可燃物な日々

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4月16日(火)

 上司が「金曜日までに3月分の試算表できますか?」っつうので、うううううんんんん、としばらく思案してから「できます」と言ってしまったので(「できません」と言えない損な性格)、今日はガシガシと3月分の伝票を打ったが、まだ半分。1時間ほど残業してしまったが、現金出納は新人の子がやってくれてるし、私は彼女が伝票入れたのをチェックしたりするだけなので、相当ラクになった。だんだん仕訳にも慣れてくれれば、もっとラクになるはず。今日も、「保険料とか年会費は消費税が非課税なの」とか説明したが、そういう色々と憶えてもらわないとならないことが多々あるので、じょじょにやっていくしかない。

 それでもほんとに随分と精神的には余裕がでてきたので、今日も久々にプールに寄って泳ぐ。腰や背中が弱っているので、だらだらと15分くらい泳いで、あとは水中歩行したり、サウナに篭ったりだけど、やはり手足を伸ばすと気持がいい。

 そんなこんなで、ここ最近は電車の中で本を読む気も起きないくらい消耗してたし(目が疲れていたので読書できず)、せっかく芽生えた映画心も停滞気味だったが、また復活できるだろうか?そろそろETもやるみたいだしね。
 まあ、一時的に猛烈に仕事してしまったが、やはり性に合わないので、のんびりやりたいもんである。

 しかし、ちょっとまた個人的に「めんどうなこと」に首を突っ込もうとしているような・・・・・・どうなるのかな?
 なかなか「老婦人の夏」(たしかドイツ語で小春日和のことをそのように表現するとか)のような日々を送れなさそうな、35歳の春なのであった。



4月15日(月)

 なんだかギャースカわめいているうちに4月も半ばになってしまった。
 月曜日だし支払日だったので、支払の組戻しを処理したり、残高が不足になったという口座が出てしまい、上司が会議中だったので、即時振り込みができなくて(一応できるのだが、ちと不安だったので)食事中だったのに、銀行に駆け込んでキャッシュコーナーから振込みをしたり、今日から入る社員がいたので、交通費の清算の説明したり、現金出納も多かったので、その仕訳などを新人に説明したり、その合間にもまだ入力が終ってない3月分の伝票をせっせと入れていたり、歯も磨かず化粧直しもしなかった。トイレに行くと、みんな優雅に化粧直しをしているので、私もかくありたいと思うことは思うのだが、こんなに余裕のないときに化粧直しなどしたら、力んで眉を濃く描いてしまったり、そのくらいならまだいいが、うっかり頬っぺたに渦巻きとか描きたくなりそうだ。(バカボンで〜す、とかさ。あ〜くだらね〜)

 金曜日にMちゃんとご飯を食べたときには、いつものようにバクバク食えたのに、やはり今日のお昼も全部食べられず。やはり仕事中は食欲が減退するようだ。落ち着かないのが一番良くないのだろう。わりとデリケートじゃん。

 すっかり、やさぐれているのだが、昨日の日記を読み返すと、ほんとにやさぐれているな。なんだか、ああいう書きかたをすると、ほんとに相手が冴えないやつだと言い切っているようで申し訳なくなるが、まあそれも否定はしないけど、でもあそこまで書かれるほど悪い人なわけでもないし、ほんとにすいません。読んでないだろうけど、一応謝っておきます。悪いのはあなたではなくてうちの親です。

 よくこういう話をすると、「ちゃんと親に嫌だって言えばいいじゃん」と友達からも言われるのだが、自分ではちゃんと嫌だって言っているつもりだし、それに昨日も「だから、言っておくけど私は友人も多いし、知り合いも多いし、男の人と知り合う機会も多いの!」と、やや大げさに言ったのだが、母は「そりゃ、友達はいるんでしょうよ。でも、たくさんいたって、その中であんたと結婚したいっていう人がいないんだから、しょうがないじゃない」とか言うので、すっげえ傷つく。
 とにかくどんなにこっちが理屈を並べても、「結婚してない」という事実を前にはなんの言い訳もできないというか聞いてくれないのだ。
 親の理屈としては「でも、あんた、このままじゃ淋しい老後よ。誰も世話してくれないのよ」というのがポピュラーなのだが、その理屈が私にはさっぱりわからないのである。そりゃ、世話してくれるかもしれないけど世話もしないといけないじゃん。結婚さえすれば、安泰な未来が待っているとはとうてい思えないのだが、私が間違っているのだろうか?
 
 などと反論しようものなら、「そうやって今は楽しいかもしれないけど、年とったらほんとに悲惨よ〜」とカソリックの「地獄の炎に永遠に焼かれる」みたいな説教を延々と展開されると、マジに恐ろしいので、その恐ろしさを一時的に回避するために「わかった、会うだけ会ってみるよ」とついつい言ってしまうのであった。
 別にそれで親を憎んでいるわけでもないが、とにかくなるべく自分のことを思い出してほしくないので、実家にはほとんど近寄っていない。ここ最近はほんとに正月しか立ち寄らないくらいだ。(ドアtoドアで、1時間弱なのに)
 なのに母は「たまには遊びに来なさいよ〜」と言うのだが、説教されるのわかっているので絶対に近寄らない。外で食事するときにはそこまで「地獄思想の植付け独演会」にならないので、わりと大丈夫なのだが、敵地に閉じ込められると逃げ出しようがないのである。

 そんなんで精神的にもグッタリだし、仕事も忙しいしで、また今日も鍼灸に行った。たまには自分にご褒美でもあげないと、ほんとにやってられんわ。
 
 親の悪口も書き飽きてきた。心配してくれなくてもいいから・・・・てゆーか、娘の老後を心配してくれるんだったら、遺産でも用意しといてほしい。すてきな老人ホーム(ってどういうのだろう?庭で象を飼っていて乗り放題とか?ついでに美少年の象使いが配備されてるとか?)に入れるくらいのさ。



4月14日(日)

 毎日のように新聞やテレビのニュースでは「幼児虐待」を報道しているが、「児童相談センター」では、「児童」の年齢制限はあるのだろうか?35歳で駆け込んでもいいですか?「うちの親が虐待するんです!」って。

●たぶん、事の発端
 祖母の具合が悪く、祖父もかなり参っているので、母から「あんたもたまには手伝いに行って」と言われたのが3月10日。その時に腰を痛めてしまったのだが、その後、母から電話があり「ありがとね」というお礼とともに、「ああやって、今までは家事なんか一切しなかったお爺さんが、お婆さんの世話をしているのを見ると、あんただって結婚っていいなあと思うでしょ」と言われたので、「そういう問題?」と思ったのだが、どうも私がちゃんと祖父母宅に顔を出したので「うちの娘はやっぱりいい子だ。それに、すぐに行ってくれたということは、わりと暇なんだろう。デートする相手もいなんだろう」と勝手に判断した模様。

●数日後
 母よりまた電話。あいかわらず祖父が愚痴っているようなので、また行ってあげてね、という話題の後に、「それで、前から話していたじゃない?お父さんの会社に独身の人が何人かいるって・・・・」
 そりゃ、独身の人くらいフツーいるだろう、うちの会社にだってオーバー30独身男女はゴロゴロいますよ。と聞き流していたのだが・・・・つうか、逃げ回っていたのだが・・・・・だって、やだ〜お父さんの部下なんて〜(別に父の職場にケチつけたいわけではないけど、ふつう嫌でしょ?)

母「それでやっぱり一回会ってみない?」
私「え〜〜〜〜?あんまし気が進まないなあ?」
母「うん、わたしもね、お父さんには、ミヤノにも決まった人がいるから聞いてみないとわからないって言ったんだけど、そういう人がいるの?」
私「・・・・・・・・(なんとも言えないところが辛い)・・・・・・・う〜ん」
母「ねえ、だから、そういう人がいるなら仕方ないけど、そうじゃないんなら色々会ってみないとわからないじゃない?別に、すぐに結婚しろとか言っているわけじゃないんだから」
私「・・・・・・・・(なんでうちの両親は私を「全く出会いが無いのだろう」と決め付けるんだろう。このくらいの年齢のOLさんたちよりは交友関係が広いと思っているのだが。それで、いつもこんなこと言われているので、普段の会話でも過剰に知り合いや友人の多いことをほのめかしているのだが)・・・・・・」
母「お父さんからも、話があるって」

 ゲゲッ?今まであまりこういう話では表舞台には立たないはずだった父登場?また母に変なハッパかけられたな?変なハッパかけるとキツネになっちゃうよ?

父「うん、そういうわけで、会ってみないか?」

 父とは普段あんまりその手の話題を話し慣れていないので、(そもそも父は無口なのであまり喋らない)娘はどう対処していいのか混乱してフリーズ。こういう際のプログラムが書き込まれてないのである。

私「う・・・・うん」
父「じゃあ、お母さんに代わるから」
母「じゃあ、いつごろがいい?」
私「う〜ん、3月はかなり予定が詰まっているけど・・・・・4月だったら・・・・・」
母「わかった。じゃあ、また先方に連絡して予定を確認するわね」

 電話終了。電話の向こうで「私が言ってもダメだけど、お父さんが言うと、あの子素直に聴くわよね」とか盛り上がっている様子が想像できて、非常に悔しかった。

●4月に入って
 そうこうしているうちに、会社の人事異動が発表され、比較的暇なはずだった4月の現状は毎日日記に殴り書きしてストレス発散している通り。しかし、うちの親はやると言ったらやる人たちなので、「この忙しい最中だが、そんな言い逃れは絶対に出来ないな」と覚悟はしていた。

 やはり、4月の第1週目に私のスケジュールを確認してきた。「空いているのは、14日と、あと21日に国立に夕方行くことになりそうだから、その日の昼間もあいている」と言うと、
母「でも、夕方予定があるなんて言ったら失礼じゃない?」
私「そういうもん?ついでの方が気楽でいいじゃん」
母「でも、先方が気を悪くしないかしら」

 私の「気」はすでに最悪なんですが、わかってますぅ?

 そんで、先方について、母もあまり詳しくは知らないのだが「たぶん、40いくつらしいのよ」とのこと。ふ〜〜〜ん。まあ、自分だっていい年なんだから、多分私が「結婚したいからお見合い相手紹介してくださ〜い」と積極的に活動してもあてがわれるのはそんな年齢の人なんだろう。「30歳過ぎたら、再婚の話しか来なくなる」なんて話もよく聞いたし。

 まーとにかく、どーでもいーので早く済ませてしまいたい。とにかく、なぜか突然ダブルスを組んだ両親の勢いに心底怯えているので、この恐怖から逃れられるのなら、なんでもいい・・・・・と、ヤクザが借金取りに来たので、なけなしの生活費を渡してしまう弱気な多重債務者・破産手続申請中の心境なのである。

●先週月曜日

 留守電に母からメッセージが入っていたが、鍼灸治療後にそんなもんでまた体に毒素をちりばめたくなかったので無視して寝る。

●火曜日。渋々電話する。

母「で、どーするー?」
私「どーするって、どうすんの?」
母「何時にどこで会うとか」
私「あのさ、私今週、超忙しくて、日曜から働いてて、昨日は腰の調子がまた悪くなってきたから、鍼灸師のとこに行ってきて、なんとか出勤しているというズタボロ状態なの!」
母「あら、たいへんねえ。で、どうする?」

 ・・・・・・・娘を片付けたい一心というか、そのことで頭いっぱいらしく、こっちの都合など全く耳に入らないようだ

私「だから、そっちで決めていいから。とりあえず、土曜も仕事なんで、日曜日はゆっくり寝たいから、午後の2時以降にしてほしい。」
母「場所とかは?」
私「場所くらい先方に決めさせてよ。私が手配してもいいけど、こういうのって女のほうで、パッパと決めちゃったら可愛げないんじゃない?そりゃ、私は慣れてますよ、そういうの。」
母「それもそうねえ。向こうのご都合も聞かないとねえ」
私「とにかく決まったら電話して。そんでまた会社に電話しないでね!!!!!」

 月曜の昼間に、「14日に決定だから、詳しいことはまた今夜ね」と会社に電話してきたのでキレそうになったのだ。会社に電話してくるのは誰かが死んだときだけにしてほしい、と何度も言い聞かせているのに〜〜〜〜〜聞きやしないんだから、モーーーーーーーーー。

●木曜日

母「先方は、2時でいいですって。で、場所とかどうする?うちの近所にする?私も行こうか?」
私「お母さんも立会いたいの?」
母「ううん、そういうわけじゃないけど、初対面の人といきなり二人だけで会うのも緊張するかと思って・・・・」

 前回の時にも二人だけで会ったのですが、お忘れですか?

●金曜日

父「今から携帯の番号教えるから、それにかけて本人同士で待ち合わせとか相談しなさい。ほんとはお父さんが紹介だけでもしたかったんだけど、ゴルフでいけないから」

 この世にゴルフというものが誕生したことを
 今日ほど喜ばしく思ったことは無い!

