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自然保護ページ

渓流保護ネットワーク
2011年8月18日
質問書提出(→)

2011年9月9日
上記質問書に関し
話し合い


経緯
裾花川本谷(清水沢)に建設中の治山ダム工事の中止を求めて

2011年8月18日の質問書提出の際のやりとり

2010年7月に起きた山腹崩壊と天然ダムをきっかけとして、林野庁が裾花川の木曽殿アブキ上流に治山ダムを2基建設中だ。あんないいところに、合理的な理由もなくダムを作るなんて許せない、と山岳会や自然保護団体が林野庁側(主に北信森林管理署)と交渉しているが建設は進行中だ(2011/8/19現在)。

おおざっぱに言うと、林野庁側は「昨年の山腹崩壊と天然ダムの土砂が、これからの雨などにより土石流を作り、林道や奥裾花ダムに被害をもたらす可能性があるので、それを治山ダムで止める。でも魚の行き来ができるようにスリット式にする。」というもの。

天然ダムはすでに小さくなっているし、山腹崩壊も含めて林道やダムを破壊するほどの土石流にはならない。林道に達するまでの川は傾斜がゆるく、川原状で土砂が徐々にたまっていく地形である。過去似たような崩壊は上流部で起きただろうが、林道を壊すような変化はなかった。今回もそういう自然のよくある変化でしかなく、治山ダムを作る必要はない。

スリットの中に鉄骨を入れて木をひっかけやすくしているので、容易に詰まって上下流を遮断する。治山課長は詰まったものを除去するというが、人手や金のかかる作業であり、仮に除去したら、林野庁の主張する奥裾花ダムへの土砂堆積を防ぐ目的と矛盾する。
そもそも人工物を入れるべきでないすばらしい場所だということに関し「見解の相違」などと言って軽視し、話し合い中も工事を中断するつもりもない態度は許せない。

土石流が出て林道や奥裾花ダムを破壊すると言うなら、どこからどれだけ土砂が出て、治山ダムでどれだけ止めて、それは治山ダムがない場合の自然による調節量よりどれだけ効果的なのかを定量的に示すべきだ。それなしに工事しているのは、理由なく税金をムダ使いして自然破壊しているだけだ。

ちなみに、土石流による被災を防ぐなら、濁沢合流点下の治山ダム(県営)が満砂しているので、これにスリットを入れるのが効果的と思われる。これについては、県のものなので何もできませんとの返事だった。

2011年9月9日 質問書に関する話し合い

出席者 中部森林管理局 村上治山課長
      北信森林管理署 久保治山課長
      長野県林務部森林づくり推進課 清水治山課長・丸山主査
      渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える 田口
      山岳会ロック&ブッシュ会長・渓流保護ネットワーク 三井
      山岳会ロック&ブッシュ元会長 大日方
      (長野市民新聞 山田)

前回(8/18)文書での回答を求めたが、直接話したいとの申し出があり、中部森林管理局にて話し合い。

もっぱら村上課長が治山ダムの必要性と建設根拠を説明し、市民側がそれに対し質問した。最後に清水課長が濁沢合流点下の県営治山ダムについて説明した。
治山ダムはとにかく法的にも問題なく、林野庁側の思惑通り作りますよ、ということで終わった。
県営治山ダムの方は当初の魚道(ダムの穴)が詰まったので機能を回復するように検討中だとのこと。

話し合いの順序どおりでなく、概略解説する。
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村上課長の説明は、たくさん土砂が出る「可能性がある」ので林道やダムが被災しないように治山ダムを建設するという一般的な議論に終始した。特別保護地区や世界遺産でもないので防災優先。それでも環境に配慮してスリット式とし、つまったら除去するつもり、資材はヘリで運ぶ。

市民側反論:「可能性がある」からといって治山ダムを作りまくっていいわけではあるまい。なぜ今、この場所なのか。

 昨年できた不安定土砂は減っているし、それが流れても林道が破壊されることはないので今回の治山ダムは不要。

 昨年の崩壊と関係なく20万m3の土砂が流れると林道に達するとしている(林野庁側シミュレーション図面あり)が、そのときに今回の治山ダムがかろうじて防災に役に立つぐらいか。しかし20万m3が発生するとしたら大雨や地震のときだろうが、そのときは裾花川本流でなくて林道側面の山腹や支流が崩れてきて林道が通れなくなる可能性が高い(可能性がある、じゃないよ)から治山ダムの意味はない。また10万m3だと林道に大量には到達しないだろうから意味ないし、50万m3だと治山ダムの止める量が小さすぎて役に立たない。

