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『臨界幻想2011』、首都圏・長野を旅公演してきました!

(2016.夏)

5月半ばから2ヶ月近く、首都圏・長野県を旅公演してきました。


この作品は35年前(1981年)に劇団で初演し、
福島県浪江町、福井県敦賀市を含む
全国の原発所在地や立地予定地などで公演した作品でした。

その当時私はまだ劇団員でなく、
台本上でしか作品の存在を知りませんでした。


そして2011.3.11。
芝居の物語り通りになってしまった悔しさと驚き!

「悔しさに磨きをかけよう」という思いから再演を決定し、
今回の演劇鑑賞会33ステージの旅公演につながっていったのです。


演劇鑑賞会は3人でサークルをつくり、
自分の地域の劇場で年6回前後の演劇を観る、
そして地域の文化活動を発展させていくという
すばらしい演劇鑑賞運動を続けています。

しかし私たちの取り巻く経済状況はますます厳しく、
会費を払って演劇を見続けることはとても困難な事が現状です。


その中でけして華やかなスターが出演しているわけでもない
「臨界幻想2011」を上演してくださったことには、
原発再稼働、原発の輸出、福島のあの事故の教訓はどうなったのか・・・
など、少しでも多くの人に伝えていきたいという
心ある会員さんの願いがあったからでした。

「青年劇場の真摯さが心にズシンと響き例会には欠かせない劇団」、
とまでいってくださった会員さんもいます。


移動中のバスの車窓に広がる信州の風景は
人間が普通に幸せに生きていける自然溢れるものでした。
でも原発事故で被害を受けた場所は、
どう考えても異常な風景にしか見えません。
除染廃棄物がすぐ近くにある場所で
ふつうに生きていけるとは思えないのです。


3.11から5年、今、わたしたちは・・・・?
私たちの公演で、
原発事故を自分の生きる上での問題として考えていくきっかけになれば、
この作品を演じた演劇人として嬉しい・・と思うのです。

 
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