・24)
(判例集)
(分類)
(概要)
不当労働行為救済について、労働委員会はその裁量により使用者の行為が不当労働行為に該当するか否かを判断して救済命令を発することができると解するべき
ではなく、裁判所
は、救済命令のうちの使用者の行為が不当労働行為であるとする点に関する労働委員会の判断を審査して、それが誤りであると認めるときは、
当該救済命令を違 法なものとして取り消すことができるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
此花電報電話局事件
最高裁第1小(昭和57・3・18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 年次有給休暇の請求を2日前までに行うこととする就業規則につ
いて、時 季を指定 すべき時期について原則的な制限を定めたものとして合理性が有り、有効であるとするもの。
- 年次有給休暇の請求に対して使用者が不承認の応答をすることは、時季変更権の行使の意思表示に当たると解せられるとするもの。
- 年次有給休暇の請求が休暇期間の始期にきわめて接近してなされ(本
件の場合 当日の朝、宿直者
に電話連絡)、使用者が時季変更権の行使の判断を行う余裕がないときは、客観的に変更権の行使の理由が有り、遅滞なくなされたとき
は、変更権行使の効力が 認められるとするもの。
- 年次有給休暇の請求において、事業の正常な運営を妨げるおそれがある場合に、休暇の理由によっては時季変更権の行使を差し控える
ために理 由を尋ね、答えな かったため、行った時季変更権の行使を有効であるとするもの。(なお、休暇の利用目的を 問い
ただすことを一般的に許容するものではないとしている。)
- 「事業の正常な運営を妨げる場合」の判断について、結果的には、管
理者や他 の業
務従事者の応援により正常な運営を確保した事案について、欠員の場合に代行者を配置しなければ正常な業務運営が確保できず、年休請求
の後れでこの代行者の 確保が困難であれば、「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するとの二審判決を支持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
小南記念病院事件
最高裁第1小(平成9・3・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働委員会の救済命令のうち、ポストノーティスを命じた部分は、組
合員の個 人的な権利利益の
回復を目的としたものではなく、専ら組合の組合活動一般に対する侵害の除去、予防を目的としたものと解されるから、当該組合員の労働契約の終了に拘らず(当該組合員が組合員資格を喪失しても)組
合はポストノーティス命
令を求めることができ、それを命じる命令の被救済利益が消滅したということはできないとする原審判決を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
さ
済生会中央病院事件(昭60)
最高裁第3小(昭和60.7.19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 不当労働行為の救済命令の名宛人の竡g用者繧奄b竄пA法律上独立
した権利 義務
の帰属主体であることを要し、企業主体である法人の構成部分に過ぎないもの(工場、支店等)は、上の使用者にはあたらず、これを救済
命令の名宛人として救
済命令を発することは許されないとするもの。((編注)判決では、病院宛ての命令は、法人宛ての命令の趣旨に解せられるとした。)
(関係法令)
(関係判例)
済
生会中 央病院事件(平1)
最高裁第2小(平成1・12・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
チェックオフ(組合費を賃金から差し引くこと)を行うには、労働基準法第24条第1項但し書の労使協定が必要であるとし、同労 使協定のない下でのチェックオフの中止は不当労働行為に当たらないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
佐伯労基署長(アーク溶接)事件
最高裁第3小(平成11・10・12)
(判例集)
(分類)
(概要)
- じん肺管理区分3と認定された労働者の従事した粉じん作業と肺がんとの関係について、「従事した粉じん作業が直接的又は間接的に同人の肺が
んを招来したという関係 を是認し得る高度の蓋然性が証明されたとまで
はいまだいえず、右の因果 関係につき通常人が疑いをさしはさまない程度に真実性の確
信をもつには いまだ不十分であるとする原審の前期判断
は、正当として是認すべきものというほかはない。」とするもの。
- 原審の認定判断について、○結局、現在の医学的知見では、じん肺と肺がんとの間の関連性が示唆されているにとどまり,直ちに高度
の蓋然性 をもって両者の間
の一般的因果関係を認めるに至っていない。○喫煙習慣とその肺がんとの間の因果関係の存在の可能性を否定することはできない。○専門
家会議報告書を踏まえ
て発せられた局長通達((編注)昭和53年11月2日付け基発608号。じん肺管理区分4又は4相当と認められる者について、肺がん
を業務上の疾病と取り 扱うこととするもの。)は、相応の合理的根拠を有する。等と要約するもの。
- (編注)上記局長通達は、平成14年3月27日付け基発第0327005号により、じん肺管理区分が管理3若しくは管理4また
は、管理3 若しくは管理4と 認められる者に発生した原発性肺がんについて、労災補償の対象とする旨、変更されています。
(関係法令)
(関連判例)
サ
クセスほか(三佳テック)事件
最高裁第1小(平成22.3.25)
(判例集)
(分類)
労働契約
(概要)
会社Aを退職した従業員が、競合する新会社Bを設立し、Aの取引先4社から仕
事を受注
したことについて、「本件取引先の営業担当であったことに基づく人的関係等を利用することを超えて,被上告人の営業秘密に係る情報を用いた
り,被上告人の
信用をおとしめたりするなどの不当な方法で営業活動を行ったことは認められない」、「本件取引先のうち3社との取引は退職から5か月ほど経過
した後に始 まったものである」、「(1社)は、,前記のとおり被上告人(A)が営業に消極的な面もあった」として、「本件競業行為は,社会通念上自由競争の範囲を逸
脱した違法なものということはできず,被上告人に対する不法行為に当たらないというべきである。」とするもの。
(関係法令)
民法
三 共自動車事件
最高裁第3小(昭和52・10・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労災保険法による長期傷病補償給付及び厚生年金保険法に基づく傷害
年金と、使用者の損害賠償の調整に
ついて、「政府が保険給付をしたことによって、受給権者の使用者に対する損害賠償請求権が失われるのは、右保険給付が損害の填補の性
質をも有する以上、政
府が現実に保険金を給付して損害が填補されたときに限られ、いまだ現実の給付がない以上、たとえ将来にわたり継続して給付されること
が確定していても、受
給権者は使用者に対し損害賠償の請求をするにあたり、このような将来の給付額を損害賠償債権額から控除することを要しないと解するの
が相当である。」とす るもの。
- (編注)労災保険法が改正され、使用者が損害賠償を支払う場合について、傷害補償年金または遺族補償年金の前払い一時金(給付基
礎日額の 1000日分(傷
病補償年金にあっては障害等級に応じ560日から1340日分))の最高限度額まではその支払いが猶予され、この間に前払い一時金又
は年金の支給が行われ たときはその額の限度で責任を免除されることとされた。
(関係法令)
(関連判例)
三共自動車代位請求事件
最高裁第1小(平成1.4.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 三共自動車事件において、労災保険の長期傷病補償給付の将
来の給付 分を控除 しない損害賠
償を命ぜられ、支給した使用者が、同一の事故を原因として労働者に支給されるべき労災保険法上の長期傷病補償給付又は傷病補償年金に
ついて、弁済後に支給
されるべき分のうち、右弁済額に満ちるまでの部分について、民法四二二条により、労働者に代位して国に対する請求権を取得すると、主
張した事件において、
「労災保険法に基づく保険給付は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡に対して迅速かつ公平な保護をするこ
と等を目的としてされ
るものであり(労災保険法一条)、労働者が失つた賃金等請求権を損害として、これを填補すること自体を目的とする損害賠償とは、制度
の趣旨、目的を異にす
るものであるから、労災保険法に基づく給付をもつて賠償された損害に代わる権利ということはできない。したがつて、労働者の業務上の
災害に関して損害賠償 債務を負担した使用者は、右債務を履行しても、賠償された損害に対応する労災保険法 に基づく 給付請求権を代位取得することはできない」として、代位請求を否定する もの。
- また、「労災保険法に基づく給付が損害賠償により填補されたものと同一の損害の填補に向けられる結果となる場合に、いかなる者に
対して、 いかなる範囲、方
法で労災保険法による給付をするかは、労災保険制度に関する法令において規律すべきものであるところ、関係法令中に損害賠償債務を履
行した使用者が労災保
険法に基づく給付請求権を取得することを許容する規定は存しない。」として、使用者が労災保険の請求権を取得することを否定するも
の。
(関係法令)
(関連判例)
三晃
社事件
最高裁第2小(昭和52・8・9)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 同業他社に退職後就職した場合、退職金を自己都合退職金の2分の1とする広告代理業を営む会社の退職金規則において、営業社員の退職後の同業他社への就職をある程度の期間制限することをもって、当該社員の職
業選択の事由を不当に拘 束するものとは認められないとするもの。
- 退職金が、功労報償的な性格を併せ有することにかんがみれば、上の
規則は、 制限
違反の就職により、勤務中の功労に対する評価が減殺され、退職金の権利が一般の半額しか発生しない趣旨であると解すべきであるから、
上の規則の定めは、退 職金が労働基準法上の賃金に当たるとしても、違法でないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
山
陽電気軌 道事件
最高裁第2小昭和53・11・15)
(判例集)
(分類)
(概要)
ストライキに際して、会社の営業用バスを組合の支配下に置いた車両確保行為が威力業務妨害罪に当たるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
CBC
管弦 楽団労組事件
最高裁第1小(昭和51・5・6)
(判例集)
(分類)
(概要)
テレビ局との間で他社出演が自由とされている楽団員について、会社の出演依頼に原則として応じる義務があり、報酬が演奏という労務給付の
対価とみなしうる 場合は、労組法上の労働者に当たるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
JR東海新幹線支部(国労バッジ)事件
→国労バッジ事件
JR
東海 事件(平18)
最高裁第2小(平成18.12.8)
(判例集)
(解説)
中央労働時報1092・2、13 法律時報988・109
(分類)
(概要)
- 「労働組合法2条1号所定の使用者の利益代表者に近接する職制上の地位に
あ る者が使用者の意を体して労働組合に対する支 配介入を
行った場合には,使用者との間で具体的な意思の連絡がなくとも,当該支配介入をもって使用者の不当労働行為と評価することができるも
のである」とするも の。
- 新幹線の運転所の指導科長(助役)(組合員資格を有する)が部下の労働組合員に対して行った脱退勧奨等の行為が使用者の不当労働
行為に当 たらないとした原 審の判断に違法があるとして、原判決を破棄し、差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
JR東日本(高崎西部分会)事件
最高裁第1小(平成8・3・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者は企業秩序維持のために必要な措置を講ずる権能をもつが、当
該権能の 行使
としての措置であっても、それが従業員の法的利益を侵害する性質を有している場合(本件の場合は、就業規則にはないが、人事管理台帳
に記載される厳重注意
処分について直接的なほうりつ効果を生じるものではないが、職場における信用評価を低下させ、名誉感情を害するものとして、被処分者の法的利益を侵害す
るとされている。)には、使用者の措置に基づき従業員が損害を被ったという事実があれば、使用者が当該措置を執ったことを相当とすべ
き根拠事実の存在が証
明されるか、又は、使用者においてそのような事実が有ると判断したことに相当な理由があると認められるときでなければ不法行為が成立
するとするもの。
- 使用者の措置の根拠となる事実の確認ができないとして、使用者の不法行為の成立を否定した原審判決を、使用者がそのような事実が
有ると判 断したことに相当 な理由があったかどうかにつき判断する必要が有るとして、破棄差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
JR東日本(千葉鉄道管理局)当初採用事件
最高裁第2小(平成11・12・17)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 旧国鉄の分割民営化に伴い、新会社のJR東日本に採用されな
かったのは 不当であ るとして、JR東日本に雇用契約上の地位確認等を求めた事件に
ついて,「原審が、日本国有鉄道改革法23条2項所定の名簿に記載されず同条3項による採用通知も受けなかった上告人らにつき被上告
人との間で労働契約が
存在するとすべき理由はなく,この理は被上告人の職員となることを希望した者の数が同法19条1項所定の基本計画に記載された被上告
人の職員となるものの
数を下回る場合であっても変わるものではない,また、被上告人の設立委員が不当労働行為,不法行為を行ったということもできないと判
断したことは,正当と して是認でき,その過程に所論の違法はない。」とするもの。
- (編注)本件は,千葉動力車労働組合の組合員が、労働委員会への救済を求めることなく、民事訴訟において争った事件の判決であ
る。
(関係法令)
(関連判例)
JR 東日本(本荘保線区)事件
最高裁第2小(平成8.2.23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 国労マーク入りのベルトの取り外し命令に応じなかった組合員に始業時から午後4時半ごろまで翌日午前に労働者が腰痛を訴えるま
で、就業規 則全文の書き写し
を命じたことは、見せしめをかねた懲罰的目的からなされた人格権を侵害する行為であるとして損害賠償の支払いを認めた原審を支持する
もの。
(関係法令)
(関係判例)
JR
北海 道・日本貨物鉄道(国労北海道)不採用事件
最高裁第1小(平成15.12.22)
(判例集)
(分類)
不当労働行為
(概要)
- 「改革法((編注)日本国有鉄道改革法)は,設立委員自身が不当労働行為を行った場合は別として,専ら国鉄が採用候補者の選定及
び採用候 補者名簿の作成に
当たり組合差別をしたという場合には,労働組合法7条の適用上,専ら国鉄,次いで事業団にその責任を負わせることとしたものと解さざ
るを得ず,このような
改革法の規定する法律関係の下においては,設立委員ひいては承継法人((編注)JR各社)が同条にいう「使用者」として不当労働行為
の責任を負うものでは ないと解するのが相当である。」とするもの。
- 「雇入れの拒否は,それが従前の雇用契約関係における不利益な取扱
いにほか ならないとして不 当労働行為の成立を肯定することができる場合に当たるなどの特段の事情がない限り,労 働組合 法7条1号本文にいう不利益な取扱いに当たらないと解するのが相当であ る。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
自衛隊車両整備工場事件
滋賀県社会福祉協議会事件
最高裁第2小(令和6.4.26)
(判例集)
最高裁のページ 労判1308(2024.7.1).5
(分類)
配置転換
(概要)
・「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定
のものに限定する旨の合意がある場合には、使用者は、当該労働者に対し、その個別的同意なしに当該合意に
反する配置転換を命ずる権限を有しないと解される。」とし、「、上告人と被上告人との間には、上告人の職種及び業務内容を本件業務に係る
技術職に限定する旨の本件合意があったというのであるから、被上告人は、上告人に対し、その同意を得ることなく総務課施設管理担当への配
置転換を命ずる権限をそもそも有していなかったものというほかない。」とするもの。
・「被上告人が本件配転命令をする権限を有していたことを前提として、その濫用に当たらないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすこ
とが明らかな法令の違反がある。
」として、原審を破棄し、「本件配転命令について不法行為を構成すると認めるに足りる事情の有無や、被上告人が上告人の配置転換に関し上告人に対して負う
雇用契約上の債務の内容及びその不履行の有無等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととする。」とするもの。
(関係法令)
労働契約法 民法
(関連判例)
日産自動車村山工場
時 事通信社事件
最高裁第3小(平成4・6・23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 事前の調整を経ない長期連続(この場合は24日)の年次休暇の時季
指定につ いて、これに対す
る使用者の時季変更権の行使は、この休暇が事業運営にどのような支障を及ぼすか、この休暇の時季、期間につきどの程度の修正、変更を
行うかに関して、使用 者にある程度の裁量的判断の余地を認めざるを得ないとするもの。
- この裁量的判断は労働基準法第39条の趣旨に沿う合理的なものでなければならないとするもの。
- 科学技術庁記者クラブに単独配置されていた記者の長期連続の年次休暇の時季指定について、後半部分のみについて行った時季変更権
の行使は 相当な配慮をして いて有効であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
静内郵便局事件
最高裁第3小(昭和59.3.27)
(判例集)
(分類)
労働時間
(概要)
労働協約に、やむを得ない事由がある場合には郵政職員に時間外労働または休日
労働をさ せることができる合意がなされ、就業規則にも同旨の定めがなされていて、労働基準法36条所定の協定が締結されている場合において、労
働協約に定めるやむを得ない事由があり、「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法」6条の規定に基づき郵政大臣が制定した規
程の定めると ころにより職員が時間外労働を命ぜられたことにより、職員は時間外 労働の義務を負うとするもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
品川白煉瓦岡山工場労組事件
最高裁第1小(昭和32・11・14)
(判例集)
(分類)
(概要)
法人格のない労働組合は、権利能力なき社団であり、権利能力なき社団の財産
は、総社 員の同意をもって、総有の廃止その他財産の処分に関する定めがな
されない限 り、現社員及び元 社員は、当然には、財産について共有の持ち分権または分割請求権を有するものではないとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
芝 信用金庫事件
東京高裁(平成12・12・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
昇格に係る性差別が争われた事案について、「昇格後の資格を有することの確認を求める訴えの利益がある」とし、1名を除いて、「昇格をし
たものと認めるの が相当である。」とするもの。また、賃金及び退職金の差額、慰謝料並びに弁護士費用相当額の請求を認容するもの。
(編注)平成14年10月24日、最高裁において2審判決に沿った内容で和解が成立した。(平成14.10.25各紙。報道で、芝信金の
話として、「合併 が決まっており、新スタートの前に解決した」と伝えられた。)
(関係法令)
(関連判例)
下関商業高校事件
最高裁第1小(昭和55.7.10)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 教育委員会が退職勧奨基準年齢に達した後、退職勧奨に応じない教諭に多数回、長期、執拗に行った退職勧奨を違法であるとして,精
神的苦痛 に対する損害賠償 を認めた原審判決を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
(注)東京都11市競輪事業組合事件(東京地裁60.5.13 労判453・75)
社会福祉法人いずみ福祉会事件→いずみ福
祉会中間利益控除事件
社会保険給付と損益相殺事件
最高裁第1小(平成22.9.13)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 不法行為によって傷害を受け、後遺障害が残った場合における労災保険法による保険
給付や、 公
的年金制度による年金給付は、これらによるてん補の対象となる特定の損害と同性質でありかつ相互補完性を有する損害の元本との間で、損益相殺的な調整を行うべきであるとするもの。
- 「(労災保険法に基づく保険給付や公的年金制度に基づく各種年金が)制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するな
どの特段 の事情のない限
