「全天88星座の七宝展 partU」2013 を開催しました
  9.27→10.2   黒い森美術館(北海道北広島市富ケ岡)にて


飯沢 能布子  

 9月末ともなると北海道は朝夕の急激な涼しさに秋を実感しますが、今年はまだ暖かく会場の黒い森美術館はどこまでも深い緑の中にありました。札幌から千歳方向に国道36号線を車で約40分、北広島市輪厚(ワッツと読みます。アイヌ語で‘肋骨のような川’の意)にさしかかると、道内で最も古い輪厚ゴルフコースのある緩やかな起伏の黒々とした森林が広がる一帯で、富ケ岡の静かな林の坂道を下るとほどなく館が見えてきます。


(左)黒い森の会場の様子、 (中央) ハーシェル兄妹の絵皿と「星座とカロライン彗星作品」、(右) 大作「天の川」と「カロラインの肖像作品」他
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 北広島に所を得て2度目は、大作‘天の川’、 88星座の中でも夏の大三角、さそり座、てんびん座をはじめ親しみやすいものが多い夏の星座に限定した19点、アクセサリー小物を展示しました。そのうち、カロラインが発見した彗星を夏の星座にデザインとして取りこんだ5作品や、ハーシェル兄妹の肖像の作品などにより、業績の一端を紹介するコーナーを設けました。ところ変われば新しい観客や常連の方、天文ファン、熱心な家族連れも、星座とカロライン彗星や、絵皿に肖像と彗星探査に使用した望遠鏡を描いた説明に興味を持たれたと思います。また、ハーシェルコーナーの兄妹のシルエットを描いたペーパーウエイト、ブックマーカー、ブローチ、ループタイの小品を手に取り、七宝の表現に見入る方もあります。夏の星座はおなじみのものが多いとはいうものの、じょうぎ座、たて座、おおかみ座、さいだん座、りゅう座などはじめてとじっくり見る方、また、星座の神話に詳しい方と旧知の仲のような楽しい出会いもありました。‘ハーシェルさん’と、親しみをこめた常連さんが、2004年春、シャーロットさんの(日本ハーシェル協会20周年を記念して、英国よりウィリアム・ハーシェルから6代目の直系子孫シャーロット・ハーシェル夫人が来日し特別講演を行った)札幌での講演会の思い出をなつかしく話され、往事を思い感無量でした。

 

 

  ハーシェル兄妹の絵皿(同)

 ところで、協会ニューズレター100号〜106号に「カロライン・ハーシェルが発見した彗星」は長谷川一郎博士(東亜天文学会々長=当時)が、「カロライン・ハーシェルの彗星捜査望遠鏡」は木村陽一氏により掲載されています。さらに、長谷川先生による「カロライン.ハーシェルが発見した彗星」の講演会が2000.9月24日北海道・長沼町図書館ギャラリーで開かれたときには、東京、札幌から協会々員11名が参加し、町内外から一般、天文ファンが集い、あわせて七宝作品展を開催したことは特別な思い出となっています。

  黒い森の展覧会は先日ぶじに終わりました。88星座作品展は、いつの場合にも思いがけない出会いがあり感動を与えられます。

(2013年10月17日 受領)


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