ゲーム屋バイト日記 2001年2月分 →2001年3月へ

【DCはもう値下げなんだな】 2001/2/26(月)
 値下げ補填分のコントローラとビジュアルメモリが入ってきていたと思ったら、もう値下げで本体も入ってきたのか(入荷…したんだろうなあ、あれは)既にドリームキャストは9,900円で販売しています。他所もそうしているんじゃないんですかね。
 ちなみに、量販店のチラシでは先週くらいに既にDC本体9,900円で載っていると思ったら、型番がHKT-5000となっていたので、単に旧型番を抱えていてその処分の模様。確かDCは5100との差はそれほどないように聞いていますけど…そういえばちゃんと知らないので調べてみよう。
 ところで、明日はGBの「ゼルダの伝説 ふしぎの木の実」の発売日なのですけど、火曜日発売とかなり変則。それで閉店後に展示準備を忘れないようにしないと…と思っていたにも関わらず、展示をしていなかったと気が付いたのは店を出て5分後。もう1人の同シフトの人が出していた気配もなかったような…。相方の人に確認しようにも携帯の番号を知らないし、鍵を持っているのも相方の人。明日の朝に店に電話するにしても、それで相方の人が準備していたら気まずいし…。明日の開店前に確かめに行くしかないか。

【ニュースについて】 2001/2/22(木)

 最近のゲーム流通関係も色々あるんですけどね。

 例えば、安くなったドリームキャストを買おうとしている人に言いたいこととか。でも、DC関連については先週発売のファミ通でDC値下げに対しての反響の特集もあったし、鈴木みそ氏もレベニュー・シェアリングについて取り上げているし、そちらで充分参考になるので別にいいかと。ただ、私が言うとしたら「悠長に考えていない方がいいよ」ということなんですけどね。レベニューとは何ぞやとか、セガの今後の方針が気になる人はこちらを覗いてみてもいいと思います。
 小売の負担を減らすようなメーカー側の配慮といえば、ネオジオポケットも似たようなことをやっているんですよね(似ているのは店頭にタイトルを揃えてもらう、というコンセプトの点か)。まあ、結局ハードメーカーは苦しくならない限りは小売に歩み寄ることはしませんし。

 一週間ほど前でしたか。「ときメモ」についてデータ改造の違法判決が出たと新聞で見ましたが。私としては当然だと思って別にレスポンスしなかっただけ。前に【GAMER'S VIEW】にも載せて置いたC-ZEROマイブーム対談をご覧になった方は(今も同人誌紹介の本誌からのリンクは残してあります)お判りでしょうが、私は改造とコピーを蛇蝎のごとく嫌っている人間ですから(エミュレータは…まあグレーゾーン)。コンサル時代も「プロアクションリプレイ」等を扱おうかどうか相談してきたお店さんには決して奨めませんでしたが、それは、違法性があることも含め、本体もバージョンアップごとにプロテクトを強化して対応させなくしていますし、そこで出てくる問題についても扱う店の人間が知識を持っていることが必要ですので、こなせる自信がない限りは手を出さない方がいい、と言っておいたということ。お店の目指す路線によっては止めはしませんけどね。しかし相手はコンサルティングを依頼してくるお店ですから、そう専門知識はなくて堅気のタイプが多いわけ。
 ともかく、自分も同人屋とはいえ物をつくる立場の人間ですから、著作権的な事には敏感ですよ。その著作権も適用範囲が無制限とは思っていないだけで(特にゲームメーカーの頒布権の主張は到底納得できない。頒布権が認められるにしても消尽が適用されるはず)。
 しかし、著作権は親告罪ですし、事実がどうというより侵害されたと受け取ったかどうかという性質のものですからね…。その辺、「ゲーム会社は独自の体質により、著作権の受け取り方に出版界と差がある」という話をAID新聞か何かで見まして、ゲーム同人描きにはためになる話なのでそのうちご紹介したいと思っているのですが、かなり長くなりそうな話なんですわ。
 それにしても、コナミは訴えすぎ(笑) 力を入れるべき所を間違ってやしませんか?

