除名墓場

著作物の公開を取りやめます(削除要求)

以下は 1999/2/17 に FHPBGN SYSOP かわはらさんとセンター窓口に送ったメールです。

著作物の公開を取りやめます(削除要求)

FHPBGN SYSOP かわはらさん、こんにちは。

これはやむを得ない事情によりかわはらさん個人宛の形を取っていますが、 私信ではなく、FHPG および FMHP への正式な要求であると考えて下さい。従 ってこれは運営スタッフの間で回覧して下さって構いませんし、むしろ回覧が 望ましいと考えます。

さて、私はこのたび FHPG および FMHP を強制除名処分になったわけです。 理由は良く分かりませんが除名になったことは事実で、私は FHPG/FMHP にア クセスすることが不可能な状態になっております。

ところで、私はかつて FHPG/FMHP の会議室内で発言を行ったわけですが、 その発言は私の著作物であります。フォーラムローカルルールを見ますと、

> 12) フォーラム著作物   FHPG運営業務の一環で作成した著作物の総称。
>                        会議室名、ライブラリ名の他、編集著作権を構成
>                        するものについては編集著作物となります。ただ
>                        し編集著作物については原著作物には及びません。

……なにかいろいろな意味に解釈できそうな日本語が用いられていますが、 とりあえず、フォーラム全体、会議室全体は編集著作物であります。しかしそ の中の個々の私の発言は編集著作物ではないわけです。

ローカルルールには「編集著作物については原著作物に及ばない」と書かれ ているわけですが、これは編集著作物が原著作物に負けている、すなわち、編 集著作権によって原著作権の行使を妨げることは出来ないという趣旨であると 解されます。

仮にローカルルールがそう解されないとしても、著作権法12条2項の規定 により、私の原著作権は保護されます。

(参考:著作権法第十二条 - 編集著作物)

編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素 材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する。

2 前項の規定は、同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利 に影響を及ぼさない。

以上から、私は会議室内、およびライブラリ内に収録されている私の個々の 発言に対して著作権を主張できるという結論になるわけであります。

*

私は今回の除名処分により、会議室上で自らの過去の発言について説明、補 足、その他を行うことがいっさい不可能な状態となっております。私はこれら の発言に全く責任を持てない状態であり、それは大変不本意なことであります。 そして除名処分が撤回されないのであれば、これからもこの状態が続くものと 思われます。

もう少し平たく言えば、私の目の届かないところにいつまでも自分の発言を おいておくのは気持ちが悪いのであります。

そこで、私は FHPG/FMHP において発言・アップロードされた私の著作物す べての公開を取りやめ、引き上げたいと思います。会議室上に残っているすべ ての発言、ライブラリに収録されている過去ログの中に含まれるすべての発言、 ライブラリにアップロードしたデータ、紹介文ほか、私の著作物すべての削除 を要求します。自らの著作物を公開するか否かを決定するのは著作権者に与え られた正当な権利であり、編集著作権をもって制限することが出来ないのは前 に述べたとおりです。

なお、この削除要求は、ハンドルが何であるかを問わず、CQS02437 の ID で発言もしくはアップロードされ公開されているすべてのデータを対象としま す。他の発言中に私の発言が引用されている場合、引用元の私の発言は削除の 対象としますが、それを引用している発言は削除の対象とはなりません。

以上、宜しくお願いします。

なお、この内容はニフティのセンター窓口にも送付しています。

ミ☆ 水無月ばけら (bakera@star.email.ne.jp)☆ミ

補足

誤解する人がいるといけませんので補足しておきますが、フォーラムの会議室名などは編集著作物ではありません。編集著作物については著作権法12条を参照していただければ幸いですが、以下、編集著作権についてすこし解説しておきます。

編集著作権とは

たとえば、ある詩人の詩集を出版する場合を考えてください。

まず編者は、たくさんの詩の中から掲載する詩を取捨選択する事でしょう。どれを掲載し、どれを捨てるのかは編者の感性にかかっています。また、掲載する順番も決めなければなりません。この取捨選択や配列は詩集の出来映えを大きく左右しますが、そこには、編者の個性が反映されているのです。著作権法の文言を借りれば、「その素材の選択又は配列によつて創作性を有する」ことになります。

この詩集の構成をそっくり真似たものが他者によって出版されたとしたら、編者の努力は報われませんね。ですから、編者の権利を「編集著作権」として保護しているのです。同じ詩人の詩集を出すにしても、全く違う構成であれば編集著作権の侵害には当たりません。

なお、個々の詩は詩人の著作物であることに変わりありません。詩人の著作権の行使が編者によって制限されることはありません。

フォーラムの会議室は?

会議室の中身を見ると、発言が番号順に並んでいたりコメントツリーの形式で並んでいたりしますが、これは別にフォーラムスタッフの個性が反映された結果としてこのような配列になっているわけではありません。発言の削除や移動が編集作業だと主張する余地は残されていますが、それは創作と呼べるようなレベルのものではないと思われます。

ライブラリの過去ログについて言えば、過去の発言を単に日付順、発言番号順に並べたものが編集著作物となる可能性は皆無です。そこにはなんの創作性もありません。

しかしながら、あるテーマに関する発言を抜き出してまとめたようなものであれば、それは編集著作物と言うことが出来るでしょう。

そう言うことで、ライブラリの過去ログが編集著作物となる可能性はあります。ただしそれは、取捨選択し並び替え、編集した結果としてのデータの配列に対して認められると言うことです。個々の発言や会議室名、ライブラリ名などに対しては編集著作権など認められないのです。


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水無月ばけら, MINAZUKI Bakera
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