 「ゴルフ神社」があったら、お賽銭フンパツしちゃうわ。

 しかし、ただでさえ電話かけるのが苦手(かかってくるのは好き)な私には、そんな見知らぬ人に電話をかけるという作業がどれほど苦痛か・・・・電話番号教えてかけさせてくれよ、まったくよー。よーよーよー。(ひとり淋しくグレている)
 チョー気が乗らない。こういうときは、いつもそうしようと思ってもなかなか実行できない憧れの信条

 「明日できることは今日やらない」

 を思い切って実行してブッチしよ。まあ、問題先送りしているだけだが、ちょっとはグレさせてよね。

●土曜日

 母から留守電。「どうなった〜?」
 崩れ落ちそうになるが、ふんばってとりあえず、相手の携帯に電話するが「電波の届かないところにいます」。
 それで怖かったけど、仕方なく実家に電話したら父が出る。

私「いや〜昨日はちょっと電話できなくて、今やっとしたんだけど、電源入ってないか電波が届かないらしくてさあ」
父「え?どういうことだ?繋がらないのか?番号違ってないか?」
私「電車に乗ってるのかも・・・・まあ、とにかく今日はもう遅いから、明日かけてみるよ」
父「こっちからも電話してみる。まだ寝ないだろ?今、何時だ?」

 もう12時過ぎてた、ちょこっとテレビ観てたけど、1時になってもなんの連絡もないので寝た。

●そして当日

 電話の音で目が覚める。

父「いまだったら電話が繋がるから電話しなさい」

 8時だった。娘を過労死させる気ですか?とりあえず、とにかく眠かったので無視して眠る。
 また電話が鳴る。

母「どうだった?どこで会うことにしたの?」
私「まだ電話してない・・・・・・」
母「やーだ、眠そうな声ねえ」
私「だって、今日しか休みがないんだよ。ちゃんと寝かせてよ・・・・・」
母「ほらほら、もう9時よ。そろそろ起きて、電話しなさい!」

 泣きそう。眠くて泣きそうだ。
 ただでさえ乗り気じゃない娘を睡眠不足で不機嫌にしたら、上手くいくもんも上手くいかないのではないか・・・・とか、考えないんですかねえ。

 どなたか、うちの両親の目に刺さった氷の破片をとってくれませんか?

 それでもがんばって、電話に怯えながらも、9時半までウダウダし、コーヒー飲んで少し頭の中を整えてから先方に電話してみた。
 なぜか先方の方がよくわかっており、「なんだかお話を聞くと、とても仕事がお忙しいようで、大丈夫ですか?」
 どうやら私の「忙しい、暇がない」という状況をそのまま伝えているらしく、先方は恐縮している様子。そして、「僕の方は、いつも暇なんで、無理して今日にしなくてもいいんですよ?」

 そう言ってもらえるのはありがたいが、先延ばしすると私の苦悩が増すばかりだ。「いえ、大丈夫です。それに、今日を逃すと、またしばらく予定が詰まっているので」
 
先方「じゃあ、どうしますか?」
私 「どうしますって・・・・・」
先方「いえ、場所とか・・・・・・」

 うううう、やっぱりノープランなの?

私 「ええと、井の頭線から行くので、吉祥寺くらいだと助かるかなあ・・・と。でも私も詳しくないんです」
先方「僕もさっぱりです」
私 「じゃあ、やっぱり実家の駅のほうがいいのかしら。親はそう言うんです」
先方「でも、あのあたりも何もありませんけどねえ」

 しばらくあれこれ話してみたが、どうも向こうは完全にお任せモードで、多分私の都合のいいように、ということを考えてくているのだろうが、なんにも提案がないというのもちと淋しい。結局、

私 「はあ、じゃあ、吉祥寺にしてください」

 ということにして、私の簡単な服装を説明し、もしわからなかったら私が携帯に電話をかけるという段取りにした。やっぱ私が仕切っている。

●ご対面

 時間きっちりにお相手Aさんも現れた。
 40歳すぎとは聞いていたが、ほんとにそんな感じだった。そこで「終った」という感じだったが、そうもいかないし、それに「人間顔ではない」とも思うし。でもだいたい一目見ればわかるというか、私は今までに「一目でいいな」と思った人以外を好きになったことがないので(面食いとはまた別次元で)、経験値からそう分析しているのであるが、私の分析が絶対だと言い切れる自信もない。

A「それで、どうしましょう?」
私「はあ、どうしましょう?」(一応初対面だし、ちょっと奥ゆかしくしてみたつもり)
A「いやあ、吉祥寺って全然わかんないんですよ」
私「はあ、そうなんですか、じゃあテキトウに歩いて探しましょう。私、今日はまだ何も食べてないので、軽く食事できるところがいいかな」

 というわけで歩き出す。
 結局、5分くらい歩いて見つけた「パスタランチセット」の看板を出していたカフェに入る。吉祥寺のわりと普通のカフェ。Aさんは、その場所が似合いそうもないので、浮いちゃうのも気の毒だし、もっと居酒屋風のところにしてあげたかったのだが、昼間だし、とにかくお腹が空いているので、そんなとこまで考えている余裕はない。

 そんで、私がパスタセットをオーダーすると、Aさんはいきなりビールをオーダー。
 まあ、「気取らない性格」なんだろう。とにかく私は腹減った。

 とりあえず、そこでなんの話題をしていいのかわからないのだが、共通の話題は「父」しかないので、その話ではけっこう盛り上がる。父が酔っ払って作った数々の傷(タンコブとか引っかき傷とか)の話は特に盛り上がる。私も父の会社の人とサシで話したことなどないので、「うちの父、すごく早く会社に行っていたのですが、部下の方々は嫌がってなかったでしょうか?」と聞いてみた。やっぱし「そうですよねえ、まあ部下の立場からすれば、ちょっと困るかな」なかなか正直者でよろしい。私も「そうですよね。私の上司が毎朝8時に来てる人だったら、やっぱ嫌ですもん」

 あとはまあ、他に話題もなかったので、「どうして仕事が忙しかったか」を説明したり、そんな話題のついでで、「メールとかインターネットとかやりますか?」となり、Aさんは自宅にはマシンがないので会社でたまに見ているのだが、会社だといろいろアクセス制限あるみたいだし、と言うので「でも、あの制限もどのくらい有効なのかわかりませんよね」などと、あたりさわりの無い話で進める。

 あんまし自分からは積極的に喋らない人だったが、こっちが喋ると相槌を打つのは上手かった。
 男性からは「いい奴」、女性からは「いい人なんだけどね〜」と言われるタイプであろう。

 しかし、どうやら無趣味のようで、「仕事」と「同僚と飲みに行く」以外にこれといった活動をしていないので、話題に困る。
 そんで1時間くらい主に私が喋っていたら、

A「この後どうします?」

 もう帰りたかったが、いくらなんでもそれじゃーなーと思ったので、

私「はあ、どうしましょう?」
A「時間は大丈夫ですか?」
私「ええ、まあ」
A「と、言っても、昼間の時間の潰し方ってよく知らないんですよね(笑) 夜だったら飲みにいけるんですが」
私「・・・・・・・・」

 どうやらホントに酒飲みらしい。こりゃ父のお気に入りなのわかるわ。仕事もマジメだし、性格も地味で、一緒に飲みに行くと楽しい人材なんだろう。
 ・・・・・・って、もしかして、「こいつとうちの娘が結婚して義理の息子になってくれれば、自分が退職したあとでも、飲み友達を一生キープ」とか考えてねーだろーな?いや、うちの父はそんな策略めいたことを考える性格でもないので、単に「自分が好きだから、娘にもお勧め」してるんだろう。

 結局、しばらく外をぶらぶら歩くが、それだけじゃ間が持たないので、「公園でも行きますか?」と提案して、井の頭公園に行く。
 そこで散歩しながら、

私 「あの〜、肝心なこと伺ってなかったんですが、花嫁募集中なんですか?」

 Aさんは照れくさそうに「まあ、そういうわけでもないのですが、でも、気がついたらこの年になってしまって・・・・・」と言うので、「おいくつでしたっけ?」と確認すると45歳だった。

私 「じゃあ、けっこう周りの方にもご心配されるんですか?」
A 「そうですねえ、ミヤノさん(父)にも、いろいろ心配していただいているようで、それでお嬢さんはどうかとずいぶん前からそういう話はあったんですけど、ミヤノさんも○○(父の役職)だったときには、強く言いづらかったんじゃないですか?」
私 「ああ、私もそう思います。私もAさんのことは前から聞いていたのですが、この時期に父がこんなに介入してきたのは、もうすぐ退職だから気楽にやれるようになったんだと・・・・でも、ということは、うちの父は結婚しないで心配な部下と娘を両方いっぺんに片付けてしまおう、という相当、都合のいい作戦をたてたわけですね?」
A 「ははは・・・まあ、そうですよねえ」

 で、その後は、井の頭公園の巨大な鯉を眺めつつ、奥のほうではフリーマーケットが開かれていたので、私は思わず、ローズ・ヒップとかラベルが汚れているので安値のアロマオイルとかを買い、Aさんに「それって、そのままお茶みたいに飲むんですか?」と聞かれたので「ハーブ・ティはけっこう流行ってますよ」と説明しつつ、中央線沿線在住で長いのに「へえ、吉祥寺の公園ってけっこう広いんですねえ」と驚くAさんと池を一周し、公園を出て丸井の横を通り過ぎ、駅に戻る途中で、

私「じゃあ、そろそろ今日はこの辺で・・・・・」
A「ああ、どうします?」

 いや、「もう帰ります」と言ったつもりなんすけど・・・・・

私「いやー、今日しか休みがないんで、洗濯ものが溜まってまして」
A「ああ、大変ですよねえ」
私「そうなんですよ。掃除はほっといてもなんとかなりますが、洗濯しないと着るものなくなっちゃって」
A「ああ、僕も一週間まとめてやってますよ」

 と、「単身者同士のフツーの会話」を交わして「じゃあ、今日はどうもありがとうございました」とそそくさと改札に向かった。

 家に帰るともう日が傾いていたが、シーツを洗濯。ああ、いい天気だったな。布団干したかったよな。
 はあ、いったいなんだったんだろう?
 別に悪い人ではなかったのだが、なんであそこまで存在感が薄いのだろう?てゆーか、自分の魅力を最大限引き出そうという努力をなんで全くしないのだろう?受け答えから察するに、頭の悪い人ではないのだが、主義主張が全く感じられなし、自己アピールもしてくれないので、感じは悪くないのだが、もう一度会いたいという気は全くしない。

 それに私はたとえ初対面の人にでも自分のいいと思われる部分はもちろん、かなり悪いところまで晒してしまうタイプだと思うので、「それでも私と友達になりたい人は大歓迎」という荒っぽいやり方をしがちだが、当然リスクもあるわけで・・・・よくわかんないけど、上手く言えないけど、なんというか、「ああいうやり方はズルいよ。人任せにするわけ?」とか思ってしまう。

 ああ、そうか、よく友達が怒っているけど「結局、自分というものが無い人が多すぎるよ」という意味がやっとわかった。
 たぶん、あの人が女性だったら「黙ってニコニコついてくるタイプ」になるのだろう。

 そうか・・・そう考えるとわかりやすい。勉強になったぞ。(なんの勉強よ?)

 「モテない男」というのは古風な女性みたいなタイプが多い。

 まあ、いいんですけど・・・・貴重な休日を棒にふった恨みでこんなに書いてしまったが、これから親に「ご報告」しないとならないんだけど、嫌だなあ〜秘書がやってくれないかなあ・・・・・・(秘書を私物化してはいけません)・・・・・伝書鳩に「ダメでした」とか送ってもらおうかなあ・・・・・・電報打つっていう手もあるなあ「サクラチル」とかさ・・・・・・

 そういえば「日出処の天子」でも、厩戸くんが「なんとかしれくれよ」とか悩んでいたなあ。フフ、同じ悩みね。(あ、石投げないよーに)

 で、クヨクヨしていてもしょーがないので親に電話。
 「あらー、どーしよー」とか言うので、クドクドと「あまり気に入りませんでした」という気持を精一杯伝えるが「でも、一回だけじゃわからないじゃない?」とか突っかかってくるので、「でも、おかーさんだって、別に男性じゃなくて女性相手だって、1時間も喋れば、またこの人とは是非会ってお話がしたいとか判断つくでしょ?」などと、いちおーちょっと涙声で理詰めで説得したが・・・・・わかってくれただろうか?

