2017年に上演した作品
2017年1月例会 トム・プロジェクト
東日本大震災でばらばらになった家族が再生する物語。
3.11の大震災を忘れないためにも、その悲惨さや復興の遅れなどを描くものは沢山あります。しかし、今回描いた作品は、震災が底辺にありながらも前向きに生きる家族の再生を描き一味も二味も違う震災後。「地震をきっかけに良くなった事もきっとあるはずだから、そういうものを描きたかった」と作者の弁。家族の再生と震災復興を重ね合わせた物語。新年の牧空けにふさわしい、心が温まるハートフルな家族劇です。
息子は父が好きで尊敬しているが過度の期待でひきこもっています。父はそんな息子を理解できません。4年前に引きこもりから父と喧嘩して大学を中退し家を出た正樹。萩の花が咲くころに、久しぶりに帰省した千秋。大震災から3年半。バラバラだった家族が、もつれた糸をほどいていきます。
3月例会 劇団文化座
原作/金義卿 上演台本/金守珍+佐々木愛 演出/金守珍
出演/佐々木愛、藤原章寛、高橋美沙、有賀ひろみ、ほか
3月21日(火)6時30分 22日(水)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
5月例会 劇団俳優座
7月例会 劇団民藝
作/テネシー ・ウィリアムズ 訳/吉原豊司 演出/高橋清祐
出演/日色ともゑ、千葉茂則、箕浦康子、吉岡扶敏、桜井明美、ほか
7月18日(火)6時30分 19日(水)1時30分 ・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
テネシー ・ウィリアムズが、まだ無名だった頃の若さ溢れる作品。社会の底辺で生きる炭鉱労働者の家族の苦しみと明るい希望の光を、綿密にそしてドラマチックに描きだしています。
1936年頃、炭鉱事故で夫を亡くしたファーンは、同じく炭坑夫として細々と生計を立てている夫の家族のもとに 、一人息子のルークと共に身を寄せていた。17歳になった息子は母の反対を押し切り、炭坑夫としてもっとも危険な5番抗に入っていった。ファーンの心配は現実のものに。落盤事故が起こり…。
日色ともゑが、「女性の強さとたくましい生命力を示した」と読売演劇大賞を受賞しました。 アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが、劇作家として名をなす前、無名時代に書いた『蝋燭の灯、太陽の光』
テネシー・ウィリアムズは、出世作となった『ガラスの動物園』(1944年)や『欲望という名の電車』(1947年)など、詩的でメランコリックな作風で知られていますが、『蝋燭の灯、太陽の光』は、劇作家テネシー・ウィリアムズがまだ若く無名な頃に作った戯曲だけに、後年の作品とは異なり、ストーリーもセリフ回しもみずみずしいばかりの直球。社会の底辺で生きる人々の苦しみと明るい希望の光とを、正義感に燃える25歳の若者らしくまっすぐに描いています。 初演から80年が過ぎた今でも観客の心に訴えかける力がある」と高く評価され、日色ともゑが「女性の強さとたくましい生命力を示した」と読売演劇大賞女優賞を受賞しました。
9月例会 劇団前進座
原作/山本周五郎 台本/田島栄 演出/十島英明
出演/今村文美、浜名実貴、ほか
9月7日(木)6時30分 8日(金)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
山本周五郎の感動の名作、男性中心の劇団というイメージの強かった前進座に、“女優ありき”と知らしめた作品で 、』1977年の初演以来、待望の再演です。
舞台は江戸下町。主人公のおせんに幸太、庄吉、おもんをからませて、青春の喜びとかなしみ、希望と失意を交錯させます。庶民の生きるための苦しみも悲しみも、喜びも楽しさも、すべてがここにあります。 山本周五郎の感動の名作、前進座での待望の再演。 田島栄・十島英明コンビの代表作。初演は1977年。いまむらいづみの主演で、全国に感動を巻き起こしました。それまで男性中心の劇団というイメージの強かった前進座に“女優ありき”と知らしめた作品でもあります。再演の希望も多く、このたび配役を一新しての登場。 舞台は江戸下町。主人公のおせんに幸太、庄吉、おもんをからませて青春の喜びとかなしみ、希望と失意を交錯させます。周五郎の下積みの人たちを見つめる目の温かさ。夜鷹にやさしさを見いだし、群衆の一人ひとりに呼吸を通わせます。中傷や誤解を嘆きつつ、底に確固とした信頼を秘めます。
十島英明の演出は、原作の心を忠実にたどり、けれん味なく愛を謳いました。今回は地震に火事、雷、洪水と仕掛も多いが、それに振り回されることなく、人間への視点を一貫させました。(前回の劇評より) 時代背景は違っても、常にそのテーマは時代を越えて現代にも通じる周五郎作品。“庶民の生きるための苦しみも悲しみも、喜びも楽しさも、すべてがここにある”と言われる『柳橋物語』。です。 前進座の若手を中心にしたアンサンブルが期待されます。
上演時間 2時間45分予定
11月例会 劇団東演
作/ニコライ・ゴーゴリ 訳/佐藤史郎 演出/V.ベリャコーヴィチ
出演/能登剛、南保大樹、豊泉由樹緒、腰越夏水、ユーゴザパト劇場俳優、ほか
11月20日(月)6時30分 21日(火)6時30分 22日(水)1時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
ロシア文学の傑作『検察官』。『どん底』『ハムレット』に続くベリャコーヴィチ演出作品。東演の俳優陣と、豊かな身体表現のロシア人俳優とのコラボレーションが前作にも増して見応えがあり、まさに国境を越えた舞台に仕上がっています。
わいろや横流しはあたりまえ…、市長以下お役人の常識と庶民の感情の行き違いが巻き起こす大騒動!日本でもたびたび上演されてきた傑作喜劇が、ベリャコーヴィチの手で魔法にかけられたような舞台に変貌します。
地方官庁の堕落や役人たちの不正を取り締まる検察官が密命を帯びてお忍びで各地を調べまわっているとの情報が市長のもとに入った。行政を当たり前のように私物化している市長以下、教育委員長、判事、郵便局長、病院長、警察署長やお役人たちの面々にとってはまさに青天の霹靂、驚天動地の事態に「えらいことが起きてしまった!」とてんやわんやの大騒ぎ。そこへ「町はずれの安ホテルに、若いお役人がお供とともに宿泊している「とのご注進があった。さあ、さっそく懐柔するために雁首揃えて様子を見にあたふたと駆けつける。「間違いない!あの方は検察官だ!」あの手この手のアタックが始まった。ありったけの接待をする。 検察官と勘違いされた若者フレスタコーフは逆手にとって好き放題のホラを吹き、市長の娘とも結婚の話が整えられ、あれよこれよという間に金も手にいれさっさと町を後にする。そこに本物の監察官が来るという。一同、雷にうたれたように、化石のごとく立ち尽くす。
上演時間 2時間45分予定
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最終更新日 2018/01/22