今回の更新時のおすすめ紹介
（２００６．２．２２）

2006年2月のサイト更新にあたりまして，新しく手に入れましたCDの中からおすすめをいくつかチョイスしてご紹介したいと思います。
まずは，その１。

Williaｍ Alwyn
　Symphony Nos.1 & 3
David Lloyd-Jones/ Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
*NAXOS(8.557648)

2004年からNAXOSでは，いよいよアルウィンもラインナップに加えるようになってきました。このCDはその第3弾。これまでにリリースされたNAXOSのアルウィンは，交響曲第5番＆第2番，ピアノ協奏曲第1番＆第2番を入れたアルバムが出ていますが，これらはいずれもよい演奏です。今回紹介するCDに劣らないで出来だと思います。

さて，今回の交響曲第1番と第3番のCDですが，曲自体の紹介は「アルウィンのページ」にゆずるとして，演奏面についてみてみると，これはなかなかの名演。ヒッコクス/LSO盤をしのぐものと私は思っています。ヒッコクス盤は，少々演奏が粗かったのでイマイチの感があったのですが，ロイヤル・リヴァプール・フィルの演奏のうまさもさることながら，ロイド・ジョーンズの指揮もきっちりと曲をうまいことまとめてます。

Arthur Bliss
　Mêlé℮ Fantasque
　Checkmate: Ballet in One Scene with a Prologue

David Lloyd-Jones/ Royal Scottish National Orchestra

*NAXOS(8.557641)

ここ数年にわたるNAXOSのラインナップは非常に充実しています。特にイギリス物の充実度は非常に高いといえるでしょう。ブリスの代表作でありながら録音が少ないバレエ音楽の「チェックメイト」が出たのは，非常にうれしいですね。「チェックメイト」は組曲でハンドレイの名盤が出ていますが，ロイド・ジョーンズの演奏も，曲の持ち味を生かしていた優れたものです。

ただならぬ気配を感じさせるプロローグなどは，サスペンス小説をひも解くかのようです。まあ，ずっと緊張感を保ったまま曲が展開していくわけではなく，途中でちょっとコーヒーブレイクとでもいうように，ライトな曲も織り込まれているのは，なかなか心憎い演出です。ずっと緊張しっぱなしだと疲れますし，中だるみしちゃいますもんね。

なお「チェックメイト」には，H.G.ウェルズ原作の映画「来るべき世界」で挿入曲として使われているものが1曲あります。わかる人は，かなりな映画通かもしれませんね。

George Dyson
　At the Tabard Inn - Overture
　Concerto da Chiesa for String Orchestra
　Symphony in G major

David Lloyd-Jones/ Bournemouth Symphony Orchestra
Duncan Riddell (vn), Helen Cox (vn), Stuart Green (va), Timothy Walden (vc)

*NAXOS(8.557720)

またまた，ロイド・ジョーンズです。この指揮者は，地味ではありますが手堅くよい演奏を披露してくれます。ダイソンの交響曲は，ヒッコクスの秀演がすでにCD化されていますが，ロイド・ジョーンズ盤もヒッコクス盤とならぶ演奏でしょう。

ダイソンの交響曲は，最初のうちは曲の展開が唐突でせわしなく，さまざまなフレーズが入り乱れるような感じがするので，なじみにくい方もいらっしゃるかもしれませんが，これが聴き込んでいくほどに良くなってくるんですな。特に第2～第3楽章の牧歌的な雰囲気は，心を和ませてくれることでしょう。さらに第4楽章のコーダへ向かって展開されるフレーズはなかなか感動的です。カップリングの快活な「タバード亭」とミステリアスな雰囲気を持った「教会協奏曲」もおすすめです。

Frank Bridge
　String Sextet in E flat major
　Lament for two violas
　String Quintet in E flat minor

The Raphael Ensemble

*hyperion(CDA67426)

ブリッジの室内楽作品は，非常に味わいがあってよいものが多いのですが，この弦楽六重奏曲もすばらしい作品です。1楽章の冒頭などは，ブラームスを彷彿とさせる重厚かつ繊細なフレーズに耳を奪われます。ドイツ的なロマンティシズムが漂う作品ではありますが，ブリッジ特有のもやがかかったような叙情的な響きも健在です。

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