除名墓場

警察沙汰とか

FMHPG除名事件に関して、警察沙汰にまでなった事件について書いておきます。

或るメール

私がスタッフに損害賠償請求の報告メールを送ったところ、あるスタッフの方からメールをいただきました。公開すると訴えられてしまうそうなので、要約して文体も変えた形で掲げます。

Date: Sun, 04 Jul 1999 13:11:32 +0900

まず言っておくが、このメールはわたしの個人的なものだ。

フォーラムスタッフは顧問弁護士を交えて協議中である。

ニフティサーブ会員規約による除名処分、脅迫罪や営業妨害罪による刑事告訴を検討している。

訴訟になった際に証拠として扱うので、言動には気をつけろ。

著作権法にもとづき、本メールの公開を禁じる。違反したら訴訟を起こすので気をつけろ。

私の送ったメールが脅迫や威力業務妨害にあたるとはとうてい思えませんでしたが、心配なので「何が脅迫や営業妨害罪(って何?)にあたるのか」と質問しました。するとこういう感じの返事が返ってきました。

Date: Tue, 06 Jul 1999 06:42:47 +0900

顧問弁護士の指示により、個人的に対応することができなくなった。

裁判の開始前につき、係争中の事案に関する質問には答えられない。

このメールは、弁護士資格を持つ者を除き、一切の公開を固く禁じる。弁護士には守秘義務が発生する。

著作権法にもとづき、このメールの内容を文書による明示的な許諾なしに公開することを禁じる。電子メールは文書とは認めない。違反したら訴訟を起こすので気をつけろ。

弁護士を交えたスタッフ間の協議の結果として告訴を検討している、と言われればそれだけで不安になりますが、既に係争中だと言われればこれはもう放ってはおけません。

そもそも、脅迫や業務妨害の罪は親告罪ではありません。親告罪というのは、被害者から「加害者を罰して欲しい」という訴えがなければ犯罪にならないものです。被害者に謝って許してもらうこともできます。名誉毀損や強姦などがこれにあたります。

しかし脅迫や業務妨害はそうではありませんから、相手が「訴えない」と言ってもそれで終わりと言うことにはなりません。被害者の告訴が無くても犯罪として立件される可能性があるのです。仮に私が脅迫を行ったのだとすれば、被害者の許しの有無に関わらず犯罪になります。

事態は深刻です。私はすぐに警察に相談に行きました。

警察の取調室にて

警察に行くと、いきなり迷いました。免許証更新の窓口などはすぐに分かるのですが、「脅迫罪で訴えると言われてるんですが、大丈夫でしょうか?」と相談する窓口なんてのは用意されていないのです。当然かも知れませんが、すこし不親切ではないでしょうか。

幸い、エレベーターの前で親切な方に出会い、担当部署(?)に案内してもらえました。そこからさらに小部屋へ案内されて……そう、取調室です。大きく手を伸ばせば両壁についてしまうほどの小さな部屋で、大きな窓には鉄格子がはまっており、その向かい側には鏡が備え付けられていました。おそらくマジックミラーでしょう。

取調室で行われた会話を、記憶を元に再現したものです。記憶は曖昧なのでかなり想像で補っています。口調などはかなり事実と違うかも知れませんが、話の大筋はそんなに間違っていないはずです。

「まず住所とお名前、それから職業を」

(正直に述べる)

「ということは、作家ですか」

「まだ一冊しか本出してないんですけど」

「それでも大したもんじゃないですか。それで、脅迫というのは?」

「なんか私が脅迫したとか言われてるんですけど」

「脅迫ですか」

コレです。私は脅迫したつもりは全くないんですけど、もし、これで脅迫になるというのであればこの場で自首します」

(メールを刑事さんに見てもらって「これは罪になる」と言われたら本気で自首するつもりでした。)

「こりゃ脅迫にはならないよ。ぶっ殺してやる〜とか言ってるわけでもないし、どう見たって単なる抗議だと思いますけどね」

「刑事さんにも見せていいのかどうか分からないんですけど、なんか脅迫罪で刑事告訴するとか言ってるんですけど……」

「まあ罪にはならないと思いますよ」

「もし訴えられたらどうなりますか?」

「それ東京の会社でしょう? 警視庁から尋ねて来るんじゃないですかね」

「なんか既に訴えてるっていうような口振りなんですけど、どうなんでしょうね?」

「うーん、警視庁に問い合わせてもそんなの教えてくれないですよ」

(感想:横の連係とか無いんでしょうか。ひょっとしてこれが「縄張り」という奴ですか?)

