森の恵みと沢にひたるツアー
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登山技術研修

調査同行ガイド

登山道調査
海川西俣右沢下降・左沢遡行 
8/22-24/2002 L三井 古川竜太 ;中村(サポート)

8/20 三峡パーク11:30ー渡渉点12:10・13:50−三峡パーク14:15
8/21 三峡パーク9:10ー渡渉点?・14:10−三峡パーク15:10
8/22 雨飾温泉7:10−鋸岳南コル8:50−雨飾山分岐11:25−黒沢峰西12:00/20−西俣二又15:40・16:00−30m右岸滝16:45
8/23 出発6:50−ゴルジュ入口7:40−シネマスコープ下11:30−15m滝上14:45−二又下(1850m)17:45
8/24 8:00発―二又8:15−スラブ上二又8:45/9:20−登山道10:00−(金山往復)−11:20−白倉峰12:45−雨飾山分岐14:25−車18:00

海谷調査第一弾。疲れる登山道。ロープ登攀の滝が連続、濡れて疲れる。じんましんから右胸痛へ。そして帰りは荷物が増えて、疲れる登山道。

8/20 小雨ときどき強く降る
地質調査総合センターの古川くんの海川の地質調査のサポート。海谷三峡パークから入り、二又にBCを作って東俣・西俣x各右沢・左沢を登る計画。台風通過により雨がたくさん降ったあとでの入山。三峡パークから渡渉点に下ると、水位が高く、茶色の濁流が渦巻いている。1時間余り待機するが水量減らず、荷物をデポして下山。糸魚川のビジネスホテルに泊まる。山を下りると晴れるが、山には暗い雲がかかっている。
8/21 くもりときどき雨
天気は変わらず、海は晴れ、山に入るとくもりか雨。空身で渡渉点に行くが、水位が20cmぐらい下がるものの相変わらずきびしい。待機しても水勢は弱まらず、岩伝いにルート工作。まず2mぐらいのギャップを飛び越えて岩につかまるが、上がれない。このとき胸を打ったらしく、あとで痛む。三角法で引き上げられる。次は木をわたしてステップとするが木が曲がってまた落ちる。3度目は木をしっかりわたしてOK。ボルトを打って後続の確保と次の大岩へのリードの確保に使う。次は1mジャンプして斜面に立ち、すぐにガバホールドをつかむ。さて渡れたので後続の荷物を移動し始めたが、このまま行ってはヤバイと思い、引き返すことにした。この水量では二又に行くのも、その先の遡行も、戻るのも大変。雨飾温泉から尾根越えで西俣に入る方が確実だ。
荷物を引き上げ、雨飾温泉に泊まる。古川くんが右沢を下降したいと言い、フルに2泊3日の行程となった。夜からじんましんが出始め、よく寝られなかった。Bunは風邪がなおらず、苦しそうないびきをかいていた。
8/22 雨のちはれのちくもり
雨だが天気は回復予定なので出発。左岸の通行止めを進み行き詰まり戻る。このときBunカゼでだめ申告。車に戻り、2人分に荷物を減らして再出発。ブナ林を登り、トラバース中のルンゼで古川くんの調査開始。小降りになった。ロープ2本持ってきていたが、2人なら1本でよいと判断、途中にデポ。稜線(鋸岳南コル)あたりから雨が上がった。森の中を登るとやせ尾根に出る。ここから西俣が見える。シネマスコープは少しかげになる。1652mへ崖のような道を登り、雨飾山分岐で水を飲む。晴れて暑くてつらい。黒沢峰手前のコルで古川くんが沢靴をはき、登山靴をデポ。
下降を始める。ヤブはたいしたことないが、泥壁の草付きが危険だ。4m,5m,5mと懸垂下降。滝が終わって右岸から1:1で入る支流が濁っている。西俣本流の広い川原に出、左沢を上がる。右岸に30m滝が落ち、SBの残骸がある近くで終了。翌日もう少し行くといいビバーク地があった。くもってきて寒そうなのでタープの下にツェルトを張った。
8/23 くもり
寒いのでカッパも着て寝たが、むれてじんましんが痒くて起きた。体をふいてさっぱりしたら眠れた。右脇(胸)が痛い。朝にはじんましんは手のひらと足裏のみに集中し、昼ごろには治った。
川原が左に曲がって深い谷になる。このあたりからひん岩に変わった(下は砂岩)。SBが現れ、左岸を歩けたが、右岸の崩壊地がすぐ崩れそうで怖い。狭い小滝を通り、谷が右に曲がるところに長さ50mほどのSB。くぐる。