【棚卸しは修羅場】 2001/2/20(火)
 9月の棚卸し以降、破壊されたキーパーが発見されたり、出しているはずのない中古ソフトが店頭にあったりと怪現象が続く店のことで、次の棚卸しが恐い…と思っておりましたが、ともかくも常々の疑問を晴らす日がやってきました。今年度後期の棚下ろしです。
 前は中古取り扱いを開始してから4日しか経っておらず(なんでわざわざそんな時期に中古を始めたのやら…)、おかげで中古の存在を失念していたもののそれほど手間はかかりませんでしたが、今度はそう簡単にいくはずもない。おまけに、今回は全員参加とはいかない上に他店の応援もなし、店長すら来やがらない。
 前回より3人減の6人だけど、作業に当たるペアが3組はできる。まずは在庫数を数えること2周。ここまでは順調だったんですよ。それから、リストと照合して差異があるかどうかのチェックを3回。狂いが出る出る…。そして、在庫が違っている商品が本当に多かったり少なかったりするのか、売場やカウンター内、修理・返品のリストなどを全て洗っての調査。問題はコレ。「3本在庫あるはずが実在庫ゼロとはどういうこったーっ!!」(年末のヒット商品だったので明らかにパクられている)などの叫びが飛び交い、そのうち「俺はこれ見た覚えがないからきっとないんだ!」などと投げる者も現れ、それでも調査で見つかる商品は1割にも満たず…。うん、ない物はないし。
 前回は、一応棚卸しのため休業としていたものの、早く終わったので夜から店を開けることになったのですが、今回は最初から、終わり次第開店すると云うことで営業時間変更と告知するようにとのお達し。しかし「終わり次第」なんて云ってもお客さんとしてもいつ来たらいいのか判らないのだし、休みにしておくべきだとの満場一致の意見。実際、「いつ開くんだ?」なんて電話もかかってきたりするのですよ。で、結局、閉店の23時になっても終わらなかったのでした…。朝から出ていた私は最後まで居たのですけど、あとは最後のコンピュータへの打ち込みチェック(在庫修正が正しくなされているか、こたれもまた別の人間が2度チェックする)になったところで、20時から来た夜番に任せて上がらせてもらいました。夜番は店開け要員として呼ばれたのですが、結局棚卸しが終わらないので彼らも参加。私は夜番だけど棚卸しのために昼のバイトは休み取って朝から出た訳です。
 日頃には珍しく早起きして、13時間通しで勤務でさすがに疲れました。今日はもうとっとと寝ます…。ガク。

【ゲーム屋つれづれ】 2001/2/19(月)

 この頃取り立ててゲーム屋日記を書くことがなかったのですけど、その辺まとめて。

 ただいま過剰在庫の半額セール実施中。その間ずーっと転バイヤーが毎日毎日ご来店でかなりキレ気味。不良店員を自認する私は、気にくわない客に対して落ち度のない範囲内を計りつつ、あからさまにぞんざいな態度を取りますから(爆) だからワタシ接客業向きじゃないんだってば…。しかし、さすが転バイヤー根性。安ければ店員の応対など気にならないらしく、しかもいつも顔合わせるので慣れてきたのか、ほとんど顔も上げなかったのがだんだん親しげになってきてやがります。うーん、店に来る気をなくさせる策略失敗。
 しかも、この半額セール、15日までだったのに他店から在庫押し付けられて期間延長。

 これも15日のこと。この日発売のDCの「ハンドレッドソード」をドリームキャスト本体ごとお買い上げのお客さんが。3/1からの値下げを踏まえてさすがに定価では売っていないとはいえ。それでも現在14,800円(のはず。もうちょっと下かも)。ドリームキャストは3/1から9,900円になる旨を伝えて念を押したのですが、お客さんは「いいですよ」と即答。お客さんを見送った後、思わず言ったことが「やっぱり欲しいときに買うのが一番!」 ゲーマー魂斯くあるべしです。

 「ギガウイング2」が他店から回ってくる。1本ずつ。入った端から売れていく。また要請する。確かに日が経って何本も入れたところで残る恐れの方が強いのだけど、入ってきたその日に買われていくんだから、まとまった数入れてくれたって…。私にも買〜わ〜せ〜て〜っ(泣)