「仮に訴えられたとして、私が今ここにいるって事で自首になりますかね?」

「(笑)まだ事件になっていないんでねぇ……」

「あと、営業妨害罪とか言ってるんですけど」

「営業妨害ったっても、この会社がどういう業務をやっててなにがどういう損害になるかってのが……」

(ごみごみ説明)

「良く分からないけど、この程度では大丈夫だと思いますけどね……いや、民事では分からないですよ。損害賠償だーとかね」

「はあ」

「でもそうなれば、お宅だって反論するでしょう?」

「ええ、まあ、それは」

「告訴だってそうですよ、告訴されたら名誉毀損だ、とかね、いろいあるでしょう」

(その後の話の流れが記憶にないのですが、概ね問題ないだろうという話でした)

「悪いことなんか何もしてないって思ってるんでしょう? だったら堂々としていればいいじゃないですか。自分に自信を持ってくださいよ」

「じゃあとりあえず安心して相手の出方を待てって事ですか。なんかこの不安をうち消す手段とかありませんか」

「もうそんな会社には関わらない方が良いんじゃないですか? 友達がいるってのも分かりますけど、でも仕方ないでしょう」

「うーん」

「ともかく無用なトラブルは起こさないようにしてくださいよ」

……という感じです。アドバイスに従って、とりあえず FHPG や FMHP は読まないようにしました。証拠になるかもしれないのでログは蓄積していますが、目を通すとまた発言したくなるに決まっているので、読まずに封印しています。

会談にて

16日の会談において「フォーラムスタッフは私を刑事告訴することを協議していたのではありませんか?」と尋ねてみましたが、心当たりがないというような口振りでした。

刑事告訴の協議は本当になかったのか

しかし、本当にスタッフ間で刑事告訴に関する協議は行われなかったのでしょうか?

私は大変怪しいと思っています。と言うのも、別の(元)スタッフの方からこのようなメールが届いているからです。

1999/07/07 20:22

顧問弁護士の指示により、個人的に対応することができなくなった。

どの言動が法に触れるのかとの質問に関しては、裁判の開始前につき、係争中の事案に関する質問には答えられない。

著作権法にもとづき、このメールの内容を文書による明示的な許諾なしに公開することを禁じる。電子メールは文書とは認めない。違反したら訴訟を起こすので気をつけろ。

これも要約ですが、実はこの文面、前に来たメールの一部と全く同じなのです。別の人が送ってきたものが全く同一の文面になっているというのはどう言うことでしょうか。

あくまで推測ですが、この文面は個人が勝手に考え出したものではなく、スタッフの協議の結果として考え出されたものなのではないでしょうか。そして、このような文面を送ることをスタッフが協議していたというのであれば、私を刑事告訴しようという協議が行われていたということも事実なのではないでしょうか。

以上はあくまで推測です。マネジャーの回答によれば「刑事告訴の協議はなかった」ということですから、これを信じるべきなのでしょう。

感想

告訴の協議が事実の場合

除名処分が不当なものであるから謝罪せよ、と要求した会員に対して「どのように謝罪するか」という協議をせずに「刑事告訴してやれないか」「ニフティサーブ除名処分に出来ないか」などと協議したというのであれば、これは許されないことだと思います。

告訴の協議が事実でない場合

告訴を検討したという事実がないのなら、問題のメールが親切心から出た忠告だったなどと考えることは不可能です。告訴をほのめかして私の恐怖心をいたずらに煽ることで、損害賠償請求を断念させることが目的だった、と考えざるを得ません。

抗議文を送り謝罪を求めた会員に「刑事告訴を検討している」などという文面を送付し、謝罪の要求を断念させようという行為が、果たして許されるものなのでしょうか。

この点に関しては、納得の行く説明を聞きたいと思っています。


除名墓場

ヤミ墓場

[Counter]

水無月ばけら, MINAZUKI Bakera
e-mail: bakera@star.email.ne.jp