村上課長:今回の3万3千m3を止める計画でいいと思っているわけではなく、20万m3も止めたいが、やれる範囲でやっている。(どうやら予算請求の関係で、昨年出た土砂を止める目的のものが通りやすかったようだ) とにかく危険性があるから少しでも止めるんだ。

市民側:今回のスリットダムはスリットの中に鉄骨構造物があって容易に詰まってしまう。上下流の段差をなくすことは無理だ。そもそも詰まらないとすればダム堆砂を防ぐという目的と矛盾する。

村上課長:詰まったら除去するように考えている。(「除去する」とは断言しなかった。予算がとれないとできないからだろう。そう、とても大変なので金はかなりかかるだろう)(ダム堆砂についてはコメントなし。)

清水課長:濁沢合流点下の県営の治山ダムについては、魚道のつもりであけた穴が詰まってしまい、満砂した。機能を回復すべく検討中。まずイワナなどの生態調査から始めるつもり。

市民側:この治山ダムに大きなスリット(田口はV字型を主張)を入れると、土砂調節量が大きくなり(つまり一時的な土砂流を減らす効果が大きい)、もちろんイワナなどの生態系への影響も小さい。

清水課長:意見も聞きながら今後の進め方を考えます。


経緯

2010年7月 裾花川下流部小清水沢出合の少し上で側壁が崩壊し、川をせき止めて天然プールができた。通行止めとダム水位を下げて対応。

2011年7月 山岳会ロック&ブッシュの大日方氏がたまたま裾花川を見に行ったら、えん堤工事をしているのを発見。

北信森林管理署に説明を求めたところ、
7月22日 森と水 バックパッカーズ ホステルにて 久保治山課長と澤口係長が来て説明。
7月24日 現地視察。側壁が削られ、コンクリを流し込む型枠が作られていた。その後市民側だけで堰止湖を見に行った(縮小していた)。

7月28日 中部森林管理局にて、裾花川治山ダム建設中止要望書を提出。
8月1日 長野県庁環境保護課を訪ね、中止要望書(知事宛)を知事に渡すようお願いした。
8月5日 北信森林管理局から回答が来た。
8月6日 山岳会ロック&ブッシュ/森と水ワイルドアウトドアで現地へ。増水で工事現場が浸水。鉄骨が2つ上流側の現場に運ばれていた。
8月13日 市民側現地視察。堰止湖はさらに縮小。
8月18日 森と水 バックパッカーズ ホステルにて、回答(8/5)への質問書を提出。
8月22日 県から回答が来た。
9月9日 中部森林管理局にて、8月18日提出の「回答(8/5)への質問書」に対する議論
2011年7月28日

林野庁長官 皆川 芳嗣 様
中部森林管理局長    城土 裕  様
北信森林管理署長    嵯峨 端夫 様

裾花川治山ダム建設中止要望書

   山岳会ロック&ブッシュ   会長 三井明高
渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える    代表 田口康夫
長野県自然保護連盟     会長 和田蔵次
長野県勤労者山岳連盟    会長 関 昌憲
NPO法人信州いわなの学校 代表理事 古川和広  

 裾花川本流(清水沢)に建設中の治山ダムの工事を中止するよう要望します。

 奥裾花地域を流れる裾花川は、濁沢分岐から上流には今までダムなどの大型人工物のない自然豊かな美しい渓流です。また長野県においても治山・砂防ダムのない渓流は極めて貴重な存在になっているのが現状です。奥裾花地域・渓谷は長野県の文化財であり、林野庁の水源の森百選や21世紀に残したい日本の自然100選、日本の秘境100選などにも選ばれています。このような貴重な場所に建設中の治山ダムをやめてください。
 ダム建設が自然環境、景観を壊すものであることは異論の余地がないと思いますが、建設する理由がありません。

問い合わせたところ、北信森林管理署の久保課長と澤口係長にすぐに出向いていただき、7/22(金)に机上説明、7/24(日)に現地説明をしていただきました。ありがとうございます。2010年に起きた山腹崩壊と、その土砂でできた堰止湖の、土砂や倒木が下流に移動するのを止めるために治山ダムを作るのだと説明されました。