 わかってくれなかったら、やっぱ「児童相談所」に駆け込むしかないのかなあ〜
 あ〜めんどくさ〜



4月13日(土)

 出勤。
 新人の子にゆっくり仕事の説明をしながら、自分の査定表をじっくり記入する予定だったが、けっこう他にも出勤している人がいたので、思いがけずバタバタする。でも、まあ、査定表は書けたし、新人に月曜日にやる仕事の指示などもゆっくりできたので、おおむね予定通り。
 これでやっと長い一週間が終了。お疲れ様でした<私。

 Mちゃんと会う約束をしていたので、三茶で待ち合わせてエスニック料理屋で食事。
 香港のお土産もいただく。亀ゼリーは見つからなかったらしいのだが、代わりに「仙草ゼリー」と「ローヤルゼリー」を貰う。体によさそう。ありがとう。
 自分の仕事の愚痴を聞いてもらうつもりだったが、やはりMちゃんの愚痴のほうが凄い。残業だけでも私の4倍くらいやっているので太刀打ちできない。

 愚痴以外では、「ベッカム骨折でW杯絶望」のニュースを教えてもらう。どうやらアルゼンチンの選手のラフプレーが原因のようで、そうなると、ただでさえ「因縁の対決」としてヤバイと目視されている札幌の「イングランド対アルゼンチン戦」が、「血ぃみるで〜」という状況になるのではないか?とか。
 Mちゃん&Tさんコンビは、韓国で2試合、日本で3試合くらい観に行く計画になっており、「W杯ビンボーだ!」と、嬉しい悲鳴をあげていたが、「おいおい、君ら、今回のW杯は、次回ドイツに乗り込むための予習だとか言ってなかった?予習で本気出してないか?」と軽くつっこむ。

 「フジロックは今年はどうするの?」「う〜ん、そこまで金がもたないかも」(有給休暇もね)
 「でも、今年はペット・ショップ・ボーイズだってよ?(笑)去年のニューオーダーといい、いいとこ突いてくるよね」「うう〜ん、ちょっと観てみたいかもねえ。星空の下での衣装換えとか(笑)」「星空の下でGO WESTを合唱だよ?(カラオケ得意曲。二人で唄うとかなり楽しい」

 私はちょっとケミカル・ブラザーズがまた観たいなあ。グラストンで見たときに、ストロボがバシバシですっごくカッコよかったのだ。「あの凄いライトをもっと浴びたい!」と前に行きたかったが、足元が田んぼのようだったので、100メートルくらいまでしか行けなかったのだが、それでも凄かった。その時があまりに良かったので、その後、来日しても「リキッドとかで観ると多分ダメだろうな」と思ってパスした。アンダーワールドも最初に観てしまったRAINBOW2000(日本ランド)のときが、ペルセウズ座流星群が夜空を走り、その下ではトマトの映像で、その下でパフォーマンスという「すばらしさ三重構造。神様にありがとう」状態だったので、その後、屋内で観てもあまりパッとしなかったのである。

 一度、野外で堪能してしまったものを東京の屋内で見るとがっかりするという法則は、私には経験がないが「海で知り合った異性と街で再会するとショボかった」というのと通じるものがあるのだろうか?



4月12日(金)

 いつのニュースか忘れたが、最近というか今週だったと思うけど、これも幻聴かもしれないが、「外務省の幹部が恋文メールを書いてなんたら処分」というニュースをやっていて、私用メールがなんでバレたかというと、操作ミスで「全職員が読める掲示板のようなものに掲載してしまった」からだそうで、それだけでもなんとも気の毒な話だが、まあ、今でこそあまり聞かなくなったが、メールが普及しはじめたころは、「不倫メール」を間違って全社員に送付してしまったり、似た名前の人に「今夜、例の場所で」などと送ってしまったりという話はよくあったが、その外務省幹部のメールはなぜかニュースで読み上げられており、すっかりさらし者で、気の毒に・・・・・と思いながら、そのメールの内容を聞いていたら、最後の方の文章に「・・・・また、着信拒否したりしないよね」というようなことが書かれていたので、「なに?」と思ったのだが、私の見ていたニュースではその部分には特にこれといったコメントをつけなかったのだが、着信拒否されてたんですかね?私用メール云々よりもそっちのほうが問題なのでは?

 さて、今日から突然、新人がやってきた。私は彼女のスケジュールを知らなかったので、ただ今週も研修に入るということだけ聞かされていたので、てっきり来週から来るのだとばかり思っていたので、びっくりしてしまった。聞いてないよ〜
 土曜日にゆっくり準備しようと思っていたので、午前中は慌ててしまい、「とりあえず、机を使えるように準備して、このファイルを整理して、あと、前任者から何を引き継いだのかをエクセルでもワードでもいいから、データにして共有フォルダに入れてね」と指示する。

 それで自分の仕事をやりながら、前任者が残していった書類に目を通して、とりあえず彼女が持っていたほうがいいものを渡したり、要らないものは捨てたりとバタバタ。明日は二人とも出勤予定なので、「明日またゆっくり説明するし、現金の引継ぎもやりましょう」ということにした。そして「引継ぎマニュアル作成」の仕事は「手が空いたらやってほしい」という程度だったのだが、定時になっても一生懸命カタカタと打っているので、「それ・・・別にいそいでないから、ゆっくりやっていいからテキトーに切り上げてね」と私の方が先に帰った。

 うんうん。なかなかヤル気満々で頼もしい。元々バイトで働いていた子なので、それをいきなり経理に配属させたということは、かなりしっかりした子なのだと思う。確かに見かけは可愛らしいけど、けっこう落ち着いているし、集中力もありそうなので、これはきっと仕事ができるであろう。
 それにしても、ふと思ったが、私は新卒を指導した経験が無いのである。ただ、人にあれこれ説明するのは好きなのだが、私の説明は長くてクドイ。日記と同じで、ダラダラと喋るのである。どうも性分として「これやっといて。見ればわかるから」と紋切り型に言えない。「そもそも、なんでこういうファイルを作成するかというと・・・・」とその由来から語ってしまうのだ。

 というのも、私は、「その仕事の歴史」を推測するのが好きというか、どうしても考えてしまうのである。それに「そもそも・・・・」を考えないと、その仕事が結局なんのためにやっているのかわからないし、そうなると「優先順位」がつけられない。私のやっている仕事には「この部分は手抜きでもいいが、ここだけはバッチリやらないと」という優先順位は存在するするので、それを把握しておかないで「全てを完ぺきに」やろうとすると、かなりヘタばるはずだ。ある程度、効率よくこなすためには「その仕事の歴史」を知ることは重要だと思っている。

 以前、それで揉めたのは、すっごく、くだらないことだった。派遣の人が、月末になると各部署のタイムカードが必要な派遣社員や契約社員やパートタイマーにタイムカードを配っているのだが、その中で「名前を記入したシールを貼る」タイムカードがあった。派遣の人はただ、印刷したシールを渡されていたので、それをタイムカードに貼って各部署に配っていた。しかし、派遣や契約のメンツはときどき変わるのには対応していなかったので、同じ部署で働いている人たちでも「名前入り」と「名前無し-自分で記入してください」という差が出ていて、別にそれでクレームが来たわけでもないのだが、「なぜなんですか?」と問い合わせが来た。
 派遣の人はその質問に対応できなかったので、その仕事を頼んだ社員に「こう言われたんですが」と相談すると、その担当者が私の上司に「そんなこと言われたみたいなんですが・・・・全員に名前入りシールを貼るべきなんでしょうか?そうなると、タイムカードが必要な人のリストを貰わないと、わかんな〜い」

 それを横で聞いていた私は「その仕事の由来」をたまたま知っていた。
 そもそも、パートのおばちゃんを30人ほど抱えている部署があり、そのおばちゃんたちには昔から「名前入り」を配っていたらしい。誰かが作ったシールが残っていた。ところが、それを誰が作っていたのかわからなくなったころ、そのシールが切れた。それで、その部署の責任者が「シールはどうするんだ?」と大騒ぎしたのである。
 「名前なんて自分で書けばいいいじゃん。それに必要なら自分の部署で作ってよ」と誰もが思ったが、ちょっと手の空いていた総務の社員が「じゃあ、作ってやるか」と名前のデータを貰って沢山出力してあげたのである。そして、その部署では、とにかく勤続20年超のおばちゃんがたくさんいて、なにかと作法にうるさいので、パート人員が増えた場合にも「この名前で新たなシールを作ってくれ」と連絡が来るので問題はなかった。そして、その部署に、いくらかパソコンに詳しい若い社員が入ったので、その人に任せることにした。現場でやったほうがいいに決まってる。

 そして、そのときシールのデータを作成した社員が親切心というか、ついでに他の部署に数人いた契約社員の分もデータに入れ出力しておいたのである。
 それを引き継いだ後任は、「この人たちのは各自送る」として、派遣社員にその仕事を任せた。
 たまに経理にも「タイムカードに名前のシールは貼らなくていいのか?」と問い合わせが来たので、「自分で名前と月は記入させてください」と対応していたので、元からいる契約社員には毎月名前入りが送られてくるのに、後から来た人には無いのはなんでなんだろう?ということになったらしい。

 「ですから、あの部署のパートさん以外は全員、名前は自己記入にすればいいじゃないですか?下手に一部の人に名前入りを送るからややこしくなるんです!」
 と、教えてあげたのだが、現担当者は「でも、こうして送れっていわれたから。なにかに必要なんじゃないの?」と言うことを聞いてくれない。(契約社員のタイムカードは私がとりまとめて、時間を計算して、給与計算担当者にその数字を送ってんの!だから私が要らないと言ったらいらないのだ!と何度言っても納得してくれない)
 しまいには私の上司も巻き込んで「ちゃんと、タイムカードを送る人を管理しておいたほうが・・・」ということになったが、そりゃごもっともだけど、入れ替わりが激しい派遣社員にはすでに「名前は各自記入」としているし、そもそも派遣の場合にはタイムカードで給与を支払っているわけでもなく、派遣会社用のものに記入しているので、こっちの管理はかなりいいかげんなのである。一応回収はしているが、「タイムシートに嘘を書かないように」という脅し以上の役割は果たしていない。(のを知っている人は少ないが、それはあえて宣伝することでもない)だから、私としてはなんとなく「派遣」と「契約」をそういうことで差をつけるのもあまりいいことではないような気もするのだ。
 それに、契約社員だって、きちんと月初めから雇用するわけでもないし、配属先の担当者がいつも「今日から来てるんだけど、タイムカードくれ」と駆け込んでくることも多いので、それを事前に管理するのも面倒というか、「雇うことを決めた時点で知らせてくれればいいけど、私だっていつも月末に見慣れない名前のタイムカードが来て初めて、契約社員が増えたことを知るような状況なんだからさ・・・・・管理するっていったって、事後承諾じゃ対応できないじゃん」と思ったし、そのそも「タイムカードに名前のシールを貼るか否か」で議論するのって時間の無駄にしか思えないし、そういう「簡単だけど、面倒だし、特に必要じゃないこと」はやらなければいいというのが「シンプル イズ ベスト」を信ずる私の意見だったが、信じられないことにその話が、決着するまで半年くらいかかったのだ。

 もちろん、その担当者が一言「ちゃんと誰にタイムカードを送るのか私に教えてください。今後は私が管理します」と言うんだったら、それに応じて前向きに対処するけどさあ。

 「どうしたらいいの?いったいなんで名前入りと無しがあるの?わかんな〜い」「だから、もうやめようよ。全員自分で記入ってことにすればいいじゃん」「でも〜」(で、上司に確認に行くが、上司もどうしていいのかわからない。私が「じゃあ、私がそのリストを管理します!」と言えば済むのはわかっているが、私もそれがめんどくさそうなのはわかっているのでやりたくない)
 を、毎月のように繰り返して、とうとう私がかなりうんざりした口調で「この話でずっと引っ張るのイヤです。時間の無駄。これに関わる暇があったら他のところをもっと管理しましょうよ」と言ったのが効を奏したのか、「名前入りは中止」になったのである。
 たぶん、担当者は「なんだかわからないけど、ミヤノさんがもういいっていうから」というストーリーにしていると思われるが、それでも毎月聞きにこられるよりずっとマシだ。

 というわけで「その仕事はなんのために必要か?」を理解しようとしない人と仕事の話をするのは一苦労だ。
 最近は私も権限ができたので「それはやらなくていい」とか、自分の判断でやっているが、その際にも「そもそも・・・・・こういうわけで、だから必要ないから、いいと思う」と語り聞かせてしまうのだが、みんな聞いてないんだろうなあ〜

 新人さんが、私の「物語体質」にどこまでついてきてくれるかが、今はちょっと不安なのである。

 それにしても、なぜ多くの人は「自分である程度考えて決定する」というのが苦手なのだろう?いつも書いているような気がするが、前任者から受け継いだ仕事のやり方をそのままやろうとする人が多い。それで「必要ない」といわれても、自分の代でそれを途絶えさすことにもの凄く不安を覚えるようで、だったら意味がわからなくても意味がなくても継続したほうがマシらしい。伝統芸能じゃないんだからさあ。
 そういえば、北欧なんかの政治のやり方は「とりあえず、じっくり議論してみて国民投票でも支持されたからやってみよう。そんで、やってみてやっぱ良くなかったらまた議論してやめちゃうかもしれない」というような雰囲気があるらしい。「国民総背番号制」とか「原子力政策」とかがそんなかんじなのかな?
 日本だと「一回決定されたら、もうそれでずっとやることになってしまうので慎重にやらないと」と慎重になりすぎで何も決まらないような気がする。まあ、命にかかわることならいざ知らず、「とりあえずよさそうだからやってみて様子みてまた変えよう」という柔軟性があるほうがいいと思うけどなあ。国の政策はよくわからないが、事務系のお仕事ならね。



4月11日(木)

 ♪(水戸黄門のテーマ曲のメロディで) ド ドドド 怒 怒怒怒 ♪ じ〜んせ〜い楽ありゃ苦もあ〜る・・・・・
 やっと、支払集計の仕事が終わり、一息つけたので、溜まっていた銀行からの郵便物(利息計算書や当座勘定照合表や振込明細書等、たくさんあるのだ)を開封したり、作成した請求書の控えをファイルしたりと、大好きなファイリング系のお仕事をメイペースでやっていた。しかし、今日はなぜか電話が多く、財形貯蓄を一部解約したいと言ってた社員が契約印を紛失したとか(銀行に問い合わせると、本人が連絡して紛失手続きしないいけないとのこと)、給与振込みの口座が違っているという問い合わせがあったので、出張中の社員に確認したら「それでいいはずです」で、労務関係をやってくれている親会社の担当者にそう言うと、「でも、そんなはずはない。もう一度連絡とって直接電話させてくれ」で、また電話して「出張先まで追いかけて・・・忙しいのにごめんね〜でも、急いで処理しないと給料振り込めないからねえ」と私が低姿勢で言うと、向こうは「はあ・・・・」と、他人事のように返事。「それで申し訳ないけど、私が間に入ってもややこしくなるから直接電話してくれます?」と言うと、向こうは「はあ、そんなに急ぐんですかあ?」
 ・・・・・いや、私は別に構わないんですけどね、あんたの口座に給与が振り込まれなくても・・・・・

 まったく、シロートさんは「給与振込」の手続きが中2日くらい必要なの知らないからなあ。業界の常識なんだけどなあ。15日が給与支給日だからまだ先だと思ってるな、きっと。土日はカウントしないのよ!しかも、その人、UFJ銀行の統合時に「口座番号が変わった」と言い張るが、そんなはずはないので、「手元にキャシュカードない?」と言っても見もしないようで、「でも、振込口座を書く用紙に書いた番号で間違いない」と言い張る。
 結局、親会社の担当者が、幸いにもうちのメインバンクの他支店だった支払先の銀行になんとかお願いして、番号を教えてもらったところ、「やはり彼女の書いていた番号の下2桁が抜けてたのよ〜」
 だから、口座番号が5桁(普通は7桁。大手都市銀の個人の普通預金口座で5桁の番号を持っている人はめったにいない)のわけがないって言っても聞かないんだもんな〜中途採用の社員なのだが、ちゃんと仕事できているのだろうか?

