私には、フォーラムに発言する権利があります。
これは天賦の人権などではありません。ニフティとの契約に基づいて獲得した債権です。早い話、金で買った権利なのです。私はニフティに一定額を支払うことと引き替えに、フォーラムの利用権を得ています。
フォーラムがニフティの提供するサーヴィスの一部であることは間違いありません。ニフティとの契約前に読んだパンフレットにも、ニフティサーブ会員規約にも、ニフティサーブ会員がフォーラムを利用できる旨の記述があります。私はそれを前提としてニフティに入会したわけです。
真面目な話、フォーラムがなければニフティサーブには大した価値がないと思います。ちなみに私は警察のご指導を受けた直後に ASAHI ネットのパンフレットを取り寄せました。
いずれにせよ、私の支払っている料金にフォーラムの利用料金が含まれていることは間違いありません。そして料金の一部はフォーラムマネジャーに支払われているのです。繰り返しますが、私は料金を支払った対価として、フォーラムを利用する権利を手にしています。その中に、フォーラムで発言する権利が含まれることは言うまでもありません。この権利は私がニフティに対して有する債権なのです。
もちろん、リードオンリーの会議室などというのはまた別の話です。ニフティのフォーラム全てがリードオンリーになったとしたら話になりません。
平たく言えば、金を払ってるんだから発言させろということです。
当然、ニフティには債務が発生します。フォーラムにおいて会員に発言権を保証するという債務です。ニフティはフォーラムの運営をマネジャーに委託していますから、直接にこの債務を履行するのはフォーラムマネジャーです。
つまり、マネジャーには会員の発言権を守る義務があるのです。この義務を怠れば債務不履行となります。そしてニフティが会員との契約に違反したことになり、債務不履行に基づく損害賠償請求の対象となります。
では、フォーラムマネジャーは発言禁止処分を行えないのか、と言えばそんなことはありません。ちゃんと会費を払っている会員の発言を禁止することは債務不履行に当たりますが、それが故意にも過失にもよらない場合、すなわち禁止処分に正当な理由がある場合にはその処分が許されるのです。たとえば、ある会員の発言が他の会員に多大な迷惑を与えるとか、そう言った理由があれば発言を禁止しても構わないのです。
ただし、この場合、マネジャーは禁止処分の理由を説明しなければなりません。そして、この処分に故意や過失がなかった(正当なものだった)と言うことを立証できなければなりません。正当な理由もなしに契約を破って相手に不利益を与えることは許されないからです。法律用語を使えば、債務不履行による損害賠償請求の場合、債務を履行しなかった側に挙証責任がある、ということになります。
繰り返しますが、発言禁止処分を行う際に、マネジャーにはそれが正当であることを説明する義務があります。当然、禁止処分の理由を説明しなければならないのです。
さて、ここで問題のマネジャーが私に対して送ってきた警告の内容を見てみたいのですが、WWW で生のメールを公開するのはやめてくれとニフティ側は言っているようです。マネジャーの業務の一環として送ってきたメールをそのまま公開することには何の問題もないはずですからそんなお願いは無視しても良いのですが、いちおうニフティ側の意見を尊重して公開は避けます。
大まかに言うと、まずマネジャーは私の発言態度が悪いと言い、このままの態度で発言を続けると除名する、と言い放ちました。そこで私が何処がどう悪いのか尋ねると、
「意味不明な引用合戦」
「相手に対する思いやりがない」
「社会常識に反する」
「傍若無人」
「会員によって価値判断は違うから具体的には答えられない」
(註:当然ながら私はフォーラムの見解を尋ねたのであって、会員個々の見解を尋ねたわけではありません)
などという回答が返ってきたのです。さて、これでどの発言の何処が悪かったのか、どういう風に直せば良いのか、理解できるでしょうか。残念ながら私には理解できませんでしたので、何度も何度も質問しましたが、そのたびに先に掲げたような訳の分からない回答がくるのです。
私の発言が悪いというなら、少なくとも「どれが」「どうして」悪いのかを説明してもらわなければ困ります。そうでなければ、何処をどう直して良いのか分かりませんから、態度を改めて発言するという事は不可能です。
現に、私は「このままの態度で発言を続ければ除名する」と言われ、しかも何処をどう直して良いのか分からない、という状態に陥り、全く発言することが出来ませんでした。
これは理由の提示もなく無条件に発言を禁じているのと同じです。つまり、マネジャーは会員の発言権を保証する義務を怠ったどころか、理解不能な警告を送ることで不当な発言制限を行ったのです。
当然ですが、この間、私はニフティに所定の会費を支払い続けています。
さて、以上で述べたように、問題のマネジャーの行為は、私の発言権(金で買った権利)を不当に制限するものでした。これは、いわば会員のニフティサーブ利用妨害に当たると言えます。私は金を払ってニフティサーブを利用する権利を得たのに、それを理由もなく制限したのです。私がニフティに支払ったはずの金は、どぶに捨てられたも同然です。
そして、何と、この利用妨害は一ヶ月以上も続いていたのです。
一ヶ月以上もの長期に渡って私の発言を妨害し続けたこのマネジャーに対して、私はどうすれば良かったのでしょうか?
マネジャーは一ヶ月も利用妨害を続けているのです。これでもまだ足りないと言うのでしょうか? もう我慢の限界まで来ているのです。
ニフティに訴える、というのは無駄でした。と言うのも、問題のマネジャーは全てのメールをニフティに転送していたからです。ニフティはこのやりとりの全てを見ていましたし、私が発言禁止状態に置かれていることも知っていました。私が何度も何度も「理由を説明してくれ」と言い、マネジャーが「社会常識で判断しろ」などの回答を繰り返すのをただ黙って見ていたのです。
訳の分からないフォーラムとは関わらない、という選択肢があります。警察もお勧めの方法です。
しかし、要するに発言する事を諦めてしまうのですから、これは泣き寝入りです。不当に権利を侵害されているなら、他の全てを犠牲にしてでも闘うべきだと私は思うのですが。
他のスタッフに尋ねる、という選択肢があります。FHPG はサブフォーラム性になっていますから、マネジャーなど無視して各サブフォーラムの SYSOP と話してみる、という手が使えます。現に、除名後に FHPBGN SYSOP のかわはらさんからまともな回答が得られています。手遅れですが。
もっとも、マネジャーから「対話するな」というお達しが出ている可能性があるので、うまく行く可能性はむしろ低いものと思われました。
故障しているビデオデッキを直接東芝に……もとい、問題のあると言われる発言を直接マネジャーに送れば、何処が、どのように問題なのか指摘してもらえるかも知れません。幸い、この方法はローカルルールにも会員規約にも違反しませんし、実際に有害(かもしれない)発言をばらまくわけではありませんから、フォーラムにとってもノーダメージです。これはうまい方法だと思います。
結局、私は最後の作戦を実行したのですが、相手は私の予想を超越した行動をとりました。要するに除名です。相手がまともならうまく行ったに違いないと思うのですが、敵が手強すぎたようです。
私のミスは、相手を把握していなかった事です。今までのやりとりの内容からして、問題のマネジャーが会員に対してどのような態度で望んでいるか、どのような考えを持っているか、どのような法解釈を行うのか、と言ったことは分かっていたわけで、それらを総合して考えれば、相手が不当な除名処分を断行してしまう可能性には思い至ったはずです。この点で私の配慮が足りなかったことがつくづく悔やまれます。
今にして考えれば、話の通じないマネジャーなど無視して別のスタッフに尋ねるか、ニフティに「マネジャーに尋ねても埒があきません」などと言って積極的に働きかける、といった行動をとるのが最善だったのかもしれません。