我々は山腹が崩壊したり土砂や倒木が下流に移動することは自然なことであり、治山ダムで止める必要はないと考えます。
土砂などが一気に移動してもたらす損害が大きい場合は別かもしれませんが、今回の場所についてはそれもありません。現地を歩いて確認しました。
1. 山腹崩壊した土砂はそこに堆積しています。これは大雨などで少しずつ流れ出してゆくでしょう。堰止湖が決壊して一気に流れ出す説明もされましたが、現地を見るとダム部分の上側は土砂が抜けて木だけになっており、その下を水が流れていて、決壊しそうにありません。ダムバックウオーターに堆積している上流からの土砂堆積堆積の高さから見ても当初のダム高、水量が半分以下になっています。たまった水は幅20−30m、長さ100m程度あるものの、深さは1−2mで、決壊したとしても大きな土砂流にはなりません。
2. 仮に大量の土砂が一気に出たとしても、そこから治山ダム建設地を通って林道に達する区間は傾斜がゆるく、20mぐらい幅のある川原になっており、土砂が途中で堆積して林道まで達しない、少なくとも林道を埋めたり壊したりするようなことはありません。

 以下について回答をいただきたい。
1. 治山ダム建設を一時中止し、私たちと話し合いを進めるるよう要望します。
2. 中止しない場合、その理由
 型枠を作っている段階ですので、コンクリートを流す前に回答していただきたく、急ですが8月5日までに文書で、できればメール添付でいただきたい。

あて先:〒381-2246 長野市丹波島一丁目520 三井明高
akitaka@m.email.ne.jp

2011年8月1日

長野県知事 阿部守一 様


裾花川治山ダム建設中止要望書

   山岳会ロック&ブッシュ   会長 三井明高
渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える    代表 田口康夫
水と緑の会    会長 常田長時
NPO法人信州いわなの学校 代表理事 古川和広
長野県自然保護連盟     会長 和田蔵次
長野県勤労者山岳連盟    会長 関 昌憲 

 裾花川本流(清水沢)に建設中の治山ダムの工事を中止するよう要望します。

奥裾花地域を流れる裾花川は、濁沢分岐から上流には今までダムなどの大型人工物のない自然豊かな美しい渓流です。また長野県においても治山・砂防ダムのない渓流は極めて貴重な存在になっているのが現状です。奥裾花地域・渓谷は長野県の文化財であり、林野庁の水源の森百選や21世紀に残したい日本の自然100選、日本百名谷などにも選ばれています。ここに林野庁が建設中の治山ダムを止めてください。

 国有林とはいえ、長野県の(そしてもちろん日本の)貴重な自然です。これだけの自然の豊かな川でダムのない川はもはや貴重な財産です。これを壊してはならない。長野県には損害しかない工事です。ぜひ長野県から林野庁・中部森林管理局・北信森林管理署に意見を発していただきたい。

 ダム建設が自然環境、景観を壊すものであることは異論の余地がないと思いますが、建設する理由がありません。

北信森林管理署によると、2010年に起きた山腹崩壊と、その土砂でできた堰止湖の、土砂や倒木が下流に移動するのを止めるために治山ダムを作るのだと説明されました。

我々は山腹が崩壊したり土砂や倒木が下流に移動することは自然なことであり、治山ダムで止める必要はないと考えます。
土砂などが一気に移動してもたらす損害が大きい場合は別かもしれませんが、今回の場所についてはそれもありません。現地を歩いて確認しました。
1. 山腹崩壊した土砂はそこに堆積しています。これは大雨などで少しずつ流れ出してゆくでしょう。堰止湖が決壊して一気に流れ出す説明もされましたが、現地を見るとダム部分の上側は土砂が抜けて木だけになっており、その下を水が流れていて、決壊しそうにありません。たまった水は幅20−30m、長さ100m程度あるものの、深さは1−2mで、決壊したとしても大きな土砂流にはなりません。
2. 仮に大量の土砂が一気に出たとしても、そこから治山ダム建設地を通って林道に達する区間は傾斜がゆるく、20mぐらい幅のある川原になっており、土砂が途中で堆積して林道まで達しない、少なくとも林道を埋めたり壊したりするようなことはありません。

県の自然保護課からは「環境アセスメント対象でなく、自然公園外だから、何もできない」との回答をいただきましたが、長野県の大事な自然を壊されるのをただ指をくわえて見ているしかないのは哀しすぎる。何らかの手段で止めていただきたいのです。以下、ご回答下さい。
1. 何とか治山ダム建設を即刻一時中止させてください。その上で森林管理局(署)と県、市民で話し合いましょう。
2. それができないとしたら、県として森林管理局(署)の建設目的を妥当と考えますか。

