名演2007年5月例会 テアトル・エコー公演
作/ジョン・マレー アレン・ボレッツ
訳・演出/酒井洋子制作の白川浩司さんが語る『ルームサービス』とテアトル・エコー
大きなリックバックを背負い愛くるしい笑顔で爽やかにやって来た白川さん。名演では昨年サマーセミナーで講師をお願いし寝食を共に熱く芝居を語り合って以来の再会。今また1時間熱く語って頂きました!
喜劇だけ50年そのアンサンブルを見て!!
名古屋は6年ぶり『ら抜きの殺意』以来です。久しぶりの名古屋なので劇団員みんなで楽しみにしています。劇団は去年再建50年を迎えて、喜劇専門で現在役者90人くらい、製作演出部約40人くらい在籍しています。まずは、役者を年齢順にご紹介しましょう。つい最近、熊倉一雄が80歳になりました。(ここで、えぇー!!の驚きの声)、はい驚いてください。納谷悟朗と沖恂一郎(一昨年3月例会『國語元年』にも出演されていました)が77歳、ほかにも70代が3人います。
半世紀をずっと喜劇だけでやってきた劇団、今回の作品はベテランから若い俳優までの、培ってきたアンサンブルを是非この芝居で観て欲しいです。
番外エコー
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納谷さんは『ルパン3世』の銭形警部の声でも有名、他に『リボンの騎士』のナイロン卿、『宇宙戦艦ヤマト』沖田艦長、『仮面ライダー』ショッカー総統も納谷さんだったとは! ディズニーランド『カリブの海賊』の海賊の骸骨の声!知ってました? 1930年代のブロードウェイのあるホテルで繰り広げられるコメディ。
ブロードウェイの別名が 「The great white-way」(とっても白い道)と呼ばれています。世界恐慌時代 暗い世の中で、ブロードウェイに行けば ライトが白くまっすぐに見えることからそう呼ばれています。この芝居のホテルの名前が“ホワイトウェイ”といいますので、ブロードウェイにあるホテルということがわかります。主人公である安原演じる劇団一座とホテル側とのドタバタ攻防戦の繰り返し、最後にドンでん返しもありつつ、ハッピーエンドのお話しです。
『ルームサービス』は話が進むにつれ、だんだん面白くなっていきます。くれぐれも途中で席を立たないように。特に2幕は笑いすぎて涙がとまらず、ハンカチが必要かも!?
■なんとかこの局面を乗り切ろう!
舞台はのホテルの一室。プロデューサーのゴードン(安原義人)をはじめとする役者の一座が泊まり込んで、新作の景子に明け暮れているものの、部屋代をずっとため続けています。
ホテル代を支払ってもらえないならと追い出しにかかるホテル側に対して、プロデューサーたちは、新作の芝居『お達者で』を上演にこぎつければなんとかなる!!そこぬけの明るさで切り抜けようと、あの手この手の攻防を繰り広げます。最悪の時にも、踏ん張るその力って、鑑賞会の運動に似ているなって感じてます。劇団に出来ることがあったら、是非なんでも僕らに相談してください!厳しい時こそ助け合うってこと、とても大事です。
ブロードウェイには、ホテルに併設された劇場が80余りもあり、芝居を楽しんだ観客はそのままホテルに宿泊するのが当時の流行(風潮)でした。
この芝居も新作の『お達者で』が成功するか、しないかでホテルの儲けにも大きく関わります。そんなことも頭に入れ芝居を観ると『ルームサービス』の見方が変わるかもしれませんね。
■再演でもこだわってます!!
2004年初演で芸術祭大賞を頂いた作品ですが、再演にあたってこだわってます。僕自身のこだわりがこのちらしです。明るいコメディが解るようにとイラストレーターもこだわりました。演出の酒井がしゃれた翻訳をしたのが芝居の中で上演される芝居の題名を「GODSPEED(お達者で)」と、イラストの中にも書き込んでます。1月から四国を回ってますが、それ以降もよりよい舞台をと、進化してます。
演出の酒井洋子さん(ニールサイモンを日本に本格的に紹介した方でもあります)は、常に観客の声に耳を澄ましている方で、今日の公演はどうだったかと毎日のように電話連絡しているほどです。
どうぞみなさん、笑いをこらえずに、どんどん笑って、役者を乗せてください!!『ルームサービス』を観客側から盛り立て欲しいですね。
番外エコー2
熊倉さん・納谷さんらエコーの劇団員もドラマや声優として多くの作品に出演されていますが、なんと劇団と建物ビルもドラマ出演しているのをご存知?
有名なのは‘95年TBS系「愛していると言ってくれ」主演常盤貴子・豊川悦司でドリカムの主題歌「LOVE LOVE LOVE」が大ヒットしたあのドラマ。最終回に常盤貴子さんが劇団のオーディションを受けるシーンがそれ!! 最終回だけにこのシーンを覚えている方も多いはず!名演でのテアトル・エコー上演歴
1973年8月 『11ぴきのネコ』
作/井上ひさし 演出/熊倉一雄 出演/熊倉一雄、梶哲也、山田康雄、木暮省三、ほか
1974年8月 『11ぴきのネコ』(選択例会・2年連続同一演目で登場)
作/井上ひさし 演出/熊倉一雄 出演/熊倉一雄、梶哲也、山田康雄、木暮省三、ほか
1975年4月 『それからのブンとフン』
作/井上ひさし 演出/熊倉一雄 出演/天地総子、熊倉一雄、平井道子、山田康雄、ほか
1985年8月 『サンシャイン・ボーイズ』
作/ニール・サイモン 訳・演出/酒井洋子 出演/納谷悟朗、熊倉一雄、安原義人、永井寛孝、ほか
1988年9月 『プラザ・スイート』
作/ニール・サイモン 訳・演出/酒井洋子 出演/熊倉一雄、納谷悟朗、沖恂一郎、緋多景子、ほか
1991年9月 『ズボンが…ない!』
作/レイ・ゴールトン、ジョン・アントロバス 訳/中川千尋 演出/キノトール
出演/安原義人、丸山真奈美、沢りつお、沖恂一郎、ほか
1995年1月 『正しい殺し方教えます』
作/マイケル・サットン、アンソニー・フィングルトン 訳/中川千尋 演出/キノトール
出演/熊倉一雄、納谷悟朗、牧野和子、落合弘治、ほか
1997年1月 『馬かける男たち』
作/ジョン・セシル・ホールム、ジョージ・アボット 訳/中川千尋 演出/西川信廣
出演/田村三郎、納谷悟朗、沖恂一郎、沢りつお、ほか
2001年5月 『ら抜きの殺意』
作・演出/永井愛 出演/安原義人、熊倉一雄、落合弘治、雨蘭咲木子、ほか
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2007/04/18更新