主人公メカ。ケッツァ−派の擁するイドール。
古の時代のジュノーデで活躍したという伝説的な機体を、
教会に伝わる秘儀書をもとに鍛冶屋が復元した。
全高3.3m、頭頂高3m、重量3t。
 
 
聖灰※と呼ばれる金属質の粉末を胸部の〈聖灰炉〉で燃やし、頭部の〈エーテル球〉に封入されたエーテルを熱する。エーテルの膨張によって生じた圧力をイドールの動力とする☆。
機体各部の以太車にエーテルを送る。半透明な金属でできている。
エーテル圧を受けて回転し、イドールの関節を動かす。関節の動きに連動しているわけではなく、はずみ車のような感じ。
圧力を帯びたエーテルを一時的に蓄え、瞬発力が求められる時に放出する。
操縦者は両手足でこれを操作し、イドールの四肢に空気を送り込む。空気圧の微妙な強弱・緩急によって以太車と関節との連結機構を調節し、イドールの動きを制御する。膝のふいごの扱いは厄介で、イドールの腿の動きに自分の足を同調させ、その上でペダルを操作しなければならない*。
ペリスコープのようなもの。操縦者はこれによって視界を確保している。こちら側から見ると、操縦者の目が逆さに映っているのが見える。
聖書の一節が刻まれている。
 
※聖灰はイエス・キリストが焚き火をした跡の灰であるとされているが、実際には何らかの化合物と思われる。現在ではその製法もしくは採掘地は明らかでなく、教会に聖遺物として保管されていたものが使われる。
☆聖灰機関の燃料には聖灰、圧力媒体にはエーテルしか使えない。聖灰は燃焼すると質量のほぼ全てが熱に変換される特異な物質であり、少量でも膨大な熱量を発生させる。エーテルは吸熱力が極めて強く、聖灰が発した熱のほぼ全てを吸収し、圧力に変換する(従って炉は熱くならない)。この2つが揃ってはじめてイドールを動かすに足るエネルギーが得られるのだ。
*主人公は鍛冶屋が使う「足踏み操作式マジックハンド」の扱いに慣れていたため比較的容易にこの技を会得できた。