活動レポート 2014〜2015


飯沢 能布子

  「88星座」と「アイヌの星」をテーマにした七宝作品をめぐって、最近の活動を報告 いたします。

  北海道星ウォッチング発表会での発表

 
2015年 北海道星ウォッチング発表会が、3月28日(土)〜29日(日)に札幌市社会福祉総合センター4階会議室(札幌市中央区)で開かれました。今回は20回目の記念にあたり、主催を札幌天文同好会に移し運営を強化、発表会は2部構成プログラムで充実した内容でした。柴田健一実行委員長の開会あいさつにつづき、知的好奇心を刺激される発表が夕方までありました。

 私は表記のテーマで作品展示と発表をしました。まず、「アイヌの星」にみられるモノを分類し多様さがわかること、星の物語は アイヌ独特の自然観、世界観による叙事詩ユーカラにより伝承されていることを紹介 しました。七宝作品のデザインを88星座と「アイヌの星」を重ねることで星座の形や位置のみかたを実物で示し、ユーカラのあら筋をまじえて話しました。配布した資料 は@表題と同名の「天界」2014.10月号掲載文とA作品絵葉書です。展示したオリジ ナル作品は七宝制作についても興味をもたれ予定の時間を有効に使えました。

 全体記念写真ののち、場所を「北2条クラブ」に移して第2部の懇親会。さらに別室で深夜まで発表があり、オーストラリアやカナダへ遠征した星ウォッチング体験や、先日話題になった3/18付、「低緯度オーロラとISS」撮影の(北海道名寄市日進) うす赤いぼうっと出現した珍しいオーロラも見ることができてすばらしかったです。 (写真は飯沢の発表のようす)

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 なよろ市立天文台への作品寄贈と展覧会

 「全天88星座」をテーマにした作品を、2015年1月、北海道・なよろ市立天文台‘きたすばる’に寄贈させていただきました。作品の管理および公開の一切をお願いできますのをたいへん喜ばしく光栄に思います。天文台ではさっそく、3月17 日〜31日まで作品展を開きました。

 実は昔、名寄と制作上のなつかしい思い出があります。市の依頼で記念品制作をした一時期があり、それは春の林に咲く可憐な白い花 ‘オオバナノエンレイソウ’という 市の花をモチーフにしたものでした。2013年、なよろ市立天文台は開業しますが、その前より訪問をする機会がつづいています。

 ところで、「全天88星座」のシリーズ作品のデザインにハーシェル兄妹の偉業を称えて、日本ハーシェル協会会報ニューズレターをはじめ、代表幹事木村精二さん(当時)、協会員の方々より多くの資料や刺激をいただきながら制作したことを、いま一度感謝をこめて記したいと思います。そのひとつは、‘カロライン・ハーシェルが発見した8個 の彗星’(長谷川一郎/ニューズレター第100号〜104号)、‘カロラインのもうひとつの彗星とその軌道’(同/天界975) の記事にであい、星座デザインにカロライン彗星とその経路をとり入れたことです。そればかりではなく、作品「カロライン晩年の肖像」ほかの創作にもヒントを得ています。

 星座シリーズは毎年の個展を国内、英国 (バース、スラウ市)で新作発表を行い、協会員の方々、多くのみなさんにご覧いただきながら十数年後完成、2007年からは全作品を一堂に展示してきました。このたび代表作‘全天88星座’シリーズが、ふるさと北海道の公共天文施設に受入れられ嬉し く思います。


 東亜天文学会2014名寄年会で作品展示

  東亜天文学会2014名寄年会に、‘88星座と「アイヌの星」をテーマにした 七宝作品’が招待されました。北海道で2回目の開催となった同年会が10月11日〜12日 なよろ市立天文台で開催され、「天界」2014.10月号に拙文が掲載されたことで原作の七宝展覧会のお誘いをいただき、実現しました。

 私は日本ハーシェル協会所属で登録 し、札幌天文同好会のご協力のもと参加してきました。今回、全国から来られたみな さんに「アイヌの星」シリーズや、銀河をテーマにした「星の踊り」、「光の渦」を ご覧に入れる機会を得て実りある交流ができました。(写真は年会の作品展)  

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(2015年4月11日 受領)


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