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2017年に上演した作品


萩咲く頃に2017年1月例会 トム・プロジェクト

萩咲く頃に

作・演出/ふたくちつよし 出演/音無美紀子、大和田漠、西尾友樹、藤澤志帆、森川由樹
1月25日(水)7時   26日(木)1時30分   26日(木)6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)
 
 被災地のみならず、日本中を揺るがした東日本大震災。あの日を境に故郷を奪われ、バラバラになった家族が、もつれた糸をほどきながら、人間らしく生きようとしている家族の物語。新年の幕開けにふさわしい、心が温まる家族劇です。

東日本大震災でばらばらになった家族が再生する物語。  
 3.11の大震災を忘れないためにも、その悲惨さや復興の遅れなどを描くものは沢山あります。しかし、今回描いた作品は、震災が底辺にありながらも前向きに生きる家族の再生を描き一味も二味も違う震災後。「地震をきっかけに良くなった事もきっとあるはずだから、そういうものを描きたかった」と作者の弁。家族の再生と震災復興を重ね合わせた物語。新年の牧空けにふさわしい、心が温まるハートフルな家族劇です。  
 息子は父が好きで尊敬しているが過度の期待でひきこもっています。父はそんな息子を理解できません。4年前に引きこもりから父と喧嘩して大学を中退し家を出た正樹。萩の花が咲くころに、久しぶりに帰省した千秋。大震災から3年半。バラバラだった家族が、もつれた糸をほどいていきます。


3月例会 劇団文化座

旅立つ家族旅立つ家族

原作/金義卿  上演台本/金守珍+佐々木愛  演出/金守珍
出演/佐々木愛、藤原章寛、高橋美沙、有賀ひろみ、ほか
3月21日(火)6時30分   22日(水)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 アングラ演劇を継承する新宿梁山泊の主宰金守珍の演出による、韓国のゴッホと言われている国民的画家、李仲燮(イ・ジュンソプ)の半生を描いた作品。  
 李仲燮は日本に留学しているときに、山本方子と知り合い、彼の故郷ウォンサン(現在の北朝鮮)で結婚、二人の子どもに恵まれるが、朝鮮戦争が勃発。北から逃れた一家は釜山を経て済州島へ。辛酸を極めた生活の中でも、彼は絵を描き続けたが、妻と子どもたちを日本に送り返す。それでも二人の心は手紙を通じて固く結ばれていた…この話は日韓の過酷な時代を生き抜いた愛の物語です。 新宿梁山泊を主宰する金守珍氏の演出による、韓国の国民的画家、李仲燮のエネルギッシュ半生を描いた作品。    
 韓国を、そしてアジアを代表する画家でありながら日本ではほとんど知られていない李仲燮。しかし彼の画業と人生には日韓100年の歴史が深く関わっている。日本占領下の朝鮮北部に生まれ、青春時代に日本で絵を学び、そこで知り合った日本女性と結ばれる。朝鮮半島で結婚し二人の子供を授かるが、やがて朝鮮戦争の動乱のなかで韓国と日本に離れ離れに暮らすことになる。日本にいる妻と子供と暮らすことを夢見ながら、当時2つの国に国交はなく、夢は叶わず失意のうちに心身を病み39歳で夭折した。  
 2014年に初演、新宿梁山泊の金守珍を演出に招き、文化座のイメージを覆す斬新な舞台成果は大好評を博し、知られざる日韓の深い歴史に切り込んだ意義も評価されました。日韓の関係が今、厳しい中、国家を越えた夫婦の愛情とは、芸術と生活とは、考えさせられます。南北朝鮮の分断を象徴化した小道具等々、演出家の「祖国」への思いもみえてきます。
 主人公の李仲燮を演じた、藤原章寛は、『GO』で在日韓国人の若者を演じ好評で、文化庁芸術祭新人賞を受賞。才能を持ちながらも時代に翻弄されていく主人公を、身体全体で演じきっています。また、李仲燮の妻である山本方子さんを、佐々木愛が扮し物語の語り部として重要な役割を担っています。