り,これらが支給され、又は支給されることが確定することにより,そのてん補の対象となる損害は不法行為の時にてん補されたものと法
的に評価して損益相殺 的な調整をすることが,公平の見地からみて相当というべきである。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
社会保険診療報酬支払基金事件
東京地裁(平成2・7・4)
(判例集)
(分類)
(概要)
男女の昇格差別について、差別の認定を行い、賃金差額相当額の損害賠償を認
めるもの。また、 昇格すべき地位に有ることの確認請求は否定したもの。
(関係法令)
(関連判例)
秋
北バ ス事件
最高裁大(昭和43・12・25)
(判例集)
(分類)
就業規則、定年
(概要)
- 労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているも
のである 限り、経営主体と 労働者との間の労働条件はその就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範性が 認められるに至っているものということができるとするもの。
- 当該事業場の労働者は、就業規則の存在及び内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別に同意を与えたか
どうかを 問わず、当然にそ の適用を受けるとするもの。
- 新たな就業規則の作成または変更によって、既得の権利を奪い、労働
者に不利 益な労働条件を一 方的に課すことは、原則として許されないと解すべきであるが、・・当該規則条 項が合理的なものであ
る限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されないとするもの。
- 主任以上の職にある従業員に対して55歳定年制を新設することについて、定年制の企業運営上の意義、定年制の当時の実情、一般職
との比 較、嘱託再雇用の可 能性等から不合理とはいえないとするもの。
- (編注:参考)労働契約法第9条、10条
(関係法令)
労働基準法、民法
(関連判例)
商大八戸ノ里ドライ
ビングスクール事件
最高裁第1小(平成7.3.9)
(判例集)
全
基連(原審大阪地平成5.6.25判決)
(解説)
ビジネスガイド958.68
(分類)
就業規則
(概要)
〇会社の特定休日が祝日と重なった場合の振替の運用について、就業規則、労使慣行と異なる運用(労働者に有利)がされてきたことについ
て、原審(大阪高裁平成5年6月25日判決)が、「労働協約,就業規則
等に矛盾抵触し,これによって定められた事項を改廃するのと同じ結果をもたらす労使慣行が事実たる慣習として成立するためには,
その慣行が相当長期間,相当多数回にわたり広く反復継続し,かつ,
右慣行についての使用者の規範意識が明確であることが要求される」とし、(使用者が)「就業規則,賃金規則
の原則規定に反する取扱いをするという明確な規範意識があったものと認めることはできない。」としたのを是認できるとするもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
京都新聞社
ジョージア州事件→米国ジョージア州(解雇)事件
白 石営林署事件
最高裁第2小(昭和48・3・2)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法第39条第1項、2項の要件が充足されたときは、当該労働者は法律上当然に
所定日数の年次有給休暇の権利を取得し、使用者はこれを与える義務を負
うとするもの。
- 同条の「労働者の請求」とは、休暇の時季の指定を意味し、使用者が
時季変更 権を行使しない限 り就労義務が消滅するとするもの。
- 年次有給休暇をどのように利用するかは使用者の干渉を許さない労働者の自由であるとするもの。
- いわゆる一斉休暇闘争は年次有給休暇闘争に名を借りた同盟罷業に他
ならず、 使用者の時季変更 権もありえず、参加した労働者の賃金請求権もないとするもの。
- 当該労働者の所属事業場以外の事業所の争議行為に休暇中の労働者が
参加した か否かは、(当該 事業場の争議行為の場合と異なり)年次有給休暇の成否に影響しないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
シンガー・ソーイング・メシーン事件
最高裁第2小(昭和48・1・19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法第24条第1項の賃金全額払いの原則について、労働者が退職に際して、みずか
ら賃金に該当する退職金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、この
効力を否定するものではないとするもの。
- 上の意思表示の効力を肯定するには、それが自由な意思に基づくものであることが明確でなければならないとするもの。
- 退職前に会社の西日本の総責任者であった労働者が、退職後直ちに競争関係にある会社に就職することが判明していて、会社が在職中
の当該労 働者の経費の使用
について疑惑を抱いて疑惑にかかる損害を補填する趣旨で退職に際し、「労働者は会社に対していかなる請求権も有しない」との念書に署
名を求めて当該労働者
が応じたことが、労働者の自由な意思に基づくものであると認められる合理的な理由が客観的に存在していたといえるとして、退職金債権
を放棄した意思表示の 効力は肯定できるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
新国立劇場合唱団員事件
最高裁第3小(平成23.4.12)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 年間を通して多数のオペラ公演を主催する財団法人との間で期間を1年とする出演基本契約を締結した上,各公演ごとに個別公演出演
契約を締 結して公演に出演
していた合唱団員について、「財団の組織に組み入れられていたものというべき」、「財団の指揮監督の下において歌唱の労務を提供して
いた」、「報酬は,歌 唱の労務の提供それ自体の対価であるとみるのが相当」等として、「労働組合法上の労働 者に当 たると解するのが相当である」とするもの。
- (平成23年7月25日、厚生労働省の「労使関係法研究会」において、労働組合法上の労働者性の判断基準について報告書が取りま
とめられ た(厚生労働省のページ)。)
(関係法令)
(関連判例)
新 宿郵便局事件
最高裁第3小(昭和58・12・20)
(判例集)
(分類)
(概要)
・「使用者の言論は、労働者の団結権との関係において一定の制約は免れないが、原則的には、使用者にも言論の自由は保障されており、労使
双方が自由な議論 を展開することは、正常な労使関係の形成発展にも資するものということができる。」とするもの。
・郵便局長の自宅又は執務室で特定の職員に対してなされた組合を批判する発言について、「妥当性を疑われることは否定できない」としつ
つ、いまだ支配介入 に当たるとまでは言えないとするもの。
・不当労働行為は成立したが、すでに是正され、救済の必要性が認められないと
きは、労働委員 会 は救済申し立てを棄却できるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
新 日本製鉄在籍出向事件
最高裁第2小(平成15.4.18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- �〆濱劼靴燭泙渊亳�する場合があることを就業規則で規定し、�∀�働協約でも在籍出向について規定している事案において、「在籍出
向といわ ゆる転籍との本質
的な相違は,出向元との労働契約関係が存続しているか否かという点にあるのであるから,出向元との労働契約関係の存続自体が形がい化
しているとはいえない
本件の場合に,出向期間の長期化をもって直ちに転籍と同視することはできず,これを前提として個別的同意を要する旨をいう論旨は,採
用することができな い」として、個別的同意なしに在籍出向を命ずることができると
されたも の。
(関係法令)
(関連判例)
水
道機 工事件
最高裁第1小(昭和60・3・7)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 出張・外勤拒否闘争を行っている組合員に対して、会社が個別に
日時、場 所、業務 内容を指定し
て出張・外勤を命ずる業務命令を発し、組合員がこれに応じずに通常の内勤業務を行った場合の賃金カットについて、組合員は債務の本旨
にしたがった労務の提
供をしたものとはいえず、会社は業務命令により指定した時間は出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶したものと解すべきである
から、提供された内勤 業務についての労務を受領したものとはいえず、会社は右時間の賃
金の支払い義務を 負わないと する原審判断を支持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
スカンジナビア航空事件
東京地裁(平成7・4・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
経営不振によるリストラ策として、新ポジション及び新労働条件を示して、これに応じない労働者を解雇したことについて、いわゆる変更解約告知と認めた上で、会社にとっての労働条件変更の必要性が労働者の不利益を
上回っていること、 解雇回避の努力が為されていること等から、解雇の効力を認めるもの。
(関係法令)
(関連判例)
高知放送事件 東
洋酸 素事件 (注)大阪労働衛生センター第一病院事
件(平 成10.8.31大阪 地裁判決 労判751・38 厚生労働省 。変更解約告知という類型を設けるのは相当でないとして、結論において解雇を
無効とするもの。) 日本食塩
鈴 鹿国際大学(亨栄学園)事件
最高裁第2小(平成19.7.13)
(判例集)
(分類)
懲戒
(概要)
- 学校法人が被用者である大学教授に対し同教授の地元新聞紙上における発言等を理由としてした戒告処分を無効とするもの
- 学校法人が被用者である大学教授に対し教授会への出席その他の教育諸活動をやめるよう求めた要請の無効確認を求める訴えを適法と
し、当該 要請を無効とする もの
(関係法令)
(関連判例)
住友化学名古屋製造所事件
最高裁第3小(昭和54・11・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 休憩時間中に食事以外に職場を離れることを禁止され、非常事態に備えていなければならなかったケースについて、当該労働者は、休憩時
間中にも会社の労務指揮
のもと、身体・自由を半ば拘束された状態にあったものであるから、休憩を与える債務の履行は不完全であったとした二審判決を維持した
もの。
- その場合の損害賠償について、その時間に完全に労務に服したというものでないとして、労働の対価相当額は認めず、慰謝料のみ認め
た二審判 決を支持したも の。
(関係法令)
(関連判例)
住友化学工業名古屋製造所ビラ配布等事件
最高裁第2小(昭和54・12・14)
(判例集)
(分類)
(概要)
- ビラ配布にを理由とする懲戒処分について「就業時間外に本件ビラを配布したものであり、また、その配布の場 所は、上告会社の敷地内ではあるが事業所内ではない、
上告会社の正門と歩道との間の広場であって、当時一般人が自由に立ち入ることのできる格別上告会社の作業秩序や職場秩序が乱されるお
それのない場所であっ
た、というのであるから、被上告人らの右ビラ配布行為は上告人の有する施設管理権を不当に侵害するものではないとして、これに対して
された本件懲戒処分を 無効であるとした原審の判断は、本件ビラ配布が正当な組合活動
あるかどうかを判断する までもなく、 正当として是認できる。」とするもの。
(関係法令)
(関係判例)
生 活共同組合メセタ事件
最高裁第2小(平成11・6・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 破産宣告を受けた企業に雇用されていた労働者が、それ以前の解
雇の効力 を争い、
訴訟が係属している場合、解雇が有効であるときは、解雇から遡って6ヶ月間に支払われるべきであった給料債権について一般の先取特権を有することとなり、無効であるときは破産宣告時から遡って6ヶ
月間に支払われるべきで
あった給料債権について一般の先取特権を有することとなるとして、解雇の効力の審理判断を行わなかった原審に違法があるとして破棄・
差し戻しするもの。
(関係法令)
(関連判例)
清 心会山本病院事件
最高裁第1小(昭和59・3・29)
(判例集)
(分類)
(概要)
ユニオンショップ協定下で、除名が無効であるために解雇が無効となった場合
の就労さ
せなかった期間の賃金の支払義務について、使用者の責めに帰すべき事由によるものであるとして、使用者の支払義務を認めるもの。
(関係法令)
(関連判例)
セメ
ダイン事 件
最高裁第1小(平成13・6・14)
(判例集)
(分類)
(概要)
- いわゆる管理職組合からの断交拒否に係る救済申し立てについて、当該組合を労組法上の組合と認定して使用者に断交応諾を命じた中
労委命令 を支持する原審判 決を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
専修大学労災 受給者解雇事件
最高裁第2小(平成27.6.8)
(判例集)
(解説)
産業保健21.83.18
(分類)
労災 解雇
(概要)
「労災保険法12条の8第1項1号の療養給付を受ける労働者が、療養開始後3年
を経過しても疾病が 治らない場合には、労働基準法75条による療養補償を受け
る労働者が上記の状況にある場合と同様に、使用者は、当該労働者につき、同法81条の規定による打ち切り補償の支払いをすることにより、解雇制限の除外事
由を定める同法19条1項ただし書きの適用を受けることができるものと解するのが相当である」として、解雇を同法19条1項に違反し無効
とした原審を破棄 し
「本件解雇の有効性に関する労働契約法16条(編注:解雇権濫用法理)該当性の有無等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差
し戻すこととす る」とするも.の。
差戻審(東京高裁平成28.9.12)は、打ち切り保証が権利の濫用に当たると評価されるときは、解雇の効力が認められない余地はある
が、本件にそのよう な事実は認められないとし、解雇の効力を認めた。
(関係法令)
労災保険法 労働基準法
(関連判例)
全 税関神戸支部事件
最高裁第1小(平成13.10.25)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 複数組合併存下で原告組合員が組合員であることを理由として昇任、昇格、昇給で差別的取扱いを受け、また、原告組合が違法な支配介入を受けたとして、国に対して損害賠償を求めた訴訟で、税関当局の原告組
合及び組合員への差別的 意思を否認し、組合員及び組合への損害賠償を否定した原審判決が維持されたもの。
(関係法令)
(関連判例)
全税関横浜支部事件
最高裁第1小(平成13.10.25)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 複数組合併存下で原告組合員が組合員であることを理由として昇任、昇格、昇給で差別的取扱いを受け、また、原告組合が違法な支配介入を受けたとして、国に対して損害賠償を求めた訴訟で、横浜税関当局の原
告組合への差別的意思を 推認した上で、
- � 屐癖埣蹇Ц狭霑塙膂�が、係争期間中に正当な組合活動といえない行為を行い、病気休暇や遅刻と目すべき休暇取得日数が平均を上
回り、勤 務成績は非原告組
合員よのそれより劣るといわざるを得ない。)事実によれば、個人原告らの本件係争期間中の処遇の格差は、いずれも横浜税関長の承認等
に関する裁量のっ範囲 内にとどまるものというべきであり、」として、個人原告への損害賠償を否定し、
- �◆峅I誉粘愿�局の行為(職制上司による脱退勧誘の容認、助長への関与等)は、いずれも原告組合への支配介入といわざるを得
ず、」として 組合への損害賠償 を認めた
- 原審判決を維持したもの。
(関係法令)
(関連判例)
全逓都城郵便局事件
最高裁第1小(昭和51・6・3)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「組合休暇の制度が労働組合の組合活動に対する便宜供与の一種であ
ることは 所論
のとおりであるとしても、・・・組合の闘争によって正常な労使関係が失われているときにはいかなる組合活動のためであっても一切これ
を与えないことが当然
に許されるものであるとは解しがたい」として、組合休暇を与えなかったことが「不当労働行為であるとした原審判断は正当」であるとす
るもの。
- 郵便局長が服務表についての団体交渉権限が与えられていたこと
を認め、 「交渉委 員として指名
された者は交渉事項について当然に労働協約を締結する権限までをも有するものではないが、協約締結権限のない事項についてであって
も、交渉権限を与えられ
ている以上、団体交渉の申入れには応じたうえ、合意が成立したときはこれを協約締結権者に具申して協約とするよう努力すべきもので
あって、・・・都城郵便
局長が服務表に関する被上告人支部の本件団体交渉申入れを拒否したことに正当な理由があったと認めることはできない。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
全電通千代田丸事件
→電電公社千代 田丸事件
全農
林警職法 事件
最高裁大(昭和48・4・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
政治ストを違法とするもの。又、公務員法の争議行為禁止規定が憲法第28条
に違反し ないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
全 農林人勧凍結抗議スト事件
最高裁第2小(平成12・3・17)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 昭和57年の人事院勧告が全面凍結されたことに対する抗議時限スト
において 指導的役割を果た した全農林幹部に対する6ヶ月から3ヶ月の停職処分の有効性が争われた事件
- 「国家公務員法98条2項の規定が憲法28条に違反するものでないことは、当裁判所の判
例・・ とすると ころであ」るとするもの。
- 「結社の自由及び団結権の保護に関する条約(昭和40年条約第7号。いわゆるIL087号条約)3条並びに経済的、社会的及び文
化的権利 に関する国際規約
(昭和54年条約第6号)8条1項(c)は、いずれも公務員の争議権を保障したものとは解されず、国公法98条2項及び3項並びに本
件各懲戒処分が右各条 約に違反するものとはいえないとした原審の判断は、正当として是認することができる。」とするもの。
- 「国公法第3章第6節第二款の懲戒に関する規定及びこれに基づく本件各懲戒処分が憲法31条の規定に違反するものでないことは最
高裁昭和 61年(行ツ)第 11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437ページ<(編注)成田新法事件(愛大判例)>の趣旨に徴して明らか」とするもの。
- 「本件ストライキの当時、国家公務員の労働基本権の制約に対する代償措置がその本来の機能を果たしていなかったということができ
ない」と するもの。
- (編注)河合・福田両裁判官の補足意見(人勧完全凍結は懲戒件濫用の成否の判断にあたって考慮すべき重要な事情になる)が付され
ている。
(関係法令)
(関連判例)
崇徳 学園事件
最高裁第3小(平成14.1.22)
(判例集)
(解説) - 労働新聞2411・14
(分類) - 懲戒解雇
(概要)
- 学校法人事務局次長(職員としては法人事務局の最高責任者)の不適正な経理処理を理由とする懲戒免職について、懲戒権濫用にあた
り無効と して一審判決を取 り消した原審判決を破棄するもの。
(関係法令) - 民法
(関連判例)
た
第 一小型ハイヤー事件(昭52)
札幌高裁(昭和52・10・27)
(判例集)
(分類)
(概要)
昇格差別の救済命令について、昇格の場合は、使用者の真正な人事上の利益と
の調整の 必要があり、昇格そのものを救済命令で命じることは、労働委員会の裁量権の
限界を超えるとす るもの。
(関係法令)
(関連判例)
第一小型ハイヤー事件(平4)
最高裁第2小(平成4・7・13)
(判例集)
労判630・6 全基連
(分類)
就業規則、賃金
(概要)
- タクシー運賃改定に伴う就業 規則の変更による歩合給の計算方法の変更について、新計算方法に基づ
き支給された乗務員の賃金が従前より減少 していないのであれば、それが
従業員の利益をも適性に反映しているものである限り、合理性を肯認できるとするもの。
- (事業所に2つの組合が併存していて、両組合と交渉し、一方組
合が受け 入れ、他方組合が拒否
した場合に)新計算方法が一つの労働組合との交渉により決められたものであるときは、通常は使用者と労働者の利益が調整された内
容のものであるとの推測が 可能であるとするもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
秋北バス事件、大曲市
農協事件、第4銀行事件、御国ハイヤー事件(昭58) (注意)みちのく銀行
大
栄交通 事件
最高裁第2小(昭和51.3.8)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 55歳で定年退職した場合に、特段の欠格事由のない限り、直ちに嘱託として再雇用するとの労働慣行が確立していたことを認定し、再雇用契約の成立を認める原審を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
最高裁第2小(平成9・2・28)
(判例集)
(分類)
就業規則、退職金、定年
(概要)
- 従来55歳定年制で、58歳まで55才時賃金による定年後在職が認められていた就業規則について、賃金の減額を伴う60歳への定
年延長を 定めた変更(55