 17日土曜日。お釣りを渡し忘れるという常日頃しない大ポカをかます。大きな商品なのでどう持っていくか訊いたり、その場で入会してくれたのでカード発行をしたりしていたら、お釣りを渡しそびれてしまったんですよ(爆) すぐに気が付いたのですけど追跡に失敗。次にご来店の時に渡せるように他のスタッフにも伝えておかなくては……と、お客さんの会員番号を控えようとしてハタと気付く。そうだ、入会してもらったから電話番号が判っているんじゃないか。閉店後でいい加減遅い時間だけど、届けに行くと言っておくべきだろうなあ。一緒のシフトの人のK君は「取りに来てくれるように言えば」なんて云うけど、「こちらのミスでお客さんを呼びつけるのは絶対ダメ!!」 大体、この人が前に中古本体に電源ケーブル入っていなかったとのクレームに、その本体を店まで持ってくるように言ってモメたというのに懲りていない。
 それでは覚悟を決めてお客さんに電話。お釣りを渡し忘れたことをお詫びして、お届けすると伝える。
客「お釣りっていくらですか?」
私「21円です」
客「じゃあ、いいですよ」
私「いえ、それでは、お客様が次にご来店の際に、店の者に言っていただければお渡ししますので」
客「あ、それでいいです」
 無事に話がまとまる。
K君「そりゃ21円届けに来いという人はそういませんからね(笑)」
私「そりゃそうでしょう。こっちもそのつもりで言っていますから
 最初からこちらが低姿勢に出て誠意を見せれば、大概の人は「そこまでしてくれなくても」と譲歩する気になりますが、いきなり「取りに来てくれ」じゃ誰だって気を悪くするというもの。計算ずくの誠意。なんだかヤな感じですけど、「じゃあ届けてくれ」と言われたとしても、0時過ぎに、あるいは休日のところわざわざでも届けに行く覚悟はありましたよ私は、ええ。

【中古市場のネットVSゲーム屋】 2001/2/11(日)

 最近、中古店で見つからない本やゲームソフトょネットオークションで探してみると、これが結構見つかるものです。しかし、随分暴利だと思って手を出さないことも多いのですが。まあ、ネットオークションは出品者が高く売ろうと思って出してくるからそれは無理からぬこと。それで今更ながら思い至ったのですが…

 オークションを見ていると、ゲームソフトの値段は概ね中古ソフトの相場と大差ない程度。
 言うまでもなく、2000円で買い取ったものを3000円で売って差額の1000円を粗利として得るというのが中古屋の仕組みです。が、店を通さず売り手と買い手が直接やりとりすることで、売り手は中古屋に売れば2000円のところを3000円で売りに出せるのですし、買い手にしてみれば、相場程度で店で買っても金額的に変わらないなら選択肢として等価、それより安ければ言うことなしでしょう。
 それと現在、中古ショップに対して警察の指導が厳しく、18歳未満は結構ソフトを売りにくい体制ですし、ネットオークションでは特に年齢による規制がない(主催によりですね)のもメリットのはず。
 また、買い手にとっては目当ての品物を探すことに向いているシステムといえます。自分の行動範囲の店を一軒一軒見て回っても目的の品があるとは限らないのに対しネットでは出品があれば検索で瞬時に見つかり、全国的な繋がりによって発見率もかなりのもの。どうしても出てこないような物は、どっちみち店にも出てきやしませんって。 
 勿論、ネットが万人のものでないことに加えて、オークションというシステムの特異性──買い手が付かない、また競り合いによる価格高騰、手続きの煩雑さ等──を無視できませんが、今やショップ以上に中古利用者のニーズに合ったものになっていえるでしょう。

 2、3年前からゲーム専門店に、将来的にゲームがオンラインによるノンパッケージ販売されるであろうことを脅威とする論調がありましたが(最近ちょっと落ち着いた模様)、私個人としてはそれはさほど問題ではないと考えてきました。確かに淘汰される店も出てくるでしょうが、実際に現物を見て購入することへの需要は確実にありますから。そのためゲーム専門店はなおさら専門性を特化させない限り生き残れないと考えているのですが──これについてはまた別の機会に語るとして、むしろネットの普及によってゲーム屋が脅かされるとしたらそれは中古市場の方なのではないか、と思えてきたのですよ。

