SE029
 コードネームSE029は73年にアバルトとピニンファリーナがX1/20の試作車としてつくられたもので、エンジンはフィアット130クーペのV6 3リッターユニットを載せている。そもそもこのテストとはピニンファリーナがX1/20の開発の段階でどのエンジンとの組み合わせがベストなのかと、レース仕様でのポテンシャルを検討するためだという。
SE029はストリート用に仕上げられたもので外観上はモンテカルロそのものである。

アバルト・ピニンファリーナ3500プロトティーポ (SE030)
 モンテカルロが発表される前年の74年にトリノ・ショーでコードネームSE030で発表される。基本ラインはモンテカルロそれだが、大きく張り出したオーバーフェンダーに煙突型の迫力あるエアースクープと独特なフロントフェイスなどが特徴。エンジンは3.5リッターV6トリプルウエバーIDFで285馬力をミドに縦置きされる。
同年10月ジーロ・デ・イタリアに出場しピアンタ/クリスティーン組によりストラトスにつづき2位に入賞した。

ベータ・モンテカルロ・ターボ
 ベータ・モンテカルロのレース活動はGr5のシルエット・フォーミラーで争われ、メイクスタイトルを連覇してきた。そこで戦われたモンテカルロ・ターボはセンターモノコックだけを利用して前後をチューブラーフレームで新たに作られたもので、後の037に生かされる。エンジンは横置きのまま搭載され、1.8リッターをベースにターボ規定の2.0リッターに収めるべく1.4リッターにスケールダウンし、16バルブへッドとKKK製ターボチャージャーの組み合わせで370馬力を絞り出し、最終的に405馬力になった。
モンテカルロ・ターボは1979年にシルバーストーン6時間で実戦デビュー。翌80年からメイクス選手権にフル参戦して、ブランズ・ハッチ6時間で初優勝してからムジェロ6時間優勝、ワトキンスグレン6時間で見事1-2位。モンッア1000km、バレルンガ6時間で3位、シルバーストン、モスポート、ニュルブルクリンクで4位などで80年のメイクスチャンピオンに輝く。81年よりマルティニカラーとなりワトキンスグレン6時間で1-2位、ニュルブルクリンクで4位デイトナ24時間で5位になるなどで81年もメイクスタイトルを2連覇した。
 選手権戦以外のイベントで79年ジーロ・デ・イタリアに2台のモンテカルロ・ターボが参戦。黒赤ゼブラカラーでリカルド・パトレーゼとマルク・アレン。アリタリアカラーではジル・ヴィルヌーブとヴァルター・ロールと豪華なメンバー。見事1-2位でゴールしたのだが、レギュレーションで禁止されているアウトストラーダを使った事で失格となった。翌80年ではパトレーゼ、アレン組が1位。アルボレート、ベティガ組が2位と今度こそ見事に1-2位でゴールし前年の屈辱を晴らした。

The color variation of Beta Montecarlo turbo.

"Zebra color black/red"1979

"Zebra color blue"1980


"Zebra color red"Brands Hatch 1980


"MARTINI"1981

"ALITALIA"Giro de Italia 1979

"Zebra color black/white"1979

"Italian color"1980


"Fruit of The Loom"1980


Lancia Beta Montecarlo Gr.4 1979

The Austrian Rally/ Wiedner&Rothy

ラリーカーのモンテカルロ
 
モンテがワークスとしてラリーに出たという資料も記録も無いので分からないが、左の写真のようにプライベーターとしては出場していた様だ。このチンザノ カラーのモンテはモデル化されているので存在は知っていたが、どこのイベントでどのようなリサルトを残したかは不明。

Technical Data
エンジン:直列4気筒DOHC 1995cc
口径xピストン:84×90mm
混合仕上げ:ダブルキャブレター、ウェバー
最大出力:192hp/7000rpm
ボッシュ式点火装置
ドライサンプ
最高速度:215km/h
ビルシュタインダンパー
ホイールサイズ前/後:7J15inch/7J15inch
タイヤサイズ前/後: 205/45/15,235/50/15
タイヤ製造:ピレリ
車両重量:985kg
ホイルペース:2300mm
トレット前/後:1410/1455mm
全長/幅/高さ:3815/1795/1190mm


BACK