歳から60歳時までの賃金総額が従来の55歳から58歳時までの賃金総額にほぼ等しくなる変更)に関して、大曲市農協事件の判断の枠
組みに沿って、判断す るもの。
- 就業規則の変更の合理性の判断について、労働者が被る不利益の
程度、変 更後の就
業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯((編注)本件は、組合と合意して協定が締結されており、合理的なものであると一応推測できるとさ
れている。また、上告人 の、非組合員であって意思を反映できなかったとの主張に対しては、本件上告人は、部長補佐で労働協約により非 組合員であるが、本件変更は非組合員である役職者についてのみ著しい不利益
を課すものでなく、非組合員にとって、 不合理とはいえないとされ
た。)、他の労働組合または他の従業員の対応、同種事項に関する我が国社会における一般的状況等を総合考慮して判断すべきであるとす
るもの。
- 上の就業規則の変更について、旧制度も一定期間存続して、労働者に選択させる等の経過措置を講じることが望ましいとしつつ、労働条件の集団的処理を建前とする就業規則の性質から、このような経過措置がな
くても、上告人に対して も有効であるとするもの。
(関係法令)
労働基準法
大成 観光(ホテルオークラ)事件
最高裁第3小(昭和57・4・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
ホテル内で労働組合員である従業員が就業時間中に「要求貫徹」、「ホテル労連」と記したリ
ボンを着用し たことについて、組合の正当な行為に当たらないとする2審判決を支持したもの。
(関係法令)
(関係判例)
第二鳩タク
シー事件
最高裁大(昭和52・2・23)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 労働委員会は、不当労働行為からの救済のための是正措置について、裁量権を
有するとするも の。
- また、バックペイの中間収入の控除の要否および程度は、被解雇者個
人の経済 的被害の回復と解 雇が組合活動一般に対して与える侵害の除去の2つの観点から決定すべきであるとするもの。
- (編注)本判決は、中間収入の控除をまったく不要とした労働委員会命令は、裁量権の範囲を超えて違法であるとするものである。な
お、審査 を再開した東京地 労委は、中間収入を控除しない特段の事由があるとして再度全額バックペイを命じたものである。
(関係法令)
(関連判例)
大 日本印刷事件
最高裁第2小(昭和54・7・20)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 採用内定の法的性質について、事実関係に即して判断されるべき
であると しつつ、 当該案件につ
いて、内定通知により就労始期を卒業直後として誓約書記載の事由に基づく解約権が留保された労働契約が成立したと解されるとするも
の。使用者による留保解
約権の行使は社会通念上相当として是認される場合に許され、それゆえに内定取り消しの事由は、内定当時知ることができず、知ることが
期待できないような事
実で、それを理由とする取り消しが解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的と認められるものに限られるとするもの。
- 内定当初からグルーミーな印象であったが、それを打ち消す材料が出るかもしれないとして内定し、材料が出なかったとして内定を取
り消すこ とは解約権の濫用 に当たるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
ダイ ハツ工業事件
最高裁第2小(昭和58・9・16)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者の懲戒権の行使は、当該具体的事情の下において、客観的に合
理的理由 を欠き社会通念上 相当として是認できない場合に初めて権利の濫用と
して無効となるとする もの。
- 会社の20日間の自宅待機命令に従わず、実力による強行就労の試みを執拗に繰り返した従業員に対する懲戒解雇を有効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
大
和銀行 事件
最高裁第1小(昭和57年10月7日)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 賞与の在籍日支給について、賞与を支給日に在籍している者のみに支払う慣行及びこれを明文化した規則は、合理性を有するとして
(任意の)退職後の日を支給日とする賞与については受給権を有しないと
するもの。
(関係法令)
(関連判例)
高 田建設従業員事件
最高裁第3小(平成1・4・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労災保険の保険給付の原因となった事故が第3者の行為によって惹起され、第3者が賠償責任を負う場合において、被害を受けた労働
者に過失 があるため損害賠 償額を定めるにつきこれを一定割合で斟酌すべきときの労災
保険給付の控除と過失相殺と の関係に
ついて、「右損害の額から過失割合による減額をし、その残額から右保険給付の価額を控除する方法によるのが相当である」とするもの。
- (編注)いわゆる「控除前相殺説」にたつもの。
(関係法令)
(関連判例)
宝運輸仮 払金事件
最高裁第3小(昭和63.3.15)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「いわゆる賃金の仮払を命ずる仮処分命令(以下「仮払仮処分」とい
う。)に 基づ
く強制執行によつて仮処分債権者が金員の給付(以下「仮払金」という。)を受領した後に右仮処分が控訴審において取り消された場合に
は、仮処分債権者は、
仮払金と対価的関係に立つ現実の就労をしたなどの特段の事情がない限り、仮処分債務者に対し、受領した仮払金につき返還義務を負い
(以下、仮処分債務者の
右返還請求権を「仮払金返還請求権」という。)、その範囲は不当利得の規定に準じてこれを定めるべきところ、右の理は、本案訴訟が未
確定であり、かつ、従
業員としての地位を仮に定める仮処分命令(以下「地位保全仮処分」という。)が同時に発せられていたときであつても同様であると解す
るのが相当である。」 とするもの。
- (編注)伊藤正巳裁判官の「仮処分債権者は、右の各仮処分((編注)仮払仮処分及び地位保全仮処分)を同時に発した裁判所の公権
的判断を 信頼し、これを前
提として雇用契約の本旨に従つた労務の提供をし、他に就労もしないでいたような格別の事情がある場合には、その受領が拒絶されたとし
ても、民法五三六条二
項ないし受領遅滞の法理に従い、賃金に準じた金員の支払請求権を取得し、これを本件各仮払金の返還請求に対する抗弁事由とする余地が
あるといわざるをえな い。」とする反対意見の付されたもの。
(関係法令)
(関連判例)
タ ケダシステム事件
最高裁第2小(昭和58・11・25)
(判例集)
(分類)
就業規則、休暇
(概要)
- 就業規則の変更について、労働者にとって不利益なものでも合理
的であれ ば労働者 の同意を要せずに適用されるとするもの。
- 就業規則の変更により有給の生理休暇を年24日から月2日に変更
し、有給率 も100%から
68%に変更したことについて、不利益の程度、関連して行われた賃金の改善状況、生理休暇取得濫用の実態、組合との交渉経緯、社会的
理解から合理性が有る とするもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
秋北バス事件、大曲市農協事件、御国ハイ
ヤー事件(昭 58)、日本シェーリング事件 NBC事件
炭研 精工事件
最高裁第1小(平成3・9・19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 中学または高校卒業者との募集に対して、大学を除籍中退した者が大学中退の学歴を
秘匿し て雇
用されたことが、就業規則の「・・・経歴をいつわり・・・雇い入れられたとき」に該当するとするもの。
- 使用者が、雇用契約の締結に先立ち、雇用しようとする労働者に対して、その労働力評価に直接関わる事項ばかりでなく、職場への適
応性、企 業の信用の保持等
の企業秩序の維持に関する事項についても必要かつ合理的な範囲で申告を求めた場合には、労働者は信義則上真実を告知する義務を負うと
し、上の就業規則もこ れを前提とすると解されるとするもの。
- 以上のことと、就業後の事情を考慮すると懲戒解雇事由は相当であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
地 公災基金鹿児島支部長(内之浦教委職員)事件
最高裁第2小(平成18.3.3)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 心臓疾患の既往症のある職員が、バレーボール大会に参加し出場した際に、急性心不全を発症し死亡したことについて、バレーボール
と死亡と の因果関係を否定
した原審について、以前の発症後の復職後の勤務状況が良好であったこと等から、「心臓疾患が,確たる発症因子がなくてもその自然の経
過により心筋こうそく
を発症させる寸前にまでは増悪していなったと認められる場合には,Aはバレーボールの試合に出場したことにより心臓疾患をその自然の
経過を超えて増悪させ 心筋こうそくを発症して死亡したものとみるのが相当」として、原審を破棄差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
千葉動労JR不採用事件
中央労基署長(労災就学援護費)事件
最高裁第1小(平成15.9.4)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「労働基準監督署長の行う労災就学援護費((編注)労働福祉事業として労災法23条1項2号に基づくもの)の支給又は不支給の決
定は,法 を根拠とする優越
的地位に基づいて一方的に行う公権力の行使であり,被災労働者又はその遺族の上記権利に直接影響を及ぼす法的効果を有するものである
から,抗告訴訟の対象 となる行政処分に当たるものと解するのが相当である。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
中 国電力事件
最高裁第3小(平成4・3・3)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 原発労働者は地元で取れた魚は食べない等の表現を含む原子力発電批判の組合ビラの
配布が、 組 合活動としての正当な範囲を逸脱し、これを理由とする懲戒処分は不当労働行為でないとするもの。
- 上のビラ発行、配布を理由として、組合役員に行った懲戒処分(減給半日、休職2ヶ月等)について、関西電力判決を引用して有効であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
中部日本放送事件
→CBC管弦楽団事件
直源会相模原南病院事件
最高裁第2小(平成11・6・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 病院のケースワーカー及び事務職員に対するナー スヘルパーへの配置転換命令に従わなかったこと等を理由とする解雇を無 効とす る原審を維持するもの。
- 就業規則の職種の変更を命ずる権利について、業務の系統を異にする職種への異動、特に事務職系の職種から労務職系への職種への異
動につい ては、業務上の特
段の必要性及び当該従業員を異動させるべき特段の合理性があり、かつこれらの点についての十部な説明がなされた場合か、本人が特に同
意した場合を除き一方 的に異動を命ずることはできないとする原審を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
千代田化工建設(不当労働行為)事件
最高裁第2小(平成8・1・26)
(判例集)
(分類)
(概要)
- (一部の組合員の活動と労組法7条1号の労働組合の正当な行為との
関係につ い
て、)組合に属する労働者が行う活動が、労働者の生活利益を守るための労働条件の維持改善その他の経済的地位の向上を目指すものであ
り、それが、所属組合
の自主的、民主的運営を志向する意思表明行為であると評価できるものであれば、当該活動が組合機関による正式な意思決定や授権に基づ
くものではなく、又 は、組合による積極的な指示がいまだ得られていない活動であり、あるいは、それが他面において政党員の活動と
しての性格を持っていたとしても、労働組合の正当な行為というを妨げないとする原審判決を支持するもの。
- (会社の経営合理化策に反対する組合少数派の活動について)組合執行部に対する批判を伴うものであるとしても、組合が会社との間
で合理化 政策に関する協定
を締結するまでは、組合員として労働組合の自主的、民主的運営を志向するためにされた活動であり、正当な組合活動であるとして、この
活動を嫌悪してなされ た解雇は労組法7条1号の不当労働行為であるとする原審判決を支持するもの。
- (編注)本件解雇については、別途民事訴訟(最高裁第1小法廷判決(平成4・5・25、労判615・12)において解雇権の濫用
に当たり 無効とされてい る。
(関係法令)
(関連判例)
千代田丸事件
→電
電公社千代 田丸事件
津田電気計器事件
最高裁第1小(平成24.11.29)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 高年齢者雇用安定法9条2項の継続雇用の対象となる高年齢者に係る基準に基づく再雇用制度を導入した企業において、継続雇用基準
に達しな いとして再雇用契
約を締結されなかった労働者について、「継続雇用基準を満たしていないものとして・・・嘱託雇用契約の終期の到来により被上告人の雇
用が終了したものとす
ることは、・・・客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない」として、「再雇用されたのと同様の雇用関係が存
続しているものとみる のが相当」とするもの。
- (編注)労使協定等により、継続雇用制度の対象者に係る基準を定める制度は、平成25年4月以降、経過措置を除き廃止された。
帝国臓器製薬単身赴任事件
最高裁第2小(平成11・9・17)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 東京から名古屋への転勤を命ぜられた上告人が、単身赴任を強いられ
たとし て、同
転勤命令の違法を主張した事件について、「上告人・・に対し被上告人の東京第一営業所医薬第四課から名古屋営業所医薬第二課への転勤
を命ずる本件転勤命令
が、業務上の必要性に基づくものであって、不当な動機、目的をもってなされたものではなく、上告人らの被る経済的,社会的、精神的不
利益が社会通念上甘受 すべき程度を著しく超えるものということはできないなどとして、本件転勤命令は違法な ものと はいえず、これをもって、債務不履行又は不法行為に当たるとはいえない とした原審の判断は、
正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
テックジャパン事件
最高裁第1小(平成24.3.8)
(判例集)
最高裁のページ 判タ1378.80 労判1060.5 判時2160.135
(分類)
賃金 労働時間
(概要)
○基本給を月額41万円とした上で月間総労働時間が180時間を超える場合に
1時間当
たり一定額を別途支払い,140時間未満の場合に1時間当たり一定額を減額する旨の約定のある雇用契約の下において、「月額41万円の基本給
について,通
常の労働時間の賃金に当たる部分と同項の規定する時間外の割増賃金に当たる部分とを判別することはできない」とし、「月額41万円の基本給の
支払を受けた
としても,その支払によって,月間180時間以内の労働時間中の時間外労働について労働基準法37条1項の規定する割増賃金が支払われたとす
ることはでき
ない」として、「月間180時以内の労働時間中の時間外労働についても,月額41万円の基本給とは別に,同項の規定する割増賃金を支払う義務
を負うものと 解するのが相当」とするもの。
○(編注)櫻井裁判官の「使用者が割増の残業手当を支払ったか否かは,罰則が
適用され
るか否かを判断する根拠となるものであるため,時間外労働の時間数及びそれに対して支払われた残業手当の額が明確に示されていることを法は要
請していると いわなければならない。」等の補足意見が付されている。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
電通過労自殺事件
最高裁第2小(平成12.3.24)
(判例集)
労判779・13 判時1707・87 判タ1028・80 最高裁のページ JIL個別 全基連 女性就業
(解説)
(分類)
(概要)
- 長時間の残業を恒常的に行っていた労働者がうつ病に罹患し、自殺し
た場合に使用者の 民法715条の損害賠償責任を肯定するもの。原審
が、自殺者の性格、業 務態様、遺族(同居の
両親)の態様をもって会社の賠償額を減額したことについて、法令の解釈適用を誤った違法があるとしてその部分を差し戻すもの。
- 「うつ病に罹患した者は、健康な者と比較して自殺を図ることが多く、うつ病が悪化し、又は軽快する際や、目標達成により急激に負
担が軽減 された状態の下
で、自殺に及びやすいとされる。」とするもの。((編注)労災保険においても、労働省の平成11.9.17通達で、うつ病と自殺の因
果関係は推定されるも のとされている。)
- 「使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄
積して労 働者の心身の健康 を損なうことがないように注意する義務を負う」とするもの。
- 「原審は、・・・業務の遂行とうつ病罹患による自殺との間には相当因果関係があるとした上、・・・((編注)上司には、自殺者
が)恒常的 に著しく長時間に
渡り業務に従事していること及びその健康状態が悪化していることを認識しながら、その負担を軽減させるための措置を採らなかったこと
につき過失があるとし
て、一審被告((編注)会社)の民法715条に基づく損害賠償を肯定したものであって、その判断は正当として是認することができる」
とするもの。
- 「労働者の性格が前記の範囲((編注)同種の業務に従事する労働者の個性の多用さとして通常想定される範囲)を外れるものでない
場合に は、裁判所は、業務
の負担が過重であることを原因とする損害賠償請求において使用者の賠償すべき額を決定するに当たり、その性格及びこれに基づく業務遂
行の態様等を斟酌する ことはできない」とするもの。
- 同居していた両親について、「勤務状況を改善する措置を採りうる立場にあったとは、容易にいうことはできない。」とするもの。
- (編注)平成12年6月23日、差し戻しの東京高裁で、会社が1億6800万円を支払い謝罪するとの内容で和解が成立した(平成
12年6 月23日夕刊各 紙)。
(関係法令)
(関連判例)
電 電公社帯広局事件
最高裁第1小(昭和61・3・13)
(判例集)
(分類)
就業規則、労働契約、懲戒、安全衛生
(概要)
- 使用者の業務命令の根拠について、労働者がその労働力の処分を使用
者に委ね ることを約する労 働契約に有るとし、業務命令をできる事項であるかどうかは、労働契約の解釈の問題に帰するとするもの。
- 就業規則が一定の事項につき使用者の業務命令に服従すべき旨を定める場合、規定内容が合理的なものである限り当該具体的労働契約
の内容を なしているといえ るとするもの。(編注:参考)労働契約法第7条。
- 使用者が就業規則及び労働協約に基づき、頸肩腕症候群の長期罹患者に使用者指定の病
院の検 査を命じた
ことについて、合理性ないし相当性は十分これを肯定できるとして、当該業務命令の拒否は公社就業規則59条3号の懲戒事由に当たると
するもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
電電公社関東電気通信局事件
最高裁第3小(平成1・7・4)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 使用者が通常の配慮をしても代替勤務者を確保して勤務割を変更する
ことが客 観的に可能な状況
になかったと判断しうる場合には、使用者が、配慮をしたとみうる何らかの具体的な行為をしなかったとしても、時季変更権の行使が違法
となることはないとす るもの。
(関係法令)
(関連判例)
電電公社近畿電通局事件
最高裁第2小(昭和55・5・30)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 採用内定について、大日本印刷事件と同様の考え方を示しなが
ら、始期に ついて、 就労の始期とせずに、効力発生の始期とするもの。
- 公安条例違反の現行犯で逮捕され、起訴猶予処分を受けたことが発覚したためになされた採用内定の取消を有効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
東京エグゼクティブ・サーチ事件
最高裁第2小(平成6・4・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 職業安定法の職業紹介におけるあっ旋は、求人社と求職者との間における雇用関係成立のための便宜を図り、その成立を容易にさせる
行為一般 を指称するもので あり、求人者に紹介するために求職者を探求し、求人者に就職するように求職者に勧奨するいわゆるスカウト行 為も含まれるとするもの。
- 職業安定法第32条6項は、有料職業紹介の手数料契約のうち所定最高額を超える部分の私法上の効力を否定することにより、求人者
及び求職 者の利益を保護す
る趣旨のものであるとし、手数料契約のうち最高額を超える部分の効力を否定し、最高額の範囲内の部分のみ、効力を認めるものと解する
のが相当であるとする
もの。(編注:平成9年、11年の職安法の改正により、手数料については、厚生労働大臣への届出により定めることができることとされ
た。)
(関係法令)
(関連判例)
東京海上横浜支店長付運転手事件
→横浜南労基署(東京海上支店長付運転手)事件
