手足口病の流行中に,急性脳炎で急死した例が,マレーシア(1997年)・台湾(1998年)などで見られました.
日本でも1997年に、死亡例,重篤な神経症状を合併した例が日本感染症学会,日本小児科学会,日本小児神経学会で報告されています.
国立感染症研究所ではそれらのウイルスの分析をおこなっていますが(Jpn J Inf Dis 52:12-15, 1999),新型のウイルスによるものかどうかの詳細な解明にはいたっていません.
手足口病は,回復した後もウイルスは長期にわたって糞便中に排泄されるので、急性期のみの登校・登園停止による流行阻止効果は疑問です.
手足口病の大部分は軽症の病気であり,ごくまれな髄膜炎・脳炎などの合併症について注意すれば,全体として問題は少なく,全身状態の良好な患児にあえて登校・登園停止をする意義はありません.
ただし,うんちに対する注意と手洗いの励行は感染予防として必要なことです.
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