 すでに型枠を作り、コンクリを流す段階ですので、すぐに回答していただきたく、急ですが8月5日までに文書で、できればメール添付でいただきたい。

あて先:〒381-2246 長野市丹波島一丁目520 三井明高
akitaka@m.email.ne.jp 090-1615-7328

平成23年8月5日
「裾花川治山ダム建設中止要望書」に対する回答
林野庁中部森林管理局
北信森林管理署

平成23年7月28日付で提出のありました「裾花川治山ダム建設中止要望書」により回答を求められたことについて、次のとおり回答します。



[1.治山ダム建設を中止し、私たちと話し合いを進めるよう要望します。その可否]
(回答)
 ご要望のありました治山工事に関し、貴山岳会から話し合いなどの要望があったときは、対応させて頂く考えですが、台風等が懸念される時期でもあり、早急に対策を講じる必要があると考えております。

[2.建設を一時中止しない場合、その理由]
(回答)
1 昨年7月7日の集中豪雨により、長野県長野市鬼無里戸隠山国有林地内の清水沢左岸の山腹が崩壊し、これに伴い天然ダムが形成されました。この山腹崩壊及び天然ダムについては、中部森林管理局及び北信森林管理署としては、長野県及び長野市の関係部局と連携しながら、被災直後から被災状況の把握、清水沢下流に位置する林道大川線及び裾花川の安全確保措置並びに奥裾花ダムの管理等に係る情報交換などを行い、対応策を検討してきました。

2 その結果、この山腹崩壊及び天然ダムについては、次期降雨等に伴う土石流等の発生により、奥裾花ダムや林道大川線に影響を及ぼすことが懸念されるため、土石流などに対する緊急的な対策として、治山えん堤の工事を実施するとしたところです。なお、この治山えん堤については、渓流に生息する魚類の生息等周辺環境へ最大限配慮した結果としてスリットタイプとしています。

3 清水沢においては、今後も集中豪雨や台風、地震などに伴い、再度、崩壊地が拡大したり、下流へ土砂が流出するなどの可能性もあり、これらに備えるためにも、治山えん堤の工事は早急に進めることが必要と考えております。

2011年8月18日
林野庁長官 皆川 芳嗣 様
中部森林管理局長    城土 裕  様
北信森林管理署長    嵯峨 端夫 様

裾花川治山ダム建設中止要望書に対する回答(平成23年8月5日)への質問

   山岳会ロック&ブッシュ   会長 三井明高
渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える    代表 田口康夫
水と緑の会    会長 常田長時
NPO法人信州いわなの学校 代表理事 古川和広
長野県自然保護連盟     会長 和田蔵次
長野県勤労者山岳連盟    会長 関 昌憲
質問1
 奥裾花渓流一帯は県、環境省などの名勝地100選に入っているが、この様な場所への人工構造物(ダム、護岸など)の建設は、国民、県民の財産に傷をつけることと考えるがいかがか?

質問2
 回答【1】、【2】の1に共通することですが、昨年(平成22年7月7日)崩壊したところだが、「台風等が懸念される時期でもあり、早急に対策を講じる必要があると考えております。」とありますが、緊急を要するものであるならば1年過ぎたこの時期に始めた理由は何故か?当初の緊急度と現在の緊急度の違いは何か説明して欲しい。

質問3
 回答【2】の1「清水沢下流に位置する林道大川線及び裾花川の安全確保措置並びに奥裾花ダムの管理等に係る情報交換などを行い、対応策を検討してきました。」とあるが、土砂ダムが貯留している土砂量と、決壊した場合の土砂ダム下流部河床への堆積土砂量及びダムへの堆砂量を示し、どのような被害につながるのか説明してもらいたい。

 去年7月7日以降、裾花ダムの水位を1.5mほど下げて土砂ダム決壊に備えたとしているが、この対応はどのような事を前提として執られたのか、具体的(定量的)な数字を示して説明して欲しい。

質問4
 回答【2】の2「その結果、この山腹崩壊及び天然ダムについては、次期降雨等に伴う土石流等の発生により、奥裾花ダムや林道大川線に影響を及ぼすことが懸念されるため、土石流等に対する緊急的な対策として、治山えん堤の工事を実施するとしたところです」とあるが、私達の調査によると山腹崩壊当初時に比べ水位は半減している。つまり土砂ダムの高さがここ1年で徐々に下がっており緊急度の質が変わっていると見ているがどのように考えるか?