東京焼結金属事件
最高裁第3小(平成10.4.28)
(判例集)
労判740・22 労経速1683・7 中
労委DB
(分類)
(概要)
- 労働組合内反対派の活動家に対する配 転が、
不当労働行為にあたらないとして、労働委員会の救済命令を取り消した原審判決(「本件配転を補助参加人の組合活動の故をもってなされ
た不利益取扱いの不当
労働行為であるとするためには、会社の反組合活動の意思が、その業務の必要性よりも優越し、配転の決定的な動機であったことを必要と
すると解される」と
し、「旧執行部派の勢力を減殺しようとする意思が、右業務上の必要性よりも優越し、本件配転を行うにいたらせた決定的な動機であった
とするには、なお客観 的、具体的根拠が十分でない」とするもの。)を維持するもの。
- 元原裁判官の反対意見(「配転命令が不当労働行為にあたるか否かを判断するに当たっては、人選の合理性は、使用者の不当労働行為
意思の強 弱との比較におい
てこれを評価判断すべきところ、本件の場合、被上告人の不当労働行為意思の存在が顕著であったと認めるべきことは、前述のとおりであ
るから、本件配転命令
が不当労働行為でないというために必要とされる人選の合理性の程度については、非代替性の存在までは要しないとしても、補助参加人本
人でなければならない
理由が相当程度あることが必要と考えるべき」とし、「配転時に補助参加人でなければならなかった必然性はさして大きなものではなかっ
た」とするもの。)が 付されたもの。
(関係法令)
(関連判例)
東 京電力事件
最高裁第2小(昭和63・2・5)
(判例集)
(分類)
(概要)
営業所の機密が特定政党の機関紙に報道されたことについて、従業員から事情聴取する過程で特
定政党員でない ことの書面を求めたことが違法行為ではないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
東京都建設局事件
最高裁第1小(昭和57・5・27)
(判例集)
(分類)
(概要)
公務員の採用内定について、採用内定は採用手続きを円滑に行うための準備手
続きとし ての事実行為に過ぎないとするもの。
(編注)この判決は、公務員の任用行為の特性にのっとるもので、一般企業に当てはまるものでないと考えられる。
(関係法令)
(関連判例)
大日本印刷事件 大隈鉄
工所
東芝うつ病事件
最高裁第2小(平成26.3.24)
(判例集)
(分類)
労働災害 安全衛生
(概要)
〇労働者に過重な業務によりうつ病が発症し、増悪した場合の、使用者の安全配
慮義務違 反による損害賠償の算定において、「自らの
精神的健康(い わゆるメンタルヘルス)に関する情報は、(中略)診断にかかる]病名(中略)等を内容とするもの
で、労働者にとって、自己のプライバシーに属する情報であり、人事考課等に影響し得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を継
続しようとす
ることが想定される性質の情報であった」、「頭痛等の体調不良が原因であることを上司に伝えたうえで1週間以上を含む相当日数の欠勤を繰り返
し(中略)上
司に対してそれまでしたことのない業務の軽減の申出を行い、従業員の健康管理等につき被上告人に勧告し得る産業医に対しても上記欠勤の事実等
を伝え(中 略)などしていた」として、労働者が精神的健康にかかる情報を使用 者に申告しなかったことをもって過失相殺することはできないとするもの。
(関係法令)
民法
(関連判例)
東芝柳町工場事件
最高裁第1小(昭和49・7・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
臨時工について、更新の反復によって期間の定めのない契約と同じ状態になっていたから、雇
止めは 実質において解雇の法理を類推して判断すべきであるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
戸 塚管工事事件
最高裁第1小(昭和49.3.28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働者の遺族が、労働基準法七九条に定める災害補償と同一の事由について労働者災害補償保険法一二条一
項四号、一六条所定の遺
族補償一時金の支給を受けるべき場合においては、昭和四五年法律第八八号による改正前の同法に定める遺族補償一時金のように、たとえ
その支給額が労働基準法七九条所定の補償額に達しないときであっても、使用者は、同法八四条一項に
より、七九条に基づく災 害補償義務の全部を免れると解するのが相当であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
都 南自動車教習所事件
最高裁第3小(平成13・3・13)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 原審が、賃金改定に関する合意が成立していると解した上で、使用者が組合員にベースアップを拒む理由として労組法14条所定の書
面が作成 されなかったこと
を主張するのは信義に反して許されないとし、賃金改定に関する合意が労働協約として成立し規範的効力を有すると解するのが相当である
として、ベースアップ
分等の未払い賃金の支給を命じた判断について、是認できないとして取り消し、不法行為による損害賠償の請求について審理を尽くすべき
であるとして差し戻す もの。
- 「労働組合法14条が、労働協約は、書面に作成し、両当事者が署名
し、又は 記名
押印することによってその効力が生ずることとしているゆえんは、労働協約に上記のような法的効力((編注)労組法16条、17条、労
基法92条等)を付与 することとしている以上、その存在及び内容は明確なものでなければならないからである。(中略)したがって、書 面に作成され、かつ、両当事者がこれに署名し又は記名押印し ない限り、仮に、
労働組合と使用者との間に労働条件その他に関する合意が成立したとしても、これに労働協約としての規範的効 力を付与することはできないと解すべきである。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
富 里商事事件
最高裁第3小(平成10・7・14)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 組合結成後に労使間で多くの紛争が発生している中で上司に対して暴力行為をしたことを理由とする解雇を不当労働行為であるとした
労働委員 会命令をを取り消 した原審を支持するもの
- 元原利文裁判官の補足意見として、「労働委員会と原審までの裁判所が結論を異にした理由は、主として・・就業規則の懲戒規定に該
当するよ うな暴行、傷害等 の行為をしたか否かに関して、事実認定が相違し
たためである」とされた もの
(関係法令)
(関連判例)
十和田観光電鉄事件
最高裁第2小(昭和38・6・21)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 公職の就任を使用者の承認事項として、その承認を得ずして公職
に就任し たものを 懲戒解雇に附する旨の就業規則は労働基準法第7条に違反して無効であるとするもの。
- また、当該就業規則に基づく懲戒解雇について、普通解雇に付するは格別、懲戒解雇に付することは許されないとする
もの。
(関係法令)
(関連判例)
森下製薬事件(大津地裁、昭和58.7.18、労判417.70、最高裁のページ)(町議会議員への就任等を理由に、就業規則及び労働協約に基づきなされた
その従業員に対する
休職及び配転処分を、労働者が公の職務を執行することにより使用者の立場から正常な労働関係が維持できなくなるような場合に当たるものと
して、有効と判断 したもの)
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十和田労基署長(遺族補償費等不支給処分取消
請求)事件
最高裁第3小(昭和59.5.29)
(判例集)
(分類)
労災
(概要)
・「労働者の負傷、疾病、障害又は死亡(以下「災害」という。)
が労働者災害補償 保険
法に基づく保険給付の対象となるには、それが業務上の事由によるものであることを要するところ、そのための要件の一つとして、労
働者が労働契約に基づき事
業主の支配下にある状態において当該災害が発生したことが必要であると解するのが相当である。そして、通勤途上において発生した
災害は、労働者が、使用者
の提供した専用の交通機関を利用していた場合、又は通勤の途中で業務を行うことを予定していた場合等、労働者が通勤途上において
もなお事業主の支配下に置
かれていたと認めるべき特別の事情がある場合を除き、業務上の事由によるものということはできないと解すべきである。」とするも
の。
・自家用車で自宅から工事現場に向かう途
中の事故を 業務上のものでないとし、「不支給処分にはこれを取り消すべき瑕疵はない」とするもの。
(関係法令)
労災保険法
(関連判例)
な
中里鉱業所事件
最高裁第2小(昭和44・5・2)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 参議院議員選挙において組合の推薦候補以外の候補を支持する反組合的行動を行った場合は統制違反として処分するとの組合決議につ
いて、三井美唄労組事件の判旨を引用して、統制権の限界を 超えるものとして無効であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
長澤運輸事件
最高裁第2小(平成30.6.1)
(判例集)
(分類)
労働契約 期間雇用 定年
(概要)
・ハマキョウレックス事件判決を引用しつつ、定年後再雇用のドライバーについて、「職
務内容及び変更範囲」は同じであるとしつつ、労働契約法20条の不合理であることを判断するための「その他の事情」について、「有期契約労働者が定年退職
後に再雇用された者であることは,当該有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かの判断におい
て,労働契約 法20条にいう「その他の事情」として考慮されることとなる事情に当たると解するのが相当である。」とするもの。
・「有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては,
両者の賃金の 総額を比較することのみによるのではなく,当該賃金項 目の趣旨を個 別に考慮すべきものと解するのが相当である。なお,ある賃金項目の有無及び内容
が,他の
賃金項目の有無及び内容を踏まえて決定される場合もあり得るところ,そのような事情も,有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に
係る労働条件 の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たり考慮されることになるものと解される」とするもの。
・ア能率給及び職務給の相違は、嘱託乗務員の基本賃金、歩合給が団体交渉を経て嘱託乗務員の有利に変更され、2万円の調整手当も支給されてい
ること、合わ
せた額の差は最大でも約12%であること、から不合理でない、イ精勤手当の差は不合理である、ウ住宅手当及び家族手当は、正社員は幅広い世代
の労働者で嘱
託乗務員は定年退職で老齢厚生年金の支給が予定され報酬比例部分の支給開始まで調整給を支給するので不合理でない、エ役付き手当は正社員から
指定された役
付者に支払うもので、不合理でない、オ賞与はウの理由と嘱託乗務員の年収が定年退職前の79パーセント程度になることから不合理でないとする
もの。
(関係法令)
労働契約法
(関連判例)
中根製作所事件
最高裁第3小決定(平成12・11・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 経営不振を理由として従業員の月額基本給を最高20%以上減額するとの会社側提案を受け、団体交渉、職場集会での意見聴取の上、
代議委員 会で了承され、締
結・実施された労働協約について、�〜塙臑膕颪侶莎弔砲茲蠏茲瓩襪箸料塙腟�約に違反している��経営上の必要性が認められない等から無
効であるとして給与の 差額の支払いを命じた原審を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
中村自動車事件
最高裁第3小(昭和52.5.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 第三者行為災害の場合の損害賠償請求について、「政府が保険給
付又は損 害補償を したことに
よって、受給権者の第三者に対する損害賠償請求権が国に移転し、受給権者がこれを失うのは、政府が現実に保険金を給付して損害を填補
した時に限られ、いま
だ現実の給付がない以上、たとえ将来にわたり継続して給付されることが確定していても、受給権者は第三者に対し損害賠償の請求をする
にあたり、このような将来の給付額を損害額から控除することを要しない」
とするもの。
- (編注)地方公務員共済遺族年金控除事件(最大平成5.3.24(最高裁のページ))
により、既給付分に加え、口頭弁論終結の日に受けることが確定している月分(地方共済年金の場合、3か月分をまとめて次の支給日に支
払うこととされている
ので、当該次の支給日に支払うことが確定している月分)までを控除することに微修正する判例変更がなされたと考えられる。
- (編注)使用者責任災害の場合に、三共自動車事件判決が同旨であるが、使用者責任災害の場合には、労災保険法の55年改正により
調整が図 られている。
(関係法令)
(関連判例)
名古屋自動車学校事件
最高裁第1小(令和5.7.20)
(判例集)
最高裁のページ
(分類)
期間雇用者
(概要)
- 定年退職後、有期労働契約を締結した従業員の基本給及び賞与が定年
前と異なることについて、60%を下回る部分が旧労働契約法20条の不合理に当たるとした原審に対し、会社側の上告を受理した判決。
- 「他の労働条件の相違と同様に、当該使用者における基本給及び賞与の性質やこれ
らを支 給することとされた目的を踏まえて同条所定の諸事情を考慮することにより、当該労働条件の相違が不合理と
評価する ことができるものであるか否かを検討すべきものである」とするもの
- 「労使交渉に関する事情を労働契約法20条にいう「その他の事
情」とし
て考慮するに当たっては、労働条件に係る合意の有無や内容といった労使交渉の結果のみならず、その具体的な経緯をも勘案すべきものと
解される」とするもの
-
「正職員と嘱託職員である被上告人らとの間で基本給(編注:賞与も同様の判断がされている)の金額が異なるという労働条件の相違につ
いて、各基本給の性質やこれを支給することとされた目的を十分に踏まえることなく、また、労使交渉に関する事情を適切に考慮しないま
ま、その一部が労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の判断には、同条の解釈適用を誤った違法がある。」
として、差し戻すもの。
(関係法令)
労働契約法 有期パート法
(関連判例)
メトロコ
マース 大阪
医科薬科(同一労働同一賃金) 長澤運輸
判時760・97 最高裁のページ
(分類)
(概要)
組合の分裂に基づく財産の分割について、旧組合の内部対立によりその統一的
な存続・
活動が極めて高度かつ永続的に困難となり、その結果、新組合成立の事態が生じた場合に始めて、組合の分裂という特別の法理の導入の検討の
余地があるとする もの。
旧組合は自己分解したとは評価しえないとし、財産は旧組合に所属するとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
名
古屋 中郵事件
最高裁大(昭和52・5・4)
(判例集)
(分類)
(概要)
公労法適用の現業公務員の争議行為について、いわゆる単純参加者を除いて争
議行為の 刑事免責を認める余地はないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
(注意)東京中郵事件(最高裁大昭和41・10・26)
西 日本重機事件
最高裁第1小(昭和58・2・24)
(判例集)
(分類)
(概要)
複数組合併存下での一時金の算定に関するストライキ日の欠勤扱いが、使用者
に組合嫌悪、報復 の意図が認められたとして、不当労働行為に該当するとされたもの。
(関係法令)
(関連判例)
日産自動車事件(昭60)
最高裁第3小(昭和60・4・23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 複数組合併存下で、使用者が実施しようとした「計画残業」に協
力的な組 合の組合 員にのみ時間外労働を
させ、他の組合の組合員にはさせなかったことについて、使用者が同時期に複数の組合に同一内容の労働条件を提示して圧倒的多数の組合
と合意に至った労働条
件を少数組合にも受諾するよう求めてこれに固執することは直ちに非難できないが、当該組合を否認し嫌悪することが決定的動機となって
行われた行為があり、
当該団体交渉がそのような既成事実を維持するために形式的に行われていると認められる特段の事情のある場合(この場合は、組合員に対
して長期間経済的に不
利益を与えて組織の動揺や弱体化を生じさせる意図があるとされた)はその交渉の結果取られている使用者の行為に不当労働行為が成立す
るとして、不当労働行 為の成立を認めるもの。
(関係法令)
(関連判例)
日産自動車事件(昭62)
最高裁第2小(昭和62・5・8)
(判例集)
(分類)
(概要)
複数組合が併存する場合において、使用者が一方の組合に組合事務所等を貸与し、他方の組合に一切貸与を拒否することは、合理的な理由が存在
しない限り、不当労 働行為であるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
日 産自動車村山工場事件
最高裁第1小(平成1・12・7)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 10数年から20数年にわたって機械工として就労してきた者に対す
る組立作 業等への配転命令を有効と する 原審を維持するも の。
- 「上告人らを機械工以外の職種には一切就かせないという趣旨の職種限定の合意が明示又は目次に成立したものとまでは認めることが
できず、 上告人らについて
も、業務運営上必要がある場合には、その必要に応じ、個別的同意なしに職種の変更等を命令する権限が上告人に留保されていたとみるべ
きであるとした原審の 認定判断は、・・・正当として是認することができ」るとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日新 製鋼事件
最高裁第2小(平成2・11・26)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法第24条第1項は、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権と相殺することを禁止する趣旨をも含有するが、労働者がその自由な意思
に基づき、右相殺に同意した場合には、その同意が労働者の自由な意思に
基づいてされたと認めるに足りる合理的な理由 が客観的に存在するときは、その同意を得てした相殺は、同項に違反しないとするもの。
- 但し、同項の趣旨にかんがみると、同意が労働者の自由な意思に基づくものであるかの認定判断は厳格かつ慎重に行わなければならな
いとする もの。
- 在職中に会社及び金融機関から退職の場合には退職金等による残金一括返済を行うとの約定で住宅資金を借り入れ、また、退職の際
に、残債務 について退職金で
返済する手続きを執るよう会社に委任したた労働者の退職金について、会社が、自己の融資残金の一括支払を求める請求権及び金融機関融
資残金の一括支払をす るための費用前払い請求権と相殺したことを、労働基準法24条第1項に違反しないとするもの。
- 破産宣告を受けた労働者の退職金債権に対して、会社が自己の債権をもって相殺権を行使したことと破産法との関係について、債権者
の相殺権 の行使は、債務者 の破産の前後を通じて、破産法第72条の否認権の対象とはならないものであるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日通会津 若松支店事件
最高裁第3小(昭和32・12・24)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 不当労働行為の審査における組合の資格審査について、資格審査は労働委員会が国家に対して負う責務であるので、同審査に仮に手続き上または実体
判断上の瑕疵があったと しても、使用者はこれを理由に救済命令の取り消しを求め得ないとするもの。
- (編注)団交拒否事件において、実体判断の中で救済申立て人が労働組合でなく、団交義務を負わないとの主張を禁ずるものではな
い。但し、 未組織労働者集団
(争議団)の団体交渉権が労組法の不当労働行為救済制度の保護を受けるか否かについては、肯定説と否定説がある。
(関係法令)
(関係判例)
日鉄鉱業伊王島鉱業所事件
最高裁第1小(平成11・4・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労災未認定患者に対する会社の損 害賠償に
ついて、「労働災害補償制度が単純管理2、管理3の者を補償の対象外にしていることをもって、債務不履行による損害賠償の対象となら
ないとする一審被告
(会社)の主張は、一定の範囲内で労働者や遺族の生活保障を図ることを目的として使用者に無過失の損害賠償義務を認める労働災害保障
制度と、労働災害に際
して被災労働者が更に債務不履行による損害賠償を求める場合の損害の範囲を同一に論じるものであって不当であり、到底これを採用する
ことができない」とす る原審判決を支持するもの
(関係法令)
(関連判例)
日 鉄鉱業長崎じん肺事件
最高裁第3小(平成6・2・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- じん肺罹患者の使用者に対する安全配慮義務違反による損害賠償請求権の消滅時効の始期について、「雇用契約上の付随義務としての安全
配慮義務の不履行に基づ
