山口村には何種類の野生植物が生育しているが。植物の種類は大別して茎・葉・根に、水分や養分を供給する通路となる維管束をもっている維管束植物と、それのない茸類・地衣類・蘇苔類などのような下等なものとに分けられるが、ここでは維管束植物のみについて述べる。
維管束植物は花を開き種子をつくって殖える顕花植物(種子植物ともいう)と、胞子で殖える陰花値物(シダ植物)とに分けられ、この両者を高等植物としている(この中ではシダ植物の方が下等である)。種子植物はまたマツ・ヒノキなどのように胚珠(後に種子となる)が心皮に包まれずに露出している裸子植物と、胚珠が心皮に包まれている被子植物とに分けられ、被子植物は更に子葉(発芽する時最初に出る葉)が一枚の単子葉植物と、二枚の双子葉植物とに分けられる。この後者は更に花弁が一枚ごとに離れている離弁花類と、全部が合着している合弁花類とに分けられる。
なお植物の各種は、花色の変化とか、枝が垂れ下がるとかの小さな変異によって、これを品種に分け、この変異が二重三重と重なる場合は変種として扱い、各種の間の交雑によって生まれたものは雑種(間種〉として認められる。
以上の分け方によって本村に野生している植物の種類数を示すと次表のように1073種、35変種、21品種、5雑種の計 1134種類となる。小面積の本村におけるこの数は驚くべき多数であるが、これは、この村が援帯植物と温帯植物、面方の分布域にまたがっているからであろう。
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