ファーマカム

火山口の地質調査のために開発されたメカ。

高熱と猛毒ガスが渦巻く火山口内部の探索にはこれまで無人メカが使われてきたが、より詳細なデータを得るため有人機の投入が求められるようになった。エレクトラムをベースとした有人調査メカの研究が進められたものの、搭乗者の安全を保つための設備(密閉コクピットとそれを囲む冷却装置)によって機体が肥大し、活動に支障を来すおそれがあるとされた。そのため、コクピット空間をいかに切り詰めるかが開発の焦点となった。

こうした経緯を経て完成を見たのがファーマカムである。

コクピットのカプセルは人体ギリギリのサイズしかなく、しかも内部は断熱性のゲルで満たされていて、搭乗者はまったく身動きできない。その状態で搭乗者は脳を機体のコンピューターと同調させ、あたかもメカに乗り移ったかのような身体感覚を得る。これにより機体の手足を我が身のごとく操ることができ、不自由さを感じないのだ。