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名演2007年3月例会 幹の会+リリック公演 

オセロー

作/W.シェイクスピア 訳/小田島雄志 演出/平幹二朗

3月14日(水)6時30分 名古屋市民会館中ホール
  15日(木)1時30分 名古屋市民会館中ホール
  16日(金)6時30分 愛知県勤労会館

興味津々3月例会『オセロー』
期待深まる平親子の共演

 2月1日、名演事務局で同朋大学助教授でシェイクスピア研究会の小林かおりさんをお招きして「オセローの面白さ」について学習会を行い、昼、夜通して約90人が話に聞き入った。
 
 以下、学習会の感想です。
 
 シェイクスピア四大悲劇の『ハムレット』『リア王』『マクベス』は権力争いが特徴。それに対し、『オセロー』は権力争いではなく家庭問題の悲劇が特徴となっている、
 作品は、中世から近代へと移り変わる時期、17世紀はじめに作られた。したがってシェイクスピアの描く人間像は、中世・近代両要素を持った人間が登場する。人間の五感の中で聴覚を大切にする中世に対して、物事を視覚で判断することをよしとする近代。人間に表と裏があることを知らない高潔な中世的要素の強いオセローは、自分を自分で操ることの出来る近代的人間のイアーゴーに、《目に見える証拠(デズデモーナのハンカチの行方)という落とし穴に落ちる》言葉巧みにだまされてしまう。「緑色の怪物」という言葉が劇中でてくるが、これは嫉妬(GREENEYED MONSTER)という意味である。
 シェイクスピアの作品は、行間に隙間が多い。そのため、いろいろな演出が可能で、今までにも、オセローの物語、イアーゴーの物語、オセローとイアーゴーの物語、エミリアとデズデモーナの物語、デズデモーナの物語などがある。どの人物に焦点を当てるかで随分芝居が変わる。シェイクスピア劇は何年たっても色あせないといわれる理由がそこにある。
 オセローとイアーゴーにライトを当てたホモ・ソーシャル連続体(男杜会・「お一い中村君」的杜会)に表現したものもある。女性を寄せ付けない男同士の関係がそこには描かれている。オセローが見得を切る歌舞伎調、デズデモーナが亡霊となって現れるものなど『オセロー』の描き方はさまざまである。
 小林さんから語られるシェイクスピアの見方に3月の例会の待ちどおしさを感じた会であった。

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