ORP電位
[mV]
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代表的な水
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+1100
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電解水、酸性水と呼ばれている水。酸性水と呼ばれていますが、その本分は酸化力です。+1100mVではそれに触れた有機物はたちどころに酸化分解されてしまいます。相手が生物の場合、細胞膜が破壊されるため殺菌されます。細菌、芽包を持つ細菌、結核菌、ウイルスの殺菌に有効です。
ただ、有機物に触れてしまえば、酸化力が(殺菌力も)瞬時に失われてしまいます。アトピーに効くといわれていますが、アトピーの悪化要因である黄色ブドウ球菌への殺菌能を指していると思われます。皮膚は有機物の量としてはブドウ球菌の比ではありませんので、その酸化力の消費差で皮膚傷害が無いとされています。ただし、これは健常皮膚の話で炎症を起こしている皮膚や粘膜に対しての安全性は不明です。
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+500〜
+750
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塩素で消毒された水道水などです。H2O+Cl2→HCl+HClO(次亜塩素酸) この次亜塩素酸の酸化力で滅菌までいきませんが、細菌を腸管感染を起こす量より少なくします。ただ、原虫であるクリプトスポリジウムなどは殺せませんので、免疫力の弱い人は煮沸などを加えた方がより安全です。
また、源水に有機物が多いとトリハロメタンなどの発ガン性が疑われる物質が生じてしまう恐れがあります。諸外国ではオゾンなどトリハロメタンを生じない消毒法を用いているところもありますが、コストが高くなってしまいます。
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+400〜
+500
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よく、曝気された水槽のORPです。浮遊有機物が少なく、生じてもすぐ酸化される状態です。亜硝酸菌は活動できますが、硝化細菌はこのレベルでは休眠するか、もう少しORPが低いところで硝化反応を営みます。
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+100〜
+200
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川などの流れがあって酸素が溶け込んでいる、自然淡水のORPです。ただ、場所や有機物の量ではORPは低くなります。
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−50〜
−200
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硝酸還元が行われるORPです。ライブロックの多孔質の中やライブサンドの厚さ3cm付近で有機物の酸化が硝酸中の酸素を利用して行われ、窒素はN2またはN2Oとして気化して行きます。(反硝化)
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−200
以下
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硫酸還元が行われ始めます。硫酸イオン中の酸素がここまで達した有機炭素化合物の酸化に使われ、イオウは還元され硫化水素となります。砂などが黒く変化するので硫化水素の発生が分かります。ただ、硫化水素はより上部の硝酸還元域に登ったとき、硝化反応を助けて、再び硫酸イオンに戻るので、少量の硫化水素は必ずしも有害ではありません。
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