夢のささやき
2003年も始まりました。今月の三谷さんのささやき是非お楽しみください。
2003年1月のある日のささやき
皆さ〜ん 2003年です。早いもので・・・つい、この間「21世紀だ!」と
世界中がお祭り騒ぎだったのに。もう3年に入るなんて・・・
驚いちゃいますね。(何に驚いているのかわかんないけど) 平成も15年です。
小渕さんが色紙に(違ったかな?)新しい年号は「平成」です。と言って発表した時は
「なんか?変なの?」と思ったのに・・・今は、すっかり慣れちゃいました。

去年の「リボンの騎士」の時。子役の子に「何年生まれ?」と聞いたら・・・
「あたし元年!」「えっ!?」「中学1年で〜す」  なんと!!平成生まれが中学生ですよ。
驚いちゃいました。(だから?何に驚いてんだョ〜)  いえ、ですからね・・・
時の経つのは早いものだな〜と。(ちょっとジジくさい!) 
♪時の過ぎ行くままに、この身をまかせ・・・♪(歌える人はちょっとアダルト)
まかせっきりにしていたら、世の中どんどん変わって行っちゃいます。
そりゃ追いつけないくらい、どんどん×13

さて、そこでです。今回のささやきのテーマ 
「世の中変わっていいものといけないものがあるだろう」
ふ〜〜。。。やっと!ここまで辿り着きました。(笑)
テーマを言うのに、こんなに長い前置きが必要なのか?
こういう文章の書き方もそろそろ変わってもいいんじゃ〜ないの!?(ごめんなさい)  
いえね。世の中、技術の進歩に伴なって便利になるのは結構な事です。
駅の改札口で、おじさんが切符切りのハサミを持ってパチンパチン切っていたあの頃。
確かに「大変だろうな〜指にタコができてらぁ〜」と思ったものです。でもですよ。
その駅員さんが通り過ぎるお客さんに「おはようございます」「おかえりなさい」と
声をかけていたものです。そして、その言葉に人と人との温もりを感じたのも事実です。
(ちょっと浪花節入っています。) それが今や・・・こっちからピュッと入れると向こうでは
「早く取れ〜」と言わんばかりにパッと出て待ってるんですもの。確かに便利です。
おじさんの手からタコは行方不明です。若い駅員さんは、たぶん?あのハサミを
持った事もないでしょう。人件費も安くて済むでしょう。この事自体は喜ばしい事です。
でも、それと引き換えに、あの温もりは何処へ行ってしまったのでしょうか。
そりゃ駅員さんと私とは他人です。何の利害関係もありゃしません。
改札口で「おはようございます」って言ってくれないからって、別に損をするわけじゃ
ありません。「ねぇ〜言ってよ〜」って駄々をこねたりもいたしません。
でも、というか・・・他人同士だからこそ。そんな、ちょっとした関わりが暖かかったんですよ。
長々と「駅の改札口における自動化とそのことによって消滅せる心の交流」について
述べてまいりましたが・・・(いや〜語ったね〜本当は浪花節好きなんでしょう?)
別に改札口のことだけ言っているのではござんせん。(君?どこのひと?)
前にも言いましたが・・・技術の進歩に伴って便利になることは喜ばしい事です。
でも、その「便利」と引き換えに何か大切なものを忘れていませんか?
どんなに技術が進歩しても、その道具を使っているのは人間です。
その人間に人間らしさがなくなったら、何のための進歩だって言うんだ??
ベランメー!スットコドッコイ!! (今度は江戸ッ子かい?)

携帯メールもいいけれど、たまには人の目を見ながら話しようよ。
女の子達!少年よ!  人ガ人と関わりあえなくなってきた気がします。
いや?違う。関わり合わなくなったのです。
時代はIT(インフォメーションテクノロジーって言うのかな)産業花盛り。
でも思い出してみませんか?横丁のおばさんたちの井戸端会議。
銭湯の番台のおじちゃんが話してくれた近所の噂。話の内容はどうでもいいんです。
ちゃんと人と向き合っていれば。そこに人間らしさがあると思うのですが・・・

さて・・・どうして今回。
このような事を書かせてもらったかと言うと・・・(あれ?ちょっと真面目な感じですね)