その先の小さいSBが崩れて通れない。左壁を登ると、まずそこで支点を作っての懸垂が必要で、その先に見える15mも左端が登れそうだがやや難しそう。右のガレぎみルンゼを登ってSBと15mを一気に巻くことにする。しかしガレルンゼの上部がやばく、下りも急なガレで、大岩にボルト2本打って懸垂。小さいCSを登らずに左のガレを乗り越す途中、滝が3本見える。これがシネマスコープだ。右端の滝が段々になっていて中段を歩ける。金山にダイレクトに向かう沢ではなくて茂倉尾根寄りの沢だ。古川くんはダイレクトルートを行きたいようだが、下が立っていて取り付けず、その上も猛烈なシャワーと難しそうなチムニー。ダイレクトルートを登ったパーティは右滝を越えてから沢に下っている。今回は技術体力コンディションを考えて右沢に入った。
大滝の上の滝を左のヤブから腕力登りで突破したが、このあたりから私の右胸が苦しく、右腕を使う作業がつらくなってきた。12mと6mは空身で登って荷揚げ。結び目やザックが岩にひっかかって重い。15mは左岸を巻いたが木が少なくきびしい。次の小滝もきびしい。6m巻き、あと9m他5m程度の滝が次々現れるが、VからWの濡れる登攀で気温が上がらずつらい。しばしば空身でピトンを打ちながらリード、荷揚げを行う。ノーロープで取り付いて5mぐらい登ってからピトンを打ってロープを出したこともあった。濡れたくなくて巻こうとすると草付きが危ない。遅くなり疲れてきたが沢がせばまってビバーク適地なく、4m滝手前の左カーブに泊まる。快適にビバークするなら15m滝あたりまでだろう。岩にピトンを打ってタープを張る。雨がぱらついたがやんだ。のんびりたき火にあたり、酒を飲んでるうちにかなり乾いてきて寝た。酒を飲むと少しじんましんがぶり返した。朝まで風がときどき強く吹いた。
8/24 くもりのちはれのちにわか雨
朝起きると山頂方向は晴れて、谷側に雲がある。入山ごろと逆だ。小雨がぱらつくのでたき火はやめてツェルト内で朝食をとって出発。
ナメを歩くと二又だが調査のため左に入る。ナメの後5mがV+、6mS字、12m倒木を過ぎるとナメとなり右岸に砂岩スラブ。ここで二又となり水量が減るので水をくむ。左に入り、ナメを歩くと水が涸れてヤブっぽくなるので次を右、次も右に登ってササ藪を右寄りに5分こげば登山道に出る。
空身で金山に登るとときどきガスが切れて焼山、火打、乙見湖が見える。次に行くことになる東俣の右沢の源頭に小さな雪が残っている。そこから左沢に行くのは面倒そうである。古川くんは石サンプルを採っていた。
あとはひたすら登山道を進む。沢靴なので笹や泥で滑る。一度ササ斜面に落ち、自力で戻れず古川くんに助けてもらった。とにかく疲れた。無線交信を7時、13時、21時としていたが今まで感度なく、13時に白倉峰で交信できた。Bunも鋸岳南コルの稜線まで登ってきていた。黒沢峰で古川くんが靴を履き替え、1652mあたりでヒィヒィになってBunと合流、荷物を持ってもらった。カゼは少しよくなっているがまだまだだ。階段のあるところにひん岩のフェースがあり、サンプル採取。雨飾温泉へのトラバースに入るころから雨が強くなったが下山前にやんだ。
温泉に入り長野に戻った。白馬のグリンデルでめし。キャベツが多くてよろしい。三井・中村の具合が悪く、古川くんも疲れているので、東俣は9月の上旬にやることにした。おそらく右沢を詰めて天狗原山経由で登山道も調査しながら小谷温泉に下りることになる。
技術度****、体力度*****、雰囲気****(*最低−*****最高)(三井)