く損害賠償請求権の消滅時効は、民法167条1項により10年と解され、・・・(中略)・・・雇用者の安全配慮義務違反によりじん肺
に罹患したことを理由 とする損害賠償請求権の消滅時効は、最終の行政上の決定を
受けた時から 進行するものと解する のが相当である。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日
東タイヤ 事件
最高裁第2小(昭和48・10・19)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 就業規則に基づく休職規定中の特命休職事由として定められている「他社出向その他特命による業務処理のため必要が有るとき」との
定めは、出向義務を定めるものでないとするもの。
- 出向について、就業規則に明白に出向義務を記載する必要が有るとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
ニ
プロ医 工事件
最高裁第3小(昭和60・3・12)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 給与規程において「賞与は年2回6月、12月に支給する。但し、都合により時期を変更することがある。」と定める会社において、
6月の賞 与の支給が9月に 送れた場合に、7月以降支給日前の退職者に対して、賞与
は支給日在籍者にのみ支払う慣 行があ
るとして、支給しなかったことについて、この慣行は、6月または12月中の日を支給日とする場合にその日に在籍しない者に当期の賞与
を支給しないとする内 容のものであり、その限度で合理性を有するとし、2ヶ月以上支
給が遅延し、 遅延に宥恕すべき
特段の事情がない場合にまで支給日在籍者をもって支給対象者とすべき合理的理由はないとする原審判決(昭和59・8・28東京高裁
(労判437・26)) を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本 IBM会社分割事件
最高裁第2小(平成22.7.12)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 会社分割に伴う労働契約の承継について、商法等改正法(平成
12年法律 第90 号)付則5条の協議が行われなかった場合、または不十分であった場合には、労働者は労働契約承継法第3条の労 働契約承継の効力を争うことができるとするもの。
- 会社の説明や協議の内容が著しく不十分とはいえず、労働契約承継の効力が生じないとはいえないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日
本衛器工 業事件
最高裁第1小(昭和34.3.26)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法24条2項違反の罪数について、「その犯意が単一であると認め難いときは、
支払を受け得なかつた労 働者各人毎に同条違反の犯意が形成されているものと認められる」等とし、原審を支持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本勧業経済会事件
最高裁大(昭和36・5・31)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法第24条第1項について、労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が
労働者に対して有する債 権をもって相殺することを許さないとの趣旨を
包含すると解するのが相当 であり、その債権が労 働者の不法行為を原因としたものであっても変わりはないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本求 人協会事件
最高裁第2小(昭和57.4.2)
(判例集)
- 刑集36・4・538 最高裁のページ
(分類) - 採用
(概要)
- 求職者のリストを作成し、契約金を支払って会員になった求人者に数名の求職者の名簿を交付し、面接できるように便宜を図る行為
は、職業安 定法32条1項の いわゆる「職業紹介」にあたるとするもの。
(関係法令)
- 職業安定法
(関連判例)
- 東京エグゼクティブ
日本ケミカル事件
最高裁第1小(平成30.7.19)
(判例集)
(分類)
労働時間
(概要)
・いわゆる固定残業手当に
ついて、「雇用契約においてある手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされているか否かは,雇用契約に係る契約書等の記載内
容のほか,具
体的事案に応じ,使用者の労働者に対する当該手当や割増賃金に関する説明の内容,労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの事情を考慮して判
断すべきであ る」とするもの。
・固定額の業務手当をみなし残業手当とし、一方、タイムカードで時間外労働時
間が管理
されず、給与明細に記されなかった事案について、「雇用契約に係る契約書及び採用条件確認書並びに上告人の賃金規程において,月々支払われる
所定賃金のう
ち業務手当が時間外労働に対する対価として支払われる旨が記載されていた」、「実際の時間外労働等の状況と大きくかい離するものではない」こ
とから、「労
働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断には,割増賃金に関する法令の解釈適用を誤った違法がある」とし
て、原審を破 棄差し戻すもの。
(関係法令)
労働基準法
(関係判例)
日 本原子力研究所事件
最高裁第2小(昭和58.6.13)
(判例集)
(分類)
(概要)
丸島水門事件判決を引用して、ロックアウトの正当性を否定するもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本 鋼管事件(昭49)
最高裁第2小(昭和49・3・15)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「不名誉な行為をして会社の対面を著しく汚したとき」との懲戒解雇及び諭旨解雇の
事由に
ついて、必ずしも、具体的な業務阻害や取引上の不利益の発生を必要とはしないが、行為の性質、情状、会社の事業の種類・態様・規模等
及びその従業員の会社
における地位、職種等諸般の事情から総合的に判断して、会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合で
なければならないとす るもの。
- 従業員3万人の企業の1工員が米軍基地拡張反対の示威行動で逮捕、起訴されたことは、会社の対面を著しく汚したとは認められない
とするも の。
(関係法令)
(関連判例)
日 本鋼管事件(昭57)
東京高裁(昭和57・10・7)
(判例集)
→日本鋼管事件(昭61)(本高裁判決の上告審判決)
日 本鋼管事件(昭61)
最高裁第3小(昭和61・7・15)
(判例集)
労判484・21 中労委DB
(分類)
(概要)
特定の労働組合員の解雇問題も義
務的団交事項に なるとする原審を支持するもの。
解雇後、従業員の地位について裁判で係争し、係争中に解雇から6年10ヶ月を経過して組合に加入しその分会を結成した者について分会結成
4日後に
なされた当該解雇問題に関する団体交渉の申し入れは、時機に遅れたものとはいえず、当該団交を拒否することは不当労働行為に該当するとす
る原審を支持するもの。
(編注)いわゆる「駆け込み申請」を支持した最高裁判決である。
(関係法令)
(関係判例)
日本鋼管鶴見
製作所事件
最高裁第1小(平成元年12月21)
(判例集)
最高裁のページ 全基連 時報1340.135 判タ721.129 労判553.6
労 経速1381.13
(分類)
労働協約
(概要)
・「ユニオン・ショップ協定のうち、同協定締結組合以外の他の労働 組合に加入して
いる者及び右締結組合から脱退し又は除名されたが、他の労働組合に加入し又は新
たな労働組合を結成した者について使用者の解雇義務を定める部分は、民法九〇条
の規定により無効と解すべきであり、したがって、使用者が、ユニオン・ショップ
協定に基づき、このような労働者に対してした解雇は、同協定に基づく解雇義務が
生じていないのにされたものであるから、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念
上相当なものとして是認することはできず、他に解雇の合理性を裏付ける特段の事
由がない限り、解雇権の濫用として無効というべきである(最高裁昭和六〇年(オ)
第三八六号平成元年一二月一四日第一小法廷判決参照)。」として、「本件各解雇は、客観的
に合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認することはできず、解雇
権の濫用として無効であるといわなければならない。」とし、解雇を無効とした原審を維持するもの。
(関係法令)
労働組合法
(関係判例)
日 本シェーリング事件
最高裁第1小(平成1・12・14)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働協約に基づく昇給の要件である出勤率(80%)の計算におい
て、生理休 暇取
得日、年次有給休暇取得日、産前産後の休業、育児時間、労災による休業、ストライキ、団体交渉等を含めて算定した事案において、労働
基準法または労働組合
法に基づく不就労を含めて稼働率を算定する場合には、稼働率の数値との関連において、法が労働者に各権利を保障した趣旨を実質的に失
わせるものと認められ るときは、当該制度を定めた労働協約条項は、公序に反して無効であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本 食塩製造事件
最高裁第2小(昭和50・4・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用
として無 効になると解する のが相当である。」とするもの。(編注:参考)労働契約法第16条。
- 適法なユニオンショップ協定に基づく解雇を有効と認めるが、使用者
が解雇義 務を負うのは、労
働者が正当な理由なく組合に加入しないとき、及び有効に組合から脱退もしくは除名されたときに限定されるとするもの。
- また、除名が無効な場合は、使用者に解雇義務が生ぜず、解雇は解雇権の濫用として無効になるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
日本セメント社宅事件
最高裁第3小(昭和29.11.16)
(判例集)
最高裁のページ
(分類)
福利厚生
(概要)
・「 会社とその従業員との間における有料社宅の使用関係が賃貸借であるか、その他の契約関係であるかは、画一的に
決定し得るものではなく、各場合における契約の趣旨いかんによつて定まるものと言わねばならない。」とし、「、社宅料は維持費の一部に過
ぎず社宅使用の対価ではなく、社宅を使用することができるのは従業員たる身分を保有する期間に限られる趣旨の特殊の契約関係であつて賃貸
借関係ではない」とする原審を維持するもの。
・(注)「使用料は右各室使用の対価として支払われたものであり、被上告人等と訴外会社との間の右室に関する使用契約は、本件家屋が訴外
会社の従業員専用の寮であることにかかわりなく、これを賃貸借契約と解すべきである」とする昭和31年11月16日付判例もある。
(関係法令)
民法・借地借家法
(関連判例)
日 本チバガイギー事件
最高裁第1小平成1・1・19
(判例集)
(分類)
(概要)
複数組合併存下で、掲示板に
関して使用者が両組合に同一の貸与条件を示したが、これを拒否した側の組合に貸与しなかったことについて、貸与条件は不合理とはいえない
として、不当労働 行為の成立を否定するもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本電信電話年休事件
日 本HP(ヒューレッドパッカード)事件
最高裁第2小(平成24.4.27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 精神的な不調のため欠勤を続けていると認められる労働者に対する諭旨退職処分について、「精神科医による健康診断を実施するなど
した上で (記録によれば,
上告人(編注:企業)の就業規則には,必要と認めるときに従業員に対し臨時に健康診断を行うことができる旨の定めがあることがうかが
われる。),その診断
結果等に応じて,必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべき」等とし、「欠勤は就
業規則所定の懲戒事由 である正当な理由のない無断欠勤に当たらない」として、処分を無効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日本貿易振興会事件
最高裁第1小(昭和55.11.27)
(判例集)
(分類)
退職金 就業規則
(概要)
.・会社の「職員の退職手当に関する規 程で、」死亡退職金の支給、受給賢者の範囲、順位につい
て、「配偶者があるときは子は全く支給を 受けない」等、「民法の規定する相続人の順位決定の原則とは著
しく異なつた定め方がされている」事例について、「右規程は、
専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし、民法とは別の立場で受
給権者を定めたもので、受給権者たる遺族は、相続人としてではなく、右規程の定
めにより直接これを自己固有の権利として取得するものと解するのが相当であ」るとするもの。
・「右死亡退職金の受給権は相続財産に属さず、受給権者である遺族が存
在しない場合に相続財産として他の相続人による相続の対象となるものではないと いうべきである。」とするもの。
(関係法令)
民法、労働基準法
(関連判例)
日 本メールオーダー事件
最高裁第3小(昭和59・5・29)
(判例集)
(分類)
(概要)
一時金交渉において、使用者が生産性向上に協力する」ことを条件とすることを複数組合に提示し、多数組合とは妥結したが、少数組合と妥結
に至らず、一時金 に格差が生じたことについて、使用者が少数組合を弱体化する意図のもとに合
理性のない前提 条件に固執し たとして、不当労働行為の成立を認めるもの。
(関係法令)
(関連判例)
日
本郵便大阪 (同一労働同一賃金)事件
最高裁第1小(令和2.10.15)
(判例集)
(解説)
ビジネスガイド895.5 898.90
(分類)
有期労働
(概要)
・
年末 年始勤務手当は、「同業務(編注:郵便の業務)について
の最繁忙期であり,多くの労働者が休日として過ごしている上記の期間において,
同業務に従事したことに対し,その勤務の特殊性から基本給に加えて支給される対 価としての性質を有するものである」とし、「これ
を支給することとした趣旨は,本件契約社員にも妥当するものである。」とするもの。
・「郵便の業務を担当する正社員に対して年末年始勤務手当を支給する
一方で,本件契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は,労働契
約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。」とするもの。
・年末 年始の勤務に対する祝日給は、「最繁忙期における労働力の確保の観点から,本件契約
社員に対して上記特別休暇を付与しないこと自体には理由があるということはでき
るものの,年始期間における勤務の代償として祝日給を支給する趣旨は,本件契約 社員にも妥当するというべきである。」とするもの。
・「郵便の業務を担当する正社員に対して年始期間の勤務に対する祝日
給を支給する一方で,本件契約社員に対してこれに対応する祝日割増賃金を支給し
ないという労働条件の相違は,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに 当たると解するのが相当である」とするもの。
・扶養 手当について「郵便の業務を担当する正社員に対して扶養手当が支給され
ているのは,上記正社員が長期にわたり継続して勤務することが期待されることか
ら,その生活保障や福利厚生を図り,扶養親族のある者の生活設計等を容易にさせ
ることを通じて,その継続的な雇用を確保するという目的によるものと考えられ
る。」とし、継続的な勤務が見込まれる労働者に扶養手当を支給するものとす
ることは,使用者の経営判断として尊重し得るものと解される。」とするもの。
・「上記目
的に照らせば,本件契約社員についても,扶養親族があり,かつ,相応に継続的な勤務が見込まれるのであれば,扶養手当を支給することとした趣
旨は妥当する とい うべきである。」とするもの。
・「郵便の業務を担当する正社員に対して扶養手当を支給する一方で,
本件契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は,労働契約法20 条にいう不合理と認められるものに当たる
と解するのが相当である。」とするもの。
・夏季 冬期休暇について、「夏期冬期休暇を与えられなかったことにより,当該所定の日数につき,本来す -
12 - る必要のなかった勤務をせざるを得なかったものといえるから,上記勤務をしたこ
とによる財産的損害を受けたものということができる」とするもの。
(関係法令)
労働契約法 パート有期法
(関連判例)
日本郵便佐賀(同一労働同一賃金)事件
最高裁第1小(令和2.10.15)
(判例集)
(解説)
ビジネスガイド895.5 898.90
(分類)
有期労働
(概要)
・「労働条件の相違が労働契約法20条にいう不合理と認
められるものであるか否かを判断するに当たっては,(中略)賃金以外の労働条件の相違についても,
同様に,個々の労働条件の趣旨を個別に考慮すべきものと解するのが相当である。 」とするもの。
・「郵便の業務を担当する正社員に対して夏期冬期休暇が与えられ
ているのは,年次有給休暇や病気休暇等とは別に,労働から離れる機会を与えるこ
とにより,心身の回復を図るという目的によるものであると解され」とし、「夏期冬期休暇を与える趣旨は,上
記時給制契約社員にも妥当するというべきである。」とするもの。
・「郵便の業務を担当する正社員に対して夏期冬期休暇を与える一方
で,郵便の業務を担当する時給制契約社員に対して夏期冬期休暇を与えないという - 4 -
労働条件の相違は,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解 するのが相当である。」とするもの。
・「夏期冬期休暇を与えられなかったことにより,当該所
定の日数につき,本来する必要のなかった勤務をせざるを得なかったものといえる から,上記勤務をしたことによる財産的損害を受 けたものとい
うことができる。」とするもの。
(関係法令)
労働契約法 (有期パート法)
(関連判例)
日本郵便東京(同一労働同一賃金)事件
最高裁第1小(令和2.10.15)
(判例集)
(解説)
ビジネスガイド895.5 898.90
(分類)
有期労働
(概要)
・年末 勤務手当は、「同業務(編注:郵便の業務)について
の最繁忙期であり,多くの労働者が休日として過ごしている上記の期間において,
同業務に従事したことに対し,その勤務の特殊性から基本給に加えて支給される対
価としての性質を有するものであるといえる。」とし、「年末年始勤務手当の性質や支給要件及び支給金額に照らせば,これ
を支給することとした趣旨は,郵便の業務を担当する時給制契約社員にも妥当する ものである。」とするもの。
・「郵便の業務を担当する正社員に対して年末年始勤務手当を支給する一方で,
同業務を 担当する時給制契約社員に対してこれを支給しないという労働条
件の相違は,労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するの が相当である」とするもの。
・病気 休暇について、「私傷病により勤務することができなくなった郵便の業
務を担当する正社員に対して有給の病気休暇が与えられているのは,上記正社員が
長期にわたり継続して勤務することが期待されることから,その生活保障を図り,
私傷病の療養に専念させることを通じて,その継続的な雇用を確保するという目的 によるものと考えられる」とし、「郵便の業務を担当する時給
制契約社員についても,相応に継続的な勤務が見込まれるのであれば,私傷病によ
る有給の病気休暇を与えることとした趣旨は妥当するというべきである」とするもの。
・「私 傷病による病気休暇の日数につき相違を設ける ことはともかく,これを有給とするか無給とするかにつき労
働条件の相違があるこ とは,不合理であると評価することができるものといえる。」とするもの。
・「私傷病による病気休暇として,郵便の業務を担当する正社員に対し
て有給休暇を与えるものとする一方で,同業務を担当する時給制契約社員に対して
無給の休暇のみを与えるものとするという労働条件の相違は,労働契約法20条に
いう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。」とするもの。
・夏季 冬期休暇について、「夏期冬期休暇を与えられなかったことにより,当該所定の
日数につき,本来する必要のなかった勤務をせざるを得なかったものといえるか ら,上記勤務をしたことによる財産的損害を受けたものというこ とができる。 当該
時給制契約社員が無給の休暇を取得したか否かなどは,上記損害の有無の判断を左 右するものではない。 」とするもの。
(関係法令)
労働契約法 (有期パート法)
(関連判例)
ネ スレ日本懲戒解雇事件
最高裁第2小(平成18.10.6)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 「使用者の懲戒権の行使は、企業秩序維持の観点から労働契約関係に基づく使用者の機能として行われるものである」とするもの
- 事件から7年以上経過した後になされた諭旨退職処分について、処分
時点にお いて企業秩序維持 の観点からそのような重い懲戒処分を必要とする客観的合理性に欠けるとして無効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
ネ
スレ日本配 転事件