 まあ、そのほか、物流部門とまた宅配便の明細の仕訳の件で、作業をしてくれている派遣の人と、社員の担当者が交互に電話かけてくるので、「うん、だから、そっちでいい方法があったらやってみてください」といろいろ最低限、私が必要な数字を説明するが、もともとその仕事はすごくややこしい事情でそんなことになっていて、誰か上の人が一肌脱いでもっとシンプルにしてくれるといいのだが・・・・ そもそも、そんなややこしいものを派遣社員にやらせているので、前の人が辞めてしまって、今月から新しい人が引き継いだので、「なにがなんだかよくわからなくて」と不安がるのももっともだ。前の人のときにも何度も電話で話してもラチが開かなかったので、私がそのオフィスに2度も行って説明したりしたので、また一から説明し直し。やれやれ。

 そんなわけで、今日はなんだかずっと電話で喋っていたような気がする。
 それでも、5時には現金を締めて、さて、あともう一息。もうちょっと片付けてから帰ろうとしたら・・・・例の問題児君、隣の部署の部長が「経費清算していい?」

 いや、別にいいんだけどさあ、そういうことはよくあるし、もう伝票入力も済ませて今日の残高は確認してしまったが、明日の分と言うことでお金は出せるし、私の上司も「じゃあ、明日伝票打てばいいから」と言っていることだし・・・・いいのよ別に。でもさ、あなたはいつも残業している私に「忙しそうだね」「大変そうだね」と声をかけていて、自分が一番わかっているというような態度をとりながら、なんでわざわざ、「口だけで、態度がまったくともなっていない」というのを証明しようとするのかまったくわけがわからない。

 いや、実は根が意地悪で、ぼんやりしているように見えて、実はかなり裏を読んでいる(つもり)の私は知っている。今日のあなたは、ちょっとめんどうな仕事をしていた。親会社に見積もりを出していたのだが、その件でなんか私に言いたかったらしい。よくわからないが、今週あたまから「あの仕事の請求上がってきた?」と2度ほど聞かれているのだ。たしかに私は知らないふりしているが、その仕事は金額的に親会社にドンと請求あげて通るのかどうか、ちょっとややこしいことになっているので、「誰が鈴をつけるのか?」という雰囲気になっていた。
 そんで、その仕事の「仕入」になる、印刷会社の請求書を私に確認させると「ああ、それ、あれだけ言ったのに違うんだよ!」とか言うので、「え?金額が違うんですか?」と言ったら、どうやらその金額を一行でまとめてあるのが気に入らなかったらしく、「○○と○○で分けてくれっていったのに」とかブチブチ言うので、「でも会計上は別に問題ないんですが・・・・」(私にはなんの関係もないよ〜ん、の婉曲表現)と言うと、「でも、請求かけるときに意味があるんだよ」とか引き下がらないので、「そういう明細はそちらで押えておいてもらえば、かまいませんが?」と言ったのだが、なんかそれでは治まりがつかなかったらしく、印刷会社の営業を呼びつけて、わざわざ明細を出させて「これも請求書につけておいてね」と言うので、そんなもん別にいらないのだが、セロテープで貼り付けていた。

 で、今日の昼ごろも私の席に来て、「例の仕事の請求はまだやってないよね?」と言うので、「あれ?他からも請求があがってくるんですか?」(あんたがやるんじゃないの?の婉曲表現)と、言うと、「う〜ん」と私の隣の空いている席に座って悩んでいるので、悩まれても困るなあ、と私は放っておいて、コーヒーを汲みに給湯室に逃げてしまったのであった。
 
 どうやら私に何か言ってほしかったらしいが、それには気が付いていたのだが、わざと無視していたので、それがたぶん潜在的に気に入らなかったのだろう。経理が現を金が5時くらいに締めるのは絶対に知っているのに(だって見える位置にいるんだもん。遅くに来て叱られている人もたくさん見ているはずだもん)、そして私が忙しいのも知っているのに、わざわざそうやってつまらないことで私の手を煩わせ、「いや、僕も大変なんだよ」とアピールしているのだ。親にかまってもらえない子供がおねしょするようなもんだろう。

 で、なんて言ってあげればよかったのかも大体わかっている。

 「あの請求、なかなか上がってきませんが、どうなっているんでしょう?え?○○さんがやっているんですか?大変ですよね〜だってなんか揉めているんでしょ?それに元々、別部署が最初の段階でちゃんと根回ししてなかったから、めんどうなことになっているんじゃないですか?あ、それで金額決まったんですね、ああ、よかった〜、ご苦労様でした」

 わかっているけど、言わないも〜〜〜〜ん。他の人にだったら言うかもしれないけどさっ

 そんで現金用意してあげたら、「ごめんね、ただでさえ忙しいのに、手間かけちゃって」と謝ってくれたが、「同情するなら金をくれ」ではないが「悪いと思うんなら二度とやるな」である。
 こういう、老夫婦が飼ってる小型犬の部屋犬みたいな人を部長にしないでよね。私の仕事が増えちゃうじゃない。前は元同僚ギャルが「おやじ転がし」をしてスタバで奢らせたりしてごきげんをとっていたのだが、彼女がいなくなってから「新たなギャル」を求めているような気がする。微妙なセクハラなので対処が難しい。たぶん、来週、正式に配属される新人がターゲットになると思われるので(彼女が先月来ていたときにも、お茶をいれさせようとしたので阻止した。詰め込み引き継ぎのために無理して来てもらっているのに、なぜそれがわからん!)なんとかブロックしないといけないのだが、さてどうしよう。

 はあ、書いたら、ちょっとすっきり。悪口は溜め込まないでバラ撒こう。
 今日はやっとプールで泳げた。
 ここんとこ、胃の調子は悪くないのだが、お昼にいつもご飯を残してしまう「ちょっと小食な女の子モード」になっていたのが効いたのか、体重が2キロ弱減っていた。こんなダウンはすぐとりもどせると思うのだが。いつも言っているが「景気の下げ止まり」と交換してあげたい。

 朝のワイドショーウォッチャーとして、今朝、爽やかにノケぞったこと。「有賀さつき、和田解説委員と結婚」
 「身内のネタですが、我々の仲間である有賀さんが入籍しました。それでお相手は」とフジテレビのアナウンサーが言って、画面に和田さんが出たときには、ディレクターのスイッチミスかと思った。(和田さんは国会担当なので)



4月10日(水)

 月・火曜と日記書かなかったのでまとめ書き。
 そういえば、また掲示板の調子が悪いようで「アクセス禁止」みたいな表示が出てきますが、私もアクセスできませんので安心してください。
 当局の怒りに触れるような話題で盛り上がっていたからかしら?(妄想)

 仕事もなんとか落ち着いてきた。ここんとこテレビやニュースをちゃんとまともに観ていないのだが、それでも朝の支度のBGMとしてのワイドショーは一応聴いているのだが、自分のことにばかり気をとられているので「他人のことなんて知るもんか」という気分ゆえ、「なんか、こんなニュースやってたよーな気もするが、あれは夢か現実か?」で全然リアリティーがない。

●パレスチナ情勢
 「どうすんだ?いったい?」というような状況が自分の仕事やその他の状況とシンクロしているような気がしてならない。全てが私の幻覚だといいんだけど。

●みずほグループのトラブル→国会で答弁
 世界最大の銀行の責任者の答弁にしては情けなさすぎる。てゆーか、人前で話慣れてない人みたいなんだけど、そんな人がトップでいいのか?逆に「合併時はぜったいトラブルから、あの人を責任者にしておいて、責任とらせよう」という陰謀に巻き込まれて抜擢された実は「世渡り下手だけど、人はいい人」なのではないかと疑ってしまうのだが。それにしても、どうしてああいう謝罪会見に出てくる日本企業のトップって、みんな自分をプレゼンするのが下手なんだろう?街頭インタビューされてる新橋のサラリーマンや巣鴨のおばちゃんたちのほうがテレビというものをよくわかっている。(わかりすぎとも言える)
 そっか、ああいう企業のトップは深夜まで接待で飲んでばっかりいるから、あんましテレビ観てないのかもしれない。

●加藤代議士の辞職
 この人にも、ワイドショー視聴者としては、どこにも感情移入するとっかかりがなくて観ていて落ち着かなかった。南米などの映画や小説などで「え?なんでここでそういう反応なの?」とか「なぜここでこうなる?」とか「こんなことで殺されちゃうの?」という、日本人には「不条理」でも現地人には「道理が通っているらしい」という展開があるが、それと同じようなことなんだろうか?

●田辺誠一、大塚寧々と入籍
 「キャー!!!私があくせく働いている間にとられた!」と、朝の出掛けにテレビを観てびっくりしたような気がするのだが、やはり幻覚だったのかもしれない。

 ふー、そんなこんなで、「今日こそ、ビューティフル・マインドを観に行けるかなあ」と思っていたのだが、頭の状態が悪すぎるので来週に見送り。
 今週はだって、また日曜から土曜まで仕事という月月火水木金金なんだもん。
 自分の仕事はなんとかなりそうだが、親会社の決算が近づいているので、各部署から「あれはもう請求あげたっけ?」という問い合わせが多く、いちいち調べてあげたりとか、他人の仕事のお手伝いが多いので参る。

 そんでもって、来週早々には査定用の「前期の業績と今期の目標」を書いて提出して面談なのだが、それって、モンブラン北壁で命綱頼りにぶら下っている登山家に向かって「次はどの山に登りたいですか?」と聞くようなもんだろう。



4月9日(火)

 鍼の効果か、かなり快調であった。まだ肩の張りや背中の重みはやや残るが、かなりラクになった。バシっと効くというより、自分の力で痛んだところをじわじわと修復しているような感覚である。そのせいか、朝よりも昼すぎのほうが体か軽くなった。これで今日一日寝てられたらかなり良くなるのになあ。そうもいかないところが辛い。休養が不足しているのだよ〜
 怠け者の自分にムチ打って、こんなボロボロになってまで頑張った甲斐あって、仕事のほうはかなり目処がついてきた。今週を乗り切れば、来週は一息つけるはずだ。

 そんなこんなで、1時間くらい残業してやってたら、社長が「お〜い、飯行くぞ〜」と残っている社員に召集をかけて、すぐに行けるメンツが揃わないようだったので上司が「ミヤノさんも行きませんか?」と言うので、まあ、ちょっとお腹が空いてきたし、そろそろ集中力もなくなってきたので、行ってみるか・・・・・
 と軽い気持ちで参加したら、やっぱり終電帰宅になってしまった。
 けっこう飲んでしまったし。
 でも、社長や他の部署の人とけっこう楽しくお話ができたのでよかった。いつも私をこき使うシステムの主任が、「え?ミヤノさんオレと同じくらいの年なの?」と驚いてた。私は知ってたよ、あなたが学年一つ下だっつうことを。そんで、おかしかったのは「なんだー、だって○○さん(私の上司)、ミヤノさんの年を秘密にしてんだもん!」と言うので、上司は「別に隠してなんかいないよ〜だってわざわざ年齢言って回るか?」と反論していたのであった。そりゃそうだ。

 家に帰り着き、倒れこむように寝る。飲みすぎた。ああ、せっかくの治療が台無しだ(笑)



4月8日(月)

 やはり、仕事のストレスからか、また腰の調子が悪くなる。朝方、ちょっと背中がピリピリしてきて「このままだとヤバい」というかんじ。
 もし、また「ぎっくり」してしまったら、2日はダウンしてしまうだろうし、今は絶対に休めないので、先日、ギックリ腰で寝込んだときに紹介してもらった鍼灸師のところに会社から電話をする。「とにかく早く診てもらいたいんです」と我儘を言って、夜にやってもらうことにする。