5月例会 劇団俳優座

フル・サークルーベルリン1945ー

原作/エーリヒ・マリア・レマルク  潤色/ピーター・ストーン 訳・演出/勝田安彦
出演/斉藤深雪、小山力也、島英臣、 中吉卓郎、中寛三、安藤みどり、齋藤隆介、芦田崇、藤田一真
5月29日(月)7時 30日(水)6時30分 31日(木)1時30分
フル・サークルウインクあいち大ホール(名古屋駅前)
 
 陥落寸前のベルリンを舞台にした作品。個としての人間の自由を否定するあらゆる体制と愚劣な戦争への異議申し立てという主題を、極限状況の中で芽生える悲痛なラブスト^リーに絡めて提示。  
 “男は言った。ただ生き延びるより、もっと大事なことがあると。女は言った。生き延びるのが一番大事なことだと”メッセージ性のみならず、娯楽性にも富んだ、硬質なメロドラマです。 限状態の状況下のスリリングな120分。  

 『西部戦線異状なし』『凱旋門』など生涯一貫して反戦を訴え続けたレマルクの唯一の戯曲。  
 息を潜めるようにアパートの1室に住む曰くありげな女・アンナを斉藤深雪、その部屋に逃げ込んでくる政治犯ローデを声優としても活躍している小山力也、そしてローデを追うゲシュタポの大尉を島英臣が演じます。また、地区監視員のクルーナーを中吉卓郎、ユダヤ人の科学者カッツを中寛三のベテラン陣が脇をかためます。  
 尚、潤色のピーター・ストーはシナリオライターとして映画『シャレード』のシナリオにも参加、他の作品でアカデミー脚本賞も受賞していますが、舞台のミュージカルの台本も数多く手がけており『タイタニック』『ミズ−今年最高の女性−』『1776年』で3回もトニー賞を受賞しています。  
 2時間の上演時間の間の緊張感が途切れることがない作品。ドラマチックなサスペンス劇としての、エンターテインメントな芝居の面白さに加え、ナチスドイツの末期に生き抜いていく人々の姿が描かれ、きな臭くなりつるある今の時代の中で、テーマがより身近なものとして受け止められます。  
 小山力也分する、政治犯ローデの台詞の中に「黙っていたのは罪だった、まだ大丈夫だと思っていた」という言葉があえいます。そして、ソ連軍将校の「自由なドイツ人が選んだ指導者がヒトラーだった」という言葉とあわせ、今の時代の流れに対しての警鐘がみえてきます。

7月例会 劇団民藝

蝋燭の灯、太陽の光

蝋燭の灯、太陽の光作/テネシー・ウィリアムズ 訳/吉原豊司 演出/高橋清祐
出演/日色ともゑ、千葉茂則、箕浦康子、吉岡扶敏、桜井明美、ほか
7月18日(火)6時30分   19日(水)1時30分 ・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 テネシー・ウィリアムズが、まだ無名だった頃の若さ溢れる作品。社会の底辺で生きる炭鉱労働者の家族の苦しみと明るい希望の光を、綿密にそしてドラマチックに描きだしています。  

 1936年頃、炭鉱事故で夫を亡くしたファーンは、同じく炭坑夫として細々と生計を立てている夫の家族のもとに、一人息子のルークと共に身を寄せていた。17歳になった息子は母の反対を押し切り、炭坑夫としてもっとも危険な5番抗に入っていった。ファーンの心配は現実のものに。落盤事故が起こり…。  
 日色ともゑが、「女性の強さとたくましい生命力を示した」と読売演劇大賞を受賞しました。 アメリカ演劇を代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが、劇作家として名をなす前、無名時代に書いた『蝋燭の灯、太陽の光』  
 テネシー・ウィリアムズは、出世作となった『ガラスの動物園』(1944年)や『欲望という名の電車』(1947年)など、詩的でメランコリックな作風で知られていますが、『蝋燭の灯、太陽の光』は、劇作家テネシー・ウィリアムズがまだ若く無名な頃に作った戯曲だけに、後年の作品とは異なり、ストーリーもセリフ回しもみずみずしいばかりの直球。社会の底辺で生きる人々の苦しみと明るい希望の光とを、正義感に燃える25歳の若者らしくまっすぐに描いています。   初演から80年が過ぎた今でも観客の心に訴えかける力がある」と高く評価され、日色ともゑが「女性の強さとたくましい生命力を示した」と読売演劇大賞女優賞を受賞しました。  