最高裁第2小(平成20.4.18)
(判例集)
(分類)
配転
(概要)
・育介法26条は、配転命令が権利の濫用になるかどうかの判断に影響を与える
として、 配転命令を権利の濫用とする原審(大阪高裁平成18.4.18)を維持するもの。
(関係法令)
育児介護法 労働基準法
(関連判例)
ネスレ日本・日高乳業事件
最高裁第1小(平成7.2.23)
(判例集)
(分類)
不当労働行為
(概要)
〇「救済命令で使用者に対し労働組合への金員の支払が命ぜられた場合におい
て、その支 払を受けるべき労働組合が自然消滅す
る などして労働 組合としての活動をする団体としては存続しないこととなったときは、使用者に対する右救済命令の拘束力
は失われたものというべきであり、このことは、右労働組合の法人格が清算法人として存続していても同様である。」とし、使用者の取り消しを求
める訴えは却 下すべきとするもの。
〇ポストノーティス命令について、労働委員会の裁量権の範囲を超 えるものとは言えない とするもの。
(関係法令)
労働組合法
(関係判例)
延 岡郵便局事件
東京高裁(昭和53・4・27)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働委員会の救済命令において労働者側に一定の行為をすることを条件として救済命令を発することは労働委員会の裁量権の範囲を逸脱するものではないとするも
の。
(関係法令)
(関連判例)
は
函 館信用金庫事件
最高裁第2小(平成12.9.22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 週休二日制の導入に伴い平日の所 定労働時間を25分間延長する就業規則の不利益変更が、これに同意しない従
業員に対しても効力を生じるとするも の。
- 上の就業規則の変更について、実質的不利益は必ずしも大きくなく、他の金融機関と競争していくためにも変更の必要性が高く、社会
的相当性 もあるとして、就
業規則の変更に反対する従業員にも法的に受任させることもやむをえない程度の必要性のある合理的な内容のものであるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
羽衣学園(羽衣国際大学)事件
最高裁第1小(令和6.10.31)
(判例集)
最高裁のページ
(分類)
労働契約 有期雇用
(概要)
・「介護福祉士の養成課程に係る演習、介護実習、レクリエーション現場実習、論文指導、卒業研究といった授業等を担当し、知識と技術等の
教授」にあたる生活福祉コースの有期雇用の専任教員が、無期転換権の発生要
件を通算契約期間の労働契約法の5年を10年とする大学の教員等の任期に関する法律(任
期法)7条の適用を受けるか争われた事件。
・「任期法は、4条1項各号のいずれかに該当するときは、各大学等において定める任期に関する規則に則り、任期を定めて教員を任用し又は
雇用することができる旨を規定している(3条1項、4条1項、5条1項、2項)。これは、大学等への多様な人材の受入れを図り、もって大
学等における教育研究の進展に寄与するとの任期法の目的(1条)を踏まえ、教員の任用又は雇用について任期制を採用するか否かや、任期制
を採用する場合の具体的な内容及び運用につき、各大学等の実情を踏まえた判断を尊重する趣旨によるものと解される。」とするもの。
・「生活福祉コースにおいては、被上告人を含む介護福祉士等の資格及びその実務経験を有する教員により、介護実習、レクリエーション現場
実習といった授業等が実施されており、実務経験をいかした実践的な教育研究が行われていたということができる。そして、上記の教育研究を
行うに当たっては、教員の流動性を高めるなどして最新の実務経験や知見を不断に採り入れることが望ま- 3 -
しい面があり、このような教育研究の特性に鑑みると、上記の授業等を担当する教員が就く本件講師職は、多様な知識又は経験を有する人材を確保することが特
に求められる教育研究組織の職であるというべきである。」とし、「本件講師職は、任期法4条1項1号所定の教育研究組織の職に当たると解
するのが相当である」として、任期法7条の適用はないとして5年で無期転換権を認めた原審を破棄差し戻すもの。
(関係法令)
労働契約法 任期法
(関連判例)
福原学園事
件
八 戸鋼業事件
最高裁第1小(昭和42.3.2)
(判例集)
(分類)
(概要)
- タイムレコーダーの不正打刻について依頼者も被依頼者も解雇することを周知していた状況下で同僚の出勤表にタイムレコーダーを不
正打刻し た者に対する懲戒
解雇について、「直ちに本件懲戒解雇が懲戒権の濫用にわたるものとはなし得ないといわなければならない。」として、不正打刻が偶発的
だとして懲戒解雇を無 効とした原審判決を破棄差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
パナソ ニックプラズマディスプレイ事件
最高裁第2小(平成21.12.18)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 注文者、請負人、請負人に雇用される労働者の関係で、請負人による指揮命令がなく、注文者が指揮命令をして作業を行わせる場合
は、請負契
約と評価することはできない。注文者と労働者との間に雇用契約が締結されていないのであれば、三者間の関係は派遣法の労働者派遣契約
に該当すると解すべき であり、職業安定法の労働者供給に該当する余地はないとするもの。
- 注文者Xが請負人の労働者Yに対して直接具体的な指揮命令を行ういわゆる偽装請負の
場合において、XとYとの間に「黙示の労働契約の成立が認められる」とした二審判決を破棄し、�。悗論蘇蘓佑砲茲襭戮虜陵僂亡愀犬靴�
とは認められず、�■�
が請負人から受けた給与の額をXが決定した事情もなく、��請負人は配置を含むYの具体的な就業態様を一定の限度で決定しうる地位に
あったものと認められる 等として、「雇用契約関係が黙示的に成立していたものと評価することはできない」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
羽
幌炭 坑事件(威力業務妨害)
最高裁大(昭和33・5・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
ストについて、使用者側がその対抗手段の一種として自らなさんとする業務の遂行行為に対して暴行脅迫を加えて妨害する行為及び、不法に使用者側の自由意思を抑圧し、あるいはその財産に対する 支配を阻止する行為は許されないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
ハマキョウレックス事
件
最高裁第2小(平成30.6.1)
(判例集)
(分類)
労働契約 期間雇用
(概要)
・(労働契約法20条について)「有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が
同条に違
反する場合であっても,同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなるも
のではないと解す るのが相当である。」とするもの。
・「正社員に適用される就業規則である本件正社員就業規則及び本件正社員給与規程と,契約社員に適用される就業規則である本件契約社員就
業規則とが,別個
独立のものとして作成されていること等にも鑑みれば,両者の労働条件の相違が同条に違反する場合に,本件正社員就業規則又は本件正社員給
与規程の定めが契
約社員である被上告人に適用されることとなると解することは,就業規則の合理的な解釈としても困難である」とするもの。
・(労働契約法20条の「不合理と認められるもの」)
について、「両者(編注:契約社員と正社員)の労働条件が均衡のとれたものであるか否かの判断に当 たっては,労使間の交渉や使用者の経営判断を尊重
すべき面があるこ とも否定し難い。したがって,同条にいう「不合理と認められるもの」とは,有期契約労働
者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理であると評価することができるものであることをいうと解するのが相当である。」とするも
の。
・各手当について相違が不合理で損害賠償責任を負うかを、手当ごとに個別に、手当の趣旨に基づき不合理であるか否かを判断するもの。
・労働契約法の20条の「職務内容」「職務の内容
及び配置の変更の 範囲」「その他の事情」について、「両者の職務の内容に違いはないが,職務の内容及び配
置の変更の範囲に関しては,正社員は,出向を含む全国規模の広域異動の可能性があるほか,等級役職制度が設けられており,職務遂行能力に
見合う等級役職へ
の格付けを通じて,将来,上告人の中核を担う人材として登用される可能性があるのに対し,契約社員は,就業場所の変更や出向は予定されて
おらず,将来,そ のような人材として登用されることも予定されていないという違いがある」と認定して判断するもの。
・各手当について、ア住宅手当は、正社員は転居を伴う配転が予定されているとして、相違は不合理ではない、イ皆勤手当ては、出勤者を確保
する趣旨は両者で
異ならないとして、不合理と認められる、ウ無事故手当は、安全運転の必要性は両者に相違ないとして、相違は不合理、エ作業手当は作業に対
するもので両者に
相違はないとして不合理、オ給食手当は、勤務時間中に食事をとるものに対する手当として相違は不合理、通勤手当は通勤に要する手当の補填
として、相違は不 合理とするもの。
(関係法令)
労働契約法
(関連判例)
(分類)
労働時間
(概要)
〇添乗員として旅行会社に派遣された労働者の添乗業務が、みなし労働時間を
定めた労働基準法38条の2第1項の「労働時間を算定しがたいとき」に当たるかどうかについて、「業務の性質,内容やその遂行の態様,状況
等,本件会社と
添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法,内容やその実施の態様,状況等に鑑みると,本件添乗業務については,これに従事する添乗員の
勤務の状況を
具体的に把握することが困難であったとは認め難く,労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと解
するのが相当 である。」とするもの。
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
東 加古川幼児園事件
最高裁第3小(平成12・6・27)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 3ヶ月の勤務の後、1日心身症で入院し、翌日退職した1ヵ月後に自殺し
た保 母の死亡につい て、勤務との相当因果関係は否定できないとして園の安全配慮義
務違反を 認めた上で、保母の性
格や心因的要素等の事情を考慮して8割を減額して使用者に損害賠償を命じた原審を維持するもの。
- ((編注)本件は、使用者側からの上告を棄却し、保母の両親からの附帯上告申し立てについては効力を失うとするもの。)
(関係法令)
(関連判例)
ビクターサービスエンジニアリング事件
最高裁第3小(平成24.2.21)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 業務委託契約を結んで機器の出張修理を行う個人代行店について、「他社製品の修理業務の受注割合,修理業務における従業員の関与
の態様, 法人等代行店の業
務やその契約内容との等質性などにおいて,なお独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情がない限り,労働組合法
上の労働者としての性
質を肯定すべきものと解するのが相当」とし、不当労働行為と認めた中労委命令を取り消した原審を破棄、差し戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
日立 製作所武蔵工場事件
最高裁第1小(平成3・11・28)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- いわゆる36協定を締結し、所轄労働基準監督署に届け出た場合に、
使用者が 就業
規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約の労働時間を延長して労働させることができることを定めているとき
は、当該就業規則の内
容が合理的なものである限り、それが労働契約の内容をなすから、労働者は、その定めるところにより労働契約に定める労働時間を超えて労働する義務を負うとするもの。
- 延長する時間をつき40時間を超えないものとし、延長する事由を�’軸�に完納しないと重大な支障を起こすおそれのある場合、・・
�ダ源彩� 標達成のため必要
な場合、�Χ般海瞭睛討砲茲蠅笋狃�えない場合、�Г修梁廠胴罎暴爐困訃豺腓箸垢觸�業規則の規定について、時間を限定し、所定の事由を
必要としており、合理 的なものであるとするもの。
- 残業命令に従わなかったことについて会社の行った懲戒解雇(14日の出勤停止と始末書提出の後も、反省の態度が見られないとし
て、始末書 の受領を拒否し、
新たな始末書提出要求に対して反抗的な態度をとったため、過去の処分歴とあいまって「しばしばの処分に関わらず悔悟の見込みなし」と
の就業規則所定の自由 に当たるとして行ったもの)は権利の濫用でないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
日野 自動車工業事件
最高裁第1小(昭和59・10・18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「入門後職場までの歩行や着替え履き替えは、それが作業開始に不可
欠なもの であるとしても、 労働力の提供の為の準備行為であって、労働力の提供そのものではないのみならず、特段の事情のない限り使用 者の直接の支配下においてなされるわけではないから、・・・結局これをも
労働時間に含めるか否かは、就業規則にそ の定めがあればこれに従
い、その定めがない場合には職場慣行によってこれを決するのが最も妥当である」として、労
働時間としなくて もよいとする原審を維持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
姫路労 基署長(井口重機)事件
最高裁第1小(平成9.1.23)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 土木工事及び重機の賃貸を業として行っていた事業主が、労働者災害補償保険法二八条に基づく特別加入の承認を受けていたとしても、
その使 用する労働者を建
設業の下請けとして請け負った土木工事にのみ従事させており、重機の賃貸については労働者を使用していなかったときは、「重機の賃貸
業務に起因する死亡等 に関し、同法に基づく保険給付を受けることができる者となる余地はない」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
平尾事件
→未払賃金等地位確認等
弘前電報電話局事件
最高裁第2小(昭和62・7・10)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法の年次有給休暇の規定の趣旨は、使用者に対してできるだ
け労働者 が指定した時季に 休暇が取れるように状況に応じた配慮を要請しているものと見ることができるとするもの。
- 勤務割の勤務体制が取られている事業所で、勤務予定日に休暇の時季が指定された場合に、使用者としての通常の配慮をすれば勤務割
を変更し て代替勤務者を配
置することが客観的に可能な状況であると認められるのに使用者が配慮せず代替勤務者が配置されなかったときは((編注)本件は、代替
勤務を申し出ていた労
働者に対して、使用者が説得して申し出を取り下げさせ、欠員の状況を作り出した事案である)、事業の正常な運営を妨げる場合に当たら
ないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
広島中央保健生活協同組合マタハラ事件
最高裁第1小(平成26.10.23)
(判例集)
(分類)
均等
(概要)
・「(均等法)9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば,女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格さ
せる事業主の措 置は,原則として
同項の禁止する取 扱いに当たるも
のと解されるが,当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度,上記
措置に係る事
業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に照らして,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足り
る合理的な理
由が客観的に存在するとき,又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人
員の適正配置
の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らし
て,上記措置
につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するの
が相当であ る」とするもの。
・ 女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転
換を契機
として降格させる事業主の措置を均等法9条3項に違反する無効なものであると言えないとした原審判断を、「原審摘示の事情のみをもって直ちに
本件措置が均
等法9条3項の禁止する取扱いに当たらないと判断した原審の判断には,審理不尽の結果,法令の解釈適用を誤った違法がある。」として、破棄差
し戻すもの。
(編注:平成27年11月17日差戻し審の広島高裁で、「使用者として女性労働者の母性を尊重し職業生活の充実を果たすべき義務に違反した過
失がある」と して、約75万円の支払いを命じる差戻し控訴判決がなされた。)
(関係法令)
労働基準法、均等法
(関連判例)
広島中央労基署長(労災特別加入)事件
最高裁第2小(平成24.2.24)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 中小事業主の代表者として労災保険に特別加入する中小事業主が、受注を希望する工事の予定地の下見に行く途中で事故死したことに
関する労 災保険の請求につ
いて、「,建設の事業を行う事業主が,その使用する労働者を個々の建設等の現場における事業にのみ従事させ,本店等の事務所を拠点と
する営業等の事業に従
事させていないときは,上記営業等の事業につき保険関係の成立する余地はないから,上記営業等の事業について,当該事業主が法28条
1項に基づく特別加入
の承認を受けることはできず,上記営業等の事業に係る業務に起因する事業主又はその代表者の死亡等に関し,その遺族等が法に基づく保
険給付を受けることは できない」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
福 岡セクハラ事件
福岡地裁(平成4・4・16)
(判例集)
(分類)
(概要)
上司の男性が行った部下女性の異性関係に関する悪評の流布等が不法行為に当
たるとして損害賠 償を認めるとともに、会社も民法715条により責任を負
うとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
福 岡雙葉学園事件
最高裁第3小(平成19.12.18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 人事院勧告のマイナス勧告に倣い、給与規程の月例給を減額改定した上,12月期の期末勤勉手当につき,その年の4月分から11月
分までの 給与の減額に相当
する分を控除するなどの調整をしてその支給額を定めた場合において,上記調整をする旨の決定がその効力を否定されることはないとし
て、全額の支払いを命じ た2審判決を破棄し、請求を棄却した1審判決を正当として、被上告人の控訴を棄却すべきとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
福島県教組事件
最高裁第1小(昭和44・12・18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法第24条第1項の規定は、一般的には、労働者の賃金債権に対しては、使用者
は使用者が労働者に対し て有する債権をもって相殺することは許されな
い趣旨も包含するとするも の。
- 賃金計算の過誤、違算等により、賃金の過払いが生じるのは避け難
く、これを 後で
支払われる賃金から控除することは、実質的には、本来支払われるべき賃金が支払われる結果となり、このことと、同項の法意とをあわせ
考えれば、適正な賃金
の額を支払うための手段たる相殺は、同項但し書きによって除外される場合に当たらなくても、その行使の時期、方法、金額等から見て、
労働者の経済生活の安 定との関係上不等と認められないものであれば、同項の禁止するところではないとするもの。
- 許される相殺は、過払いのあった時期と清算調整の実を失わない程度
に合理的 に接着した時期に
なされ、又、予め労働者に予告されるとか、額が多額でないとか、労働者の経済生活の安定を脅かすおそれのない場合でなければならない
とするもの。
- 年末の勤勉手当てのの過払い額を翌年の1月に予告の上、2月分または3月分の給与から差し引いたことを有効であるとするもの。
(なお、同 様に2月分から控
除された9月分の過払いについては、時期の点から適法でないとした一審判決が、二審でも維持され、確定している。)
- (編注)本件は、昭和33年の事件に対するもので、昭和40年の地方公務員法の改正までは、労働基準法24条1項は地方公務員にも適用されていたことによるものである。
(関係法令)
(関連判例)
福
原学園(九州女子短期 大学)事件
最高裁第1小(平成28.12.1)
(判例集)
(分類)
労働契約
(概要)
・1年で期間満了により契約終了を通知された期間1年の有期雇用(学園の契約職員規程
