風邪にしては病状の重い様子があり,38.5℃以上の熱がでて,しつこい咳(細菌性肺炎に比べると,細気管支での炎症がつよいため, 咳が著しいのが特徴)が伴うときには,マイコプラズマ感染症を疑う必要があります.風邪のような症状でおこる病気のうち見逃してはいけないものの1つです.
以前には,4年ごとの流行周期からオリンピック病などともいわれましたが,このところは,かならずしもそうともいえず, 秋ごろから冬にかけて毎年のように流行するようです. 風邪として治療を受けておられても,なかなかよくならず, セフェム系抗生物質(セフゾンやバナンなど)の処方が追加されても解熱せず,当院に受診され, 診察させていただいたところ実はマイコプラズマ肺炎であったという症例が数例続いてありました.
治療をする側からも注意が必要です. 伝染力が強く,家族内はもとより,学校や職場で集団発生することがあり,このような面でも注意が必要です.