 とにかく疲労とストレスで、肩は凝ってるし、今日はとうとう食欲まで減退し、いつもはペロリと平らげるお弁当が半分しか食べられなかった。それに頭もちょっと熱っぽいというか、モヤモヤしていて、脳みそにちゃんと血液が流れていないかんじだったのだが、がんばって仕事して、夕方「腰の調子が悪いからもう帰る」といつもより少し早目に退社。

 地図を便りにクリニックへの道をとぼとぼと歩く。ぼんやり歩いていたら、通り過ぎてしまったらしく「あれ?看板出てるって書いてあるのに・・・・」と引き返すと、ちゃんと看板が見えたので、「ここだな?」と階段を上ろうとしたら、後ろから自転車に乗った女性が「あの〜もしかして」と声をかけてきた。それが先生でした。私が「7時過ぎ・・・7時半くらいになってしまうかも」と言っていたので、ちょっと外出していたらしい。

 ホームページも拝見させていただいたので、若い女性の先生だということはわかっていたのだが、ほんとに見かけも自分のお友達ってかんじで(年も近い)、診療所も古い和室アパートの一室で、なんだか友達の家に遊びに行ったみたいにリラックスできた。とりあえず、問診ちゅうのか、愚痴をとりまぜお喋り感覚で症状を説明して、ちゃんと鍼をやってもらうのは初めてだったので「せっかくだから全身コースでやってください」とお願いして「じゃあ、服を脱いでベッドに仰向けで寝てください」と言われたので、用意して毛布をかぶって横になっていると、先生が「では、はじめます。ああ、ところで・・・・私が鍼灸師です」と言うので、いやそんなこと知ってるよと思ったのだが、どうやら彼女を「受付のおねえさん」だと思う人もいるらしい。

 約1時間。表も裏も打ってもらった。あまり熱くないお灸も。残念ながら、お腹に鍼を打たれている自分の様子は観察できず。天井に鏡が欲しいと思ったりして・・・・でも自分で見ると緊張するか、それとも笑ってしまうかもしれない。

 整体とちがって鍼灸はやっている最中は「やってるぜ!」というかんじがあまりしないのだが、治療が終って外に出ると、体のダルさはかなり解消していて、食欲も戻ってきたので(治療中に、ラーメンの話で盛り上がったせいもあり)、軽く食事して帰った。また、やってもらおっと。けっこう気に入りました。 
 
 家に帰ってパソコン立ち上げると、またハマっちゃうと思ったので、日記書かないで寝る。



4月7日(日)

 目が覚めたらニラになっていた。
 全身からニラの匂いが立ち込めているような・・・・
 ああ、濃厚なニラの匂いに包まれて、しあわせだった昨日の食卓の夢を見つつまだまだ眠っていたかったが、今日はがんばって出勤だ。
 金曜日に「ああ、このままでは来週がさらなる地獄」だということがわかったので、土曜日は予定があって休みにしたが、日曜日にやらないと処理できないくらい仕事が残っていた。
 ダルダルのままニラの匂いを落とすためにシャワーを浴びる。上の階ではまた工事の音。工期に間に合わないのか、内装業者も大変だ。そーいや、大家さんも4月上旬で工事は終るといっていたからなあ。

 つうわけで、なんとか12時には会社に到着。他のフロアには何人かいるみたいだが、私のいるフロアは無人。静かだ。CD持って来なかったのを悔やむ。どこかにラジオでもないかと探したら、チューナーを見つけたのだが、スイッチを押しても電源が入らない。使ってないようだ。コンセントを探すが、その場所はいろいろな機器が接続されていて、ものすごい状態になっていたので、めんどうになりあきらめる。

 それでも何にも邪魔されないので、なんとか溜まっていた支払の請求書をまとめる。ほんとは10日に処理する源泉所得税の数字もある程度出したかったのだが、6時を過ぎたらもうくたびれてしまい断念。また来週は残業の日々か。
 外に出ると、そこは雑踏。スタジアムでなんかの試合が終ったのとぶつかってしまったらしい。いつも使う地下鉄の出口が渋滞していたので、他の入り口までてくてく歩く。

 家に帰ったら、溜まっている洗濯を処理。金曜の夜にも洗濯したのだが、たくさんありすぎて全部洗えなかったのだ。
 ぐったりしていたが、昨日の楽しかったことは書いておきたかったので、なんとか昨日の日記を書いたが、やはり長編になってしまった。
 昨日あまった鶏の足と餃子を持って帰ってきたので、暖めなおして食べる。

 さあて、明日もまた頑張りますか。
 友達からメールが来て香港に行くそうなので、「亀ゼリー」をお土産にリクエストする。受け渡しのときには、じっくりと仕事の愚痴もきいてもらおっと。



4月6日(土)

 朝からまた上の階の工事が始まったが、私も疲れが溜まっていたので、ときどき工事の音に脅かされながらも昼近くまでうとうとする。なんだかダルくて、ずっと寝ていたかったが、今日は待ちに待った英会話個人レッスンの日なのである。
 シャワーを浴びてから、支度して、朝食兼昼食のメロンパンを頬張って出動。
 張り切っていたので、少し早目に家を出て、今夜は友達の家に遊びに行くので銀行に寄って現金を引き出そうとキャッシュ・コーナーの中に入ると、そこにはジベタリアンがいた。しかも、情けないことに、いい年したおやじ2名。どうも少し酔っ払っているみたいで、携帯で大声で話している。

 「今さあ、○○ちゃんと銀行にいるんだけど、銀行とケンカしててさ〜。お金が引き出せないんだよ〜。そんで、腹たったから今、警報ボタン押してやったから、警備が来ると思うんで、も〜ちょっと待ってて〜」
 どうも、相手は飲み屋のママさんらしい。するってえと、昨日の晩から飲んでいて、所持金が足りないから銀行に来たのだが、お金がなぜか引き出せないから怒っているのか?
 でも、小汚い服装で、「もしかして、そもそも残高がないのでは?」とか思ってしまった。それに私が現金を引き出している間には、警備員は来なかったし、たぶん向こうも監視カメラでモニターしているだろうから、放って置かれているのではないかと思われた。本人たちは「ほら、今、銀行はコンピュータがトラブってるんだろう?ニュースでやってるじゃん?そのせいだぞ、きっと」とか言っていたが、その銀行はトラブっている銀行ではないので、文句は該当銀行に言わないと・・・・

 と、しょーもないものを横目で観察しつつ、三茶の教室に行く。エレベータのドアが開く瞬間、誰かがエレベーターホールで喋っているのが聴こえたが、「ミス ミヤノがどうたらこうたら」という英語が耳に入った。ドアが開くと、外人の男の人が携帯電話で喋っているので、私が「あ、I'm ミヤノ」と言うと、「おお!来た来た!」しかし、教室のドアがどうやら閉まっているらしい。ドアには張り紙がしてあり、通常の営業時間は「土曜日 15時〜」になっている。
 先生はその張り紙が読めなかったので、「普通は3時オープンなんですって」と説明する。先生も困っていて、「この仕事をアレンジしてくれたA氏のことをとても信用しているのに、こんなミスって・・・・信じられない」と驚いていたが、ともかくなにか連絡ミスがあったようなので、張り紙に書いてある本部に電話をかけるために先生の携帯をお借りする。本部でもよくわからないみたいなので、とりあえずA氏に連絡をとってくれるということになった。
 「この電話にコールバックしてくれるそうです」
と、先生に説明。

 そこでやっと、お互いに苦笑しながら「Nice to meet you」と挨拶。狭いエレベーターホールで立ち話状態。「もう、レッスンは始まっているね」と先生。私も「エマージェンシーのレッスンですね」と苦笑。先生は「昨日、念のため確認の電話を入れようとしたんだけど、とても忙しくてすっかり忘れてしまったんだ。申し訳ない」と謝るので、「いえ、私も昨日やはり電話しようと思ったのですが、私もとても忙しかったので、忘れてしまったんです。それに先生のせいじゃないし、大丈夫ですよ」(超訳されてます)と言ったつもり。そんで私が「飛行機みたいに、リコンファームが必要でした」(超訳)と言うと、「うまいこと言うねえ、たしかにリコンファームだ!」とちょっとウケた。

 というわけで、いきなりリアルなシチュエーション・レッスンになったが、先生が「ところで、あなたは自分の英語レベルをどのくらいだと思ってますか?」と言うので、「ええと〜、私が日本語で喋れば、たぶん相手は私が、ええと〜なんだ、charming lady だと思ってくれると信じてますが・・・」先生は、「チャーミングだなんて自分で言うか?」とは言わなかったが、ケラケラ笑う。日本語だったらこう言うつもりだった。「日本語で喋れば、私がちゃんとした人だとわかってもらえると思うんです」
 「でも、英語で話すと、たぶん英語が子供みたいだから・・・・・」(さすがに犬並みとは言えなかったぜ)という私の言葉を先生は遮り、「いや、この短い時間でわかったけど、君の英語は中間レベルだと思う。最上、上、中、下で言う、中レベル。上だったら何も問題がないくらい。最上は・・・・」「ディベート・クラス?」「そう」「弁護士になれる?」「そう、上だと仕事や生活には困らない。君はもう少しがんばれば上になれるくらいだと思うよ」

 なんだかいきなり誉められてうれしいぞ。まあ「締め出され」という緊急事態にちゃんと冷静に対処して、先生にもそれをちゃんと説明できたので評価されたのであろう。
 先生はラテン顔のハンサムだった。ジョージ・クルーニー系。ビシっとしたスーツを着ていて、NY出身だと言う。たしかに、NYなどでたまに見かけるカッコいいビジネスマンみたいだ。そして、おもむろにアタッシュケースを開けると、中からハンドタオルを出して階段に敷いてから「さあ、ここに座ってください」と私を座らせて、先生は横に座った。青空教室ならぬ、階段教室。先生と生徒がいればどこでも学校だよね?アフガニスタンの子供達!ってかんじ。
 そこでとりあえず、先生に「Do you know why am I here?」と聞いてみると、「ゲームのwinnerだと聞いている」というので、詳しく英語で説明していたら、(酔っ払いの景品だったというのは内緒ね?と言って)やっと教室の職員が来て、「すいませんでした、夕方からだと聞いていたものですから」と言うので、「いえ、大丈夫ですよ。ここでレッスンしてましたから」と中に入れてもらう。

 結局40分くらい階段で喋っていたことになる。中に入ると、先生が「ところで、その景品は何人に当たったの?」と言うので、「only one」と言うと、「それはよかった。僕にとってもラッキー。生徒が君でよかったよ」と言ってくださり、またまた感激する私であった。「You carry good luck」と言われた。いい言葉なのでメモった。
 それにしても、このR先生、今にして思えば、彼の話を私がほとんど理解できたということは、相当優秀な先生だ。しかも別にゆっくりと優しい英語で喋っているという感じが全くしなかった。途中で、職員が「Aから電話が入りました」と知らせてくれたので、先生が「君が電話に出て、レッスンは順調です、問題なしって言ってあげて」と言うので、私が「不手際で申し訳ない」と謝るA氏に「大丈夫ですよ。楽しくやってます」と言ってから、先生に電話を代わったのだが、そのときの英語はあまりよく聴き取れなかったので、「そっか、私にはすごくわかりやすく話してくれてるんだ。多分、単語のレベルとかをかなり工夫しているに違いない」とわかった。

 先にリクエストしていたW杯の話題では、頼んでないのに「たとえば、選手やコーチと街でばったり会って、『いいレストラン知らないかな?』と聞かれた場合」の英語まで教えてくれた。しかも、「こう持っていけば、もしかしたら、『そうか、じゃあ明日待ち合わせして一緒に行こう』と言ってもらえるかもしれない」というテクニックまで伝授。痒いところまで手が届く素晴らしいレッスンである。しかもその流れで、ちょっとだけナンパ対処法も教えてもらった。ラッキー。別に普通の対処法だったが「スケジュールを確認してから返事するわ」とか「私、電話番号や住所はオープンにしないとこにしてるの」などなど。

 とにかくR先生は誉め上手で、私がちょっと気の利いたことを英語で言うと、すごくウケてくれて、「君はほんとにユーモアのセンスがあるねえ」と言ってくれるので、かなりいい気分。
 その後、「他にどんな話がしたいか?」と聞かれたので、「お酒の話」と言うと、「なんで?」
 「私が外国人と話すときには、お酒を飲みながらが多いので、お酒の話題になることが多いし、それが自然だと思うし」
 NY出身だという先生は、生まれと育ちはプエルトリコだそうで、私の中での「プエルトリコ株」がいきなり急上昇したが、好きなお酒はラム酒だそうだが、バーテンダーの勉強もしたので、お酒の害についても詳しくて、ちょっとシリアスな話にもなったが、私が「でも、私の友達はお酒で失敗した話をするのがみんな好きですよ。たとえば、酔っ払って寝過ごして終点まで行ってしまったとか」と言うと、先生も「僕もそれ、NYでやったことがあるよ!」と言うので、「戦士は殺した敵の数を自慢しますが、ニッポンの企業戦士サラリーマンは酔っ払って山の手線を何周したかを自慢します」と言ってみた。

 あとは、酔っ払ったバイリンギャルの友達が外人に英語で絡んでいるときによく困ると言って「She had so much drinking.So,she doesn't know what she saying.」などの言い回しを教わる。実用英会話である。バイリンギャルではないが、以前友達が「I hate English!」と叫んで(多分、英語話せる?と聞かれたので、「英語なんて嫌い!」と言いたかったらしいが、横で慌てたこともあり、そーゆーときにも使えるな。