で、契約職員が希望し、契約職員の勤務成績が良好でかつ更新が必要と認められる場合は3年を限度に更新することがある。契約職員のうち、勤務
成績を考慮 し、学園がその者の任用を必要と認め、職員が希望した場合は期間の 定めのない職員に異動することができる。と規定されている。)の短期大学教員が、当該雇 止めを無効として地位確認及び賃金の支払い
を求めたもの。
・学園は、訴訟が提起されたことから、2年目に、1年目で契約が終了していな
くとも、
2年末で契約を終了する通知、3年目には2年目で契約が終了していなくとも、契約更新の限度は3年とされているので、3年目末で労働契約を終
了する通知を 行っていたもの
・雇止めの効力を否定し、無期労働契約に移行したと認める原審に対し、1.当
該職員も
契約期間の更新限度が3年で、満了時に期間の定めのないものに移行できるのは勤務成績を考慮して学園が必要と認める場合に限られることを認識
して契約した
こと、2.大学の教員の雇用は一般的に流動性のあることが想定されること、3.学園でも期間満了時に期間の定めのないものとならない者が複数
に上っていた
ことから、「3年の更新限度期間の満了時に当然に無期労働契約となることを内容とするものであったと解することはできない」とし、「上告人
(編注:学園)
が本件労働契約を期間の定めのないものとする必要性を認めていなかったことは明らか」、「また、有期労働契約の期間のない労働契約への転換に
ついて定める 労働契約法18条の要件
を被上告人が満たしていないことも明らか」として、3年目の末日をもって契約は終了したとするも の。
・櫻井裁判官の補足意見として、「どのような業種、業態、職種についても正社員採用の際にこのような雇用形態(編注:3年間有期雇用を更新
し、勤務成績を 考慮して会社の必要な場合無期雇用とする雇用形態)が合理性を有するといえるかについては議論の余地がある」とするもの。
(関係法令)
労働契約法
(関連判例)
福山通運事件
最高裁第2小(令和2.2.28)
(判例集)
・被用者が使用者の事業の執行として運転中に起こした交通事故につい
て、第三者に損害 を加え、損害賠償した場合の使
用者に対する求 償につ
いて、「使用者は,その事業の執行により損害を被った第三者に対する関係において損害賠償義務を負うの
みならず,被用者との関係においても,損害の全部又は一部について負担すべき場合があると解すべきである」とし、「被用者が使用者の
事業の執行について第
三者に損害を加え,その損害を賠償した場合には,被用者は,上記諸般の事情に照らし,損害の公平な分担という見地から相当と認められ
る額について,使用者 に対して求償することができるものと解すべきである」とするもの。
・補足意見として、「使用者が,経営上の判断等により,任意保険を締結
することなく,
自らの資金によって損害賠償を行うこととしながら,かえって,被用者にその負担をさせるということは,一般に,上記の許可基準や使用
者責任の趣旨,損害の 公平な分担という見地からみて相当でないというべきである」とするもの。
フ ジ興産 事件
最高裁第2小(平成15.10.10)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 「使用者が労働者を懲戒するには,あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定
めて おくことを要する」 とするもの。
- 「就業規則が法的規範としての性質を有するものとして,拘束力を生ずるためには,その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることを要するものというべきである。」とし、(労
働者に周知させる手続が
採られていることを認定しないまま,旧就業規則に法的規範としての効力を肯定し,本件懲戒解雇が有効であると判断した)原審判決を破
棄差戻すもの。
(関係法令)
(関連判例)
藤沢労基署長(一人親方)事件
最高裁第1小(平成19.6.28)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 作業場を持たずに1人で工務店の大工仕事に従事する形態で稼働していた大工について「(工務店)の指揮監督の下に労務を提供して
いたもの と評価することは
できず,(中略)報酬は,仕事の完成に対して支払われたものであって,労務の提供の価として支払われたものとみることは困難」とし
て、労働基準法上の労働 者に該当せず、労災保険法上の労働者にも該当しないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
富
士重工業 事件
最高裁第3小(昭和52・12・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 企業は企業秩序を維持確保するため、これに必要な諸事項を規則を
もって定 め、あ
るいは具体的に労働者に指示、命令することができ、企業秩序に違反する行為があった場合はその内容、態様、程度等を明らかにして、乱
された企業秩序の回復 に必要な指示、命令を発し、又は違反者に制裁として懲戒処分を行うため、事実関係を調 査でき るとするもの。
- 労働者は企業に雇用されることによって、労務提供義務とともに、企業秩序遵守義務を負うとするもの。但し、労働者は、企業の一般
的な支配 に服するのではな
く、企業及び労働契約の目的上、必要かつ合理的な限りでのみ企業秩序に服するとし、同僚の政治的行動に関する事情聴取への非協力を理
由とする懲戒処分につ いて、無効とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
プ
リマハ ム事件
最高裁第2小(昭和57・9・10)
(判例集)
(分類)
(概要)
団交決裂後に「重大な決意をする」旨の社長名の文書が掲示されたことを不当労働行為(支配介入)とする原審を維持するもの。
(編注)原審において、声明文の影響により193名のストライキ脱落者がでたことも理由のひとつとして認定されているもの。
(関係法令)
(関連判例)
古 河電気工業事件
最高裁第2小(昭和60・4・5)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働者が使用者(出向元)との雇用契約に基づく身分を保有しながら第3者(出向先)の指揮監督の下に労務を提供する形態の出向(いわゆる
在籍出向)が命じ られた場合において、その後、出向元が出向先の同意を得て出向を解消し
て労働者に復帰を 命じ
るについては、労働者が将来再び出向もとの指揮監督下に労務を提供することはない旨の合意が成立していた等の特段の事由のない限り、当該労働者の合意を得る必要はないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
紅屋商
事事件 (平3)
最高裁第3小(平成3・6・4)
(判例集)
(分類)
(概要)
昇給、昇格差別の不当労働行為の申立期間1年の始期について、当該査定に基
づく最後の賃金支 払日であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
フォーカスシステムズ労災遺族年金事件
最高裁大法廷(平成27.3.4)
(判例集)
(解説)
産業保健21.82.18
(分類)
労災
(概要)
・「被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権
を取得した相 続人が遺族補償年金の
支給を受け, 又は支給を受ける
ことが確定したときは,損害賠償額を算定するに当たり,上記の遺族補償年金につき,そのクW簡笋梁仂櫃箸覆詒鑄淪寨�廚料喙困砲茲訛山欧
汎雲�質であり,� � つ,相互補完性を有する逸失利益等の消極損害の元 本との間で,損益 相殺的な調整を行うべきものと解するのが相当である。」とするもの。
・「被害者が不法行為によって死亡した場合において,その損害賠償請求権
を取得した相 続人が遺族補償年金の支給を受け,又は支給を受けることが確定したとき
は,制度の予定するところと異なってその支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り,そのクW簡笋梁仂櫃箸覆訛山欧鷲塰々坩戮了
��鹸補されたもの と法 的に評価して損益相殺的な調整をすることが公平の見地からみて相当であるというべきである」とするもの。
(編注)労災の遺族補償年金分を損害賠償の元本から相殺することにより、
相殺された部
分の遅延損害金も消滅することになるため、遅延損害金から優先的に相殺する場合より、被害者への支給額は少なくなる。裁判例が分かれてい
たものを統一した もの。
最高裁では争点になっていないが、本件は、過度の飲酒により死亡した事例である。原審(東京高裁平成24年3月22日判決。労判
1051.40)は、過度
の飲酒は精神障害によるものとし、精神障害は業務に起因するものとして、死亡と業務の間の因果関係を認めるもの。
(関係法令)
労災保険法
(関連判例)
北
都銀行事 件
細谷 服装事件
最高裁第2小(昭和35・3・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法第20条の予告義務に反する
解雇につ いて、解雇通知は即時解 雇と
しては無効であるが、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、通知後同条所定の30日を経過したとき、または、通知後に同条所定
の予告手当てを支払っ
たときから解雇の効力を生じるとするもの。((編注)この問題についていわゆる相対的有効説(相対的無効説ともいう。)をとるも
の。)
- 労働基準法第114条の附加金について、使用者が既に解雇予告手当てを支払い、使用者
の義務違反の状況が解消 したときは、労働者は同附加金の請求を申し立てることができないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
ホッタ晴信堂薬局
(概要)
・労働基準法114条の付加金の支払い義務は、裁判所がその支払いを命ずるまでに、労
働者に未払い割増金の支払いを完了し、その義務違反の状況が消滅したときは、もはや裁判所は付加金の支払いを命ずることができないとするも
の。
・(編注:第1審で未払い残業代と付加金の支払いを命じる判決が出て、会社が
控訴した
のち)「原審の口頭弁論終結前の時点で、上告人が被上告人に対しも未払割増賃金の支払いを完了し、その義務違反の状況が消滅したものであるか
ら、もはや裁 判所は、上告人に対し、上記未払割増賃金に係る付加金の支払いを命ずることができない」とするもの。
・(編注:本件とは別の事件の
最高裁第3小決定(平成27.5.19)は、付加金は申
立手数料決定のための訴訟の目的の価額には参入しないこととした。同決定は、付加金の趣旨について、「趣旨は,
労働者の保護の観点から,上記の休業手当等の支払義務を履行しない使用者に対し - 3 -
一種の制裁として経済的な不利益を課すこととし,その支払義務の履行を促すこと
により上記各規定の実効性を高めようとするものと解される」としている。)
(関係法令)
労働基準法
(関連判例)
本田技研工業事件
最高裁第2小決定(平成25.4.9)
(判例集)
労経速2182.34
(分類)
労働契約 有期雇用
(概要)
・ 有期雇用契約の更新を繰り返した期間労働者が経営不振に伴う不更新条項契約で
の雇止めについて「不更新条項を含む経緯や契約締結後の言動等も併せ考慮して、労働者が次回に更新されないことを真に理解して契約を締結
した場合には、雇
用継続に対する合理的期待を放棄したものであり、不更新条項の効力を否定すべき理由はないから、解雇に関する法理の類推を否定すべきであ
る」とする原審を 維持するもの。
(関係法令)
民法 労働契約法
(関連判例)
ま
マイ クロ精機事件
東京地裁(昭和58・12・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働組合が使用者側のものに対して暴 力的行動を繰り返し、将来行われる交渉の場でも同様の蓋然性が高い場合には、使
用者は組合が暴力的行動をしない旨を約 束しない限り交渉に応 じないとの態度をとることができるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
(注)日本郵便逓送事件(大阪地裁 平成14.5.22 労判
830・22 最高裁のページ):雇用期間3ヶ月の有期雇用契約を4年から8年にわたり更新した労働者が
正社員との賃金格差
が存在するとして是正を求めた事件で、長期雇用労働者と短期雇用労働者では雇用形態が異なり、賃金制度も異なることを不合理とはいえない
等として、請求を 棄却するもの。
丸子警報器(雇止め・本訴)事件
東京高裁(平成11・3・31)(確定)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 短期の雇用期間が反復更新され、結局長期間に渡り雇用が継続されている期間の定めのある労働者の雇止めの権利濫用性について、い
わゆる整 理解雇の4要件が
期間の定めのない労働者ほど厳格に適用されるわけではないとしつつ、この要件に照らして雇止めが権利の乱用にあたるとする一審判決を
維持するもの。
- 本件雇止めの整理基準が合理性を欠くとまではいえず、雇止めの必要性がないわけではないが、そのことから直ちに権利の濫用にあた
らないと いうことはでき
ず、権利の濫用にあたるか否かは雇止めの回避措置や労使間の事前協議の点も考慮する必要があるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
丸 島水門事件
最高裁第3小(昭和50・4・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
使用者のロックアウトについて、労働争議における労使間の交渉態度、経過、
組合側の争議行為
の態様、使用者の受ける打撃の程度等に照らし、衡平の見地から対抗手段として相当なものと認められる場合には、正当な争議行為として、賃
金支払義務を免れ るとするもの。
ロックアウトの相当性を認める原審を支持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
御国ハイヤー事件(昭58)
最高裁第2小(昭和58・7・15)
(判例集)
労判425・75
全基連
(分類)
就業規則、退職金
(概要)
昭和53年8月以降の就労期間を退職金算定の勤続年数に算入しないとする退 職金規定の変更に
ついて、労働者に不利益を一方的に課すものであり、その代償となる労働条件を何ら提示しておらず、変更は合理的とはいえないとするもの。
御 国ハイヤー事件(平4)
最高裁第2小(平成4・10・2)
(判例集)
労判
619・8
(分類)
争議行為
(概要)
タクシー業における争議行為に際して、車庫前に
座り込む形でのピ ケを正当でないとするもの。
(関係法令)
労働組合法
(関連判例)
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三
井美唄 労組事件
最高裁大(昭和43・12・4)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 憲法28条による労働者の団結権保障の効果として、労働組合は、その目的を達成するために必要であり、かつ、合理的な範囲内にお
いてその 組合員に対する統 制権を有するとするもの。
- 現実の政治・経済・社会機構のもとにおいて、労働者がその経済的地位の向上を図るにあったては、単に対使用者との交渉においての
みこれを 求めても、十分に
はその目的を達成することができず、労働組合が右の目的をより十分に達成するための手段として、その目的達成に必要な政治活動や社会活動を行うことを妨げられるものではないとするもの。
- 労働組合の方針に反して地方議会議員の選挙に立候補した組合員に対し、勧告、説得の域を超えて立候補を取りやめることを要求し、
これに従 わないことを理由 に、当該組合員を統制違反者として処分することは、組合
の統制権の限界 を超え、違法であると するもの。
(関係法令)
(関係判例)
三菱自動車執行役員事件
最高裁第2小(平成19.11.16)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 業績悪化により、執行役員の退職慰労金が支給されなかったことについて、「退任する執行役員に対して支給してきた退職慰労金は,
功労報償 的な性格が極めて
強く,執行役員退職の都度,代表取締役の裁量的判断により支給されてきたにすぎないものと認められる」として、支給を求める上告を棄
却するもの。
(関係法令)
(関連判例)
三菱重工業神戸造船所事件
最高裁第1小(平成3・4・11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 元請企業の下請企業労働者に対する安全配慮義務について、下請企業
労働者が 事実上元請企業の
指揮監督を受け、作業内容も元請労働者とほとんど同じである事案において、元請企業は下請労働者と特別な社会的接触の関係に入ったも
のであり、信義則上下 請労働者に対し、安全配慮義務を負うとするもの。
(関連法例)
(関連判例)
三菱重工業長崎造船所事件(昭48)
最高裁第1小(昭和48・11・8)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働組合の在籍専従について、在籍専従を要求する権利が憲法28条の団結権
に当然含まれるも のではなく、使用者の承諾があって初めて成立するものであり、承諾を与えるか否かは使用者の自由であるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
三菱重工業長崎造船所事件(昭56)
最高裁第2小(昭和56・9・18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- ストライキ期間の家族手当の削減について、労使の労働慣行になっていると推認できるとし、その慣行は、労働基準法第37条第2項に照らしても著しく不合理ではないとするもの。
- ストライキ期間中の賃金削減の対象となる部分の存在及びその部
分と賃金 削減の対
象とならない部分の区別は、労働協約等の定めまたは労働慣行に基づいて判断すべきで、いわゆる抽象的一般的賃金2分論を前提とすべき
ではないとしたもの。
- 労働基準法第37条第2項は、
家族手当が労働者の個人的事情に基づくものであることから、これを割増賃金の基礎に算入することを原則とすることが、かえって不適切
な結果を生じるおそれ
が有ることに配慮したものであり、そのゆえにストライキの場合の家族手当の削減を直ちに違法とする趣旨までを含むものではないとし
て、削減分の支払を求め た労働者の請求を棄却したもの。
(関係法令)
(関連判例)
三菱重工業長崎造船所事件(平4)
最高裁第2小(平成4・9・25)
(判例集)
(分類)
(概要)
使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない政治目的のために
争議行為を行うこ とは、憲法28条の保障とは無関係であるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
未 払賃金等、地位確認等請求事件
最高裁第1小(平成31.4.25)
(判例集)
(分類)
賃金、労働組合
(概要)
・使用者と労働組合の間の労働組合に属する労働者の未払い賃金に係る債権を放棄す
る合意について、,「本件合意により上告人の賃金債権が放棄されたというためには,本件合意の効果が上告人に帰属することを基礎付ける事情を
要するとこ
ろ,本件においては,この点について何ら主張立証はなく」,「労組が上告人を代理して具体的に発生した賃金債権を放棄する旨の本件合意をした
など,本件合
意の効果が上告人に帰属することを基礎付ける事情はうかがわれない」として、未払い賃金債権が放棄されたということはできないとするもの。
(関係法令)
労働基準法、労働組合法、民法
(関連判例)
宮城県教
諭退職金不支給事件
最高裁第3小(令和5.6.27)
(判例集)
最高裁のページ
(分類)
退職金
(概要)
- 酒気帯び運転で懲戒免職となった教諭の退職金を全額支給しなかったことについて、3割に相当する部分を支給しないこと
は違法とした原審に対し、
「本件全部支給制限処分に係る県教委の判断は、被上告人が管理職ではなく、本件懲戒免職処分を除き懲戒処分歴がないこと、約30年間にわたって誠
実に勤務してきており、反省の情を示していること等を勘案しても、社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫
用したものと はいえない。 」として原審を変更するもの。
(関係法令)
国家公務員退職手当法
(関連判例)
香川
県職員退職条例 三
晃社
都城郵便局事件
→全逓都城郵便局事件
明治生 命事件
最高裁第2小(昭和40・2・5)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 生命保険会社の外勤職員のストの際の賃金カットについて、ストライ
キによっ て削
減しうる意義における固定給とは、労働協約等に別段の定めがある場合等のほかは、拘束された勤務時間に応じて支払われる賃金としての
性格を有するものであ
ることを必要とし、労働の対価として支給されるものでない生活補償費の性質を有する給与は当然には削減しうるものではないとするも
の。
(関係法令)
(関連判例)
明治乳 業事件
最高裁第3小(昭和58・11・1)
(判例集)
(分類)
(概要)
目黒電報電話局事件判決(昭和52・12・13)を引用しつつ、特別の事情の存在を認めて、び
らの配布に 就業規則(許可制)の違反はないとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
目
黒電 報電話局事件
最高裁第3小(昭和52・12・13)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 休憩時間中の企業施設内でのびら配布について、休憩時間中でも
