オージュマン

 

クリダスターナ

真洲市にある巨大アミューズメント施設。

巨大遊園地クリダスターナの新たな呼び物として期待を集めていたアトラクション『メガハンターH/R(ハイパーリアル)』の全容が公開された──

体感型アーケードゲームのヒット作『メガハンター』は「狩猟ロボット・レーシュマンに乗りメカ巨獣〈メガブーティ〉を狩る(ビームガンで射撃する)」という内容であったが、その第2作『メガハンターハイパー』は、さらなる躍動感・臨場感を味わえる刺激的なゲーム体験を企図し「より人間的なデザインの新型ロボ・オージュマンに乗りメガブーティと格闘戦を演じる」という新機軸を打ち出したものだった。(オージュマン同士で対戦することも可能)

『メガハンター』のゲーム世界をリアルの場に移し替えたアトラクション『メガハンターR(リアル)』で好評を博したクリダスターナは、当然の流れとして『〜ハイパー』のアトラクション化に挑むことになった。その成果が『メガハンターH/R』である。

ゲーム版のオージュマンは、自身に倍する身長の獲物に対し跳躍力を縦横に駆使した立体的な攻撃を繰り出す。この大胆にして華麗な空中殺法が『〜ハイパー』の最大の魅力となっている。

アトラクション化にあたっての最大の難関は、重力の存在を無視するかのようなこの現実離れしたアクション(長い滞空時間、空中での方向転換など)をいかにして実物のロボットで再現するかという点だった。(同様に、機体が攻撃を受けた際の派手なリアクション(後方に吹っ飛ぶなど)も不可欠である)

そこで考案されたのが、地面まで届く長い翼を背中から生やし、滞空時はそれで機体を支えるという方法である。翼の先端部はメタマテリアルでコーティングされ、周囲の特殊な照明と合わせて極力目立たないようにされている。

参加者に多少の大人の対応(見て見ぬふり)を要求するものではあったが、こうして「宙に浮くロボット」が可能となった。

機体を肩からつるす構造のため、このアトラクション版オージュマンは元デザイン(ゲーム版)と比べていかつい印象になっている。しかし最大の外見上の違いは、元デザインには翼がないということである。

曲がりなりにも眼前の実在となったオージュマンとその空中殺法。それを目にした者は少なからず夢想するだろう──以前から現実世界に存在している武術ロボット、すなわち格闘スポーツ用パワークと対決したらどちらが強いだろうか──と。だがそれを口にするのは野暮というもの。オージュマンの攻撃技を浴びた〈メガブーティ〉(を模したメカトロニクス、または立体CG)が激しい衝撃を受けたかのような反応を見せるのは、プログラムに従ってそのように振る舞っているだけであり、実際にはほとんど威力はないのだ。

■バリエーション

いずれも上述のアトラクション用機のカラーバリエーションである。