 ただ、それは最初から目当ての物がある“目的買い”の場合。検索で目的物を探しやすいのがネット購入の利点とすると、不特定に安いものを探すにはやはり店頭で見ることが向いています。1500円シリーズなどの廉価ソフトが「安いから試しに買ってみるか」という“ついで買い”を狙ったように、ライト層は「何か安くて面白そうなもの」を求めるのが傾向のひとつ。見た目の印象で購入を決める“ジャケット買い”も店頭ならではですよね。

 売り手側についても考えますと、先日、店で「テンバイヤーは果たして割に合っているのかアレは…? 売るならネットオークションの方がまだ高く売れそうなのだけど」と考えたものの、とにかく値下げしてある処分タイトルを仕入れていく彼らのこと。あまり魅力のないソフトをオークション出品したところで買い手がつかない可能性があり、その点、中古店ならば値を付けないと云うことはありませんから、買取価格が購入価格を下回らない限りは確実…なのかも。いや、山のようにいますけどね、ネットテンバイヤー。

 中古市場にしても、実際のお店とネットオークションそれぞれに利点があることで、即座に取って代わる…という性質の問題ではないですが、ネットオークションは特にコアユーザーにとっては利点が多いと言えそうで、今後棲み分けが進むというところでしょうか。

【あれこれ・2(今度はゲーム関連)】 2001/2/6(火)

 「エムブレムサーガ」、3月分で発注来たものの、ぜーったい3月には出ないだろうと思っていたら、案の定5/24まで延期だそうで。ほら、やっぱり。
 もうひとつ、延びるに違いないと見ていた「スパロボα外伝」の方は、3/22から3/29にと一週間の延期が告知されましたけど、ほんとにそれだけで済むのかな〜?
 あと、私が延びるだろう発言したのはゲームボーイアドバンスですけど、これはこの期に及んでは延びないだろうね。ま、余程の不具合でもでない限りは…。

 さて、そのゲームボーイアドバンス、入荷数が見えてきたようで予約が取れるようになりました。…が、色の指定が出来ない!? なんでも、3色あわせて20台という入荷で、どの色が何台かは不明らしい。しかし、20台は何としても確保するから…との仕入れ担当主任からの通達。……なんか怪しいな。ヤクザな問屋でも噛んでいるんじゃなきゃいいけど。任天堂系の流通はこれだから!(任天堂自体が悪いのではない場合も往々にしてあるのだけど)

 あと、DCの本体値下げ保障の内容が実は…とか、4月の新作案内がやたら薄いとか、いろいろあるのですけど、まだ情報不足なのでいずれまた。

 これはどこから聞いたのか、あるいは自分で言い出したのか、2年ほど前のことで記憶が定かではないのですが、前のコンサル会社で社長とハード論議をしていたときに出てきた言葉。
「任天堂はおもちゃ屋、ソニーは家電屋、とするとセガはゲーム屋以外の何者でもない」
 三者それぞれ得意の土俵を持っているのであって、相手の土俵で勝負を仕掛けたところで勝ち目があるはずもない。家電屋は家電屋ならではの流通やプロモーションのノウハウを持っているのだし。それを出来の悪い真似の流通機構を立ち上げたり、コンセプトを二転三転させたりと、セガは自分のポジションを見失っていたのではないんですかね。その一方で、独自のカラーで良質なソフトを世に出し続け、しっかりゲーム屋の本分は果たしてきたセガ。ゲーム屋の作るハードが消えるのはゲームファンにとって惜しい気はするのですけどね。

【あれこれ】 2001/2/5(月)

 どうも自分は「ケチがつくと冷める」性格なのかも。これもまた正確な表現でないし語弊があるのだけど、なんつーかね、好きな物を悪く言われたとすると、それが的はずれでないのならムキになる方でないのは確か。そうか、人はそう思っているんだなと納得して、それじゃ同志を求めても無駄なんだなと引き下がってしまうというところ。この辺が人間不信の由縁か。まあいろいろコンプレックスも多いし(モシモシ意味通じませんよ…?)

