making of 「蛍くんと準くんの夏休み」 その2
★ 合作のいきさつ

 MeteorがHP「遊来星図書室」を開設したのが1999年3月21日、春のお彼岸でした。年賀状・メールで初めてお仲間にウサギを抱く準くんの絵(未公開)を送って、それが意外に好評(?)だったためにその気になったのがきっかけです。3月から本格的にはじめたばかりのドローで描いた絵と物語を組み合わせたもの3点での寂しいスタートでした(^^;。
 そんなころ、もうすでにどちらからともなく、「蛍くんと準くんを、同じ画面で共演させたらかわいいだろうね」という話をしていました。確かに、いつもひとりぼっち(裏うらの蛍くんを除く(^^;;;)のふたりが、友だちと楽しく遊んでるところなんかいいだろうなあとは思っていました。だから、ふたりのツーショットはいつかは描きたいと思っていたのです。だから、意外に簡単に話は決まったというわけなのです(^^)。
 合作するためにはいくつか条件があります。まず、あまりにも違いすぎるキャラ同士を会わせるわけにはいきません。片方が劇画タッチや少女マンガっぽい絵だったら、変でしょう、やっぱり(^^;。また、相手が8等身とかだったら、握手もできません(笑)。その点、上手い下手はあっても、同じ藤子F先生の影響の絵同士ですから、全く違和感なく共演させることができるというものです。
 また、好みが違えば描きたいものも違うので、テーマの選定にも困ってしまうでしょう。こちらもSunとMeteorが同じ趣味(^^;を持っていたために、題材はすぐに決まってしまいました(^^;;;。「ひとり上手」裏ページの嚆矢となった「肝試し」、これを蛍くんと準くんがお手てつないでひとつの水たまりつくってたらさぞイケる(^^;だろうと、夏休み特別企画でいこうということに話がついたのです。あとはふたりの妄想(^^;が勝手に膨らみ、おねしょはするわ海でおしっこするわ、連れションも入れて裏全開なストーリーになってしまったのはご覧になったとおりです(^^;。
 こうして合作することは容易に決まったのですが、実は最大かつ唯一の難関があったのです。それは、お互いが描いた絵を、ちゃんと合わせることができるかということだったのです。具体的にはあとで書きますが、これがただ完成した絵をやりとりするだけなら問題ないのですが、送った絵を相手方のソフトでドローデータとして認識し、編集が可能でなければ合作はできないわけです。
 5月4日、まだそれぞれのHPのトップがこいのぼりだった頃、Meteor側から描いた絵をSun宛に添付ファイルとして送ったのです。そしてその晩のうちにSunから返って来たメールに、「やっほ〜(^O^)/。バッチリ読めましたよ〜」と書いてありました(^^)。それはアポロの月着陸にも匹敵する、歴史的な瞬間でした(っておおげさな(^^;)。もし目の前に相手がいたら、手を取り合って喜んだことでしょう(この表現、合作中何回出てきたかわかりますか?)。ともかく、これで合作は成功したようなものでした。あとはふたりで同じものをつくるという情熱さえあれば、なんでもできると思うSunとMeteorでした(^^)。

★ 役割分担

 まず、大まかな役割分担を決めました。

 構想=SunとMeteor
 ストーリー展開やどんな絵を描くかということは、もちろんふたりでアイデアを出し合って決めました。もしこれがトキワ荘みたいに同じ部屋に住んでるのだったら理想的な合作環境なのですが、ご存知の通りSunとMeteorは1000キロも離れたところに住んでいるのです(^^;。この合作期間中、直接逢ったのは6月18日〜20日の3日だけです。もちろんメールはそれ以前からやりとりしていたのですが、それにも限界があります。やはり、話し合わなければ細かい打ち合わせはできません。だから電話を使いました。あれこれ話しているうちに、あんなストーリーになっていってしまったのでした(^^;。
 絵=SunとMeteor
 当然ですが、蛍くんはSunが、準くんはMeteorが描きました。今後多彩な合作を模索していくときに、もしかしてそれぞれのキャラを描きっこすることもあるかもしれませんが、今回は最初であり、それぞれが自分のカワイイ子(?)を描くということにしました。どんなシチュエーションかをポーズまで細かく決めておいて、先にひとりが描き、それに合わせてもうひとりが描くという手法です。細かく打ち合わせたつもりが、見てみると想像と違ったりしたこともありましたが(^^;、概ね上手く行きました(^^)。
 背景=Sun(1枚だけMeteor)
 それで、あとで描いた方の人が背景をつけるということにしました。そのときに、手をつないでいる絵とかだったら、相手が描いた絵の重なり部分の修正もすることになります。これは相対的に絵が上手いSunが担当しました。もちろん、どんな背景にするかはあらかじめ話し合っておきました。舞台がつくとふたりが生き生きとして見えるから不思議です。なお、1枚だけMeteorが描いた背景があります(^^)。
 文章=Meteor(ある部分はSun)
 ストーリー展開はふたりで細かく決めたのですが、それを文章にしたのはどっちかいうと文章を書き慣れているMeteorでした。打ち合わせたことを忠実に再現し、それをメールにしてSundewに送って、それにふたりで手を入れました。やはり、「うちの蛍はそんなしゃべり方しないよ」とかあって、アップする直前まで加筆修正しました。蛍くん準くんがこんなことしたらカワイイだろうなと思ったら、ふたりが勝手に動いてストーリーができたようなもので、楽しく書くことができました(^^)。なお、あるエピソードだけSunが書いた部分があります(^^)。

 こうしてみると、やはり絵は主にSunが、文書はMeteorが中心になってつくったことがよくわかります。しかし、これまでがMeteorがリクエストしてSunが絵を描き、それにMeteorがストーリーをつけるというやや一方的な合作であったのに対し、今回はふたりで細かいところまでよく話し合ったので、本当の意味で力を合わせた合作になったわけなのです(^^)。

 それでは、合作の技術的なお話に移っていきます。

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