代表幹事の部屋 (事務局長の小部屋・改題)


No.23 <2010年7月20日> 
  我が新雑文 My New Literary Miscellany <3>への補遺より

※前号に続き、木村代表が発行されている「我が新雑文 My New Literary Miscellany」第3号〜6号から、主に天文とハーシェル関係の文章を抜粋して転載します。(管理人)

 筆者が雑文を汚した天文誌は、主として星の手帖社の季刊誌「屋の手帖」と地人書館の月刊誌であった。少し思い出を記すことを許していただこう。

  前者は、花森安治さんの「暮らしの手帖」を真似たと噂される季刊天文誌「星の手帖」の発行所である。超一流出版社の重役であった天文好きの阿部昭さんが、1978年にその職を投げ打ち、私財を投じて設立したといわれている。一介の天文アマチュアに過ぎない筆者の原稿を良くぞ取り上げてくださった、と感謝で一杯である。紙面を汚した拙稿のテーマは日食とハーシェルが主で、始めは手書き、後半ではワープロからMS−DOS。後者の拙稿を持ち込むと、阿部さんは、目の前で紙面に変換、あっという間に割り付け。戴いた原稿料は百万円近かったろうか。惜しむらくは、僅か15年60巻で93年に終巻となってしまったことだ。今世紀最大ともいわれるトカラ日食までには復刊を、という願いは叶わなかったのである。

  もう一社は「天気と天文」「天文と気象」から「月刊天文」へと誌名こそ2度も変わったが、天文の定期刊行物ではかわりのない老舗。数十年にわたってお付き合い下さった。感謝一杯である。1950年代から単発、或いはシリーズで書かせていただいた。特に1年継続の「○月の天文現象」では勉強させて頂いた。と言うのは、いくら好きな道とはいえ、分野によって不得意な天象がある。ほんのちょっとしたことでもミスってはいけない。読者は何万と居られるのだ。先輩(小林悦子さんと記憶する)の文章を熟読して学んだ。

  両誌とも、初めての原稿が活字になったときのときめきは忘れがたい、といえば大げさだろうか。懐かしい思い出に満ちているのである。


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