森の恵みと沢にひたるツアー
ツアー記録
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地質調査総合センター・沢登り研修
in 利根川本谷 のようす
昨年に続き、産業技術総合研究所の地質調査総合センターの依頼で沢登り研修を行った。今年は研修生2人とも経験がかなりあるので、雪渓を含む奥深い山岳渓谷として利根川にした。寡雪だったので8月初めでも雪渓がひどすぎることはないだろうと期待。
2004年8月2日(月) スノーブリッジなく川底埋まり、平和な沢歩き。
まずボートでダム湖を渡る

高柳さんや高桑さんから「今年は雨が少ないから雪渓は多いかもしれん」と脅かされており、どきどき。
前日、荒沢岳で雪渓下敷き事故あり。
シッケイガマワシ
ペラペラの雪渓を怖れていたが、なにもなし。おまけに土砂で川底が埋まり、腰までつからず。
又右衛門淵、巻淵とも歩いて通過!
越後沢からも水線どおしで、たちまちひとまたぎ
剣ヶ倉土合も泳ぐというほどでもなく楽々通過
ヒマなのでオイックイに突っ込むことも考えたが、テン場が心配
のんびり釣りなぞやりながら滝ヶ倉沢の先に早々とキャンプ
ロープも使わず練習にならん
8月3日(火) 雪渓小さく安定、平和な釣り歩きの後、滝登りや巻きは少々手ごたえあり
すぐ雪渓
緊張が走るが、安定していて先が見えるので下をくぐる
無線で合図して一人ずつ
崩壊した雪渓
ブロックの間を縫って歩けた
両岸が磨かれているので、数日前だとヤバかったかも
裏越後沢までに4つくぐった
いずれも長さ30m以内、安定していた
裏越後沢で食料調達係bが尺越え2発
数は少ないがでかいのが出る

その先のミニブリッジ
モノチス(二枚貝)の化石
研修生2人は地質学者で、特にNは堆積岩専門家なので化石を調査
めったに来れないのでよい写真やサンプルを探す
約2億2千万年前(三畳紀後期)の地層だそうです
ちょっとした滝でロープを使いリードとフォローを練習
石をビレイ支点にしている
定吉沢上あたりのゴルジュ
埋まっていてなにごともない
あまりに平和で時間も早いので飛び込んで遊んだり釣り歩いたり
きのうよりは釣れる。出れば尺越え
魚止め滝は埋まっていてしょぼい釜になっていた
魚止め滝で竿をしまうがまだお昼

練習場面が少ないので巻かずに壁を登る
ハーケン打ちに手間取る
その先がきびしかった
まず水流をまたいで渡り、
砂の浮いた小ステップか、いやらしい草付きをだましだまし巻く

魚止め滝をブッシュから巻けばここは通らないでもよさそう
左右からついたてで守られた滝
左は落ち口がやばく、右から。
以前はずいぶん泳いで取り付いたと思うが、今回は歩けた
まあ、こんなのがポツポツある

途中、2段滝(上がひょんぐり)は右に懸垂下降の残置が見えるが、左から容易に登れる
丹後沢出合の雪渓
途中で崩れ、その先に分厚い雪渓が見える。
カラ身で登って偵察。どこまで続いているか見えないが、分厚くて下は出口が全く不明。上を歩くことにする

偵察の間、Nがミヤマメシダをゲット。雪渓のそばには山菜がある
雪渓のキワを登り、
崩れたところは横を歩く
Fの体重にもビクともしないしっかりした雪渓だ
出口はバイルを突き刺してぶら下がれば下れた。ラッキー。
右岸屏風の滝
登りがちと難しい上に落ち口に踏み出すところがバランスを取りにくい
滝を巻いたが少々いやらしい
少し手前からヤブを容易に巻けたようだ
大利根滝
3級ぐらいなのでFにリードしてもらう
リード初めてとのことで(知らなんだ。。。)、ランニングと最終支点にハーケンを打つのに手間取り、bは昼寝
ハト平はイマイチなので、も少しがんばって東小沢上のテン場に泊まる
たきぎは乏しい
疲れたし明日は無事帰れそうなのでのんびりする
8月4日(水) 快適に小滝や大滝を登る。下山がヒーヒー
こういった小滝が楽しい

スパイダーマンNがボルダリング?で遊んでいる
Y字状CS
水からの立ち上がりがややムズ
期待通りドボンしたFはお助け紐
落ちてもドボンだが頭を打つかもしれないのでメットはかぶった方がよい
少々泳いで取り付くこともあるが、水勢は弱く容易
スパイダーマンは直登
右からへつれる
にんじん滝
フリー(V)
狭い廊下の出口右に2段滝(写真では隠れて見えない)
右壁上部に懸垂の残置が見えるが、左から斜面にひっかかったスノーブロックの下を通って取り付けば簡単に登れる

次の10m(剛滝)は左からロープ使用で登れそうだが右草付きからとっとと巻く
ミニブリッジ
深山滝はフリー(V)
この赤沢滝もフリー(V)
最上部は水をくぐって取り付けば簡単
最後の水上滝は落ち口が滑って怖いのでロープで確保(W)
も一個ミニブリッジを越えると
三角ならぬひょうたん雪田
大河川利根川の最初の1滴
ここは草付が悪く、雪田を歩くのが早い
大水上山から利根川源頭
天気がよく、急な下山にヒーヒー
林道に下って三国(さぐり)川に飛び込む
アブが襲うのでさっさと十字峡に向かう
雪渓、泳ぎ、登攀ともちと簡単すぎて拍子抜けだったが、奥深い山岳渓谷の遡行を総合的に体験し、昨年のちょっぴりグレードアップ版になった