 というわけで、他にも色々雑談もして、先生は英語の個人レッスンもやっているが、その他にもいろいろ仕事をなさっているようで、なかなか活躍なさっているようである。

 「たくさん外人教師はいるはずなのに、このレッスンにA氏が僕を選んでくれてよかったよ」
 と、言われて私はいい気分だったが、たぶんA氏の持ち駒の中でも特上の人材であろうから、A氏がグループ会社としての見栄と誇りをかけて私に割り振ったに違いない。と、英語で言えなかったのだが、「私も先生があなたでベリーハッピー」とだけ言えた。

 いやあ、しかし、モテるだろうなあ〜。日本に来て3年で、自分でも会社をやっていて、できれば永遠に日本にいたいと言っていたが、アメリカにいたってあれだけスマートな人にはなかなか会えないだろう。それに、相手の要求を読んできちんと対応してくれる能力はぜひ見習いたいものだ。それに誉め上手なところは、ほんとに英語以前に勉強になった。爪の垢を貰って「モテない男」に通信販売しようかなあ。

 レッスンはきっちりと4時に終了して、先生も次の予定があるのでさっさと帰り、私も次の予定があるので急いで一旦帰宅。
 はあ、ラテン男の真髄にどっぷり浸った3時間であった。もうメロメロかも(笑)でも、ルックスは神様にお任せするとしても、そのノウハウはかなり頭に叩き込んだ。生まれ変わって、次回の人生が男だったら役に立つかもしれない。私は勉強熱心なのである。
 で、そんな余韻に浸る間もなく、次は中国女なのであった。

 3時間、みっちり英語喋ったので、また頭がオーバーヒートしていたが、家に帰って荷物をチェンジしてから電車で松戸。表参道で乗り換えて一本でいけるからわりと近い。「7時過ぎちゃうかも」と言っていたのだが、6時半には友達の住む部屋の前に到着した。
 ・・・・・・が、なんだか人の気配がしない。チャイムを鳴らしても無反応。上野の中華食材屋で買出するとのことだったので、どうやら先に着いてしまったらしい。しばらく待ってみるが、なかなか帰ってこない。今日は「締め出しをくらう運勢」なのだろうか?

 「電話したくても、こういうときに携帯不所持をまた悔やむのよねえ」と、マンションの入り口に戻っても公衆電話はない。付近にはお店もなく、どうしようかなあと思っていたら、行商の人みたいにパンパンに荷物が詰まったリュックを背負ったきょうみさんが来た。とりあえず電話してもらったら、Yたちも丁度マンションの入り口に到着したところだった。

 というわけで、中国人留学生のKちゃんが故郷の料理を作ってくれた。 
 でも、あまり慣れていないらしく、「あ、なんか味が違うかなあ?」と言っていたが、「鶏の足」の料理は南の料理らしくて、北京ではあまり食べないらしく、きょうみさんも食べたことがないというくらいで、「大丈夫、誰もほんとの味知らないから。でも、この後、中華料理屋で食べたら、友達が作ってくれた本場の味と違う!と文句言っちゃったりして」と笑う。
 Kちゃんは日本語ベラベラな快活な女の子で、いろんな話で盛り上がった。やはり初対面だったT君は黙々とビールをお酌してくれたが、私がお酌する男に対する評価が高いことを知っていたのだろうか?(笑)

 KちゃんとYが、賑やかに料理を作り、きょうみさんが餃子を作ったので具を詰めるのは手伝ったが、私はもっぱら「お腹すいた〜早く食べたい〜今日はまだメロンパンしか食べてないのだ〜英語のレッスンで疲れてお腹すいた〜」と、みんなを急かしていた。
 初めて食べる鶏の足はゼラチン質たっぷりで、「コラーゲンたっぷりで、美肌だ」と盛り上がり、グロテスクな外見もちっとも気にならない。爪がプリティー。

 飲んで食べて喋りまくって、11時ごろ解散。終電の一本前でなんとか帰宅。
 はあ、ここんとこ忙しくて荒んでいたけど、今日はたくさんお喋りできて楽しかった。皆さんありがとー

 Kちゃんが通う大学にきょうみさんがもぐりこんでいるので、今後は学内でも交流を深め、芋づる式に留学生の友達を増やしてほしい。そして、また食事会やろう!目指せ中国全土の郷土料理!中国以外でも大歓迎!みんなで作ってね。(私は食べる人)



4月5日(金)

 うちの弟が初めての海外旅行でアメリカに行ったときには、母が弟に約束させたそうです。
 「いい、あんたはおっちょこちょいなんだから、ぜったいにドラッグとかをやっちゃだめよ」
 たしかに、石橋を叩くだけで渡らない姉に比べると、弟は昔から、周りのノリで後先考えずに行動して痛い目に遭うタイプでしたので、友達との度胸試しで駅で線路に飛び降りたりして(駅のすぐ横に踏み切りがあったので、それが開いているときには電車が来ることはないのだが)何度も母を半狂乱にさせたような子供でした。普通のやんちゃ坊主ともいえますし、性格的には母親似で女姉妹に挟まれたせいもあって、どちらかというと神経が細かくて女々しいほうなんですが、いつも親を巻き込むような事件を起こして、親に手土産持ってあやまりにいかせたせいか、大人になっても信用されてませんでした。
 それに、兄弟で一番保守的なのも弟のようです。就職活動のときも有名企業狙いだったし、30歳になったら結婚するという計画を着々と実行しているし、「手堅い優等生」だった姉の凋落ぶりに比べれば立派なもんです。

 それで、ほんとかどうかはわかりませんが、弟は母の言いつけを守って「そういうものはオレはやらない」という態度を貫いたそうです。
 でも行ったのがアメリカだったので、弟のヘビースモーカーぶりはアメリカ人には煙たかった(?)ようで、NYのタイムズ・スクエアで「さあて、この後どうするかな?」と座りながら「地球の歩き方」をめくっていたら、頑丈そうなアフリカ系の二人組みが寄ってきて、
 「にーちゃん、いーものあるけど、いらないか?」
と、声をかけてきたそうです。弟が丁重に断っても、彼らも暇だったのか、弟がいいカモに見えたのか、それとも見た目がジャンキー系なので、「そんなはずはない」と思われたのか、「でも、あんたタバコを吸ってるじゃないか?こっちの方がタバコよりヘルシーだぞ」とか言うので、弟が「でも、かーちゃんにダメって言われたから」と本当のことを言って断ると、すごすご引き下がったようです。
 しかし、弟がそのままそこでガイドブックを読んでいると、また寄ってきて「タバコは体に悪いよ〜、だからこっちにしときなよ」とか話し掛けてくるので、マジメな弟は「オレがここにいると、彼らの商売の邪魔になってしまう」と思って、場所を移動したそうです。

 そういえば、友達がNYのクラブに行ったら、売人がわらわら寄ってきたので、「へえ、こんなにおおっぴらに売られているんだ」と感心して、試しに値段を聞いてみたところ、売人たちは「オレから買え!」「いや、オレだ!」「オレはなんでも持ってるぞ!なにが欲しいんだ!」と、まるで東南アジアの売り子のような勢いで群がってきたのでびっくりしたらしいです。その後、他のクラブにも行ってみたら、「テーブルに草を山盛りに置いて、買いに来た人に量り売りしている売人がいて、てっきりNYでは合法なんだと思った」と言ってましたっけ。

 そんなわけないだろうと思ったのですが、弟が西海岸に行ったときには、趣味がスポーツ観戦ですので、野球だかアメフトを観にスタジアムに行ったときに、帰りのバスの時間を調べたら、試合終了までいるとバスで帰れないことがわかっていたので(バスで来る客などほとんどいない)、「いっちょここは、誰かに泊めてもらおう」というよくわからない作戦を立てて、試合の合間に良さそうな家族連れを選んで、「ぼくは旅行者なんですが、今日泊めてもらえませんか?」とナンパしまくったそうです。
 当然、なかなか了承してくれる家族はありませんでしたが、日本のパスポートを見せびらかせて、何組かにアタックしたら、子供を三人くらい連れたお父さんが「じゃあ、オレのうちに泊めてやろう」と弟を家に連れていってくれたのだそうです。

 その親切なおうちでも、弟がタバコを吸うのを知ったお父さんが、「タバコは体に悪いからやめたほうがいい」というのはもっともだとしても、

 「オレも実は前は吸っていたんだが、きっぱりやめた。それで、今はこれを吸ってるんだ」

 と、取り出したのは、マリファナ(笑)。
 しかも、その州では個人使用量の所持と、庭での栽培は合法のようで、その家でも庭で育てていたそうです。家庭菜園ってやつだな。

 「君も、タバコなんてやめて、こっちにしろ」

 とか、言われたそうですが、「でも、うちのかあちゃんが・・・・」と言って断ったとのことですが、ほんとなんだろうか?
 それにしても、日本では芸能人が捕まったりしてますが、「タバコより、こっちの方が健康にいい」などと断言されると、拍子抜けしますよね。まあ、アメリカも州によって受け入れられ方が違うと思うので、保守的な州ではどうなのかわかりません。
 そーいや、クリントンが大統領に就任した直後に「大麻疑惑」がありましたが、映画などで勉強すると、「あの時代に育った、あの音楽の趣味のアメリカ人が吸わなかったわけがない」と思いましたので、堂々と認めればいいのに、「隣で友達が吸っていたことがあったのは認めるが自分はやらなかった」とかいうコメントを出していたような記憶あり。それで済むのか?と思いましたが、それで大問題にもならくて、後に「モニカ」で偽証罪に問われるという展開になったので、「浮気するより、こっちにしておきな〜」ということなんでしょうか?ブッシュに関しては、大麻くらいでは済まないような青春時代を送っていたことを承知で投票しているので時代は変わったなというかんじです。

 そういえば、昔、英会話学校で事務をやっていた友達が午前中に具合悪そうにしていたら、外人の先生が「どうしたの?」と言うので「昨日、ちょっと飲みすぎちゃて」と答えると、「日本人はお酒を飲むからね〜翌日まで残るのよ。大麻だったら朝もすっきりよ」とアドバイスされたので、「でも、日本では手に入らないのですが」と言うと、「でも、売ってるお店あるわよ。普通のバーやレストランだけど、匂いがするからすぐわかるの」
 ええ?そーなの?と思って、その友達と食事に行くと、よく鼻をひくひくさせたのですが、「でも、うちら匂い知らないからわかんないじゃん」と諦めました。
 
 でも、この情報は、多分英語でやりとりされているはずなので、友達の英語力を鑑みると、「聴き間違い」の可能性もあります(笑)
 あ、そうだ。明日はいよいよ、英語個人レッスンなのだ。
 「私の英会話レベルは多分、アメリカ人家庭にいるペットの犬と同じくらいだと思います。『おすわり』とか『待て』とかいうのは理解できますし、ベラベラと流暢に話されても『なんかこの人怒っているみたい』とか『なんかご機嫌みたい』とか判断できますし、それで『ね?どう思う?』とか言われれば、首を傾げて『クゥ〜ン?』と可愛らしい仕草でごまかしますし、食べたいものがあると『くぅ〜ん?』と鼻先じゃなくて指先で指すとわかってもらえます」
 と、英語で言おうと思っているのだが・・・・そういや「マイ ライフ アズ ア ドッグ」っていう映画あったな。いい映画だった。佳作ってやつ。じゃあ、「まい いんぐりっしゅ あず あ どっぐ」って言えばいいのかな?

