: 14
内藤礼「このことを」
この作品の鑑賞者は必ず一人で家に入り、15分という時間を中で過ごす。まず入ると、サイズの大きなものがいくつか目に入る。ぼんやりと見回していると、にわかに、すぐ目前にガラスや針金で作られた小さなものがつぎつぎ現れる(見えてくる)。最初は全然見えなかった、だからまるで「現れた」かのような驚き。目を凝らすと奥の方にも何かある。でも小さいので形はわからない。あるのかもしれないし、ないのかもしれない。驚くほど小さくて微かなもの。建物内には電灯はなく、四方の壁の下にぐるりと明り取りのすき間があいているだけ、でもずいぶん明るく感じられる。
|