 DC購入の目的は果たしたものの、確定申告対策月間として極力シフトを増やしたところ(バイトのため引かれていない所得税を取られることになるのに備えているのである)、一ヶ月以上にわたり丸々1日休みになる日がないという状態に。さすがにガク然…。2週間が経過したところにして大分へろへろです。休日が来るのは…24日。あと18日出っぱなしか…。いや、時間数がそう長いわけじゃないですけど…もつのだろうか自分…(汗)

 下の項のDCの話。別に突っ込みが来たんじゃないんですが、何か言われる前にあらかじめ言っておくと、最初からDCユーザーにとってどうという論点で書いてはいませんので。ユーザーの立場で言うとまた違った見解が出るだろうけど、あくまでビジネスとしてどうこうって話。しかしそれまで因果な仕事やっていたせいか、特に経済問題に強くもないにも関わらず、ゲーム業界のことに関してまずビジネスとして成り立つか、という視点で考えるのが癖になっているのも事実。ファンの人ってそこをほとんど無視した発言をするのが目に付くとも思っているし。いや、本来ユーザーはそういうことを気にする必要はないんですよ。開発者がいくら苦労していようと、ユーザーは出来上がった物に対して評価する立場なのであって、そこに同情が入るのもおかしな構造な訳よ。日本人はそういうのに弱いんだけど。そして、実際作り手への同情を利用した商売のやり方も存在している。結局避けては通れない。

【DC構造改革のコト】 2001/2/3(土)

 またしても自分のレスポンスが遅いもので、急展開のDCについて経過を辿ってみますと…
 1/24夕刊にて、DC本体の3月末での生産終了とハード事業からの撤退が報じられ、この撤退の問題がクローズアップされた形の報道となり、同日セガはこの報道を公式発表によるものではないと否定。ハード事業の構造改革を図るとの表現での晴明を出す。が、一週間後の1/31に至りセガよりDCの生産終了を正式に発表。DCについてはセガにある200万台の在庫の出荷を続け、来年3月までに約70タイトルを予定。また、今後はアミューズメントとコンテンツ(ソフト)事業に特化するとし、他ハードへの供給タイトルを発表。そして2/2にはDC本体を3/1より9,900円に値下げするとアナウンス──というのが今までの流れ。
 この辺については、セガの公式発表と、ユーザーに向けての表明をご覧になるといいでしょう。また、ZDNETにDCに冠するニュースがまとまっていますのでこちらも便利。

 うーん、私的に考えたことはいろいろあるのですけど、言ってどうなるといえばそうですし、独り善がりな話に陥るだけでは…と気が引ける部分もあるんですけどね。世の中にはその道の専門家も居て記事なり本なり記してくれますからね。素人の好き勝手なゴタクにどれほどの意味があるのかとは思いますけど、どうせなら情報を受け取る一方よりはそれについて自分なりに考えてみる方が生産的だし、そんなもの見てもしょうがないという人は最初から読まないだろうし、読んでみて多少なりとも面白いと思う人がいるならそれだけでもいいでしょ。

 セガ自身の正式発表は世のセガファンには打撃だったようですが…1/25でも言いましたが、やはりあの時点で決定かそれに近い線まで行っていて、それがリークされたことで結局現時点で発表せざるを得なくなってしまったというところでしょうか。言葉を濁したところで事態の収拾が図れなかったし。が、全世界で200万台の在庫──これは今期1年の国内出荷量に相当するそうで、ここまで在庫抱えているとは思わなかったのですけど(せいぜい3、4ヶ月分かと)、やはり製造中止は問題になることじゃないのでは?てゆーか、増産の必要ないって。が、ここがクローズアップされて撤退のマイナスイメージで広がってしまったのが問題。
 それに、すでに「撤退」と報じられてしまった以上、在庫をもってDC本体の普及にあたる…といったところでユーザーの目はDCに向かないし、第一小売店も仕入れませんや。こうなると19,900円の価格設定自体が既に赤字とはいっていられない。小売店だって過剰在庫は半額にしてでも処分するでしょ。この在庫を捌くために値下げが急務だろうな…とは思っていたのですが、その対応が予想外に早かったなというのが下の2/2分で言っていること。
 また、構造改革についてですが、どこかで「ソフト事業は一流、ハード事業は三流」なんて評されたセガのこと。元々セガが赤字解消するにはハード事業を切り捨てるのが得策で、今までそれをしなかったのはプライドの問題としか思えないくらい。今回の構造改革はもっともなことで、ようやく思い切った判断を下したなと安心した程です(偉そうだなアンタ…)。ソフト開発ではセガに並び立てるメーカーはそうはないでしょう。また、セガがPS2の開発ツールの制作に乗り出すとのことで、タイトだと評判の悪いPS2の開発環境がやりやすいものになれば、業界の活性化にもつながるのでは。