実は4月に知り合いと自主公演をやる事になりまして、その内容が前述した事と非常に
関係しているからなのです。とは言っても・・・駅員さんが出てくる訳でもなく、
浪花節が好きなおじさんも横丁のおばちゃんも出てきません。
所はニューヨーク・セントラルパークの中。ベンチがひとつあるだけです。
ニューヨーク・・・あっ!それって入浴にひっかけて、やっぱり銭湯は出てくるんだな?
と不可読みされる方・・・大間違いです。(笑)
登場人物は男が2人だけ・・・一人は出版会社に勤める、けっこうなニューヨーカー。
もう一人は、ボロアパートに住む定職を持たない、ちょっと危ない感じの男。
この男・・・他人と接する事が出来なくって、せめて大家の犬と交流しようと
試みたんですが・・・
2人の男の会話劇です。ただただ全編男2人だけです。歌もダンスもありません。
この生活順応者と生活敗残者が公園で出会い。
そして思わぬ結末へと物語は進行していきます。
1958年に書かれた。この『動物園物語』という不条理劇は、
作者エドワード・オールビーの名を一躍世界に知らしめてしまいました。
今から40年以上も前の作品ですが、そのテーマは全く現代に通じるものです。
ある評論家の言葉を借りるならば・・・
【愛を持ってしても、憎しみを持ってしても、もはや心の接触を保ち得ない
現代社会のうつろな人間関係】を描いている作品です。 
要するに・・・ちゃんと人間として相手を見て話をしようよ。って事なんです。 
というわけで・・・今回のささやきは次の芝居の宣伝を兼ねていた訳です。(笑)

4月3日(木)〜4月6日(日) 東京・両国のシアターX(シアターカイ)です。
とにかく!自主公演なので・・・
たくさんのお客さんが来てくれないと大変な事になっちゃいます。
どうか・・・みなさま!よろしくお願いします。

PS マンボウに来て頂いている、お客様には・・・
この4月公演 『動物園物語』のチケットを先行・割引にて購入して頂ける様に
しました。曜日・時間によっては会場の都合上チケットの残数が少なくなる事も
考えられます。(そうなるとうれしいのですが・・・がんばります。)
4月と言う新年度・新学期とお忙しい時期ではございますが・・・
マンボウ先行予約をご利用頂きチケットの御購入お待ちしています。
そして!そして!劇場にてお待ちしております。
詳しいお申し込み方法は・・・NEWS NEWS(最新情報のページ)を御覧下さいね。
よろしくおねがいしま〜す。


では!今回はこのへんで・・・バイバイ。



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2003年2月のある日のささやき
「ピーターとジェリーの周辺について」

前回の、ささやきで【前置きしないとテーマを書けない書き方を】
今回は、改めました。(笑)

ズバリ!!!ピーターとジェリーについて!
動物園物語の登場人物を御案内したいと思います。
去年の秋から台本検討に入り・・・打ち合わせを重ね・・・色々な問題が噴出する中。
一応の稽古台本が出来上がりました。
もちろん、実際の立ち稽古に入って、また改良される所は多々あると思いますが・・・
そうして出来上がった台本を前に、改めてピーターとジェリーについて考えて見たいと思います。
当たり前の事ですが、これを読む皆さんは動物園物語の台本を御存知ありません。
それなのに僕がピーターとジェリーについて書いてみた所で、ちんぷんかんぷん???で
わからないと・・・お思いになるかもしれませんね?
でも、大丈夫です!。
なぜなら、この動物園物語に登場するピーターとジェリーは・・・
自分であり。あの人であるからです。
では、はじめましょう。

☆ あなたは生活費を稼ぐ手段を持っていますか?

<ピーター>  はい。小さいながらも出版社で重役をしています。

<ジェリー>  そりゃあ〜食うために色々やっているけど・・・ 
        家には請求書がいっぱいあるよ。

☆御家族は?

<ピーター>  女房と娘が2人。あとインコが2羽。

<ジェリー>   いない。 10歳の時に母親は、アル中で。父親はバスに飛び込んで
         死んじまった。

☆お住まいは?

<ピーター>   レキシントンと3番街の間です。74丁目の・・・

<ジェリー>   アッパーウエストサイド。そこにある4階建ての下宿屋。
         壁なんてベニヤでできてるよ。

☆正直に答えてください。あなたはホモですか?

<ピーター>   やめてください!いたって!まともですよ。
          ちゃんと結婚もして子供も2人もいるって言ってるじゃあないですか。

<ジェリー>   今は、女の子も好きだよ。
         でも、子供の頃は1つ年上のホモ友達がいたよ。

☆あなたは社会人として何点ぐらいですか?