 ところで、話は戻るが、弟には「絶対ダメ」と言った母は、私がインド行こうがアムス行こうが、そんなことは言わなかった。
 「アムスでゴッホ美術館行ったけど、前に西洋美術館でやってたゴッホ展のほうがいい絵があったよ」
 と言っただけで、「娘はゴッホを観にアムスに行った」と信じたのでしょうか?今、確かめる気はしないので、母の臨終に立ち会ったときにこっそり聞いてみよ。



4月4日(木)

 オカマの日。
 前にも書いたような気がするが、テレビ番組制作会社で経理やっていたときに、プロデューサーとドラマの企画書の打ち合わせでで来ていた脚本家(当時は駆け出しだったので、企画書などを書いていたが、その後チャンスをつかんでけっこうメジャーな作品も書いた)が、雑談していて、丁度私も残業していたので、雑談に加わった。
 プロデューサーが冗談まじりで、「なんか数字(視聴率)とれる企画考えてよ。ミヤノもなんかアイデアないの?おまえけっこうそういうの好きだろ?」と言うので、かねてから「もう日本のテレビドラマでは、恋愛ものには限界がある」と思ってた私は、
 「やっぱ、これからはゲイの恋愛ものでしょう」
 と進言した。

 「だって、もはや今の日本では、好きなのに結婚できないとかいう状況を作るのに無理があるじゃないですか?だから、妹や親友に彼氏をとられたり、オフィス内で奪い合ったりとか、そんなのばっかりでみんな飽きてますよ。あとは、相手が不治の病も、もーいーってかんじだし。嫁姑の確執も出尽くしたし。家柄が違うからというのも現代の設定では難しいし、外国みたいに人種や宗教というわかりやすい設定がないから、恋愛ドラマが難しいじゃないですか?だから、今の日本でほんとうに困難が多くて山あり谷ありでドラマチックになれるのは、同性愛しかありません!あとは、好きになった相手がイラン人(当時、代々木公園で集合しているのが問題になっていた)というのはかなりいけると思うけど、主役が無名の外国人だと数字とれませんからねえ。映画だったらいいけど、ドラマだとちょっと冒険かなあ」

 脚本家の女性もその意見には賛同してくれた。彼女もけっこう漫画好きのようで、「そうよね、桜沢エリカが描いたゲイものとか、けっこうジーンとくるわよね」と言ってくれた。しかし、プロデューサー氏(以下、P氏とする)は、すかさず反論してきた。

P「え〜?ゲイ?でもなあ、今までそういうのあったけど、数字とれないんだよね〜映画でもあんまり当たらなかったしさ」
私「そうなんですか?そもそも、シリアスなゲイものなんてテレビでやったんですか?」

 話がかみ合わないので、いろいろ説明してもらったら、どうやらP氏が言っているのは、当時流行した「ニューハーフ」のことだった。バラエティで何人かニューハーフが人気者になったので、ドラマや映画でも起用してみたが、イマイチの成果であると言いたかったようだ。

私「あーゆーのじゃなくて・・・・私が言っているのはもっとシリアスなやつです。映画だと、最近けっこう通ウケするのやってますよ?」

 たしか、薬師丸ひろ子のゲイの旦那がトヨエツでその恋人が筒井道隆という、今から考えると超豪華キャストだった映画がちょっと話題になったりしていたころだった。しかし、いくら説明しても、P氏は「ゲイ=おかま=ニューハーフ=手術&女装」という図式から離れてくれなかった。「ゲイバー」にいるおかまさんしか知らないんだからしょうがないし、「モーリス」など観たことも聞いたこともないようなオヤジだったし、たぶん「同性愛もの」ということだけで敬遠しているのだろう。

 結局、しばらくしてから、主役ではないものの、「主役の男性に恋心を抱く男性キャラ」というのは、「課長島耕作」でオヤジにも免疫ができたのか、けっこうよく使われる設定になったし、それになぜか多くの役者が敬遠する(多分、マネージャーがP氏と同じ理由というか、自らの生理的嫌悪感で阻止するのだろう)「ゲイ役」を演じた俳優が、なぜか続々とブレイクしたので、「ほ〜ら、ごらん」と思ったのであったのだが、それでも「禁断の愛がテーマ」というドラマはなかったように思う。
 しかし、それよりも私が悔しかったのは、その後、香取慎吾がベトナム人を演じるというコロンブスの卵的発想のドラマ「ドク」の出来がよかったことである。「私だって考えてたのに〜〜〜。でも、やはりここまでは思いつかなかったあたりが、私の限界だな」と思い知ったので、今でも地味な経理のおね〜さんで満足している。

 というわけで、自ら選んだ天職は今日も絶好調に忙しかった。
 それでも今日は、現金出納があまりなかったので、昨日苦戦した「売掛金の消しこみ」に再挑戦して、やっと3月末の分をきれいにしたのだが、その合間にも請求書の発行を頼まれたり、契約書の受け渡しとか、急な振込とかいろいろあったけど、少しばかし余裕が出てきたので、「忙しいそぶりも見せず優雅にお仕事しているゴッコ」というか、「優雅な経理のおね〜さん」を無理やり演じるというゲームに興じてみた。これってけっこう難しい、ついついプリンターに向かって小走りしてしまったりするが、狭いオフィスそんなに急いでどこへ行く、ではないが、あのくらいの距離を慌てて歩いたところで、それほど時間の短縮にはならないと思うのだが、急がしいときにはついつい動作にゆとりがなくなるのだ。いろいろ相談とか質問に来る人にもわざとゆっくり丁寧に対応してみた。これってかなり精神の鍛錬になるのだが、鍛錬してどうするって気もするが(もう充分、人間ができていると思っているので)、のんびりとやっているフリをすると、動作にだまされてあまり忙しさを感じなくなるという効果はあるようだ。もちろん、「電話3本折り返し」にしているような状況のときには、こんなことやってられないが。

 そういえば、前に友達が派遣の仕事を辞めたときに「あの人と仕事するのが嫌だった」と言っていた「あの人」というのが、よく一緒に夜遊びに来ていた子だったので、てっきり仲良しなのだとばかり思っていたので意外だったのだが、その理由というのが、「彼女はいつもいそがしがってて、化粧も直さず、髪の毛もボサボサで、バタバタ走り回っててなんだか横にいる自分までそれに巻き込まれそうで落ち着かない」と言うので、「でも、化粧直しばかりしていて、ちっとも仕事しない人も多いから、それに比べれば好感が持てるけどなあ」と言うと、「でも、限度があるよ。それに、トイレに行ったついでにちょっと直せば済むことだし、いくら忙しくたって、そのくらいできるじゃない」と言うのももっともだと思った。私も気をつけないとな(笑)

 たぶん、友達がその同僚を嫌ったのは、それほど忙しいわけでもないのに、『私はこんなに化粧直しもする暇ないほど忙しいのよ』というオーラを常に振りまいていたからだと思う。
 それに、ドダドタ走り回って、バサバサと書類を振り回していたからといっても、「仕事の処理量」が特に多くなっているわけでもあるまい。
 ただ、そういう人には仕事を頼みにくくなるという効果はあるし、実は「忙しそうなフリをしてサボっているのではないか?」という疑惑も生じるが、世の中そういう行間を読めない人も多いので、「なんか忙しそうで大変だね〜」と評価されたりするのかもしれない。

 そういう燃費の悪い人は無視することにして、「事務職の小笠原流」でも確立するつもりでがんばろう。
 ある貴族が、礼法の師範に意地悪をして、食事に招待したのにお茶漬けを出した。いくら師範といえども、お茶漬けを前にしてはズズっとはしたなく音を立てて食べるしかない。その様子を見て楽しんだのだが、師範が帰ったあとに、残された箸を見て驚いた。箸の先が3ミリくらいしか濡れてなかったのである。
 「だから、箸の先はあんまり汚さないで食べるのが、品のいい食べ方である」と、母親から解説された話。出典不明。
 ええと、つまり、お茶漬けを食べる礼法の師範のように、決めるべきところはビシっと決めて、そして白鳥のように水面下でバタバタする・・・・と。なんか違うような気もするが、とりあえず、今日も残業したが、帰りにプールに寄ってちょこっとだけ泳いだ。

 でも、なんとか今日で元同僚の仕事は目処がついたので、明日からは溜まりに溜まった自分の仕事の山にとりかかるべし。
 
 ところで、掲示板が重くなってます。夜間は特にダメみたい。前にもしばらくアクセス不能なこともあったのだが、なんでなのか私にはわからないのであった。ご不便をおかけしてすいませんです。



4月3日(水)

●なんだかとても似てるもの

 「景気の下げ止まり」と、「今年の夏こそぜったい痩せる!」

 うちの母はダイエット中にはよく冷蔵庫に「体重グラフ」を貼っていた。「こうすると、間食しようとして冷蔵庫を開けようとすると目に入るでしょ」
 あのグラフが、さっきニュースステーションでやっていた「日本のGDP」とかなり似ていた。
 違うのは、グラフを見ている人の「こっちに伸びないかなあ」という祈りのベクトルが逆なだけ。
 ひょっとして、ニッポンの景気は、「ダイエット中」の祈りが4次元の世界を通過するときに「減らしたいのに減らない」と「上昇させたいのに上がらない」のインプットとアウトプットが混乱しているのではないか?「減らしたいのに、なんで増えるの?」「上昇させたいのに、なんで下降するの?」
 するってえと、「成績伸びない」「身長伸びない」「売上伸びない」「株価あがらない」というのをすべてがっちり押えるほど、「痩せない」の力は強いのではないだろうか?

 まあでも「ダイエット法」のほうが、いろいろバリエーションがあって、「景気対策」よりも英知がつぎ込まれているのではないかと思うこともある。

●いたわりの気持が逆効果

 今日もやはり忙しく、8時過ぎまでフロアに1人残って仕事していた。月末の売掛金の入金の処理をしなければならないのだが、それが複雑怪奇なパズルみたいな作業なので、静かなときに集中してやろうとしたが、慣れてないのでなかなかはかどらない。だんだん疲れてきて、朦朧としてきて、目もシバシバしてきたので、そろそろ帰ろうかと思っていたら、隣の部署の部長が会議から戻ってきた。
 「大変そうだね」と声をかけてくれたので、「ええ、まあ・・・・1人で二人分やってますからねえ。しばらくはちょっとねえ。」と決り文句を言うと、「でも、新人が来たって、すぐには仕事できるわけでもないでしょ?」と言うので、「でも、現金の出納やってもらえるだけでも、全然違うと思いますよ。それに、今は月初だから皆、わらわらと経費清算を持ってくるので、それを処理しているだけで一日が終っちゃうんで」と答えたら・・・・・

部長「だったら、部署ごとに清算日をずらして、営業は10日でシステムは20日とか決めちゃえばいいじゃない?」

 あのな〜今日だって、10万円くらいの清算持ってきた人が「このお金がないと家賃が払えないんです〜」と、早く出せとせかすので、なんとか内容確認を優先させて渡してあげたのよ。その人はいっつもその調子で、自分で清算を溜め込んでいるくせに、急に持ってきて、「あと1時間で出張に出るからすぐ欲しい」とか言うわけよ。
 そういう人に対して、急に経費清算の日を決めたりしたらパニックになるだけで、なんの解決にもならないと思う。3日になっても、まだ家賃を支払ってない人に、「清算は10日」と決めたってなんの意味もないだろう。それに、前に派遣で経費清算の日にちが決まっている会社にいたけど、結局その前日に超忙しいだけだった。しかも、やはり駆け込みで持ってくる人も数人はいたので、手間は同じ。
 今までだって、平日に同僚が休むと私が現金出納していたが、夕方持ち込まれたものは、「明日でいいですね」と放っておいて同僚の机に置いておいたりしたし、それに出納でバタバタしたとして一日くらい自分の仕事に集中できなくても、次の日にみっちりやれば大丈夫だったのだが、今の状態だと「明日にしよ」と思ったら、結局次の日にやるのも自分なのだ。
 それに、そういう部長だって、けっこう急ぎの仮払いとかをいつも持ってくるではないか!1人1人は「経理に手間かけるけど、たまにはしょうがないだろう」という気持なのだろうが、それが何十人になると、「毎日が手間」なだけなのだよ。

 などと演説をぶつ気もなかったので、

私「まあ、なかなかそうもいかないでしょう」

 と聞き流していたのだが、するとさらに、

部長「だったら、しばらくパートでも雇えばいいじゃない」

 ・・・・・たぶん、「パート」というのは派遣社員のことを言っているのかもしれないが(それはそれでムカつく)、現金出納は、そういう短期で来る人にはさせられないというのが世間の常識だろう。それに、「パート」で間に合う仕事はすでに派遣の人にやってもらっている。そうできない重い仕事で今現在参っているのだし、多分新人が前任者のやっていた重い仕事をきちんとできるようには最低でも3ヶ月かかるだろう。

 よーするに、この部長は、経理がどんな仕事をしているのか、10メートルと離れていない席に座っていながら、全然わかっていないのであった。まあ、わかってもらおうとは思ってないけど、知ったかぶりで口を挟まれるのにも腹が立つ。
 銀行に振り込まれた名前と得意先名が一致しなかったりするので、いろいろ調べたり、手数料が差し引かれていたり、何通か出している請求書のいったいどれが振り込み金額に該当するのかあれこれ電卓叩いて合わせていたりして、ぐったりしていたのに、「パート雇えば?」とか言われると、

 そ、それって、私がそんなパートで済むような仕事で四苦八苦していると思われてるってこと?

