仮設住宅は民間輸送で           N
 政府はトルコ大地震の被災地に阪神大震災で使われた仮設住宅を輸送するために、海上自衛隊の輸送艦を派遣することを決めたという。仮設住宅がトルコの人々に役立つことはうれしい。しかしその輸送に自衛隊の輸送艦を使うことは問題だ。 輸送艦として「おおすみ」などを使うという。おおすみは、空母並の広い甲板と米海軍が強襲上陸作戦に使うものと同じLCAC2隻を搭載している。LCAC(エアークッション型上陸用船艇)は、敵国に海から侵入する揚陸作戦に用いられる。「おおすみとLCACは米軍との共同作戦が可能な艦艇」と言われている。
 仮設住宅という民用物を運ぶには、民間の輸送船をチャーターすればいい。あえて、海上自衛隊の艦船をはるか中近東まで派遣する意図は何か?それは、自衛隊の「活動」範囲が、日本国内から海外まで広がることを「当然」と思うような国民意識を作るためだ。そのため、トルコへの仮設住宅の輸送が利用されている。
 今回の自衛隊派遣を認めれば、中近東で紛争が起こり、米軍が軍隊を展開すれば、周辺事態法に基づき自衛隊は「補給」という名目で、中近東まで艦隊を連ねて出航していくだろう。
 仮設住宅の輸送は民間の輸送船で行え。
 
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