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(1994.冬) |
日本に出稼ぎで来ているフィリピーナの役で私も出演している芝居『キッスだけでいいわ』は、1994年10月26日から12月17日のあいだ、日本の各地を旅公演してきました。
この旅の中でとても楽しく印象深かったのは、何と言っても10日あった北海道の期間です。
まず最初に足を踏み入れたのは函館。雪があるかな、と思っていたのですが全然なくて、「白い北海道」を期待していた私はちょっと残念。それでも夜になると雪はなくとも風がたいへん冷たくて、芝居で小道具として使っているビールを水の入ったバケツに漬けて外へ出しておくと、まるで冷蔵庫に入れていたように冷えていたのには驚きました。
雪は美唄から旭川に移動するにつれてたくさん見え始めました。ここでは大きなハプニングがありました。大道具などを積んだトラックの移動が雪で1時間30分も遅れて、先に電車で着いていた皆はハラハラ・ドキドキ・・・。「芝居はできるのか?」と、心配しながら待っていたのでした。しかし呑気なもので、トラックを待つ間に大きなスコップで大道具の搬入口の雪掻きをはじめると、ワイワイともう夢中。遊び心いっぱいで作業していたのが今思い出してもとてもおかしく、たのしかった一幕でした。
青年劇場が北海道に旅公演に行ったのは久しぶりでした。でも『キッス』の公演を通して、北の国の人達と冬の寒さに負けない暖かな交流ができたものと感じています。 |
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