トップ>過去の上演作品>2004年の上演作品>はなれ瞽女おりん
名演2004年1月例会 地人会公演
作/水上勉 演出/木村光一
国内外を賞賛の嵐でつつんだ「はなれ瞽女おりん」
名演で13年ぶりの再演
1月14日(水)6時30分
15日(木)6時30分
16日(金)1時30分
名古屋市民会館中ホール 地図
1 会費
月額 2600円 22歳以下 2000円
高校生以下 1300円
2 入会金
2900円 22歳以下 2300円
高校生以下 1600円
くわしい名演の入会方法はこちら1980年2月「はなれ瞽女おりん研究集会−瞽女の里を訪ねて−」高田集会の報告と感想(「名演」1980年4月号より)
関連サイトリンク おりん役の有馬稲子にとって代表作ともいえるこの作品。1980年の初演以来、23年間に600回を超える公演を数え、この間、国内はもちろん、イギリスなどの海外公演でも高い評価をうけてきました。
また、この作品は名古屋演劇鑑賞会も含め、当時の各地の鑑賞会の会員さんたちの、自分たちの足元をみつめた作品が欲しいという声に基づき、演出の木村光一さんや水上勉さん、有馬稲子さんらと話し合い、作り上げたもので、まさに私たち観客と創造する人たちとの記念すべき共同作品です。
現在失われてしまったものと、今日の問題に深くつながるもの。作品に込められた思いが、上演を重ねてますます私たちに伝わります。
「この舞台のために生きてきた」と有馬さんが言うほどの「はなれ瞽女おりん」。私たちもその思いを受け止めて観たいと思いました。
1980年に初演されたこの作品、名演もその一員であった、全国の演劇鑑賞団体の旧中央ブロックと演出の木村光一さんとの間で、1978年以来「今、どんな芝居が観たいか」また「今、どんな芝居を作りたいか」そんな話し合いの中から生まれたのがこの作品です。
その年の2月、新潟県の高田(今の上越市)で、作者・水上勉さん、おりん役の有馬稲子さん、演出の木村さんが参加し、演劇鑑賞団体の会員と集会が開かれました。「はなれ瞽女おりん研究集会−瞽女の里を訪ねて−」という名のこの集会。鑑賞会からは33団体210人が参加することで、作品に対する期待を大きく高めていくことができました。
※「高田集会」についてはこちら
その後『おりん』は全国に拡がり600回を越える上演回数になっており、その間には1991年の英国で公演をはじめとして、海外での公演も行いました。
またこの作品により、有馬稲子さんと木村光一さんは芸術選奨文部大臣賞ほか多くの賞を受賞しています。柿崎りん(おりん)は若狭の貧村に生まれ、3歳で全盲になったため、6歳の時から越後の「高田組」に引き取られ三味線などの芸事を仕込まれ、瞽女(ごぜ)として生きて行くさだめを背負うことになった。瞽女とは、盲目の女性たちが一座を組み、門付けなどをしながら地方を廻る旅芸人のことだ。
おりんはある村の祭りの夜、若い衆に手込めにされ、座の掟破りとして追い出され”はなれ瞽女”として一人旅を強いられることになったのだった。“はなれ瞽女”は仲間の戒律を破ったため“座”からはずされ、一人で三味線をかついで門付けをしながら孤独な旅を余儀なくされる女旅芸人である。
時は大正中期、第一次大戦が終わり、不況が世界をおおった時代、シベリア出兵そして米騒動と、その余燼がくすぶっていた頃、門付けしながら生きて行くことは、 つらく哀れなことだった。しかし、おりんには涙をはらう明るさがあった。おりんは、とある阿弥陀堂で、村の男に襲われたがそれを助けてくれたのが 岩淵平太郎あった。下駄職人を装い行商して歩く平太郎は、実はシベリア出兵を拒否した脱走兵、捕らわれれば死刑という身の男だったのだ。それとは知らぬ彼女は 平太郎を兄のように慕って一緒に旅をつづけるのだが――
おりん |
有馬 稲子 |
高田組親方・里見ちか | 加藤 土代子 |
たま | 森田 育代 |
よね | 山口 杏子 |
ひで | 工藤 ゆり |
みつ | 藤島 琴弥 |
かつ | 山口 晶代 |
阿弥陀堂の老婆 | 板倉 加代子 |
つね (「たわらや」主人・岩吉の妻) | |
岩淵平太郎 |
松山 政路 |
座頭 | 松熊 信義 |
阿弥陀堂の老爺 | |
岩吉(「たわらや」主人) | |
別所彦三郎 (漢方薬売り) | 高瀬 哲朗 |
井尻の伍助 (瞽女宿主人) | 鈴木 昭生 |
大江堅吉 (柏崎警察署長) | |
シャツ売り | 蔵 一彦 |
今西万三郎 (新潟県警本部部長刑事) | |
弥彦神社の酔客 | 塾 一久 |
易者 | |
袴田憲兵少尉 | |
弥彦神社の酔客 | 丸林 昭夫 |
地廻り | |
引田巡査 | |
拾銭屋 | 井上 文彦 |
嘱託医・屋代 | |
松宮巡査 | |
弥彦神社の酔客 | 楠見 尚己 |
二宮刑事 (柏崎警察署) | |
太鼓を打つ男 | 北村 伝次郎 |
法律書売り | |
弥彦神社の酔客 | 山村 裕 |
ヘビ売り | |
遠藤巡査 | |
伊助 (根来屋の下僕) | 内田 我強 |
飴屋 | |
北野刑事 (小浜警察署) | |
地廻りの手下 | 松尾 勝久 |
巡査(小浜警察署) | |
<スタッフ>
作 | 水上 勉 |
演出 | 木村 光一 |
音楽 | 松村 禎三 |
装置 | 石井 強司 |
照明 | 鵜飼 守 |
効果 | 深川 定次 |
振付 | 小森 安雄 |
三味線指導 | 杵屋 栄喜代 |
演出助手 | 鈴木 修 |
舞台監督 | 内田 宏 |
制作担当 | 友谷 達之 |
制作総務 | 渡辺 江美 |
地人会サイト → http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~CJK/
藤島琴弥さんのサイト → http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Spotlight/1874/
『はなれ瞽女おりん』に出演の藤島さんのサイトです。旅公演のスナップや日々更新の日記などのコンテンツは見応えあり。
名演ウェブ トップページにもどる
最終更新日 2003/11/18