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風邪のときに注意してほしいこと
温度・湿度のコントロール
かぜのウイルスは高温・多湿に弱いのです. だからかぜは寒くて乾燥した冬にはやります. 室内の温度を20〜23℃にし,湿度も上げてください.  できれば加湿器を使用して40%以上の湿度を保つのが目標です. 風邪の予防・回復のためには,部屋の湿度・温度を適切に管理する方が,薬を飲むよりも有効で,費用もあまりかかりません.
うがい
うがいは,ウイルスの侵入阻止に役立ち,その後の細菌感染(2次感染)の予防にもなります.  イソジン(市販のもので結構)のうがいは,予防的な抗生剤を使うより安上がりで,何より副作用がありません.  イソジンの濃度は低くてもかまいませんが,うがいの回数は多ければ多いほど有効です.
禁煙
タバコは風邪には厳禁です.タバコに含まれるさまざまな有害物質が気管支の繊毛上皮を痛めつけウイルスや細菌の進入を許してしまいます.  その上,のどや気管支の上皮の修復をあきらかに阻害します. 喫煙者の風邪が長びくのはこのためです.  まず禁煙です. 風邪をひいたついでに,本格的な禁煙のきっかけとするのが得策です.  また風邪をひいているこどもに,間接喫煙でタバコの煙をすわせることは,なんとしてでも避けてください.  タバコをすった部屋には,5時間以上有害物質が浮遊していると言われています. 
治療はどうしよう?風邪のQ&A
風邪薬をはやく飲めば,はやく治るのでしょうか?
よくテレビで宣伝しているように,風邪ぐすりを”早めに飲む”と,はやく治るのでしょうか? 残念ながら,いくらはやく総合感冒薬を飲んだとしてもやはり風邪は,風邪としての自然経過をとるか, ないしはかえって悪化すると考えた方がよいと思います. 特にインフルエンザであった場合には, 市販の風邪ぐすりを安易に飲むと悪化させる可能性が高いようです.  せき,鼻汁,熱などの風邪の症状は,ウイルス排除のための合目的的な生体反応で,ある意味では病気が治るための大切なプロセスです.  しかしこの反応が過剰となり体力がついていけなくなることは困ります. このような時に少量の抗ヒスタミン剤や鎮咳剤を使うことは意味があることです.  熱に対してもアセトアミノフェンなどのかるい解熱剤を飲むことは許容でき,有効でもあると思います.  つまり症状がでてきて耐えられないならば,それを上手にコントロールするという考えでよいと思います.
風邪をひいたらすぐに病院へ行くべきでしょうか?
二次感染(細菌感染)の徴候を見逃さないため,また風邪のような症状で発症する風邪以外の重い病気を見逃さないために, 医師の診察をうけることは意味があると思います. しかし診断の結果,本当に単純な風邪であれば,その風邪ををなおすために医師にできることは そんなに多くはありません. ”はやめに医者に行って,注射を打ってもらうと風邪が治る”というようなことは残念ながら,ありえません. 
風邪に対する本当の意味での良いくすりはありませんし,ましてや注射は無効ないしは有害です.
お風呂にはいっていいのでしょうか?
風邪のときには汗もかき,不快です. さっと汗を流せば,気分転換にもなります. 著しい高熱のときには,入浴はひかえるべきですが, 元気があり微熱程度であれば,むしろのどの炎症に対しては湿度のある湯気を吸引することは良いことです.  わたしは,軽い風邪の時の入浴には賛成です. ただし体力の消耗をふせぐために長湯はさけてください. また部屋を暖かくして,湯冷めしないうちに早く寝てください.

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