 と、疑心暗鬼になってしまう。
 現金出納だって、ただ額面通りに出金するだけじゃなくて、その後その出金分の伝票を打って、毎日残高を合わせるのが大変なのだ。私だって、経理経験は長いが現金の扱いには格別に神経を使うし、それにあまり慣れてもいないので、消耗しているのである。そういえば、昔いた会社によく来てたテレビ局のおじさん(元アナウンサーだったので、「ときどきテレビでやる昔のニュース映像に自分の若いころの声が出て来るんだよ。気恥ずかしいよね」と言っていた。たしかに気をつけて聞いていると、そのおじさんの声はよく使われていた)が、「昔は振込が一般的じゃなかったから、局の経理もベテランのおやじ2名が現金出納専門でやっててなあ。彼らには、特別な手当てが出てたらしい。俺にはよくわからないけど、それだけ現金出納には神経使うんだよなあ」と、言っていた。

 と、ボヤいているが、要するに言いたかったことは、相手の仕事内容もよくわかってないのに、あれこれ言うのは逆効果だっていうことだ。相手が愚痴ってきたら、そういう解決案を言うのもいいだろうけど。忙しそうにしている人を見たら、「手伝ってあげたいけど、俺じゃあ足手まといだからなあ。はっはっは」とか言って、神経逆撫でするよりも、だまってお菓子でも差し入れしてあげればよろしい。
 あとほんとに助ける気なら、急がしそうな人の仕事をこれ以上増やさないように心がけてくれればよい。そういう心遣いは不思議なほどよくわかるのだ。

 で、その部長、
 
部長「これから、○○たちと飲みに行くんだけど、来る?」
私「ああ、でも、今日はもう疲れたから帰ります。明日もちゃんと定時に来ないと、朝イチでお金とりに来る人がいるし」
部長「朝起きられないほど、飲んだらとことん歯止めがきかなくなっちゃう人なの?」

 ・・・・・うちの会社はフレックスだから、君らは予定がなければ昼ごろ出社してもいいのかもしれないけどさあ・・・・

私 「いえ、だって、軽くって言ったって、もう9時近いじゃないですか。これから軽くっていっても、11時近くになっちゃうと、家に帰ると12時過ぎですよ。」

 と、言ったら、「そーいえば、そーだね」と引き下がった。

 私の直属の上司も、7時半ごろ会議が終って戻ってきたが、(隣の部長と同じ会議だったが、終ったあとその部長はしばらく雑談してたらしい)、眉間にシワを寄せてモニタをにらむ私の様子にややひるんでいたようだが、彼は私がどの程度仕事を抱えているかわかっているだろうし、それにいくら大変だろうと、私がやらなきゃしょーがない状況であることもわかっているので、ちょっとすまなそうに先に帰った(というか他の部長らと飲みに行ったのだが)。
 私がいくら大変でも、あまり文句も言わないし、いつのまにか改善してなんとかしていることを彼がわかっているかどうかは知らないが、余計なことを言わないから、上司のことは好きだ。ねぎらいの言葉なんていらない。黙って耐えて働くから、黙っていても給料上げてね。



4月2日(火)

 今日も怒涛の一日だったが、昨日に比べればマシだった、というよりも早くも慣れたみたいだ。奴隷になっても3日で慣れるのかもしれないと、ちょっと自信が出た。それに、ボチボチ多くの人が、私がただでさえ雑然とした経理の仕事2人分を1人でやっているということに気が付き始めたようで、「大変そうだね」とかねぎらわれるとすかさず、「○○さん(元同僚)の仕事をやってるだけで一日が終っちゃうんですよ。自分の仕事が後回し状態」とアッピールして憂さを晴らすと同時に、元同僚がそれほど大変な仕事をやっていたのだということもきちんと表現しているという小公女セーラのような私。きっと、そのうち莫大な遺産を相続するに違いない。

 会社では決して悪く言うつもりはないが、ここでは書いちゃおう。元同僚は事務用品も根こそぎ持っていってしまった。支社の社員の経費清算をこっちに寄った人に持って行ってもらっているのだが、それの受け取りサインを貰う書類が無くて、しょーがないからメモ用紙にサインしてもらったのだが、いくら探してもその書類を挟んでいたバインンダーが見つからなかったのが昨日だった。彼女に聞けば済むのだが、仕事を離れた人というのは色々と聞かれるのをうっとうしがると思ったので、なんとか探したら、なんとその書類はバインダーから外されてクリアフォルダー(ペラペラしたやつ)に挟んで、ダンボール2箱分のファイルの間に挟まっていた。どうりで見つからなかったはずだ。私はあのバインダーを一生懸命探していたのである。

 上司も「とりあえず、ファイリング方法を考えて、ミヤノさんの方で今後のファイリングを新人に指示してください」というので、元同僚の残したファイルをパラパラめくってみたが、いらない書類も多いし、かなりグチャグチャ。もちろん、仕事しているときには、自分さえわかればいいということもあるが、引き継ぐときにはもうちょっと後任の人のことを考えて整理していかないか?
 それに、今は私がしばらく金庫を預かるのだが、小口金庫の中も雑然としていて、今日の午前中はそれを整理したら、かなりスッキリして爽快。ついでに、大きな金庫の中もすこし片付けてしまった。だって、お菓子の空き缶が入っていて、何が入っているのだろうと空けたら、すっごく昔の年末調整を社員に現金で渡したときの受領印を集めた紙っきれが数枚入っていて愕然とする。こんなもん、領収書つづりに綴っておけよ!金庫に大事にしまっておくような重要書類でもなんでもないじゃん。

 私は自分の部屋の掃除はめったにやらないが、仕事上の整理整頓やファイリングにはその分情熱を注ぎ込むのである。いや、書類の整理に部屋掃除の才能を吸い取られてしまったということにしておこう。そういや、昔の上司だった女性は、「毎日掃除機をかけないと気がすまないし、食器は夜のうちに洗う」という人だったが、書類はいつも混沌としており、大事な書類は私がこっそりファイリングしてあげてたが、そのうち向こうも私に渡してしまえばラクだということに気が付いたので、ほとんど私がやっていた。

 しばらくはファイリングの鬼になりそうだ。それに、書類保管庫もすごいありさまで、今までは同僚の手前放っておいたが、あれにも我慢できないし、それに今の状態だともはや新しい保管箱を入れる隙間もないので、そのうち土曜とかにTシャツでも着ていって大改造しちゃおっと。
 それにしても、いつも思うのだが、どうして多くの人は、ただ漠然と「前の人がこうやってたから」ということだけで、ファイリングなどをしているんだろう。前にも今の会社で部署の引越しの際に、キャビネットの中から「5年分の納品書ファイル」が発見された。それを見つけてしまった社員も「どーしよー」と困っていたので、当時は契約社員だった私が「どれどれ」と見てみたら、出入り業者が文房具や備品や消耗品(お茶とかコーヒーとかも含む)を納品する際に添付していた納品書だった。月末締めで請求書が来て、それにも納品書の写しがついてくるのを知っていたので、「それはもう不要だから捨ててもいいんじゃない?」と言ったのだが、「でも、こんなにちゃんととってあるのに捨てるの怖いなあ」と、臭いものはフタをしろの法則に則って、またきちんとしまっていた。

 契約社員時代はほんとにそういうことが多くて、私がいくら「それはいらない」と言っても、「でも〜」と、ゆーこと聞いてくれなくてイライラしたが、最近は私も偉くなったらしいので(笑)、そういうことも無くなった。それでも、そういう「でも〜」な子は私のご宣託だけでは不安らしくて上司に確認したりするのだが、上司もそういうファイリングは得意じゃないし、税務調査経験もない人なので「もしものことがあるからとっておこう」という人だったが、最近はそういうくだらない話が上司に回るのを阻止しているのであった。
 それに、今度総務に配属された人が「私、書類捨てるの大好き〜」と言っていたので心強い。

 というわけで、今日も金庫の整理やその他雑事に追われて、定時を過ぎてからやっと自分の仕事にとりかかる。末締めの請求書を発行したり、その時間になると電話も来客も無く静かになるのではかどる。結局、8時までの2時間で、今日までになんとか終了。まだまだ自分の仕事は残っているのだが、徐々にやっていくしかない。まあでも、2時間も残業すればなんとかなるということがわかったので、かなり気が楽になった。

 遅い時間になってしまったが、頑張って久しぶりにスポーツクラブに行った。先月は体調不良でなかなか行けなかったので、今月こそ。しかし、新年度は新規加入者が多いので混んでいるのが難。



4月1日(月)

 嘘つく暇もなかった一日。
 覚悟はしていたが、社員が一斉に3月の交通費などの経費清算書を回してくるので、朝から現金出納に追われる。仮払いの申請もたくさん出ていたので、銀行に言って現金を用意したり、月末に現金で集金してきたものを口座に入金したり、郵便局で振り込みをしたりと、今まで同僚がやっていた雑事を今週は私がやらなければならないのであった。
 「皆さんの交通費清算のお金は、アフガン地震の義援金として寄付させていただきました」とかメールすればよかったかなあ?40万円くらいあったから、けっこういい寄付になるだろう。

 上司とその合間にちょっと仕事の話をして、今まで経理がやってきた「総務的」な仕事を総務課のほうに移行して、経理と総務の仕事をきちんと分担したいという。手始めに、契約書のファイルをどど〜んと総務に新たに配属された社員に押し付ける。まだまだ序の口よ〜ん。派遣社員の管理もやってもらおっと、あと「冠婚葬祭」関係も私は苦手なので(電報打つのはしばらく懲り懲り)あれもやってもらおう。と夢は膨らむ。(うう、なんてセコい夢なんだろう)
 上司が「それで、今経理でやっている仕事もマニュアル化して、ちゃんとまとめてください」というのも、私もずっとそう思ってたから、大賛成だし、やるのはかまわないのだが・・・・・経理に配属される予定の新入社員は今週いっぱい研修なのは知っていたが、来週もその他の研修があるということを今日知った。
 「だから、4月上旬は現金はよろしく」
と上司が言ったが、現金の出納が激しいのは月初だけだが、それ以外にもいろいろ細かい仕事があるので、それ全部私が1人でやるのね・・・・くすん。

 今日はまた「鍵開け当番」だったので、朝の8時半から出社していたのだが、ずっとドタバタしていて、夕方になってシステムが急ぎの請求書発行とか持ってくるしで、なんとか今日の仕事が片付いたのが6時だった。月曜日から骨を粉にして働いてしまった。結局、元同僚のやっていた仕事で一日が終る。自分の抱えている仕事は全く手がつかなかった。誰か嘘って言って・・・・・ってかんじ。

 今日は早起きしてたので、くたばれてしまい、とっとと帰ったが、明日からはしばらく残業しないと仕事片付かないだろう。新入社員が前線に来てくれても、ある程度慣れてくれるまでは色々私が指示しなくてはならないだろうし、ああやっぱ「4月は残酷な月」なのね。そんじゃ、ちょっくら詩ってみるか。

 4月は残酷な月だ。
 カタツムリは枝を這い。
 なべて世はこともなし。

 ↑おもしろくもおかしくもないが、本人はインテリジェンスなシャレのつもり。わからない人には全くわからないだろうが、わかる人もわかりたくないだろう。ついでこれと同程度につまらないのも思いついた。

 柔肌の 熱き血潮に 触れもみで 寂しからずや じっと手を見る

 う〜ん、この凡庸の極みともいえるつまらなさは、ちょっと癖になりそうだ。こんがり焼けたトーストにバターをたっぷり塗ったところで電話が入り、2時間も長電話したあとに、皿に載った「元バタートースト」を恐る恐る食べてみると、「ふむ。これはこれで、トーストとは別の食べものだと思えば、なかなか味わい深い」と悦にいっているような。

 全ての上の句にジャストフィットする下の句の定番といえば「それにつけても金の欲しさよ」であることは有名な話だが、私が中学生のころもそれが流行して、百人一首や教科書に載っている名短歌が多数犠牲になったが、私はこの「じっと手を見るシリーズ」も好きである。
 
 おっと、脳みそがふやけているので、つまらない脱線をしてしまった。エリオットの「荒野」に戻る。

 4月は残酷な月だ。
 脳細胞が死んだ経理のお姉さんにライラライラ♪とアリスのメドレーを歌わせ
 記憶と欲望はもともとあまりないのだが
 春の日差しで鈍い目を刺激するのはかんべんしてほしい

 (解説。昨日の夜、NHKでアリスのライブが再放送されてたので、つい垂れ流して聴いていた)

 そーいや、「鈍い目」こと、父親譲りのド近眼で乱視ぐにょぐにょな目をコンタクトレンズでなんとか日常生活が最低限送れるように矯正してごまかしているが(遠視気味の母は父の近眼を評して「おとーさん、大昔に生まれてたらどうしたんだろうね?眼鏡があってよかったね」と言ったが、私もそう思う。裸眼で街を歩くのは無謀なのだが、それが身にしみたのは、予期せぬ外泊のあと、コンタクトを外して帰宅しようとしたら、駅の切符の料金表が読めずに途方に暮れ、しかたがないから最低料金の切符を買って出るときに清算したときだ。「どこかに、もっと目の悪い人でも読める金額表はないのか?」と探したが、点字のしかなかった。点字を空しく指でさすってみたりした)←やっとカッコが閉じた。えっとなにを書こうとしてたんだっけ?ふふふ、今日のあたしはなんだかおもしろいぞ、微妙に壊れている。

 ええと、そう、今日「自分の目がどのくらい曇っているか」に愕然としたのは、昨日、恵比寿のガーデンプレイスの真中に植わっていた木の色が大変美しいと褒め称えたのであるが、なんと自分が毎日出勤している会社の目の前の歩道にも同じ木が植わっていたのですよ。しばらく白目むいて立ちすくんでしまいました。
なんだか「青い鳥」みたいなボンクラな結末です。さんざん探した青い鳥は実は自分ちにいた!?「灯台もと暗し安心クラシアン」

 というわけで、せっかく地道に築いた職場でのマイペースを粉砕されてしまったので、軌道修正にはしばらく時間がかかりそうです。いつも書いているが、環境の変化にもの凄く弱いのだが、時間は多少かかるが適応力も高いはず。
 そういえば、このエイプリル・フールという善き日に、イメルダ君が欧州に旅立ちました。家に帰ったら留守電に「今、成田。これから出発します」というメッセージが入っていた。時刻は朝の8時半。いつもだったら、まだ家にいて化粧でもしている時間だったのですが、2ヶ月に一回の「鍵当番」に大当たりしてました。ぼんぼやーじゅ

 しかし、世話する人間が1人減ったのは不幸中の幸いであったが、明日も会社に行くと「現金出せ〜」な人々に囲まれるんだろうなあ。うちの会社の給料日は15日なので、「この清算のお金が出ないと得意先にも行けない」とか言う奴が多いのだった。ユーウツ。 


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