 で、今まで多くのユーザーにとってのセガのハードの意義は、「セガのゲームが出来る」ということ、また「セガのゲームをやるにはセガハードを買うしかない」という制約的なものだったはずです。しかし、ここでDCコンテンツ事業を継続するとしつつ、すでに他機種への移植やタイトル供給を発表している…。これが疑問。
 3月のソフト受注は既に終わっている訳で、例えば「サクラ大戦3」などは一番影響がありそう。PS2で「サクラ」出すと発表しちゃっているんですよ? 本体に関しては、サクラver.やキティver.ともにの店頭在庫に対して新価格との差額に対処がなされるとのことですが、発注済みのソフトについてはどうしてくれるんでしょうね。もっとも、購買層は移植されるまで待たない人達だろうからノープロブレムかも…。
 それにしても、バーチャファイター4、アーケード発表前から既にPS2で出すと言っているんですけど…待ちなさいよアンタ自分とこのNAOMI2で作ってんじゃないのヨ!! と思わずカマ言葉(?)で思ってしまったのですけど。いや…せいぜい自社の財産を活かして立ち直りを図って下さい…。なりふり構っていられないでしょ。

 さて、市場的なことを考えれば、供給の支障とならないDC本体の製造中止は伏せたまま(どっちにしろ本体値下げは必要かも知れませんが)、ネットワークゲームを中心としたDCの今後のラインナップを発表、また他機種へのソフト供給を具体的に発表といけば良かったのだろうとは思うのですが……DC市場がダメージを追っても、生産終了を公にしなければならない理由があるとしたら、株価?
 実は1/25分を書いたときに、父にDC報道の話をしたところ「株じゃ情報操作はザラだ」と言うので、株がらみの問題なのか…とも思ったのですが、確信がなかったので書いたのを消したんですよ。その後、自分で株価の動向チェックするのを忘れていたのですが、リンク先のコングさんによればやはりあの報道後に急騰しているとのこと。セガにしてみれば、きっぱり赤字事業のハード事業から手を引くと明言し、PS2、GBAなどの有力ハードでのタイトルラインナップを挙げることで株価の上昇をはかった方が割が良いのかもしれませんね。

 これまでハード移行において、そのやり方が「ユーザーを切り捨てる」と云われたセガにしては、上記のユーザーへのメッセージなどは誠意的な対応を見せていると思います。今後もまだ魅力のあるタイトルが予定されていることで、後々までDCユーザーに対するフォローを忘れないで欲しいところです。
 ちなみに、私としては「ハードメーカーはみんなキライ」なのであって、それでも嫌い度はセガ<ソニー<任天堂なんすよ。まあ…任天堂のユーザーへのアフターケアの手厚さは認めるんですがね…。

【バイトとDCに関して】 2001/2/2(金)
 店に行くとDCの件でFAXが来ていて、3/1からドリームキャスト本体が9,900円に値下げとのこと。これも公式にハード生産終了を発表したからには、とその時期や価格設定が気になっていた事なので、セガにしては対応が早いなとちょっと感心。(が、早すぎて社内でも意志決定の通達が徹底されていなかったらしいですけど…)
 で、別段この撤退騒ぎがあったからではなく、2/1からうちの店ではDCを中心に在庫一掃の50%OFFセール実施中。何もない2月の集客作戦のつもり&決算前の処分らしい。テンバイヤーがまた続々来るんだろうなあ。

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