<ピーター>   80点くらいかな? そりゃ完璧な善人じゃあないけど。
          ちゃんと税金も納めてるし。警察のお世話になったこともないですよ。

<ジェリー>   くだらないね。
         そんな質問バカバカしい。

☆お友達は何人ぐらい・・・いますか?

<ピーター>   そうですねぇ・・・ 会社の同僚や近所の住人なんかで、よく会うのは
         40人ぐらいかな?もちろん、昔のクラスメートとか・・・
         めったに会わなくても手紙のやり取りしている人も入れたら200人ぐらいは・・・
         いると思います。

<ジェリー>   200人ぐらいは、いると思いますよ。
         友達かぁ、知り合いってのなら。10人ぐらいは、いるよ。
         たまに行くバーガー屋のおやじだって知り合いさ。
         下宿屋のおばさんだって知り合いさ。みんな知り合い。
         あんたの言う友達って・・・何なの?

☆人を殺したいと思った事はありますか?

<ピーター>   突然なんですか!そんな質問。
          そりゃ腹のたつ事だってありますよ。会社に行ってりゃ・・・
          うまくいく事ばっかりじゃないですし。殴ってやりたい!と
          思う時だってあります。でも・・・殺そうだなんて・・・。
          理性で、そんな罪を犯さないようにするのが大人でしょう。
          さっき言っていた社会人としてのモラルですよ
          そのためにも!人とは、いつもうまくやっていくよう心がけていますから。

<ジェリー>   山ほどあるよ。 世の中殺してやりたい奴ばっかりだ!
         幸運にも、と言うか不幸にも。まだ殺した事は、ないけどね。

☆あなたにとって一番大切なものは?

<ピーター>   仕事と家庭。 これは間違いないです。
          どっちか、ひとつと言われても・・・これは切り離しては考えられないです。
          家庭を守るためには仕事が絶対必要だし。
          いい仕事をするためには家庭の存在は無視できませんからね。

<ジェリー>   ・・・・・・・・・。   命・・・かな?。 なんてね。・・・

☆自分は正直な人間だと思いますか?

<ピーター>   ・・・・・・・・・。時には嘘もつかなきゃならない事だってあるんじゃないですか。  
          だから・・・真っ正直な人間かと言われれば、ちょっと困っちゃいますけど。
          人に迷惑はかけていないつもりです。世の中、嘘だけじゃなくて、
          見て見ないふりをしなきゃ〜やっていけない時だってあるでしょ。
          そんな、あなたの言うように正直に自分に全部正直に生きてなんて
          いけるわけないじゃないですか。もうやめましょう!こんな質問。

☆ いや・・・そんな、つもりでいったんじゃないんですか・・・すみませんでした。

<ジェリー>   おいおい。熱くなるなよ!おっさん!。
         いいじゃないか。自分に嘘はつけないもんな。

☆では最後にひとつだけ。これで本当に最後ですから・・・
 真の意味で理解したり理解されたり出来る人がいますか?

<ピーター>   ・・・・・・・・・・・。

<ジェリー>    ピーターさん。
          あんたとなら出来そうだよ。

<ピーター>   やめてくれ!君の事を知りたいとも、そんな必要も感じない!。

<ジェリー>   それは、どうかな。 まっ・・・ゆっくり話そうよ。

<ピーター>   ・・・・・・・・・。

<ジェリー>   動物園に行ってきた。 動物園に行ってきたって言ってるんだ!

<ピーター>   えっ? 何ですって?

<ジェリー>   動物園に行って、そこからここまで歩いてきたんだ。
         北に向かって歩いてきたのかな?

<ピーター>   北? え〜と。。。

<ジェリー>   そうだよ。 富める人たちがいっぱいいる北だよ。
         何にも考えないで、うまく世の中を生きている奴がいる北だよ。

<ピーター>   ・・・・・・・・・?。

☆ もう終わりです。 あとは4月にやってください!!

以上のような事は、台本にはありません。
僕の創作です。 もちろん事実としての住所とか家族の事とかは出てきますけど。

今回の、ささやきは・・・これでおしまい。
なんだか、いつもと違うものになってしまいましたが・・・
今、他のネタを考える気になれなくて。。。。。。
これは、僕の『正直』な気持ちです。
大勢の方の御来場をお待ちしております。
ふぅ〜。『ささやき』が『大声』になっています。
観に来てね!。  
            
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