Rambling Topへ

Conwy Castle (コンウィ城) 28/May,2005

1.26,27/May
・出発前
かなり暖かく,そして何より日が長くなり,またイギリスのカレンダー的にも連休になっていたこともあり,いつものとおりバイクで急遽どこかに行くことに決定.さてどこに行くか? プランニング開始したのは出発の二日前.前回はLake Districtに行ったが,イギリス的連休の中有名観光地は宿が取れなかったなあ,そしたら今度は辺鄙なところ目指すかあ,と,Walesの海を目指すことにした.Walesについてガイドブックやらなにやら調べると何も海だけでなく,有名な中世の城,イギリス随一の山地など,海まで到達するにはいろいろ見るべき場所が多いことに気がつき,若干うれしくなる.目指すはConwy,Caernarfonの城,Snowdonia山,Brecon Beacons,そしてMarloes Sandsの海である.ただ旅行中は結局のところガイドブックに載っていないいろいろなものに度々捕らわれることになり,大いに寄り道してしまう羽目になった.
で,すんなり宿が取れるかと思いきや,やっぱりYHAは結構埋まっていた.遊びに来ていたT.Ito氏をほったらかし,必死の電話攻勢で3軒何とか確保.結構距離が伸びそうな宿の配置になった.果たして宿が取れた次の日はやっぱり夜中2時まで車体の整備と荷物のパッキング.もはや焦りも何もない.いつもの儀式である.
map
行程図

2.28/Mar
(1)Stoke On Trentでエンジニアと話す


28/Mayの行程
果たして快晴の一日目.昨晩やり忘れたオイルのチェックをすると案の定,超Lowレベル.1リットルも追加.確かめてよかった.そんなことやっていたので出発は午前9時半.これもまたいつものことだが,やっぱりもっと早く出たいものだ.永遠のテーマだ.A516,A50と快速の道を西に突っ走る.で,30マイルほど走ったStoke On Trentの手前で早くもくたびれた.本格的に乗るのは久しぶりだからなとなんとなく自分を甘やかし道沿いのピクニックエリアで休憩.イギリスの道沿いにはいたるところにピクニックエリアがある.活用されているところもあるし全然人気がなくうち捨てられたようなところもある.この日バイクを乗り入れた場所には先客がいた.赤いCBR600R(後方一本だしになる前の型)とそのライダーがテーブルでタバコを吸っている.ヘルメット越しになんとなく目で挨拶し,なんとなくやはりそのバイクの横に止め,やはりなんとなく同じテーブルに着く.この辺の妙な連帯感はバイク乗りの不思議なところだと思う.
彼はきっちりとつなぎで身を固めた普通の白人のイギリスライダーだった.下命はオイルのトップアップで朝飯を食べ損ねていたので彼の目の前でオレンジ,Whole Mealのパン,水筒のコーヒーなどで朝飯開始.食べつつもやはり自然とライダー同士の会話になる.「どこから来た?」「どこへ行く?」「このバイクはどこで買った?」「どんなバイクだ?」...
興味深かったのは彼はこちらと同い年で,しかも同じエンジニアで近くにあるイギリスの大きな重機メーカーに勤めていることだった.そうとわかると話題も変わる.「最近はコスト厳しいんだよねえ」「中国はうちも使っているけどうまくいっていないんだ.品質がね..」「CADは何使ってる?」などなど.なんだかなあ.. 彼は,そしてこれは一般のイギリス人みんなに言えそうだけど,やはり昔この国が築いた工業国としての名声を懐かしがっていた.おりしもイギリス最後の量産車メーカーMG Roverが破綻したニュースが喧しかったので,彼もなんとなく遠い目をしながらイギリスの製造業の行く末を憂いていた.むーん.ここにも韓国車多いしなあ,わが日本も他人事ではないなあ.二人してむーん.
最後にやはりこの質問,「イギリスはどうだい?」.こっちが外国人だとわかると必ず聞かれる.答えはいつも一つ.「I'm trying to enjoy English.」 この答えに対する反応が聞き手によって変わる.彼の場合は「ふむふむ」といった静かな反応.極めてイギリス的な反応.

(2)Conwy城

Wales旗
Stoke On Trentでゆっくり朝飯食ってエンジニアと別れた後はいろいろな遅れを取り戻すべく,Whitchurch,Wrexhamと突っ切り,一気にWales地方へ.看板の文字がWales語(Welish)と英語の二ヶ国語表記になる.自然といくつかの単語を覚えてしまう.海を見ながらA55をひたすら西へ.
そしてConwy.橋の向こう,大きい空を背景になんとも感動的な面持ちでConwy城がそびえる.写真はここ.
説明書きによるとWales制圧のためにイングランドの国王,Edward一世が1287年に城と城壁,その内側の街を完成させたそうな.そして人々をその中に住まわせ,イングランド軍の拠点のひとつとして活用したとか.とにかく保存状態がよく,旅行に出る直前にLoad Of The Ringsを3つまとめて見たせいか,さっくりと中世に浸ってぶらぶら歩いてみた.
そして城壁の内側の街並みは中世の戦争拠点というくらいイメージではなく,海沿いの町によくあるカラフルなパステルカラーの外壁を持った小さな家と商店が続く.中には城や城壁と同じぐらい古い建物も残っている.人々も多く活気があり,歩いていてとても楽しい街であった.
街で買ったデリカテッセンのサラダとドラムスティック,水筒のコーヒーで遅い昼飯を食べ,3時ごろにConwyを後にした.

(3)Llangollen YH(ランゴレン,スランゴレン?)
Conwyの街を抜け,A470でConwy河沿いに南下.Stoke On Trentのエンジニアに脅かされた木陰に隠れているというSpeed Camera(日本のと違って後方から撮るタイプはバイクも危険らしい)に怯えつつ,すいすいゆるゆるとコーナーをクリア.良い道だなあと調子よく走るが途中で見かけたフロントがぐちゃぐちゃになったCBR1000とその女性ライダー(タンデムか?)がうつむいて泣いているのを見てちょっとこっちも死んだ気になる.Gwydry(乏しいWelish知識では発音もできん..) Forest ParkでA5に乗り換え東に向かって森の中を抜けていくと,本日の宿Llangollen YHに到着.だいたい午後6時.
後でも述べるがこの旅行でデジカメを紛失してしまい,多くの貴重なデータが失われた.この宿にまつわるいろいろな物事も同様.あーあ.結構うまくSelf Cateringで夕飯作ったのに.YH自体は快適で良いところだった.いつものように明日のプランを立ててへろへろのまま就寝.ツーリングは初日がつらい.腰がしくしくと痛む...

(二日目に続く)

Rambling Topへ