施設管理 を妨げる
恐れ、他の労働者の休憩時間の自由利用を妨げる恐れがあるから、許可制は合理的な制約であり、事業上の秩序・風紀を乱す恐れがない特
別の事情が認められる 場合以外は、無許可のびら配布を理由とする懲戒処分は有効であるとするもの。
- また、就業規則に違反するプレート着用についても、現実に職務の遂
行が阻害 される実害がなく
ても、職務上の注意力のすべてを職務遂行のために用い職務にのみ従事すべき義務に違反し、職務に専念すべき局所内の規律秩序を乱すも
のであったとして、懲 戒処分は有効であるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
メ
トロコマース(同 一労働同一賃金)事件
最高裁第3小(令和2.10.13)
(判例集)
(解説)
ビジネスガイド895.5 898.90
(分類)
有期労働者
(概要)
・正社員には退職金が支給され、有期契約労働者には退職金が支給されていないことについて、退 職金の目的を、「正
社員としての職務を遂行し得る人材の確保やその定着を図るなどの目的から,様々
な部署等で継続的に就労することが期待される正社員に対し退職金を支給すること としたものといえる」とするもの。
・退職金有無の差があることについて、「売店業務に従事する正社員と契約社員
Bの職務 の内 容等を考慮すれば,契約社員Bの有期労働契約が原則として更新するものとされ,
定年が65歳と定められるなど,必ずしも短期雇用を前提としていたものとはいえ
ず,第1審原告らがいずれも10年前後の勤続期間を有していることをしんしゃく
しても,両者の間に退職金の支給の有無に係る労働条件の相違があることは,不合
理であるとまで評価することができるものとはいえない」とし、有期契約社員に退職金を支給しないことが「労働契約法20条にいう不合理と認められないも
のに当たらな い」とするもの。
・住宅手当、永年勤続の褒
賞について、差を不合理として損害
賠償を認める原審を維持するもの。
(関係法令)
労働契約法 (有期パート法)
(関連判例)
や
安田 病院事件
最高裁第3小(平成10.9.8)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 紹介所に雇用され、病院に派遣された付添婦について、病院の指揮、命令及び監督のもとに病院に対して付添婦としての労務を提供
し、病院が これを受領してい
たものと評価することができるから、病院との間に実質的な使用従属関係が存在していたものということができ、又、客観的に推認される
両者の意思は、労働契 約の締結を承諾をしていたものと解するのが相当であって、結局両者の間には黙示の労働 契約の
成立が認められるというべきであるとする原審(大阪高裁、平成10.2.18)を是認するもの
(関係法令)
(関連判例)
八
千代交通事件
最高裁第1(平成25.6.6)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 労働基準法39条1項及び2項における前年度の全労働日に係る出勤率が8割以上であることという年次有給休暇権の成立要件について,
「前 年度の総暦日の中
で,就業規則や労働協約等に定められた休日以外の不就労日のうち,労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえないものは,不可抗力や
使用者側に起因する経
営,管理上の障害による休業日等のように当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でなく全労働日から除かれるべきもの
は別として,上記出勤
率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるものと解するのが相当である。」とするもの。
- 「無効な解雇の場合のよう
に労働者が使用者から正当な理由なく就労を拒まれたために就労することができなかった日は,労働者の責めに帰すべ
き事由によるとはいえない 不就労日であ
り,このような日は使用者の責めに帰すべき事由による不就労日であっても当事者間の衡平等の観点から出勤日数に算入するのが相当でな
く全労働日から除かれ
るべきものとはいえないから,法39条1項及び2項における出勤率の算定に当たっては,出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含
まれるものというべき である。」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
山形県労働 委員会(国立大学法人山形大学)事件
最高裁第2小(令和4.3.18)
(判例集)
(解説)
労判1265.96
(概要)
・労働委員会の命令について、「使用者が誠実交渉義務に違反する不当労働
行為をした場 合には, 当該団体交渉に係る事項
に関して合意の成立する見 込みがないと きであっても,労 働委員会は,誠実交渉命令を発する ことができると解
するのが相当である。」とするもの。
・労働委員会が、使用者に、誠実に団体交渉に応ずべき旨を命じたことに対
し、原審が「有意な合意を成立させるこ とは事実上不可能で
あったと認められるから,・・処分行政庁が本件各交渉事項についての更
なる団体交渉をすることを命じたことは,その裁量権の範囲を逸脱したものといわ ざるを得ない。」としたのを、破棄差し戻すもの。
(関係法令)
労働組合法
(関連判例)
山 口観光事件
最高裁第1小(平成8・9・26)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 懲戒当時に使用者が認識していなかった非違行為は、特段の事情
のない限 り、当該
懲戒の理由とされたものでないことが明らかであるから、その存在をもって当該懲戒の有効性を根拠付けることはできないとするもの。
- 懲戒解雇当時に使用者の知らなかった年齢詐称の事実を追加的に懲戒理由とすることを否定した原審判断を肯定するもの。
- (編注)一審の途中で申し立てられた年齢詐称を理由とする予備的懲戒解雇は有効とされ、本件の懲戒解雇から予備的懲戒解雇までの
間の未払 い賃金の限度で請 求が認められた原審判決を支持するもの。
(関係法令)
(関連判例)
山 口放送事件
最高裁第2小(昭和55.4.11)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 丸島水門事件判決を引用しつつ、「本件ロツクアウト突入当時は、本
社全部門 の観点からみれ
ば、いまだ労使の勢力の均衡は破れておらず、使用者側が著しく不利な圧力を受けている情勢にあつたということはできない」としてロッ
クアウトの正当性を否 定するもの。
(関係法令)
(関連判例)
山 恵木材事件
最高裁第3小(昭和46・6・15)
(判例集)
(分類)
(概要)
使用者と取引関係にあり、かつ、融資も受けている第3者から、労働組合の委員長を解雇する
ように迫られ、
会社存続のためにやむなくその委員長を解雇したことについて、第3者の意図が使用者の意思に直結して、使用者の意思を形成したと見るべき
であるとして、不 当労働行為の成立を認めるもの。
(関係法令)
(関連判例)
山
田鋼 業吹田工場事件
最高裁大(昭和25・11・15)
(判例集)
(分類)
(概要)
労働組合が行う生産管理について、原則として、経営者側が生産をサボってい
る等の特別の事情 のない限り、違法な争議行為であるとするもの。
(関係法令)
(関係判例)
(同旨)愛光堂印刷建造物侵入業務妨害事件(最高裁昭和27.2.22)
山梨県民信用組合退
職金事件
平成28.2.19(最高裁第2小)
(判例集)
(分類)
退職金
(概要)
・合併により消滅する信用組合の職員が、合併前の就業規則に定められた退職金の支給基 準を変更(この変更により、自
己都合の場合の退職金は0円になる可能性が高くなるもの)することに同意する旨の記載のある 書面に署名押印し たことについ
て、当該変更の同意があるといえるかが争われたもの。
・「就業規則に定められた賃金や退職金に関する労働条件の変更に対する労働者
の同意の
有無については、当該変更を受け入れる旨の労働者の行為の有無だけでなく、当該変更により労働者にもたらされる不利益の内容及び程度、労働者
により当該行
為がされるに至った経緯及びその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づい
てなされたも
のと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも、判断されるべきものと解するのが相当である」とするもの。
・「本件同意書への同人らの署名押印がその自由な意思に基づいてされたものと
認めるに
足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点から審理を尽くすことなく、同人らが退職金一覧表の提示を受けていたことなどから直ち
に、上記署名
押印をもって同人らの同意があるものとした原審の判断には、審理不尽の結果、法令の適用を誤った違法がある」として、原審を破棄し、差し戻す
もの。
・基準変更にさしして、就業規則の変更がされていないのであれば、同意の有無
について 判断するまでもなく、就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める合意として無効となると解されるとするもの。
(編注:本件は、説明会において、退職金支給基準変更前に作成した、退職金は
合併前の
支給基準を保障する旨の記載のある同意書案を示しながら、支給基準変更後の退職金計算方法について説明したことが事実認定されているもの。)
(関係法令)
労働契約法、労働基準法
(関連判例)
ヤンマーディーゼル事件→山岡内燃機
事件
夕 張南高校事件
最高裁第1小(昭和61・12・18)
(判例集)
(分類)
(概要)
- いわゆる一斉休暇闘争について、年次有給休暇が成立しない理由につ
いて、た とえ
年次休暇権の行使の形をとっても、その目的とするところは、使用者の時季変更権を全面的あるいは部分的に無視することによって当該事
業場の業務の正常な運
営を阻害しようとするところに有るのであって、そもそも使用者の適法な時季変更権の行使によって事業の正常な運営が可能であるという
年次休暇制度の成り 立っている前提が欠けているからであるとするもの。
- 休暇闘争の態様が、労働者の一部のみが参加する割休闘争であっても、業務の正常な運営を阻害する目的であれば、同盟罷業であると
するも の。
- 使用者の適法な時季変更権の行使が有ればそれに従うこととされている闘争は、業務の正常な運営の阻害を目的とするものといえず、
年休権の 行使としてみとめ
られるとし、時季変更権の行使が事業の正常な運営を妨げる事情がなく適法でなく、本件不就労に基づく戒告処分は違法であるとするも
の。
(関係法令)
(関連判例)
郵便局職員失職事件
最高裁第1小(平成19.12.13)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 禁錮以上の刑に処せられた後も約26年11か月にわたり事実上勤務を継続した郵政事務官について、定年まで勤務できるとの期待
は、法的保 護に値するものと
はいえず、「国家公務員法38条2号の欠格事由を定める規定が,この事由を看過してされた任用を法律上当然に無効とするような公益的
な要請に基づく強行規
定であることなどにかんがみると,被上告人郵便事業株式会社において上告人の失職を主張することが信義則に反し権利の濫用に当たるも
のということはできな い」とするもの。
(関係法令)
(関連判例)
行
橋労基署長(遺族補 償給付等不支給処分取消請求)事件
最高裁第2小(平成28.7.8)
(判例集)
(分類)
労災
(概要)
・「労働者の負傷,疾病,障害又は死亡(以下「災害」という。)が労働者災害
補償保険
法に基づく業務災害に関する保険給付の対象となるには,それが業務上の事由によるものであることを要するところ,そのための要件の一つとし
て,労働者が労 働契約に基づき事業主の支配下にある状態において当該災害が発生したことが必要であると解するのが相当である」とするもの。
・「社長に提出すべき期限が翌日に迫った本件資料の作成業務を本件歓 送迎会の開始時刻後も本件工場で行っていたB(編注:被害者)が,当該業務を一時中断
して本件歓送迎会に途中から参加した後,当該業務を再開するため本件会社の所有に係る本件車両を運転して本件工場に戻る際,併せて本件研修生
らを送るた
め,本件研修生らを同乗させて本件アパートに向かう途上で発生した」事件について、ア「本件会社からみると,Bに対し,職務上,上記の一連の
行動をとるこ
とを要請していたものということができる。」、イ歓送迎会は「本件会社の事業活動に密接に関連して行われたものというべきである」等とし、
「Bは,本件事
故の際,なお本件会社の支配下にあったというべきである。また,本件事故によるBの死亡と上記の運転行為との間に相当因果関係の存在を肯定す
ることができ
ることも明らかである。以上によれば,本件事故によるBの死亡は,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項,労働基準法79条,80条所
定の業務上の 事由による災害に当たるというべきである。」とし、不支給処分を取り消すもの。
(関係法令)
労災保険法
(関連判例)
油研工業事
件
最高裁第1小(昭和51・5・6)
(判例集)
(分類)
(概要)
社外労働者の直接の雇用主が法人格のみで実体としては存在せず、受け入れ企
業が実際 上は彼らを個人として採用している等の場合における受け入れ企業の団体交渉上及び雇用上の使用者性を肯定するもの。
(関係法令)
(関係判例)
横手統制電話中継所事件
最高裁第3小(昭和62・9・22)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 代替勤務者を確保して勤務割を変更することが可能な状況であるにもかかわらず、休暇の利用目的のいかんによって、そのための配慮
をせずに 時季変更権を行使 することは、利用目的を考慮して年次有給休暇を与えないというに等しく、許されないものであり、その時季変 更権の行使は、業務の正常な運営を妨げる場合にあたらず、無効であると
するもの。
(関係法令)
(関連判例)
横浜 ゴム事件
最高裁第3小(昭和45・7・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 住居侵入により罰金2500円に処せられた従業員を従業員賞罰規則に定める「不正不義の行為を犯し、会社の対面を著しく汚した」
に該当す るとして、懲戒解
雇に付したことに対して、�ー�けた刑罰が罰金2500円程度にとどまったこと、�⊃μ馨紊涼楼未�蒸熱作業担当の工員で指導的立場にな
いこと等から、当該従 業員の行為が会社の対面を著しく汚したには該当しないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
横浜市立保育園保母事件
最高裁第3小(平成9・11・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
- (業務と障害の間の)訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許さ
れない自 然科学的証明では なく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果を招来した関係を是認しうる高度の蓋然 性を
証明することであり、その判定は、通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつそれで足
りるとするもの。
((編注)民事における因果関係の証明のリーディングケースである「ルンバール・ショック事件判決(最高裁第2小昭和50・10・
24民集29・9・ 1417)」を示し、この判断枠組みに沿うものである。)
- 保母の業務は上肢、頸肩腕部等にかなりの負担のかかる状態で行う作業に当たることは明らかである(頸肩腕症候群により労災補償の
認定を受 けた保母も多数い ると指摘している。)とするもの。
- 保母の症状の推移と業務の対応関係((編注)判決は、保母の業務負担が重くなるとともに、症状は増悪したと認めている。)、業務
の性質・ 内容に照らして考
えると、上告人の保母としての業務と頸肩腕症候群の発症ないし増悪との間に因果関係を是認しうる高度の蓋然性を認めるに足りる事情が
あるといえるとするも の。
- 保母が頸肩腕症候群は業務に起因し、市がその防止、回復の措置を怠った点で安全配慮義務に違反しているとして、慰謝料等を求めた
訴えに対 して、「(保母
の)従事した保育業務が保母の頸肩腕症候群の発症や増悪の相対的に有力な原因にあるとまでは認定できない」として因果関係を否定した
原判決を破棄、差戻す もの。
(関係法令)
(関連判例)
横浜南労基署長(旭紙業)事件
最高裁第1小(平成8・11・28)
(判例集)
(分類)
(概要)
車持ち込みの運転手について、�ゞ般海了惻┐�納入物品、運送先、納入時間に
かぎられ
ていること,��勤務時間の定めがないこと、�J鷭靴榔芯舵修砲茲觸侏莵發任△辰燭海函↓ぅ肇薀奪�購入代金、修理代、ガソリン代、高速代も
本人負担であった
こと�ナ鷭靴�ら所得税の源泉徴収がされず、社会保険、雇用保険も控除されず、本人も事業所得として確定申告していたこと等から、労働基準
法及び労災保険法 上の労働者でないとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
横浜南労基署長(東京海上支店長付運転手)事件
最高裁第1小(平成12年7月17日)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 自動車運転手派遣会社の社員で、東京海上横浜支店の支店長付運転手と
して派 遣され、支店長の
出退勤、支社等の巡回、客先回り、料亭やゴルフ場での接待等の際の送迎に従事していた者が、昭和59年5月11日に支店長を迎えに行
く走行中にくも膜下出血を発症し休業したことについて、労働災害休業補
償給付の支給を認めるもの。
- 「上告人の基礎疾患の内容、程度、上告人が本件くも膜下出血発症前に従事していた業務の内容、態様、遂行状況((編注)判決で
は、昭和 58年1月以降、と
りわけ同年12月以降、さらに、59年4月及び発症日前日から当日にかけての遂行状況が検討されている。)等に加えて、脳動脈りゅう
の血管病変は慢性の高
血圧症、動脈硬化により増悪するものと考えられており、慢性の疲労や過度のストレスの持続が慢性の高血圧症、動脈硬化の原因の一つと
なり得るものであるこ
とを併せ考えれば、上告人の右基礎疾患が右発症当時その自然の経過によって一過性の血圧上昇があれば直ちに破裂を来す程度にまで増悪
していたとみることは
困難というべきであり、他に確たる増悪要因を見いだせない本件においては、上告人が右発症前に従事した業務による過重な精神的、身体
的負荷が上告人の右基
礎疾患をその自然の経過を超えて増悪させ、右発症に至ったものとみるのが相当であって、その間に相当因果関係の存在を肯定することが
できる。」とするも の。
(関係法令)
(関連判例)
吉野 石膏事件
東京高裁(昭和54・8・9)
(判例集)
(分類)
(概要)
- 「緊急命令」について、労働委員会の救済命令の適法性について、重
大な疑義 が有
るときは、当該労働委員会の申立があったとしても、受訴裁判所が緊急命令を発することは、相当でないというべきであり、その重大な疑
義の有無は当該救済命
令の審査を経ることなくして判断し得ないことから、緊急命令の申立を許否するにあったては、受訴裁判所は、当該救済命令の適否及び竭
謗梛~済の必要性」の 有無について審査できるとするもの。
(関係法令)
(関連判例)
代 々木ゼミナール(東朋学園)事件
最高裁第1小(平成15.12.04)
(判例集)
(解説)
(分類)
(概要)
- 賞与について、��支給対象者を出勤率が90%以上のものとし、�∋�
給基準に おいて欠勤日数に応じた減額措置を定め、産前 産後休業及び育児 勤務時間短縮措置にかかる期間を欠勤とし、支給要件の
90%に満たないとして、賞与を全額不支給とした事案におい て、
- �,�出勤率の要件については,「本件90%条項のうち,出勤すべき
日数に産 前産
後休業の日数を算入し,出勤した日数に産前産後休業の日数及び勤務時間短縮措置による短縮時間分を含めないものとしている部分は,上
記権利等((編注)労
基法65条の産前産後休業をとる権利及び育児介護休業法10条を受けて本件育児休職規程で定める勤務時間短縮措置を請求しうる権利)
の行使を抑制し,労働 基準法等が上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものというべきであるから,公 序に反し無効で あるというべきである」とし、
- �△�欠勤日数に応じた減額措置については、「本件90%条項とは異
なり,賞 与の
額を一定の範囲内でその欠勤日数に応じて減額するにとどまるものであり,加えて,産前産後休業を取得し,又は育児のための勤務時間短
縮措置を受けた労働者
は,法律上,上記不就労期間に対応する賃金請求権を有しておらず,上告人の就業規則においても,上記不就労期間は無給とされているの
であるから,本件各除
外条項は,労働者の上記権利等の行使を抑制し,労働基準法等が上記権利等を保障した趣旨を実質的に失わせるものとまでは認められず,
これをもって直ちに公序に反し無効なものということはできない」とし
て、
- 全額支給とした原審を破棄・差戻すもの。
- 平成18年4月19日、東京高裁の差戻審は、全額不支給は違法だが、勤務時間短縮を理由に一定の減額は認められるとして、約2割
の減額を 認めた。(21日 新聞各紙)
(関係法令)
(関連判例)
ら
あ行 か行 さ行 た行
な行 は行 ま行
や行 ら行
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このページは、特定社会保険
労務士森 岡(森岡新横浜社会保険労務士事務所)が、備忘録として作成しています。
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