質問5
 回答【2】の2「渓流に生息する魚類の生息等周辺環境へ最大限配慮した結果としてスリットタイプとしています。」とあるが、山梨県水産センター職員の調査によると、オープン式砂防ダムの流れの連続性の確保は80%超が閉塞して当初の目的を果たしていないという結果が出ている。今回のダムの魚類への考慮目的が機能すると考えているのか、データーに基づいて説明してもらいたい。なおこの種のダムメンテナンスの課題をどのように考えているのか、他の実情と比較して説明して欲しい。

質問6
 回答【2】の3において清水沢流域から流出する土砂量のコントロールを主張しているが、
そうであるならば流域全体の計画生産土砂量、計画流出土砂量などの各種土砂量を示し、現在建設中のダムが定量的にどのような役割を担うことができるのか説明して欲しい。本来治山法で示すダムの目的は、流域の緑化を目指すものとなっているが、今回の建設はこの目的から外れることと理解してもよいのか?崩壊地抑制になるとすればどのような考え方で位置づけるのか、この現場の例で説明して欲しい。

質問7
 濁沢、清水沢合流点の下にある治山ダムは質問1で示すとおり名勝地であります。もしダムのつくりが魚類や景観に影響があると考えるならば、このダムの撤去、あるいはオープン型への改修を提案したいがいかがか。

質問 その他


尚、私達との話し合いを進めるにあたり、現在進行中の工事の一時中止を強く要望いたします。

以上、回答は文章にて(メール添付)早急にお願いいたします。
あて先:三井明高 akitaka@m.email.ne.jp


23森推第309号
23自保第140号 
平成23年(2011年)8月22日

  山岳会ロック&ブッシュ 会長 三井 明高 様
  渓流保護ネットワーク・砂防ダムを考える
              代表 田口 康夫 様
  水と緑の会       会長 常田 長時 様
  NPO法人信州いわなの学校 
代表理事 古川 和広 様
  長野県自然保護連盟   会長 和田 蔵次 様
  長野県勤労者山岳連盟  会長 関  昌憲 様 
                                長野県環境部長
                                長野県林務部長

裾花川治山ダム建設中止要望について(回答)

 平成23年8月1日付けで要望のありましたこのことについてお答えします。

 信州の美しい自然や景観は貴重な財産であり、将来の世代に引き継いでいかなければならないものです。一方、県民が安心・安全に暮らせるよう、災害復旧や災害発生の危険性が高い場所の防災対策もまた行政に課せられた使命であると考えております。

今回の治山ダムは、上信越高原国立公園の区域を避け、その下流に計画されていることや、県希少野生動植物保護条例による希少種の生息・生育は確認されていない場所であること、環境影響評価法及び条例に基づく環境アセスメントの対象となる規模に達しないことなどから、環境への影響は少ない事業と考えております。

さらに、中部森林管理局からは、渓流に生息する魚類の移動に支障を及ぼさないよう河床勾配を変化させないスリットタイプの施設として設計したうえで、工事用道路等による自然改変を避けるため、ヘリコプターによる資材搬入を行ったり、河床の掘削に伴う濁水の発生・流下を防止するため、瀬追工・水替工を行うなど、施工上でも環境への影響について配慮を行っているとの説明を受けております。

また、当該治山ダムの建設は中部森林管理局の所管ではありますが、県としましても清水沢河道埋塞部の現地を調査したところ、崩壊山腹には不安定な崩落土砂が残留しており、平成9年に裾花川支流濁川で発生した河道埋塞・土石流災害の事例を考慮すると、同様の災害が発生する危険も想定され、奥裾花ダムの保全や奥裾花自然園を訪れる観光客の安全確保のための対策が必要であると確認されました。ついては、このような観点から、中部森林管理局としては治山ダムの設置の必要性を判断したものと考えられます。

長野県 環境部 自然保護課 自然保護係
課長 市村 敏文  担当 窪田 達央
電話026-235-7178(直) ファクシミリ026-235-7498
〒380-8570長野県長野市大字南長野字幅下692−2
電子メール shizenhogo@pref.nagano.lg.jp
長野県 林務部 森林づくり推進課 治山係
課長 塩原 豊 担当 清水 靖久
電話026-235-7271(直) ファクシミリ026-235-0330
〒380-8570長野県長野市大字南長野字幅下692−2
電子メール shinrin @pref.nagano.lg.jp