9月例会 劇団前進座柳橋物語

柳橋物語

原作/山本周五郎 台本/田島栄 演出/十島英明  
出演/今村文美、浜名実貴、ほか
9月7日(木)6時30分 8日(金)1時30分・6時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 山本周五郎の感動の名作、男性中心の劇団というイメージの強かった前進座に、“女優ありき”と知らしめた作品で、』1977年の初演以来、待望の再演です。  
 舞台は江戸下町。主人公のおせんに幸太、庄吉、おもんをからませて、青春の喜びとかなしみ、希望と失意を交錯させます。庶民の生きるための苦しみも悲しみも、喜びも楽しさも、すべてがここにあります。 山本周五郎の感動の名作、前進座での待望の再演。 田島栄・十島英明コンビの代表作。初演は1977年。いまむらいづみの主演で、全国に感動を巻き起こしました。それまで男性中心の劇団というイメージの強かった前進座に“女優ありき”と知らしめた作品でもあります。再演の希望も多く、このたび配役を一新しての登場。  舞台は江戸下町。主人公のおせんに幸太、庄吉、おもんをからませて青春の喜びとかなしみ、希望と失意を交錯させます。周五郎の下積みの人たちを見つめる目の温かさ。夜鷹にやさしさを見いだし、群衆の一人ひとりに呼吸を通わせます。中傷や誤解を嘆きつつ、底に確固とした信頼を秘めます。  
 十島英明の演出は、原作の心を忠実にたどり、けれん味なく愛を謳いました。今回は地震に火事、雷、洪水と仕掛も多いが、それに振り回されることなく、人間への視点を一貫させました。(前回の劇評より)  時代背景は違っても、常にそのテーマは時代を越えて現代にも通じる周五郎作品。“庶民の生きるための苦しみも悲しみも、喜びも楽しさも、すべてがここにある”と言われる『柳橋物語』。です。  前進座の若手を中心にしたアンサンブルが期待されます。
 上演時間 2時間45分予定


 検察官11月例会 劇団東演

検察官

作/ニコライ・ゴーゴリ 訳/佐藤史郎 演出/V.ベリャコーヴィチ
出演/能登剛、南保大樹、豊泉由樹緒、腰越夏水、ユーゴザパト劇場俳優、ほか
11月20日(月)6時30分 21日(火)6時30分 22日(水)1時30分
日本特殊陶業市民会館ビレッジホール(名古屋市民会館中ホール)

 ロシア文学の傑作『検察官』。『どん底』『ハムレット』に続くベリャコーヴィチ演出作品。東演の俳優陣と、豊かな身体表現のロシア人俳優とのコラボレーションが前作にも増して見応えがあり、まさに国境を越えた舞台に仕上がっています。

 わいろや横流しはあたりまえ…、市長以下お役人の常識と庶民の感情の行き違いが巻き起こす大騒動!日本でもたびたび上演されてきた傑作喜劇が、ベリャコーヴィチの手で魔法にかけられたような舞台に変貌します。
 地方官庁の堕落や役人たちの不正を取り締まる検察官が密命を帯びてお忍びで各地を調べまわっているとの情報が市長のもとに入った。行政を当たり前のように私物化している市長以下、教育委員長、判事、郵便局長、病院長、警察署長やお役人たちの面々にとってはまさに青天の霹靂、驚天動地の事態に「えらいことが起きてしまった!」とてんやわんやの大騒ぎ。そこへ「町はずれの安ホテルに、若いお役人がお供とともに宿泊している「とのご注進があった。さあ、さっそく懐柔するために雁首揃えて様子を見にあたふたと駆けつける。「間違いない!あの方は検察官だ!」あの手この手のアタックが始まった。ありったけの接待をする。 検察官と勘違いされた若者フレスタコーフは逆手にとって好き放題のホラを吹き、市長の娘とも結婚の話が整えられ、あれよこれよという間に金も手にいれさっさと町を後にする。そこに本物の監察官が来るという。一同、雷にうたれたように、化石のごとく立ち尽くす。

上演時間 2時間45分予定



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最終更新日 2018/01/22